Volume 17, No.4
November issue 2012
1. 最近の研究から/FROM LATEST RESEARCH
東北大学大学院 理学研究科 Department of Earth and Planetary Materials Science, Tohoku University
- Abstract
- 地球深部に相当する超高圧力高温条件において、地球構成鉱物の弾性波速度を決めることは、地球内部を伝播する地震波観測データとの直接比較を行うことができるため、地球内部の鉱物学的なモデルを構築する上で必要不可欠である。レーザー加熱式ダイヤモンドアンビルセル装置と放射光X線回折およびBrillouin散乱分光法を組み合わせた高温高圧条件における弾性波速度測定システムを用いて得られた地球のマントル深部条件での弾性波速度測定結果から下部マントルは従来考えられていたよりも珪素に富む可能性が示唆される。
[1]名古屋大学大学院 工学研究科 Department of Applied Physics, Graduate School of Engineering, Nagoya University、[2]東京大学 物性研究所 The Institute for Solid State Physics, The University of Tokyo
- Abstract
- 最低温までスピン自由度が凍結しない量子スピン液体の候補物質として、6H-ぺロブスカイト型銅酸化物Ba3CuSb2O9が注目を集めている。1978年に報告された結晶構造に基づいて、Cu2+イオンが形成する二次元三角格子が量子スピン液体の舞台と考えられていた。本研究では、SPring-8 BL02B1およびBL02B2における放射光X線を用いた回折実験を通じて、(1)量子スピン液体の舞台が二次元三角格子ではなく短距離秩序を持つ蜂の巣状格子であること、(2)Cu2+の軌道自由度に由来した協力的Jahn-Teller転移が低温まで生じない初めての物質であること、を明らかにした。
京都大学大学院 工学研究科 Department of Energy and Hydrocarbon Chemistry, Graduate School of Engineering, Kyoto University
- Abstract
- 通常、酸化物中の水素はプロトン(H+)の状態を取っており、組成・構造上の制約が多いことから、ヒドリド(H-)を大量に含む材料は稀であった。これに対し、我々は、水素化物を使った還元法により、いくつかのATiO3型ペロブスカイトで、格子中の約20%の酸素がヒドリドに置き換わった酸水素化物を合成できることを放射光X線回折実験などから見出した。酸化物格子中のヒドリドは、400℃ほどで外界との水素ともよく交換し、高い拡散能が見いだされた。今後は、ヒドリドをもとにした酸化物ベースの様々な物質や応用が期待される。
2. SACLA通信/SACLA COMMUNICATIONS
3. 研究会等報告/WORKSHOP AND COMMITTEE REPORT
[1](公財)高輝度光科学研究センター 利用研究促進部門 Research & Utilization Division, JASRI、[2](独)理化学研究所 播磨研究所 放射光科学総合研究センター XFEL研究開発部門 XFEL Research and Development Division, RIKEN SPring-8 Center、[3](公財)高輝度光科学研究センター XFEL研究推進室 XFEL Division, JASRI、[4](公財)高輝度光科学研究センター 光源・光学系部門 Light Source and Optics Division, JASRI、[5](公財)高輝度光科学研究センター 加速器部門 Accelerator Division, JASRI、[6](公財)高輝度光科学研究センター 制御・情報部門 Controls and Computing Division, JASRI
(公財)高輝度光科学研究センター 光源・光学系部門 Light Source and Optics Division, JASRI
(公財)高輝度光科学研究センター 利用研究促進部門 Research & Utilization Division, JASRI
(公財)高輝度光科学研究センター 制御・情報部門 Controls and Computing Division, JASRI
SPring-8夏の学校実行委員会 委員長 (公財)高輝度光科学研究センター 利用研究促進部門 Research & Utilization Division, JASRI
SPring-8ユーザー協同体(SPRUC) 行事幹事/大阪府立大学大学院 理学系研究科 Graduate School of Science, Osaka Prefecture University
(公財)高輝度光科学研究センター 産業利用推進室 Industrial Application Division, JASRI
4. SPring-8通信/SPring-8 COMMUNICATIONS
5. 談話室・ユーザー便り/USER LOUNGE・LETTERS FROM SPring-8 USERS
SPring-8ユーザー協同体(SPRUC) 広報幹事/大阪大学 大型教育研究プロジェクト支援室 Support Office for Large-Scale Education and Research Projects, Osaka University