Volume 29(2024)
1. 最近の研究から/FROM LATEST RESEARCH
ウィーン大学 Department of Inorganic Chemistry, Faculty of Chemistry, University of Vienna
- Abstract
- 結晶回折測定で決定される3次元分子構造は通常原子座標として表現される。X線回折には本質的に試料の電子分布情報が含まれるが、価電子構造を実験的に特徴づけるには、原子分解能を超える高い測定・解析精度が要求される。測定試料から良質な回折像が得られるのであれば、タンパク質のような高分子中でも電子分布を実験的に特徴づけることができる。一方、低分子化合物であっても、小さな結晶しか得られず原子座標決定さえ困難が伴うケースは頻発する。このような高難度試料から最大限に構造情報を引き出すためには、放射光を含め線源・線種を適切に活用することが期待される。
著者らは最近、電子顕微鏡とX線自由電子レーザーをそれぞれ利用した微小結晶構造解析を行い、2つの手法によって有機化合物構造がどのように可視化されるか検証した。水素原子の可視化位置や原子電荷への感度はそれぞれの散乱特性が特徴的に反映される。サブ原子分解能の描像を得たことで、これらの差異を実験的に区別することができた。本稿は量子ビームを利用した、高難度試料の精密構造情報へアクセス可能にする取り組みを紹介する。
京都大学 化学研究所 Institute for Chemical Research, Kyoto University
- Abstract
- ナノ空間に存在する化学種にはバルクでは見られない特異な性質が観測されることがあり、ナノ空間に閉じ込められた化学種の機能や役割について近年注目されている。ナノ細孔内の事象を分子レベルで解明することは真に機能する次世代多孔質材料の開発のみならず吸着分子の有効利用に繋がると期待されるが、煩雑なナノ細孔内部の現象を調べるのは通常困難である。我々は内径約3.8 Åの0次元空間をもつフラーレンに着目し、その内部に閉じ込めた化学種の物理物性やそのふるまい、化学反応性について研究を進めている。本稿では、フラーレンに包接された単一の二酸化炭素分子について、放射光分光に加えて単結晶X線結晶構造解析、理論化学計算を組み合わせることでナノ閉じ込め効果について検証した最近の成果について紹介する。
神奈川県立産業技術総合研究所 次世代半導体用エコマテリアルグループ Eco-materials for next-generation semiconductors group, Kanagawa Institute of Industrial Science and Technology
- Abstract
- 近年、熱膨張を制御する技術として負熱膨張物質が広く研究されている。本研究では圧力下で不連続な巨大体積減少が起こる物質に着目し、放射光を活用した結晶構造・電子状態・ドメイン変化といった多角的な視点から負熱膨張物性の評価を行った。このようなミクロスケールからマクロスケールまでの多角的な視点からの負熱膨張物性の評価はメカニズムの理解のみならず材料設計にも有効であると示した。
[1]東京大学 先端科学技術研究センター Research center for advanced science and technology, The university of Tokyo、[2](国)理化学研究所 放射光科学研究センター RIKEN, SPring-8 Center、[3]東京大学 物性研究所 The Institute for solid state physics, The university of Tokyo
- Abstract
- 水の窓軟X線顕微鏡は、水と炭素の吸収コントラストにより細胞を高コントラストにラベルフリー観察できる。しかし、その生細胞への応用は、細胞への放射線障害の問題により制限されてきた。我々は、放射線による細胞障害を無視できる、フェムト秒パルスによるシングルショット撮像が可能な、軟X線自由電子レーザーによる軟X線顕微鏡を開発した。さらに、照明・結像光学系に大視野かつ長作動距離、軟X線自由電子レーザーの照射に耐えるウォルターミラーを利用することで、培養液中の生きた哺乳類細胞の観察を可能とした。観察された生細胞像は、化学固定細胞とは大きく異なる構造を示していた。
[1](国)理化学研究所 創発物性科学研究センター 物質評価支援チーム Materials Characterization Support Team, RIKEN Center for Emergent Matter Science、[2](国)理化学研究所 環境資源科学研究センター 生体機能触媒研究チーム Biofunctional Catalyst Research Team, RIKEN Center for Sustainable Resource Science、[3]東京工業大学 地球生命研究所 Earth-Life Science Institute, Tokyo Institute of Technology、[4](国)理化学研究所 放射光科学研究センター 軟X線分光利用システム開発チーム Soft X-Ray Spectroscopy Instrumentation Team, RIKEN SPring-8 Center、[5](公財)高輝度光科学研究センター 放射光利用研究基盤センター 産業利用・産学連携推進室 Industrial Application and Partnership Division, Center for Synchrotron Radiation Research, JASRI、[6](公財)高輝度光科学研究センター 放射光利用研究基盤センター 分光推進室 Spectroscopy Division, Center for Synchrotron Radiation Research, JASRI、[7](公財)高輝度光科学研究センター 研究プロジェクト推進室 Research Project Division, JASRI、[8]電気通信大学 燃料電池・水素イノベーション研究センター Innovation Reserch Center for Fuel Cells, The University of Electro-Communications
