Volume 29, No.3 Pages 220 - 221
3. SPring-8/SACLA通信/SPring-8/SACLA COMMUNICATIONS
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational Status
◎2024年4~7月の運転実績
SPring-8は4月3日から4月25日までセベラルバンチ運転で第1サイクルの運転を行い、春期点検調整期間をはさみ、5月9日から7月5日までセベラルバンチ運転で第2サイクルの運転を実施した。
第1~2サイクルでは、SR RF Cst. Cav3反射異常による停止等があったが、全体としては順調な運転であった。総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は、第1サイクルは約0.5%、第2サイクルは約0.7%であった。
1. 装置運転関係
(1)運転期間 | |
第1サイクル(4/3(水)~4/25(木)) | |
第2サイクル(5/9(木)~7/5(金)) | |
(2)運転時間の内訳 | |
第1サイクル | |
運転時間総計 | 約529時間 |
①装置の調整及びマシンスタディ等 | 約145時間 |
②放射光利用運転時間 | 約382時間 |
③故障等によるdown time | 約2時間 |
④フィリング変更時間 | 0時間 |
総放射光利用運転時間(ユーザータイム = ② + ③ + ④)に対するdown timeの割合(*1) |
約0.5% |
第2サイクル | |
運転時間総計 | 約1,370時間 |
①装置の調整及びマシンスタディ等 | 約98時間 |
②放射光利用運転時間 | 約1,262時間 |
③故障等によるdown time | 約9時間 |
④フィリング変更時間 | 約0.5時間 |
総放射光利用運転時間(ユーザータイム = ② + ③ + ④)に対するdown timeの割合(*1) |
約0.7% |
(3)運転スペック等 | |
第1サイクル(セベラルバンチ運転) | |
・203 bunches(A) | |
第2サイクル(セベラルバンチ運転) | |
・406 × 11/29-bunches + 1 bunch(H) | |
・11 bunch train × 29(C) | |
・203 bunches(A) | |
・11 bunch train × 29(C) | |
・1/7 filling + 5 bunches(D) | |
・入射は電流値優先モード(2~3分毎(マルチバンチ時)もしくは20~40秒毎(セベラルバンチ時))のSACLA入射、Top-Upモードで実施。 |
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・蓄積電流 8 GeV、~100 mA | |
(4)主なdown timeの原因 | |
・SR RF Cst. Cav3反射異常によるアボート | |
・六極電磁石電源インターロック発報によるアボート | |
・SR RF Dst. Cav5冷却水流量低によるアボート |
2. 利用関係(JASRI利用推進部 集計)
(1)放射光利用実験期間 | |
第1サイクル(4/8(月)~4/24(水)) | |
第2サイクル(5/10(金)~7/5(金)) | |
(2)ビームライン利用状況 | |
稼働ビームライン | |
共用ビームライン | 26本 |
専用ビームライン | 13本 |
理研ビームライン | 16本 |
第1サイクル(暫定値) | |
共同利用研究実験数 | 205件 |
共同利用研究者数 | 743名 |
専用施設利用研究実験数 | 92件 |
専用施設利用研究者数 | 313名 |
第2サイクル(暫定値) | |
共同利用研究実験数 | 703件 |
共同利用研究者数 | 2,852名 |
専用施設利用研究実験数 | 264件 |
専用施設利用研究者数 | 1,080名 |
◎2024年4~5月の運転実績(停止期間)
SPring-8は4月26日から5月8日まで春期点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業を行った。
(春期点検調整期間中の主な作業(実績))
(1)蓄積リング関係
・電磁石運転前連続通電作業(5/7~)
・SR-QA電源交換作業(通電作業)
・RV2不具合暫定処置(C09)
・SSBT1-CT不具合調査及び対処
・L2空洞冷却水温度変更試験(Cst.)
・ダミーロードの確認(Cst.)
・VME水平実装シャーシ ファンユニット交換
・BL制御関連作業
・ID25空芯コイル交換
・FE駆動系検査(A/Dブロック)
・FEレーザートラッカー台座設置(アンカー打設)
・光学系・輸送チャンネル関係作業
・LN2供給設備・整備計画
・CE緊急遮断弁用圧空配管敷設
・測量用基準点設置位置・罫書作業(収納部)
・その他作業及び定期点検等
(2)ユーティリティ関係
・電気設備保守点検及び整備作業
・冷却水設備保守定期点検及び整備作業
・空調用設備保守点検及び整備作業
・天井クレーン月次・年次点検作業
(3)安全管理関係
・運転停止後の残留サーベイ(4/25)
(4)その他
・空調機等間引き運転(節電対策)
・冷却水設備停止(節電対策)
・施設建屋、外構関連小工事等
・火災報知器点検(蓄積リング棟)
◎2024年7~8月の運転予定
SPring-8は7月8日から8月1日までセベラルバンチ運転で第3サイクルの運転を実施している。
第3サイクルの運転実績については次号にて掲載する。
◎今後の予定
8月2日から9月19日まで夏期点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業を行う予定である。
8月3日は施設内全域の計画停電を行い、電気設備の点検作業を行う予定である。
(*1)down timeの割合に④フィリング変更時間は含まない。