Volume 22(2017)
1. 最近の研究から/FROM LATEST RESEARCH
Department of Chemistry, National Taiwan University
- Abstract
- Oxygen evolution reaction (OER) is a half reaction of water splitting. Toward this end, transition-metal oxides have been demonstrated to act as electrocatalysts for OER. Among various transition-metal oxides, 3d transition metals with spinel structures were widely used for being active electrocatalysts toward this reaction. Nevertheless, spinel is a complex structure, in which two oxidation state of metal ions as well as two different crystallographic sites are present in this structure. To investigate the behavior of spinel structure during OER, we have developed both in-situ X-ray absorption spectroscopy and in-situ grazing-angle X-ray diffraction manner, while various well-designed samples were prepared to figure out the dominated factors step by step. First, we have modified the electrocatalysts with surface reversibly adapting layer to improve the resulting stability. Second, we choose the spinel structure with bimetallic system of NiCo2O4 to reveal the active cite between these two metals. Furthermore, the non-active metals were employed to substitute for the divalent and trivalent metal ions in spinel to point out the active centers. The effects of crystallographic sites were verified by a model system of inverse spinel Fe3O4 with replacing by Co, Ni, and Zn divalent metal ions. As a result, we can clarify that the divalent metal ions are the active center for OER in the spinel structure, while a phase transformation to metal oxyhydroxide which act as the real active phase is needed to achieve a higher performance. From the result of understanding spinel behavior toward OER, we can realize that the in-situ X-ray spectroscopy is a useful technique, and believed that this technique can be used not only in spinel structure but other catalyst for other reactions.
(国)量子科学技術研究開発機構 放射光科学研究センター Synchrotron Radiation Research Center, National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology
- Abstract
- 窒化ガリウム(GaN)薄膜の成長初期にのみ発現する特異な格子変形現象を報告する。SPring-8、量研(QST)専用ビームラインBL11XUでは、結晶成長装置とX線回折計が一体化した独自のその場測定装置を有している。本研究は、GaN薄膜成長中のその場X線回折を原子層オーダーの膜厚分解能で測定し、GaNの面内および面内垂直方向の格子間隔の変化を詳細に調べた。その結果、膜厚数ナノメートルの成長初期にのみ、従来の弾性変形とは異なる特異な格子変形を見出した。この現象を理解するため、従来の弾性ひずみに加えて、点欠陥の混入による単位格子の膨張効果を取り入れた格子変形モデルを構築し、実験結果を良く再現することができた。このことから、GaN薄膜は基板との格子不整合によって生じる弾性ひずみがきっかけとなり、置換型の点欠陥(アンチサイト欠陥)が形成されやすいことを示唆した。これまで見過ごされていた成長初期の点欠陥の混入は、GaNベースの発光および電子デバイスの構造設計において重要な知見を与えるものと考える。
[1](国)量子科学技術研究開発機構 量子ビーム科学研究部門 Quantum Beam Science Research Directorate, National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology、[2]東北大学 金属材料研究所 Institute for Materials Research, Tohoku University、[3]東北大学 材料科学高等研究所 WPI-Advanced Institute for Materials Research, Tohoku University
- Abstract
