Volume 19, No.4
November issue 2014
1. 最近の研究から/FROM LATEST RESEARCH
[1]NASA Johnson Space Center, [2]Research & Utilization Division, JASRI, [3]School of Science, The University of Tokyo, [4]Graduate School of Life Science, University of Hyogo, [5]Protein Crystal Analysis Division, JASRI, [6]Waseda Institute for Advanced Study
[1]岩手大学 工学部 Faculty of Engineering, Iwate University、[2](公財)高輝度光科学研究センター 産業利用推進室 Industrial Application Division, JASRI
- Abstract
- 有機電子デバイスの性能向上のために、有機半導体層の結晶性の向上が必要である。我々は、SPring-8のBL19B2に設置されているHuber社製多軸ゴニオメーターに搭載可能な有機薄膜作製用小型軽量真空蒸着装置を独自に開発し、ペンタセンやオリゴチオフェンなど代表的な有機半導体について、薄膜の形成過程を2次元すれすれ入射X線回折(Two dimensional grazing incidence X-ray diffraction:2D-GIXD)によって観察してきた。本報告では、我々の開発した装置の紹介と、有機半導体薄膜の形成過程のリアルタイム2D-GIXD観察結果、多結晶薄膜の2次元X線回折のデータから結晶構造解析さらに、2元蒸着によるpn有機半導体混合膜の形成過程の構造評価の結果を紹介する。
2. ビームライン/BEAMLINES
Multi-mode X-ray Fluorescence Spectrometer and Forensic Science at BL05SS
[1]広島大学大学院 工学研究院 Graduate School of Engineering, Hiroshima University、[2](公財)高輝度光科学研究センター 利用研究促進部門 Research & Utilization Division, JASRI、[3]高知大学 教育学部 Faculty of Education, Kochi University
- Abstract
- 加速器診断ビームラインであるBL05SSの実験ハッチに蛍光X線分析装置を設置し、その立ち上げと法科学利用に向けた基礎的な検討を進めてきた。アンジュレータからの6 keVから36 keV程度までの放射光をSi(111)2結晶モノクロメーターで分光した励起光を用い、MgからIまでのK殻励起による蛍光X線分析を行うことができる。オートサンプラーを用いた自動測定や蛍光X線によるイメージング測定などに対応しており、非集光のビームを用いる測定については2014Bから共用を始めた。蛍光X線分析の非破壊性を生かして、微物の異同識別への利用を想定しており、ガラス微物、単繊維への応用に向けた基礎検討が進められている。
3. SACLA通信/SACLA COMMUNICATIONS
(独)理化学研究所 放射光科学総合研究センター XFEL 研究開発部門/先端光源開発研究部門 回折限界光源設計検討グループ XFEL Research and Development Division / Diffraction Limited Synchrotron Radiation Design Group, Innovative Light Sources Division, RIKEN SPring-8 Center
- Abstract
- 前回の記事[1][1] 田中均:SPring-8利用者情報 18 No.3 (2013) 223-225.では供用開始初年度(2013年3月まで)のSACLAの運転状況を紹介した。今回はSACLAのレーザー運転の現状を2013年4月から2014年7月までに実施されたレーザー性能の高度化に焦点を当てて報告する。
4. 研究会等報告/WORKSHOP AND COMMITTEE REPORT
[1](公財)高輝度光科学研究センター 利用研究促進部門 Research & Utilization Division, JASRI、[2](公財)高輝度光科学研究センター タンパク質結晶解析推進室 Protein Crystal Analysis Division, JASRI
(公財)高輝度光科学研究センター 産業利用推進室 Industrial Application Division, JASRI
SPring-8ユーザー協同体(SPRUC)担当幹事/大阪府立大学大学院 理学系研究科 Graduate School of Science, Osaka Prefecture University
5. SPring-8通信/SPring-8 COMMUNICATIONS
(公財)高輝度光科学研究センター 制御・情報部門 Controls and Computing Division, JASRI
- Abstract
- 次世代SPring-8制御フレームワークMADOCA II(Message And Database Oriented Control Architecture II)の開発を行い、2014A期のユーザー運転から加速器・ビームライン制御系を、MADOCAからMADOCA IIに更新した。長年に渡るMADOCAによる制御系の運用、拡張を行っていく中で、新たに要望として出てきた可変長データの取り扱いや、Windowsのサポート等の機能をMADOCA IIに盛り込んでおり、LabVIEWにも対応した。今後は、実験制御・データ収集系への導入も進めていく。
6. 談話室・ユーザー便り/USER LOUNGE・LETTERS FROM SPring-8 USERS
[1](公財)高輝度光科学研究センター 常務理事 Managing Executive Director of JASRI、[2](公財)高輝度光科学研究センター 産業利用推進室 Industrial Application Division, JASRI