Volume 22, No.3
目次 / Table of Contents
August issue 2017
1. 最近の研究から/FROM LATEST RESEARCH
[1](国)物質・材料研究機構 機能性材料研究拠点 Research Center for Functional Materials, National Institute for Materials Science、[2](国)物質・材料研究機構 先端材料解析研究拠点 Research Center for Advanced Measurement and Characterization, National Institute for Materials Science、[3](公財)高輝度光科学研究センター 利用研究促進部門 Research & Utilization Division, JASRI
- Abstract
- 省エネルギー社会の実現、高効率電子デバイスや発光デバイスの創成を目指し、基礎的な物性評価・良質な結晶成長・精緻な界面制御を協奏的に利用する研究開発が加速度的に進んでいる。特に、ワイドギャップ窒化物半導体である窒化ガリウム(GaN)を中心に、実用化への材料開発と基礎物性が評価されてきた。GaNは結晶由来の自発分極を有しており、その半導体特性への影響の重要性は認識されてきたが、自発分極に関連する詳細な電子状態は未解明であった。本研究では、GaNについて軌道分解した電子構造を解明するために、BL15XUにて測定した直線偏光制御硬X線光電子分光と密度汎関数法による解析を行った結果、光電子分光で観測されてきた極性に依存する価電子帯スペクトル形状の差異はpz軌道の電子の振る舞いに由来することを明らかにした。
岡山大学 異分野基礎科学研究所 Research Institute for Interdisciplinary Science, Okayama University
- Abstract
- 光化学系I複合体は光駆動による一連の電子伝達を行い、糖の合成に必要な還元力を供給している。植物の光化学系I複合体は反応中心コアと光捕集アンテナI複合体が光化学系I−光捕集アンテナI超複合体を形成し、光エネルギーをほぼ100%の効率で伝達および変換している。光合成における光エネルギーの高効率利用の基本原理を理解することを目的とし、筆者らは高等植物エンドウマメ由来の光化学系I−光捕集アンテナI超複合体の結晶構造を分解能2.8 Åで決定した。これにより、分子量が60万に及ぶ超複合体の詳細な構造、とりわけ、光捕集アンテナIを構成する4つのLhcaサブユニットにおいて秩序正しく配置されたクロロフィル、カロテノイド、脂質分子、水分子などの分子基盤を明らかにし、光エネルギーの捕集と伝達の経路、および、光阻害に対する防御機構を提唱した。
2. 研究会等報告/WORKSHOP AND COMMITTEE REPORT
SPring-8夏の学校実行委員会 委員長 SPring-8 Summer School Executive Committee, Chair
3. SPring-8/SACLA通信/SPring-8/SACLA COMMUNICATIONS
SPring-8/SACLA成果審査委員会 委員長 SPring-8/SACLA Research Results Review Committee, Chair
SPring-8/SACLA成果審査委員会 委員兼編集者 SPring-8/SACLA Research Results Review Committee, Editor
4. 告知板/ANNOUNCEMENTS
その他/MISC
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