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Volume 22, No.1 Pages 39 - 44

4. SPring-8/SACLA通信/SPring-8/SACLA COMMUNICATIONS

公益財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI)への第2回科学技術助言委員会の提言内容
The 2nd JASRI Advisory Committee on Science and Technology

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SPring-8

 

(概要)
 財団JASRIの役割は、SPring-8とSACLAの共用施設を理研とともに効率的に運転・高性能化し、登録機関として共用ビームライン利用者の公正な選定と効果的な支援を行い、利用研究成果を最大化することにある。とくに、利用者の方々が学術的にも産業的にもインパクトのある研究成果を創出されるよう効果的な支援と技術開発を実行することがJASRIの重要な使命である。
 利用支援業務(研究開発、技術支援、情報支援等)の最適化のため、その業務の実施状況、技術開発の現状と将来計画を報告して有識者の助言を受けることを目的に、2015年、JASRIに科学技術助言委員会(委員長:雨宮慶幸東京大学教授)が設置された。2015年9月の第1回委員会に引き続き、有識者17人により構成される第2回委員会が、2016年8月23日から24日の2日間にわたりSPring-8キャンパスにて開催された。
 委員会では、前回と同様、土肥義治理事長から登録機関JASRIの使命と現状の説明があり、加速器部門(後藤俊治部門長)、光源・光学系部門(後藤俊治部門長)、制御・情報部門(松下智裕部門長)の各部門長から施設の現状について報告があった。第2回となる今回は、田中良太郎常務理事が研究系組織の取り組みとして、ついで、利用者を支援する利用研究促進部門(櫻井吉晴部門長)、産業利用推進室(廣沢一郎室長)、タンパク質結晶解析推進室(八木直人室長)、XFEL利用研究推進室(矢橋牧名室長)、そして利用推進部(木下豊彦部長)から、第1回委員会からの助言への対応の他、各部門・室の活動の方向性、課題等について発表があった。
 このたび、雨宮委員長から理事長あてに助言を頂いたので、その提言内容を本誌に公表して、利用者各位に報告する次第である。

 

 

(科学技術助言委員会委員)
(委員長)
雨宮 慶幸 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授
(副委員長)
下村  理 高エネルギー加速器研究機構 名誉教授

石川 哲也 理化学研究所 放射光科学総合研究センター センター長
岩田 忠久 東京大学 大学院農学生命科学研究科 教授
上田  潔 東北大学 多元物質科学研究所 教授
佐々木 園 京都工芸繊維大学 繊維学系ナノ材料物性研究室 教授
佐野 雄二 内閣府 革新的研究開発推進プログラム(ImPACT) プログラム・マネージャー
高尾 正敏 大阪大学 経営企画オフィス 特任教授
高原  淳 九州大学 先導物質化学研究所 所長・教授
月原 冨武 兵庫県立大学 特任教授・大阪大学 名誉教授
中川 敦史 大阪大学 蛋白質研究所 教授
沼子 千弥 千葉大学 大学院理学研究科 准教授
濱  広幸 東北大学 電子光理学研究センター センター長・教授
平井 康晴 佐賀県地域産業支援センター 九州シンクロトロン光研究センター 所長
古川 和朗 高エネルギー加速器研究機構 加速器研究施設 加速器第5研究系 研究主幹・教授
古屋 和彦 富士フイルム(株) 参与
松原英一郎 京都大学 大学院工学研究科 教授

 

 

 

 

 

第2回JASRIへの科学技術に関する助言

 

第2回科学技術助言委員会
2016年11月

 

1. はじめに
 昨年度に引き続き、第2回科学技術助言委員会を2016年8月23日、24日の2日間にわたって開催した。
 本委員会の目的は、稼働後まもなく20年を迎えるSPring-8における課題選定と利用者支援(技術支援と研究開発)の役割を担うJASRIが、SPring-8の利用研究(基礎・応用)成果の最大化のために、引き続き、効率的にその役割を果たすための助言を行うことにある。
 全般的に高いレベルで利用者支援や研究開発が進められていることは、委員全員が一致して認めるところであるが、さらに前進するために必要と思われる事項を以下に纏める。
 本委員会では、第1回科学技術助言委員会に引き続き、相互に密接に関連する以下の3つの課題に関心を払いつつ、助言の取り纏めを行った。
・利用者支援における二つの側面である技術支援と研究開発の両立。
・新規利用者開拓と高度な実験を行う利用者への積極的な対応の両立。
・若手研究者・技術者にとって魅力あるJASRIの在り方。