- 機能性材料実現をめざして新規水素化物の探索研究を進めている。第一原理計算による理論予測をもとに、放射光その場観察技術を援用し、新規水素化物合成を行った結果を紹介する。高エネルギー密度の水素貯蔵を目的に、資源量豊富な鉄をベースとする水素化物合成を試みた。これまで報告例のなかった3d遷移金属の水素錯体とリチウムの組み合わせからなるLi4FeH6、および、H−イオンと水素錯体が共存するLi3AlFeH8の合成に成功した。また後者の合成条件探索の過程で別の新規水素化物LiAlFeH6の合成にも成功した。
東北大学大学院 理学研究科 Graduate School of Science, Tohoku University
- Abstract
- 本研究(長期利用課題2013B0104-2016A0104)では、BL10XUに導入したメスバウア分光システムと放射光粉末X線回折実験を用いて、高温高圧下において地球核を構成する鉄・軽元素合金の相関係と磁性を明らかにした。また、下部マントルと核マントル境界におけるマグマと揮発性物質を含む鉱物の相関係と物性を明らかにした。hcp構造のFe-Si合金において電子トポロジカル転移を示唆するアイソマシフトの不連続的な増加を見出した。この転移は、金星などの地球外の惑星核にも見出される可能性がある。下部マントルと核マントル境界における相関係と物性については、マグマを模擬した玄武岩質ガラスにおいて、下部マントル条件ではFe2+、Fe3+が高スピン状態であることを明らかにした。水素および炭素の地球深部での挙動を明らかにし、下部マントルと核マントル境界でのダイヤモンドの生成、水素の存在様式を明らかにした。
名古屋大学大学院 工学研究科 Graduate School of Engineering, Nagoya University
- Abstract
- 大規模集積回路の基本素子である金属−絶縁膜−半導体電界効果トランジスタの低消費電力化・高性能化の要となるIV族系半導体材料を中心に、次世代の材料プロセス技術の開発に指針を与える各種物性発現メカニズムの解明や評価技術の構築を目的とし、BL47XUに設置されている硬X線光電子分光(HAXPES: Hard X-ray Photoemission Spectroscopy)を活用し、薄膜多層構造や微細構造における化学結合および電子状態の精密評価を推進した。各材料の物性を最大限に引き出すためには、電気的特性と密接に関連する絶縁膜/半導体の界面物性などの理解は必須であり、実デバイス内の様々な材料で構成されるナノメートルスケールの多層構造や埋もれた界面を高感度に非破壊で分析可能なHAXPESは極めて強力な分析技術である。本稿では、長期利用課題を通して得られた成果の一部を紹介する。
[1](国)物質・材料研究機構 機能性材料研究拠点 Research Center for Functional Materials, National Institute for Materials Science、[2](国)物質・材料研究機構 先端材料解析研究拠点 Research Center for Advanced Measurement and Characterization, National Institute for Materials Science、[3](公財)高輝度光科学研究センター 利用研究促進部門 Research & Utilization Division, JASRI
- Abstract
- 省エネルギー社会の実現、高効率電子デバイスや発光デバイスの創成を目指し、基礎的な物性評価・良質な結晶成長・精緻な界面制御を協奏的に利用する研究開発が加速度的に進んでいる。特に、ワイドギャップ窒化物半導体である窒化ガリウム(GaN)を中心に、実用化への材料開発と基礎物性が評価されてきた。GaNは結晶由来の自発分極を有しており、その半導体特性への影響の重要性は認識されてきたが、自発分極に関連する詳細な電子状態は未解明であった。本研究では、GaNについて軌道分解した電子構造を解明するために、BL15XUにて測定した直線偏光制御硬X線光電子分光と密度汎関数法による解析を行った結果、光電子分光で観測されてきた極性に依存する価電子帯スペクトル形状の差異はpz軌道の電子の振る舞いに由来することを明らかにした。
岡山大学 異分野基礎科学研究所 Research Institute for Interdisciplinary Science, Okayama University
- Abstract
- 光化学系I複合体は光駆動による一連の電子伝達を行い、糖の合成に必要な還元力を供給している。植物の光化学系I複合体は反応中心コアと光捕集アンテナI複合体が光化学系I−光捕集アンテナI超複合体を形成し、光エネルギーをほぼ100%の効率で伝達および変換している。光合成における光エネルギーの高効率利用の基本原理を理解することを目的とし、筆者らは高等植物エンドウマメ由来の光化学系I−光捕集アンテナI超複合体の結晶構造を分解能2.8 Åで決定した。これにより、分子量が60万に及ぶ超複合体の詳細な構造、とりわけ、光捕集アンテナIを構成する4つのLhcaサブユニットにおいて秩序正しく配置されたクロロフィル、カロテノイド、脂質分子、水分子などの分子基盤を明らかにし、光エネルギーの捕集と伝達の経路、および、光阻害に対する防御機構を提唱した。
京都大学原子炉実験所 Kyoto University Research Reactor Institute
- Abstract
- パルス放射光を用い原子核を励起することによって得られるガンマ線を利用した時間領域干渉計によって、原子・分子スケールにおけるナノ秒~マイクロ秒の電子密度の緩和が測定可能な準弾性散乱実験を行うことができる。励起された原子核から時間的に遅れて放射されるガンマ線をプローブ、リファレンス光として用いる本手法には、放射光のパルス間隔が比較的広いセベラルバンチモードの利用が必要になる。これまで、この時間スケールでの過冷却液体やソフトマターのミクロなダイナミクスの測定に関しては、中性子スピン・エコー法が唯一の手法であったが、本手法により放射光を用いた測定も可能となってきた。近年、この手法を用い、液体やガラス、結晶、ソフトマターなどの様々な物質に関して、これまで得られなかった時間空間領域でのミクロなダイナミクスが調べられ始めている。本稿では、ガンマ線を用いた準弾性散乱法の基礎的原理およびその応用例を紹介する。
住友ベークライト株式会社 研究開発本部 R&D Department, Sumitomo Bakelite Co., Ltd.