- Abstract
- 世界的なSDGsの潮流の中で、再生エネルギーを用いた水の電気分解によるグリーン水素製造が注目されている。中でも、プロトン交換膜(PEM)水電解は電圧応答性が高く、再生可能エネルギーによるグリーン水素製造に適した技術として注目されている。しかし、PEM水電解の陽極触媒には非常に高価で埋蔵量の少ないイリジウムが用いられており、その使用量の削減が喫緊の課題となっている。我々はマンガン酸化物系触媒に取り組んできており、今回イリジウムを二酸化マンガンに原子状に分散させた酸素発生触媒を開発した。本触媒は、イリジウムの使用量を従来の触媒よりも95%以上削減しているにもかかわらず、高い活性と安定性を維持した。我々はSPring-8を活用し、本触媒の多角的な解析を行った。X線吸収分光(XAFS)およびX線光電子分光(XPS)により、本触媒中のイリジウムは+6価の高酸化状態となっており、これが本触媒の優れた活性・安定性の起源であることを明らかにした。
[1]東北大学 理学研究科 Graduate School of Science, Tohoku University、[2]立命館大学 総合科学技術研究機構 Research Organization of Science and Technology, Ritumeikan University、[3](公財)高輝度光科学研究センター 散乱・イメージング推進室 Research and Utilization Division, JASRI
- Abstract
- 本長期課題では先行長期課題を引き継いで小惑星探査機はやぶさ2が持ち帰った小惑星リュウグウサンプルの放射光X線CT分析を実施した。空間分解能の異なるCTシステムを組み合わせてサンプル分析を実施することでリュウグウサンプルの岩石鉱物学的特徴をマルチスケールで明らかにすると共に、リュウグウ母天体内で起こった水質変成プロセス(水–岩石化学反応による二次鉱物の生成プロセス)や宇宙塵衝突による小惑星リュウグウ表面物質の変化のプロセスを詳細に明らかにした。また本課題のX線CT分析はリュウグウサンプルの初期分析および後発の国際公募分析課題において一連のサンプル分析の序盤に実施され、後続の顕微分析を補助する役割を担い成果の創出に貢献した。
大阪大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 固体物理化学領域 Division of Applied Chemistry, Graduate School of Engineering, Osaka University
- Abstract
- 本研究は、数十年に渡り酢酸ビニルモノマー合成の工業触媒として使用されている、KOAc添加Pd–Au/SiO2触媒(Pd/Au = 4)において、PdにAuおよびKOAcを添加すると活性・選択性が飛躍的に向上する要因を解明することを目的とした。XRDおよびXAFS測定を軸とし、反応前後における触媒の構造解析を徹底的に行うことで(1)反応中に炭素原子がPd–Au合金ナノ粒子の格子間隙に自発的に取り込まれること、(2)KOAc添加により取り込まれる炭素原子が増加することを初めて見出した。さらに、速度論的検討および理論計算を行うことで高い活性・選択性の発現に対するAuおよび格子間炭素の役割を明らかとすることに成功した。
徳島大学 大学院社会産業理工学研究部 理工学域応用化学系 Department of Applied Chemistry, Tokushima University
- Abstract
- 赤外放射光の利用研究では、放射光の高輝度性に起因する高い空間分解能や指向性を活用した、赤外顕微分光やマッピング、あるいは高圧発生セルや超伝導磁石など制限された試料環境での実験が行われている。ここでは、数万気圧の高圧力下の試料に対する赤外分光研究の最近の例として、励起子絶縁体候補物質であるTa2NiSe5の研究結果を紹介する。
[1]国立研究開発法人国立循環器病研究センター 心臓生理機能部 Department of Cardiac Physiology, National Cerebral and Cardiovascular Center、[2]日本医科大学 医学部 生理学 Department of Bioregulatory Science, Nippon Medical School、[3](公財)高輝度光科学研究センター 放射光利用研究基盤センター 散乱・イメージング推進室 Research and Utilization Division, Center for Synchrotron Radiation Research, JASRI
- Abstract
- 近年、冠動脈循環の大半を占める微小冠循環障害が注目されている。高齢化に伴う心不全患者の増加の裏には微小冠循環障害が潜んでおり、その対策は急務である。微小冠動脈は単離や顕微鏡下でのin vivo観察も困難であり、微小冠循環障害の病態解明は進んでいない。我々は微小冠動脈機能解析を目指し、in vivo放射光X線微小血管イメージング法を開発した。放射光X線を利用することで非常に高い時間・空間分解能、エネルギー分解能が得られ、ラットやマウスの高速に拍動する心臓においても、心臓表面の太い冠動脈から内径20-30 µmの微小冠動脈までを同一視野で観察することが可能となった。現在、様々な生活習慣病モデル動物における冠動脈拡張機能を解析し、微小冠動脈障害の病態解明、心不全との因果関係の解明、そして微小血管機能解析法の更なる発展を目指している。