 

 

2. JASRIの活動報告に関する助言
 「第1回科学助言委員会の助言と対応状況」に記述されているように、JASRIの経営・運営に関する前回の助言に対するきめの細かい対応とその方針が示された。新たなアイデアや価値を生み出す源泉は人であり、組織に属する1人1人が高いモティベーションを持てる経営・運営が最も肝要な点であると考える。その意味で、経営・運営に関して、スタッフが高いモティベーションを持てることに注力した取り組み姿勢は、成果最大に向けた最も効果的な方針であり、高く評価できる。具体的には、(1)JASRI組織・体制上の改善、(2)研究系への刺激策、(3)研究系を取り巻く環境整備、という3つのベクトルの方針が示された。いずれのベクトルの方向及びその内容は妥当であり、今後、その施策の効果が具体的にどのように現れるかを大いに期待したい。その施策の効果を適宜評価する仕組みを導入して、ダイナミックに運営することを期待する。例えば、蛸壺化しない仕組み作りとしての組織の再編等は重要であるが、それがどのように功を奏したかの評価が今後必要であろう。その施策の趣旨をJASRI全体で共有することが重要であり、同時に、現場が抱える課題・問題点を理事、部長、部門長等のJASRI執行部が的確に把握することが重要である。今回の委員会では、運営・経営においてどのような課題・問題点を抱えているかに関して、JASRI側からは特に情報発信は無かったが、これらの点を本委員会において共有する視点があっても良いのではと思われる。
 「技術支援」と「研究開発」の二兎を追う努力は重要であり、全体として、技術支援と研究開発の比率を8:2に設定するという方針は概ね妥当であると考える。但し、個人としての比率は、各自の特性に応じて異なった設定があってもよいと考える。技術支援と研究開発の両方の仕事が増える中で、若手研究者のインセンティブを何処に求めるかは、優秀な研究者を確保する意味で重要である。また、人材の流動化を促進するために、研究者個人の成果の見える化、評価軸の設定が重要である。
 研究成果とその評価に関しては、被引用論文トップ1%の割合がSPring-8では2.51%、SACLAでは6.96%と高く、このことは高く評価できる。この指標は研究成果の評価の重要な指標であるが、JASRIの役割に即した独自の評価軸を導入する事も必要であると考える。今後、専用BLに対する評価軸に対する検討も必要である。さらに、JASRI単独ではなく、SPring-8全体(JASRIと理研)としての評価システムが必要である。
 予算・競争的資金に関しては、現在は共用法に守られているものの、ユーザーのニーズを的確に把握・先取りした上で理研と密な連携を行いながら、行政に働きかけて放射光科学に対する予算施策を引き出す努力が必要であろう。
 外部資金を獲得するためのトレーニングとしての理事長ファンドは高く評価できる。また、大型競争資金獲得の初期段階からJASRIの研究者がコミットするような仕組みを期待したい。小さな研究費でも自らが代表になり競争的資金を獲得する姿勢を促すこと、およびその指導も必要であろう。また、採択された場合のインセンティブの確保も必要である。
 人材育成に関しては、技術支援と研究開発に更に共同研究を加えた、技術支援、共同研究、研究開発という3つのバランスをどのようにするかという視点も重要である。また、一般論としての人材育成ではなく、外に出るパス、組織の支柱になるパス、中間管理層の育成、現場研究者の育成等の異なるキャリアパスのロールモデルを作ることが必要ではないかと考える。若手人材の流動性を確保するためにも、キャリアパスの確保に向けた独創的な技術開発、研究の推進支援を強化して欲しい。また、大学との連携(教育経験の実績を積む)、科研費獲得の実績を積むことが必要である。理事長ファンド国内研修に関しては、一般的な人材研修よりも、共同研究や大学における教育指導受託、非常勤講師等の具体的な責任ある業務を通した人材育成がより効果的であると考える。また、理事長ファンド海外研修に関しては、具体的な共同研究テーマを伴った研修にすると、大きな人材育成効果が得られるであろう。必要な海外研修期間に関しては、研究テーマによって異なるので、自由度があってよいであろう。例えば、ウエットな実験の場合は、短期間の設定が有効である。成果最大に向けた取り組み姿勢に関しては、研究員だけでなく事務員も含めて共有することが重要である。今後、スタッフの高齢化に対する対応、女性研究員の雇用に対する対応を検討する必要があると考える。特に、女性研究者に対しては、過酷な研究環境にならないようなワーキングシェアの導入も必要であろう。
 第1回科学技術助言委員会の報告書でも述べたように、SPring-8とSACLAを同じサイトに有し、文字通り、世界最先端の性能を有する研究施設の課題選定と利用者支援に責任をもつ登録機関としてのJASRIの果たすべき使命は極めて大きい。その使命の自覚を組織の1人1人が共有できるような経営・運営が重要である。また、若手研究者・技術者にとって魅力ある職場作りが重要である。
 放射光科学は、学際的かつ国際的な研究分野であり、そのような特性を有する研究分野の経営・運営は高いバランス感覚と広い視野が必要とされる。関連する諸科学分野の動向を的確に捉える視野の広さと海外との競争・協調をバランス良く行う視点が求められる。
 日々の支援業務においては、特に、SPring-8のアップグレードを視野に入れた研究開発に関して、理研研究者とJASRI研究者の緊密な情報交換と意思の疎通が重要である。