- Abstract
- 我々は表面修飾されたシリカフィラー添加によるゴムの補強効果を利用して処方改善を行い、通常の5倍程度の引裂き強度を有するシリコーンゴムの開発に成功した。そこで、放射光を用いた延伸同時X線構造解析手法を用いて、シリコーンゴムの高引裂き強度の発現に影響を与える内包フィラーの凝集状態の延伸に伴う構造変化とその物性との相関について検討した。その結果、延伸同時USAXS測定から延伸に平行な方向において顕著なプロファイルの立ち上がりが観察された。さらに、延伸に伴う表面フラクタル次元を観察したところ、延伸に平行な方向のみ延伸に伴いフラクタル次元の増加が観察された。このことからマトリックスの延伸に伴い延伸に平行方向でシリコーンゴム内のシリカ凝集体の密度揺らぎが増加し、階層構造が変化していることが示唆された。その結果、更なる高機能素材開発に関する指針が得られ、各種製品でナノ構造制御技術に基づく劇的な物性改良(硬度、引裂き強度、延伸度の独立制御)に成功した。
[1]Department of Chemistry, University of California, [2]Research & Utilization Division, JASRI, [3]Department of Chemistry, University of Illinois, [4]Department of Chemistry, Technische Universität Berlin, [5]Max Plank Institute for Chemical Energy Conversion, [6]Department of Chemistry and Biochemistry, Utah State University
- Abstract
- Using 57Fe nuclear resonant vibrational spectroscopy (NRVS), we have characterized several important 57Fe-labeled proteins such as [FeFe] hydrogenase ([FeFe] H2ase), [NiFe] hydrogenase ([NiFe] H2ase), and nitrogenase (N2ase). Following the successful observation of the Ni-H-Fe wag mode in Desulfovibrio vulgaris Miyazaki F [NiFe] H2ase (DvMF for abbreviation), we extended these studies to other enzymes, such as Chlamydomonas reinhardtii [FeFe] H2ase (Cr-HydA1) and Desulfovibrio desulfuricans [FeFe] H2ase (Dd-HydAB). Fe-hydride and Fe-deuteride related bending modes in [FeFe] H2ases were observed and interpreted by density functional theory (DFT) calculations. We also observed the interaction between the amine group (NH) in the azadithiolate (ADT) bridge and the Fe-H/D structure by comparing the wild type Dd-HydAB result with that from a variant with an oxodithiolate (ODT) bridge. With the advancement we have made for studying H2ase, we have also better characterized the catalytic intermediates in N2ase, such as the E4 state.
[1]Department of Chemistry, Stanford University, [2]SLAC National Accelerator Laboratory, [3]Korea Advanced Institute of Science and Technology (KAIST)
- Abstract
- Mononuclear and binuclear non-heme iron enzymes catalyze a broad range of reactions that are relevant in fields from health to bioremediation. In many classes, O2 intermediates have been trapped, and knowing the structure of these intermediates is essential to understanding reactivity. We have developed a combined NRVS/DFT methodology for structural definition of these important intermediates. We present an overview of our recent work at SPring-8 applying this NRVS/DFT methodology to mononuclear FeIV-oxo and FeIII-(hydro)peroxo intermediates, and to a binuclear FeIII-peroxy P' intermediate. This has allowed us to define the structures of these intermediates and has given new insight into their reactivities.
スタンフォード大学 医学部 分子細胞生理学科 School of Medicine, Stanford University
- Abstract
- ヒトをはじめとする殆どあらゆる生物は光情報を利用して行動しているが、この光情報の受容は、多くの場合ロドプシンファミリータンパク質によって担われる。この中でも近年特に、イオン輸送体として働くロドプシンが、光によって細胞の膜電位を操作できるツールとして注目を集めている(オプトジェネティクス)。我々は、オプトジェネティクスツールとして最も広く利用されている光駆動性陽イオンチャネル、チャネルロドプシン(ChR)について、その立体構造を明らかにし分子機構の一端を解明した。また、得られた結晶構造を元に、異なる吸収波長特性を持つ変異型イオン輸送ロドプシンを創製する合理的設計法を提唱、実証した。更に、2013年に発見されたばかりの光駆動性Na+ポンプであるKrokinobacter rhodopsin 2(KR2)についてもその立体構造を明らかにし、光依存的Na+輸送の分子機構を解明するとともに、自然界からは発見されていない光駆動性K+ポンプを創製することに成功した。
株式会社豊田中央研究所 分析部 Materials Analysis & Evaluation Division, TOYOTA Central R&D Labs., Inc.