東京大学 大学院農学生命科学研究科 Department of Biotechnology, The University of Tokyo
- Abstract
- シャペロニンは細胞内のタンパク質の恒常性に重要な役割を果たすタンパク質複合体である。大腸菌のシャペロニンGroELの構造と機能はよく研究されているが、蓋状分子GroESの結合とATP加水分解による大きな構造変化などの理由で、シャペロニン複合体の構造解析には制約があり、複合体形成段階およびその動きに関する理解は限られている。本研究では、クライオ電子顕微鏡により、ATPおよびAMP-PNP存在下で、2種類の好熱性水素酸化細菌由来のシャペロニン複合体の立体構造を解析した。高分解能のフットボール型複合体の構造に加えて、今まで報告されていなかった非対称フットボール型複合体も捕捉することに成功した。それらの構造をもとに、弾丸型複合体からフットボール型複合体への移行における重要なステップであるtrans-GroESの結合のメカニズムを解釈した。
東京大学 大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻 Department of Earth and Planetary Science, The University of Tokyo
- Abstract
- 本研究は、ダイヤモンドアンビルセルを用いた超高圧高温実験により、「地球コアの化学組成(軽元素組成)」を制約することを大きな目的とした。1952年にF. Birchによって、コアには鉄とニッケルに加え、多量の「軽元素」を含むことが明らかにされたものの、70年近く経過した今でもその正体は不明とされ、地球科学の第一級の問題として残されている。この目的に沿った長期利用課題を遂行した結果、特に地球コア中の有力な軽元素である水素に着目した鉄–水素合金の研究(状態図、分配係数)が大きく進んだ。鉄–水素合金の状態図はこれまで実質存在しておらず、その新規性、コア組成解明に向けた貢献度は大きい。これらの新しい実験データに加え、既に明らかになっている他の軽元素に関するデータや始原的な隕石の組成も総合的に考えると、内核境界の温度が5400 Kである場合、コア組成はFe + 5 wt% Ni + 1.7 wt% S + 1.0–1.6 wt% Si + 2.9–4.4 wt% O + 0.20–0.44 wt% C + 0.19–0.32 wt% H (Fe0.69–0.70Ni0.04S0.02Si0.02–0.03O0.08–0.12C0.01–0.02H0.08–0.14)の狭い範囲に制約され、地球コア中では水素と酸素が主要な軽元素であることがわかった。この結果は、地球の形成、進化、そして現在のコアの状態に関して、重要な意味を持っている。加えて、当初計画していなかった成果として、地球下部マントルにおけるSiO2相への水の溶解度が、コア直上(マントルの底)の高温下でも極めて大きいことがわかった。このことは、深部マントルでの水のリサイクルを理解する上で重要な発見である。
北海道大学 大学院理学研究院化学部門 分子生命化学研究室 Department of Chemistry, Faculty of Science, Hokkaido University
- Abstract
- 胃プロトンポンプを標的とした胃酸抑制剤は、胃潰瘍や逆流性食道炎の治療、胃がんの主原因とされるピロリ菌の除菌時の胃酸抑制を目的として用いられる。その世界市場規模は2兆円とも言われ、巨大なマーケットを持つ薬剤である。我が国でも、これまでに複数の薬剤が上市され治療に用いられているが、これらはすべてフェノタイプスクリーニングによって開発されたものであり、その結合構造は未知であった。我々は2018年に胃酸抑制剤の結合構造解析に初めて成功して以来、これまで7つの異なる薬剤/阻害剤の結合構造を明らかにしてきた。本稿では、これら結合構造の情報を、AIを利用することで阻害剤のデザインへと応用した例を紹介する。
花王株式会社 研究開発部門 解析科学研究所
Kao Corporation, R&D - Core Technology, Analytical Science Research
- Abstract
- 頭髪の髪をめくりあげた内側に比べて表層の髪は顕著にうねりが多く、美髪を損ない様々な髪悩みに繋がる原因となっている。頭髪表層には紫外線や外力といった複数の外的要因が影響しやすいことに着目し、うねり発生の機構を調べた。分光的手法により毛髪内部の結合状態の経時変化を、マイクロビームX線散乱法により毛髪タンパク質の構造変化を詳細に解析した。その結果、紫外線の影響で切断された毛髪内部のジスルフィド結合が、外力の影響でひずんだ状態で再結合し、パーマに類似した機序でうねりが発生することが示唆された。ここではX線構造解析の内容について詳しく紹介する。
東京大学 工学系研究科 電気系工学専攻 スピントロニクス学術連携研究教育センター
The University of Tokyo, Department of Electrical Engineering and Information Systems, Graduate School of Engineering
- Abstract
