Volume 29, No.1 Pages 47- 48
4. SPring-8/SACLA通信/SPring-8/SACLA COMMUNICATIONS
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational Status
◎2023年9月~12月の運転実績
SPring-8は9月28日から12月15日までセベラルバンチ運転で第4サイクルの運転を実施した。
第4サイクルでは、SACLAキッカー電磁石電源のトラブルによる停止等があったが、全体としては順調な運転であった。総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は、第4サイクルは約0.3%であった。
1. 装置運転関係
(1)運転期間 | |
第4サイクル(9/28(木)~12/15(金)) | |
(2)運転時間の内訳 | |
第4サイクル | |
運転時間総計 | 約1,873時間 |
①装置の調整及びマシンスタディ等 | 約241時間 |
②放射光利用運転時間 | 約1,625時間 |
③故障等によるdown time | 約5時間 |
④フィリング変更時間 | 約1時間 |
総放射光利用運転時間(ユーザータイム = ② + ③ + ④)に対するdown timeの割合(*1) |
約0.3% |
(3)運転スペック等 | |
第4サイクル(セベラルバンチ運転) | |
・203 bunches(A) | |
・406 × 11/29-bunches + 1 bunch(H) | |
・203 bunches(A) | |
・11 bunch train × 29(C) | |
・4 bunch train × 84(B) | |
・1/14 filling + 12 bunches(F) | |
・203 bunches(A) | |
・406 × 11/29-bunches + 1 bunch(H) | |
・入射は電流値優先モード(2~3分毎(マルチバンチ時)もしくは20~40秒毎(セベラルバンチ時))のSACLA入射、Top-Upモードで実施。 |
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・蓄積電流 8 GeV、~100 mA | |
(4)主なdown timeの原因 | |
・SACLAキッカー電磁石電源トラブル(フィリング変更/10Hz入射時) | |
・BL23SU LATCHBOX FCS ABORT(Alarm Level 6)によるアボート |
2. 利用関係(JASRI利用推進部 集計)
(1)放射光利用実験期間 | |
第4サイクル(10/3(火)~12/14(木)) | |
(2)ビームライン利用状況 | |
稼働ビームライン | |
共用ビームライン | 26本 |
専用ビームライン | 15本 |
理研ビームライン | 14本 |
第4サイクル(暫定値) | |
共同利用研究実験数 | 965件 |
共同利用研究者数 | 3,960名 |
専用施設利用研究実験数 | 432件 |
専用施設利用研究者数 | 1,708名 |
◎2023年12月~2024年1月の運転実績(停止期間)
SPring-8は12月16日から1月18日まで冬期点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業を行った。
(冬期点検調整期間中の主な作業(実績))
(1)蓄積リング関係
・電磁石運転前連続通電作業(1/16~)
・SR-St、Skew-Q基板内IC交換(通電作業)
・SR-Skew-Sx不具合調査、修理
・CRAB交換(C29、31)
・PB1フィラメント交換(C46 pb1)
・ダミーロード低電力高周波測定(A~Dst)
・SR入射部差動CT7予備信号用E/O、O/Eの設置
・制御計算機関連作業
・データベース関連作業
・機器制御関連作業
・BL制御・インターロック関連作業
・ID関連作業(架台メンテナンス、チラー入替等)
・アンジュレータ架台移動
・FE関連作業(機器交換、保守作業等)
・駆動系検査(BL37XU~BL47XU)
・BL改造工事(BL36XU)
・BL関連作業(LN2、ハッチ内作業等)
・光学系・輸送チャンネル関係作業
・LN2供給設備・整備計画
環状VJP配管設置作業II期(実験ホール)
・その他作業及び定期点検等
(2)ユーティリティ関係
・電気設備保守点検及び整備作業
・冷却水設備保守定期点検及び整備作業
・空調用設備保守点検及び整備作業
・天井クレーン月次点検作業
・消防設備等点検(放送設備等)
(3)安全管理関係
・運転停止後の残留サーベイ(12/15)
・特例区域設置(12/16~1/18)
・放射線モニタ定期点検
(4)その他
・空調機等間引き運転(長期停止期間節電対策)
・冷却水設備停止(長期停止期間節電対策)
・施設建屋、外構関連小工事等
・中央管理棟外壁及び防水改修工事(~3/29)
・構内外灯照明設備LED化改修工事(~2/29)
・中尺ビームライン実験施設昇降機更新工事
◎2024年1月~2月の運転予定
SPring-8は1月19日から2月22日までセベラルバンチ運転で第5サイクルの運転を予定している。
第5サイクルの運転実績については次号にて掲載する。
◎今後の予定
2月23日から4月2日まで年度末点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業を行う予定である。
2024年度の加速器運転(第1サイクル)は4月3日からを予定している。
(*1)down timeの割合に④フィリング変更時間は含まない。