- Abstract
- 実用金属材料内部の結晶方位及び応力の非破壊3次元観察を行うため、細いビームを使って試料を3次元走査する3DXRD法(走査型3DXRD法)を開発した。再構成シミュレーションにより入射ビーム幅の2倍程度の空間分解能で結晶方位マッピングが可能であると推定した。最初の実験として、ビーム幅20 µmの入射ビーム及び粗大粒化純鉄試料を使って、再構成シミュレーションと矛盾しない結果が得られた。高エネルギー1 µmマイクロビームを使うことで実用冷間圧延鋼板材の結晶方位マッピングに初めて成功した。
[1]School of Physics, Monash University、[2]Institute of Advanced Studies & Chair of Biomedical Physics, Technische Universitat Munchen、[3]Women's and Children's Hospital, North Adelaide & Robinson Institute, University of Adelaide
大阪大学大学院 工学研究科 Graduate School of Engineering, Osaka University
- Abstract
- これまで開発されてきた高空間分解能な結像型X線顕微鏡は強い色収差を持っていた。顕微分光などの高度なアプリケーションを遂行するためには、この色収差の問題を解決することが必要不可欠である。本研究では、全反射ミラーに基づいたAdvanced Kirkpatrick-Baezミラー光学系を開発することで、高分解能かつ色収差のない結像型X線顕微鏡を構築した。超高精度ミラーを作製し、また、これを高精度にアライメントすることで、色収差がない条件下では世界で初めて50 nmの空間分解能を達成した。
愛媛大学 地球深部ダイナミクス研究センター Geodynamics Research Center, Ehime University
- Abstract
- 地球内部の構造やダイナミクス、さらにはどのようにして地球が現在の姿になったのかを理解するためには、地球を構成する物質(ケイ酸塩や鉄合金)を地球深部に対応する超高圧高温環境におき、その物理的・化学的性質を調べることが必要である。ダイアモンドアンビル高圧発生装置によって地球中心までの超高圧高温極限環境を静的圧縮下で実験室に再現できるようになった今、高圧試料から「何の」情報を引き出せるかといった測定の新しいアイデア・技術進化が地球科学に新たな知見を与えてくれる。本稿ではそのような一例として我々が現在開発を行っている、超高圧その場でのX線ラミノグラフィーを用いた化学的3Dイメージング法について進展を紹介する。
東京大学大学院 理学系研究科 Graduate School of Science, The University of Tokyo
- Abstract
- 原核生物のもつCRISPR-Cas系は外来核酸に対する獲得免疫機構としてはたらく。CRISPR-Cas系にかかわるRNA依存性ヌクレアーゼであるCas9やCpf1はガイドRNAと相補的な二本鎖DNAを特異的に切断する。近年、この性質を応用したゲノム編集技術の登場により、様々な生物のゲノム情報(生命の設計図)を「書き換える」ことが可能になってきた。これまでに我々はCas9およびCpf1の結晶構造を決定し、そのRNA依存的なDNA切断機構を解明してきた。また、Cas9とCpf1の構造比較から、CRISPR-Casヌクレアーゼの作動機構の共通性および多様性が明らかになった。さらに、これらの構造情報は新規のゲノム改変ツールの開発にも大きく貢献してきた。
2. 研究会等報告/WORKSHOP AND COMMITTEE REPORT
(国)理化学研究所 先端光源開発研究部門 Innovative Light Sources Division, RIKEN SPring-8 Center
(公財)高輝度光科学研究センター 利用研究促進部門 Research & Utilization Division, JASRI
[1]大阪大学 蛋白質研究所 Institute for Protein Research, Osaka University、[2](公財)高輝度光科学研究センター タンパク質結晶解析推進室 Protein Crystal Analysis Division, JASRI
(公財)高輝度光科学研究センター 産業利用推進室 Industrial Application Division, JASRI
[1]SPring-8ユーザー協同体(SPRUC)行事幹事/広島大学大学院 理学研究科 Graduate School of Sciences, Hiroshima University、[2]九州大学大学院 総合理工学研究院 Faculty of Engineering Sciences, Kyusyu University
(公財)高輝度光科学研究センター 利用研究促進部門 Research & Utilization Division, JASRI
SPring-8ユーザー協同体(SPRUC)企画委員長/筑波大学 数理物質系 SPring-8 Users Community, Project Supervisor / Faculty of Pure and Applied Sciences, University of Tsukuba