- 強磁性体の磁化をサブピコ秒(サブps)の時間スケールで制御することは、スピン自由度を利用する超高速電子デバイスの実現につながることが期待される。これまでの磁化(スピン)ダイナミクス研究では、磁化の超高速制御は強磁性体のd軌道またはf軌道に多数のキャリアを光学的に励起することで実現されてきたが、ゲート電圧によって実現することは極めて困難であった。本研究では、s(またはp)電子の空間分布を決める波動関数を光照射による内部電界によって制御し、キャリア密度を変化させる必要のないサブpsで磁化操作する新しい方法(波動関数工学と呼ぶ)を実証した。具体的には、強磁性半導体(FMS)(In,Fe)As超薄膜を含むIII-V族半導体量子井戸構造にフェムト秒(fs)レーザパルスを照射し、量子井戸中の2次元電子の波動関数が急速に移動するときに、600 fsという先行研究の300分の1の非常に短い時間で磁化が増大することを観測した。この波動関数制御法は、ゲート電界の印加でも実現できるため、本研究の結果は、次世代エレクトロニクスに向けて超高速で動作する磁気メモリやスピンを用いた情報処理を実現する新しい道を開くものである。
[1](国)理化学研究所 放射光科学研究センター RIKEN, SPring-8 Center、[2]東北大学 多元物質科学研究所 Tohoku University IMRAM
- Abstract
- 複雑な構造を持つ有機化合物では、X線回折に適したサイズの結晶の調製が難しいことがある。そこで、創薬、材料科学などの広範な分野で、小さな結晶から原子配置を決定することが重要になっている。私たちは、この問題の解決のために、X線自由電子レーザーを用いた低分子有機化合物の微小結晶構造解析法を開発した。実証実験では有機蛍光分子であるローダミン6Gの構造を、0.82 Åの空間分解能で決定できた。電子回折から得た構造と比較すると、どちらの構造も水素原子の位置を化学結合の種類に依存して正確に区別できることが分かった。両構造間の水素原子の測定距離の違いは、X線と電子線の散乱の特性を反映しており、また、原子座標の信頼性はXFELの方が高いが、電子線は電荷に対してより高い感度を示すことも明らかにできた。
2. 研究会等報告/WORKSHOP AND COMMITTEE REPORT
(公財)高輝度光科学研究センター 放射光利用研究基盤センター 精密分光推進室 Spectroscopy Division, Center for Synchrotron Radiation Research JASRI
(公財)高輝度光科学研究センター 放射光利用研究基盤センター 構造生物学推進室 Structural Biology Division, Center for Synchrotron Radiation Research JASRI
(公財)高輝度光科学研究センター 放射光利用研究基盤センター 回折・散乱推進室 Diffraction and Scattering Division, Center for Synchrotron Radiation Research JASRI
(公財)高輝度光科学研究センター 放射光利用研究基盤センター 構造生物学推進室 Structural Biology Division, Center for Synchrotron Radiation Research JASRI
SPring-8ユーザー協同体(SPRUC)行事幹事(秋の学校担当)/(国研)日本原子力研究開発機構 物質科学研究センター Materials Sciences Research Center, Japan Atomic Energy Agency
[1]SPring-8ユーザー協同体(SPRUC)/(国研)物質・材料研究機構 マテリアル基盤研究センター 光電子分光グループ Center for Basic Research on Materials, National Institute for Materials Science、[2](公財)高輝度光科学研究センター 放射光利用研究基盤センター 散乱・イメージング推進室 Research and Utilization Division, Center for Synchrotron Radiation Research, JASRI、[3]近畿大学 理工学部 理学科 化学コース Faculty of Science and Engineering, Kindai University、[4]熊本大学 理学部 理学科 物理学コース Department of Physics, Kumamoto University、[5]九州大学 理学研究院 化学部門 Department of Chemistry, Kyushu University
(公財)高輝度光科学研究センター 放射光利用研究基盤センター 精密分光推進室 Precision Spectroscopy Division, Center for Synchrotron Radiation Research, JASRI
(公財)高輝度光科学研究センター 放射光利用研究基盤センター 産業利用・産学連携推進室 Industrial Application and Partnership Division, Center for Synchrotron Radiation Research, JASRI
公益財団法人高輝度光科学研究センター 放射光利用研究基盤センター 産業利用・産学連携推進室 Industrial Application and Partnership Division, Center for Synchrotron Radiation Research, JASRI
(公財)高輝度光科学研究センター 放射光利用研究基盤センター 分光推進室 Spectroscopy Division, Center for Synchrotron Radiation Research JASRI