 

 

3. 利用推進①に関する助言
3-1 利用研究促進部門
 前回の本委員会の助言に対して適切な対応が実施されている。今後はその施策の効果を適宜評価する視点を持つことが重要である。例えば、GL会議・部門ミーティングがどのような効果に繋がったかを部門として把握し、それに基づきダイナミックに進めて行くことを期待したい。
 2016年度の共用BLにおける高性能化・高度化の方向性とその内容は妥当であり、運営費・交付金による高性能化と共に、競争的資金・科研費による高性能化への取り組みは、高く評価できる。高度化に関しては、SPRUC(ユーザー)からの要望を的確に把握して進める必要がある。また、SPring-8 IIに向けた取り組みをより明確化して、高度化に取り組むことが必要である。
 オープンサイエンス推進については、オープンデータの戦略的な活用、及びそのメリットとデメリットに関して、ESRF以外も含めて、世界の動向も見ながら議論を始めることが重要である。メタデータ形式の統一、大容量データ保存の対する施策は、オープンデータの前段階における検討事項として重要である。
 オープンサイエンス≠オープンデータ≠オープンアクセスだと考えるが、これらに関するSPring-8での運用については、SPRUCとの連携を取りながら、ユーザーや専門家(著作権等の問題)の意見を十分に踏まえて検討していくべき事柄である。
 メゾ領域の材料・デバイス科学を加速する共用BLにおける高性能機器整備計画は、散乱・分光・イメージングの統合による時間・空間階層構造解明へのアプローチであり、その方向性は妥当であり、かつ重要である。このアプローチを行う上で、具体的な共通テーマを設定することがより効率的であり、インパクトがある成果に繋がると考える。X線イメージング技術開発の方向性を「構造材料の性能向上」というテーマにフォーカスした取り組み(上杉)は、高く評価できる。産業界から見たニーズも視野に入れて、インパクトのある成果に繋げて頂きたい。イメージングの産業利用の開拓は、潜在的なニーズが高いと考えるので、是非注力して頂きたい。解析ソフト・ハード開発は、インパクトのある具体的な対象物の可視化をターゲットにして取り組むと効率的であると考える。
 「メゾ領域の顕微分光解析の開発と利用促進」(中村)および「構造解析のマルチスケール化への取り組み」(今井)は共に、地道に重要な開発を進めていて、高く評価できる。インパクトにある実験事例を具体的に示し、その成果の積極的な情報発信を行えば、潜在的なユーザー層は極めて広いと考える。
 今回プレゼンのあった本アプローチが利用研究促進部門全体の中でどのように位置づけられるか、また、利用研究促進部門全体としての取り組みに関しては、時間の制約もあり、十分に述べられていなかったと感じる。次回の委員会では、これらの点に関してもお聞きしたい。
 検出器に関してのアップグレードに対するニーズが高いので、理研の検出器開発グループとより密接な連携を取りながら、開発すべき検出器、購入すべき検出器をSPring-8全体として整理して、必要な検出器の性能に対する正しい情報の共有を行うことが必要である。SPRUCの協力を得てユーザーからの要望の取り纏めを適宜行い、SPring-8全体として計画的な検出器の開発・購入プログラムの作成を行う事を期待したい。そして、国プロや行政への働きかけ等も行い、予算の確保に努めて頂きたい。
 技術支援チームに関しては、体制が整備され有効に機能していて、高く評価できる。今後、更に強化されることを期待する。技術支援チームのキャリアパスに関して、今後検討する必要が出てくるであろう。