SPring-8夏の学校実行委員会 委員長 SPring-8 Summer School Executive Committee, Chair
(公財)高輝度光科学研究センター 利用研究促進部門 Research & Utilization Division, JASRI
(公財)高輝度光科学研究センター 利用研究促進部門 Research & Utilization Division, JASRI
[1]兵庫県立大学 放射光ナノテクセンター Institute for Research Promotion and Collaboration Synchrotron Radiation Nanotechnology Center, University of Hyogo、[2]マツダ株式会社 技術研究所 Technical Research Center, Mazda Motor Corporation、[3]兵庫県立大学 高度産業科学技術研究所 Laboratory of Advanced Science and Technology for Industry, University of Hyogo、[4]スプリングエイトサービス株式会社 技術部 Technical Beamline Group, SPring-8 Service Co., Ltd.、[5]兵庫県立大学大学院 物質理学研究科 Graduate School of Material Science, University of Hyogo
- Abstract
- 兵庫県立大学が管理運営するビームラインBL24XUは、様々な産業分野に対して放射光の高精度分析技術を提供してきた。また同大学の理学部エックス線光学講座が中心となって放射光利用技術の基礎研究に取り組み、その成果を産業界が求める材料評価の手法へと応用してきた。
BL24XUにおける放射光産業利用の新たな取り組みとして、兵庫県立大学とマツダ株式会社は、次世代自動車材料開発に向けた放射光分析、解析技術の活用研究を開始した。効率良い材料開発のため、元素レベルでのモデル化を目的とした最初の取り組みとして、BL24XUに専用実験装置である雰囲気制御型硬X線光電子分光装置を整備した。複合材料の界面を評価し、材料因子を精密に取得することで構造モデルの精密化と特性発現のメカニズム解明を目指している。
本報告では上記取り組みの中で、2016年度に実施したBL24XUの装置改造ならびに整備状況、今後の研究計画について報告する。
3. SPring-8/SACLA通信/SPring-8/SACLA COMMUNICATIONS
SPring-8/SACLA成果審査委員会 委員長 SPring-8/SACLA Research Results Review Committee, Chair
SPring-8/SACLA成果審査委員会 委員兼編集者 SPring-8/SACLA Research Results Review Committee, Editor
SPring-8利用研究課題審査委員会 委員長/大阪大学 蛋白質研究所 Institute for Protein Research, Osaka University
SPring-8利用研究課題審査委員会 生命科学分科会主査/(国)理化学研究所 放射光科学総合研究センター RIKEN SPring-8 Center
SPring-8利用研究課題審査委員会 散乱回折分科会主査/関西学院大学 理工学部 School of Science and Technology, Kwansei Gakuin University
SPring-8利用研究課題審査委員会 XAFS・蛍光分析分科会主査/首都大学東京大学院 都市環境科学研究科 Graduate School of Urban Environmental Sciences, Tokyo Metropolitan University
SPring-8利用研究課題審査委員会 分光分科会主査/広島大学大学院 理学研究科 Graduate School of Science, Hiroshima University
SPring-8利用研究課題審査委員会 産業利用分科会主査/(公財)佐賀県地域産業支援センター 九州シンクロトロン光研究センター Saga Prefectural Regional Industry Support Center, Kyushu Synchrotron Light Research Center
4. 談話室・ユーザー便り/USER LOUNGE・LETTERS FROM USERS
(公財)高輝度光科学研究センター タンパク質結晶解析推進室 Protein Crystal Analysis Division, JASRI
(国)理化学研究所 放射光科学総合研究センター XFEL研究開発部門 XFEL Research and Development Division, RIKEN SPring-8 Center
5. 談話室・ユーザー便り/USER LOUNGE・LETTERS FROM USERS
SPring-8ユーザー協同体(SPRUC)庶務幹事/(国)理化学研究所 放射光科学総合研究センター RIKEN SPring-8 Center