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Volume 29, No.2 Pages 132 - 133

3. SPring-8/SACLA通信/SPring-8/SACLA COMMUNICATIONS

SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational Status

(国)理化学研究所 放射光科学研究センター RIKEN SPring-8 Center

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SPring-8 SACLA

 

◎2024年1~2月の運転実績
 SPring-8は1月19日から2月22日までセベラルバンチ運転で第5サイクルの運転を実施した。
 第5サイクルでは、SR四極電磁石補助電源異常(4台同時)による停止等があったが、全体としては順調な運転であった。総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は、第5サイクルは約2.6%であった。

 

 

1. 装置運転関係

(1)運転期間
第5サイクル(1/19(金)~2/22(木))
 
(2)運転時間の内訳
第5サイクル
運転時間総計 約817時間
①装置の調整及びマシンスタディ等 約121時間
②放射光利用運転時間 約677時間
③故障等によるdown time 約18時間
④フィリング変更時間 約1時間
総放射光利用運転時間(ユーザータイム = ② + ③ + ④)に対するdown timeの割合(*1)
約2.6%
 
(3)運転スペック等
第5サイクル(セベラルバンチ運転)
・203 bunches (A)
・406 × 11/29-bunches + 1 bunch (H)
・11 bunch train × 29 (C)
・203 bunches (A)
 
・入射は電流値優先モード(2~3分毎(マルチバンチ時)もしくは20~40秒毎(セベラルバンチ時))のSACLA入射、Top-Upモードで実施。
・蓄積電流 8 GeV、~100 mA
 
(4)主なdown timeの原因
・BL08W EH2自動扉閉信号断(Alarm Level 7)によるアボート
・SR中央位相調整室マスターオシレータ故障によるアボート
・SR四極電磁石補助電源異常によるアボート

 

2. 利用関係(JASRI利用推進部 集計)

(1)放射光利用実験期間
第5サイクル(1/19(金)~2/22(木))
 
(2)ビームライン利用状況
稼働ビームライン
共用ビームライン 26本
専用ビームライン 13本
理研ビームライン 16本
 
第5サイクル(暫定値)
共同利用研究実験数 447件
共同利用研究者数 1,682名
専用施設利用研究実験数 187件
専用施設利用研究者数 703名

 

 

◎2024年2~3月の運転実績(停止期間)

 SPring-8は2月23日から4月2日まで年度末点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業を行った。

 

(年度末点検調整期間中の主な作業(実績))
(1)蓄積リング関係
 ・電磁石運転前連続通電作業(4/1~)
 ・電磁石、電磁石電源等定期点検作業
 ・XSBT-QM絶縁ホース交換作業
 ・SR-Q1、Q10シャント抵抗ケーブル敷設作業
 ・CRAB交換(C19、20、21、22)大気開放/NEG活性化
 ・SSBT真空制御装置改造作業
 ・真空機器インターロック自主検査
 ・RFコンディショニング運転(4/2)
 ・RFテストスタンド大電力試験
 ・モニター関連作業(点検及び動作確認等)
 ・制御計算機、ネットワーク関連作業
 ・データベース関連作業
 ・機器制御関連作業
 ・Sy安全インターロック盤移設作業
 ・ID関連作業(架台メンテナンス、チラー入替等)
 ・ID37端部冷却水管交換(真空作業、ベーキング)
 ・FE関連作業(機器交換、保守作業等)
 ・FE圧空系、冷却系保守作業(全周)
 ・FE精密駆動ステージ点検(全周)
 ・BL改造工事(BL15XU、36XU、40XU)他
 ・BL関連作業(LN2、ハッチ内作業等)
 ・BLインターロック検査(後期)
 ・BL制御・ネットワーク関連作業
 ・BL制御・ILKハードウェアメンテナンス
 ・光学系・輸送チャンネル関係作業
 ・LN2供給設備・整備計画
  環状VJP配管設置作業III期(実験ホール)
  配管接続&気密試験(全周1.5 km)
  ベントデバイス設置及び実験排気ダクト接続
 ・天井クレーン増設工事(マシン収納部)
 ・遮蔽扉修理(RD1、4-D)修理
 ・その他作業及び定期点検等
(2)ユーティリティ関係
 ・電気設備保守点検及び整備作業
 ・冷却水設備保守定期点検及び整備作業
 ・空調用設備保守点検及び整備作業
 ・天井クレーン月次点検作業
 ・老朽化対策更新工事(装置冷却、空調設備)
(3)安全管理関係
 ・運転停止後の残留サーベイ(2/22)
 ・特例区域設置(2/23~3/31)
 ・Liトンネル内汚染検査、L2ダンプ周辺解体
 ・SPring-8/XSBT_ILK自主検査(後期)
(4)その他
 ・空調機等間引き運転(長期停止期間節電対策)
 ・冷却水設備停止(長期停止期間節電対策)
 ・施設建屋、外構関連小工事等
 ・中央管理棟外壁及び防水改修工事(~3/29)
 ・構内外灯照明設備LED化改修工事(~2/29)
 ・建屋LED化改修工事(W棟、中尺施設、RI棟他)
 ・受変電設備更新工事(研究交流施設他)
 ・自動火災報知設備更新工事
 ・制御開発(計算機)室エアコン更新工事

 

 

◎2024年4~5月以降の運転予定

(1)SPring-8は4月3日から4月25日までセベラルバンチ運転で第1サイクルの運転を予定している。

(2)4月26日から5月8日まで春の点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業等を予定している。

(3)春の点検調整期間後の運転再開は5月9日からの予定で7月5日まで第2サイクルの運転を予定している。第1~2サイクルの運転実績については次号にて掲載する。

 

 

◎2024年度SPring-8運転計画
 SPring-8では2024年度の運転計画を以下のように計画している。

(1)運転計画予定表

SPring-8のWWWにて公開している。

(2)運転計画の内訳

①運転時間(統計/加速器の運転時間)
約5,184時間の運転を予定している。

②運転時間(総放射光利用運転時間)
約4,440時間の運転を予定している。

③サイクル数
合計5サイクルの運転を予定している。

(3)その他

運転計画は、電力事情等により変更する場合がある。

 

 

(*1)down timeの割合に④フィリング変更時間は含まない。

 

 

Print ISSN 1341-9668
[ - Vol.15 No.4(2010)]
Online ISSN 2187-4794