SPring-8夏の学校実行委員会 委員長 Chair of SPring-8 Summer School Executive Committee
(公財)高輝度光科学研究センター 放射光利用研究基盤センター 構造生物学推進室 Structural Biology Division, Center for Synchrotron Radiation Research, JASRI
(公財)高輝度光科学研究センター XFEL利用研究推進室/(国)理化学研究所 放射光科学研究センター 利用システム開発研究部門 SACLAビームライン基盤グループ XFEL Utilization Division JASRI / RIKEN, SPring-8 Center
フロンティアソフトマター開発専用ビームライン産学連合体 Advanced Softmaterial Beamline (FSBL)
[1](公財)高輝度光科学研究センター XFEL利用研究推進室 XFEL Utilization Division, JASRI、[2](国)理化学研究所 利用システム開発研究部門 Advanced Photon Technology Division, RIKEN SPring-8 Center
[1]SPring-8ユーザー協同体(SPRUC)/近畿大学 理工学部 Faculty of Science and Engineering, Kindai University、[2]東京大学 大学院工学系研究科 Graduate School of Engineering, The University of Tokyo、[3]奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 Graduate School of Science and Technology, Nara Institute of Science and Technology、[4]兵庫県立大学 大学院理学研究科 Graduate School of Science, University of Hyogo、[5]東京大学 物性研究所 The Institute for Solid State Physics, The University of Tokyo
[1](国)理化学研究所 放射光科学研究センター RIKEN, SPring-8 Center、[2](公財)高輝度光科学研究センター ビームライン技術推進室 Beamline Division, Center for Synchrotron Radiation Research, JASRI、[3](公財)高輝度光科学研究センター 回折・散乱推進室 Diffraction and Scattering Division, Center for Synchrotron Radiation Research, JASRI、[4](公財)高輝度光科学研究センター XFEL利用研究推進室 XFEL Utilization Division, Center for Synchrotron Radiation Research, JASRI
- Abstract
- SPring-8/SACLAにおいて開発と導入が進められてきた「ビームライン制御・データ収集・オンライン解析プラットフォーム:BL-774」は、2023年夏の時点で、SPring-8の5つのビームラインにおいて、光学機器の制御を含めたユーザー共用が行われている。ビームラインにおけるBL-774のシステム構成は、ネットワークの接続を含めてビームライン毎に完結的である。本稿では、特に実験制御用プログラムの作成・開発のあり方に着目し、現代に相応しいソフトウェア開発のコンセプトと、そのコンセプトを実現していくBL-774の基幹的なソフトウェア・システム「774 Basic System」を紹介する。774 Basic Systemは、実験制御用プログラムの作成段階ではロジックに関わる部分に注力できるよう、周辺のパーツがビームラインでの実験に適切な形、機能、規模で実装されていて、利用形態に沿って選択可能な複数のマイクロサービスとして提供される。今後、機能の拡張を図るとともに幅広いビームラインでの導入が進められていく見通しである。
3. SPring-8/SACLA通信/SPring-8/SACLA COMMUNICATIONS
The Proposals Approved for Beamtime in the 53rd Research Term 2024B
(公財)高輝度光科学研究センター 放射光利用研究基盤センター 精密分光推進室 Precision Spectroscopy Division, Center for Synchrotron Radiation Research, JASRI
4. 談話室・ユーザー便り/USER LOUNGE・LETTERS FROM USERS
SPring-8ユーザー協同体(SPRUC)会長/関西学院大学 工学部 School of Engineering, Kwansei Gakuin University
(公財)高輝度光科学研究センター 放射光利用研究基盤センター 分光推進室 Spectroscopy Division, Center for Synchrotron Radiation Research, JASRI
5. 告知板/ANNOUNCEMENTS
SPring-8ユーザー協同体(SPRUC)会長/筑波大学 数理物質系物理学域 エネルギー物質科学研究センター Faculty of Pure and Applied Sciences, University of Tsukuba