Volume 29, No.4 Pages 363 -365
3. SPring-8/SACLA通信/SPring-8/SACLA COMMUNICATIONS
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational Status
◎2024年7月の運転実績
SPring-8は7月8日から8月1日までセベラルバンチ運転で第3サイクルの運転を実施した。
第3サイクルでは、BL33XU EXP2 HUTCH MDOOR OPENのアラームレベル7発報による停止等があったが、全体としては順調な運転であった。総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は、第3サイクルは約0.4%であった。
1. 装置運転関係
(1)運転期間 | |
第3サイクル(7/8(月)~8/1(木)) | |
(2)運転時間の内訳 | |
第3サイクル | |
運転時間総計 | 約576時間 |
①装置の調整及びマシンスタディ等 | 約120時間 |
②放射光利用運転時間 | 約454時間 |
③故障等によるdown time | 約2時間 |
④フィリング変更時間 | 0時間 |
総放射光利用運転時間(ユーザータイム = ② + ③ + ④)に対するdown timeの割合(*1) |
約0.4% |
(3)運転スペック等 | |
第3サイクル(セベラルバンチ運転) | |
・203 bunches(A) | |
・406 × 11/29-bunches + 1 bunch(H) | |
・入射は電流値優先モード(2~3分毎(マルチバンチ時)もしくは20~40秒毎(セベラルバンチ時))のSACLA入射、Top-Upモードで実施。 |
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・蓄積電流 8 GeV、~100 mA | |
(4)主なdown timeの原因 | |
・バンプ電磁石電源3の誤爆によるアボート | |
・SR RF Dst. Cav5反射異常によるアボート | |
・BL33XU安全インターロックによるアボート |
2. 利用関係(JASRI利用推進部 集計)
(1)放射光利用実験期間 | |
第3サイクル(7/11(木)~7/31(水)) | |
(2)ビームライン利用状況 | |
稼働ビームライン | |
共用ビームライン | 26本 |
専用ビームライン | 13本 |
理研ビームライン | 16本 |
第3サイクル(暫定値) | |
共同利用研究実験数 | 304件 |
共同利用研究者数 | 1,247名 |
専用施設利用研究実験数 | 106件 |
専用施設利用研究者数 | 435名 |
◎2024年8~9月の運転実績(停止期間)
SPring-8は8月2日から9月19日まで夏期点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業を行った。
8月3日は施設内全域の計画停電を行い、電気設備の点検整備を行った。
(夏期点検調整期間中の主な作業(実績))
(1)蓄積リング関係
・RFコンディショニング運転(9/19)
・電磁石運転前連続通電作業(9/17~)
・電磁石、電磁石電源等定期点検
・SR-BBAシャント抵抗設置作業
・電磁石励磁ケーブル調査
・XSBT偏向電磁石電源不具合調査
・SSBT-QM冷却水ヘッダー交換
・真空系作業及び点検(保守、メンテナンス等)
・CRAB交換/NEG再活性化(セル24,25,26)
・RGV2交換/NEG再活性化(セル9)
・IVG_pb1フィラメント交換(セル19)
・ストレーナ清掃/冷却水フラッシング(真空)
・機器保護インターロック自主検査
・クライストロン定期点検(全st.)
・クライストロン電源点検整備及び改修
・クライストロン熱交換プレート交換
・旧入射トリガ関連機器撤去
・モニター系定期点検、動作確認作業等
・ゼロアドレスタイミング信号伝送回路更新
・データベース及びネットワーク関連作業
・機器制御関連作業(整備及び更新等)
・中央制御室運転端末更新
・加速器安全インターロックメンテナンス
・入退管理システムメンテナンス
・ID関連作業及びメンテナンス等
・ID21新設/関連作業
・ID(IVU-II)3台搬入(セル46)
・ID15ケーブル交換
・IDチラー交換(Mg用)
・FE作業及び冷却系/圧空系等保守作業
・BL21XU/FE整備作業(一部)
・XYスリット更新作業(BL29XU)
・BS電磁弁交換作業
・ABS/リミットスイッチ・ケーブル交換作業
・FE定期検査(運転前・MBS検査、駆動系検査)
・BL改造及び新設(BL11XU、15XU、21XU他)
・BLインターロック自主検査(前期)
・BL制御/PLCハードウェアメンテナンス
・BLネットワーク更新作業(BL-774化等)
・BL光ファイバー敷設作業
・BL安全インターロック機器老朽化対策
・LN2循環装置メンテナンス
・光学系・輸送チャンネル関係作業
・LN2供給設備・整備作業
・CE緊急遮断弁用圧空配管敷設
・SPring-8-II測量用基準点設置(収納部全周)
・分電盤/負荷側機器調査、確認(保守通路全周)
・LED更新(収納部/Aブロック)
・その他作業及び定期点検等
(2)ユーティリティ関係
・電気設備保守点検及び整備作業
・冷却水設備保守定期点検及び整備作業
・二次冷却水配管更新(L4系統/D)
・収納部上部冷水配管更新(L2,5系統/B,C)
・冷却水制御盤更新(L2系統/B,C,D)
・ダミーロード冷却水ストレーナ追加(B,C,D)
・マシン冷却系/膜脱気装置更新(B,C)
・空調用設備保守点検及び整備作業
・空調用冷却塔散水ポンプ交換(A,B,C,D)
・収納部内FCU更新作業
・天井クレーン月次・年次/性能点検作業
・消防設備等点検(防排煙、放送設備等)
・遮蔽扉点検作業
(3)安全管理関係
・運転停止後の残留サーベイ(8/1)
・安全インターロック自主検査(前期)
・特例区域設置(8/2~9/18)
・放射線モニタ定期点検
(4)その他
・受変電設備点検(全施設停電(8/3))
・給水施設棟 上水関連作業(上水断水作業)
・空調機等間引き運転(長期停止期間節電対策)
・冷却水設備停止(長期停止期間節電対策)
・施設建屋、外構関連小工事等
・中尺ビームライン実験施設実験棟II建築工事
(2025年11月末竣工予定)
◎2024年9~12月の運転予定
SPring-8は9月20日から12月13日までセベラルバンチ運転で第4サイクルの運転を実施している。
第4サイクルの運転実績については次号にて掲載する。
◎今後の予定
12月14日から1月16日まで冬期点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業を行う予定である。
第5サイクルの運転開始は1月17日からを予定している。
(*1)down timeの割合に④フィリング変更時間は含まない。