 

3-2 産業利用
 前回の助言委員会の助言に対して、食品加工分野の利用開拓、自動化の開発、アウトソーシング、などにおいて適切な対応が実施されている。放射光産業利用発展に向けた「All Japan体制」の構築を目指した、SPring-8の特長を活かした利用技術開発の方向は妥当であり、高く評価できる。ただし、本当の意味でSPring-8の特長を活かした利用技術開発の方向は何であるかは吟味が必要である。HAXPES測定の自動化に関しては、難度が高いが是非とも実現していただきたい。またin-situ測定への期待は高く、今後益々重要である。
 試料環境制御の提案に関わる担当者の姿勢は高く評価できる。より効果的な対象を見つけることが重要であり、その点にも注力して頂きたい。
 また、産業利用を行った企業を通しての普及啓発活動を積極的に進めることが、今後の産業利用の推進にとって効果があると考える。
 アウトソーシングに関しては、研究者による技術支援の時間緩和のために、その可能性を提案したことは高く評価できる。図らずも、分析会社などによる成果専有課題での利用が、産業利用で約1/3を占めている現状を踏まえ、既存技術の利用において分析会社との共同運用を模索し、その結果得られる資金を新たな解析技術の開発に充てることで、持続的な解析ニーズの発掘を行うという、JASRIと分析会社の両者にとって、win-winとなるような関係を築くことができることが望ましいと考える。また、SPring-8の品質保証の視点から、feedbackのない分析会社へのアウトソーシングは、リスクを含むことも考慮する必要がある。

 

 

4. 利用促進②に関する助言
4-1 タンパク質結晶解析推進室
 タンパクのBLを横断的に運用するためのL1分科会独自の課題選定システムが功を奏して、IDビームラインの利用率は極めて高く、BMビームラインの充足率も改善しており、ユーザーの満足度も高いように見受ける。
 タンパク質結晶解析の測定技術開発については、進行中の3件の高度化テーマ(試料交換ロボットの高性能化、調温調湿下試料測定環境の開発、偏向電磁石BLの高輝度・高集光化)、SSX測定環境の構築等、高度化への積極的など取り組みは評価できる。特に、短波長X線利用による金属(鉄)電子状態解析の成功は、従来の電子密度解析からケミストリー展開ができるようになったという点で高く評価できる。
 これからの課題は、新規ユーザーの取り込みへの工夫である。一つの方法として、S-SADの威力をアピールし、その利用を広めることが挙げられる。また、結晶化を含めた支援体制が出来れば、新規利用者増が期待できるであろう。これらについて、学会でのブース展示などを含めた普及啓発活動が考えられる。
 また、JASRIスタッフが中心となって共同研究を積極的に行うことが新たな成果創出の観点から重要であり、さらに、スタッフのキャリアパスを考える上でも重要である。

 

4-2 XFEL利用研究推進室
 目的意識を明確に持って開発を進めており、BLの数の増強、SCSSの移設による軟XFELビームラインの立ち上げなど、世界トップのFEL施設として順調に推移しており、またルーチン化の努力も怠りなく対応してきている。産業利用への取り組みも評価できる。
 XFELが世界的な競争の中でSACLAは緊張感を持って研究に取り組んでおり、勝ち抜くためにハイリスク・ハイリターンに取り組むことは当然であろう。SACLAの性能を知り尽くしたスタッフが、新しい分野の研究者を開拓することがこれまで以上に望まれる。
 一方、これまでに得られた優れた成果は事例集にまとめられているが、その成果を積極的に普及・宣伝することにより、ともすればXFELに距離を置いているユーザーを取り込むことが、より幅広い分野での成果を生み出すために肝要である。そのためにSPRUCとの連携も重要である。
 SACLAで培った時分割測定技術や検出器開発などの要素技術開発は、その結果のみならずそのプロセスがSPring-8 IIにマッチした測定系を構築する上で重要であり、どのように繋げていくかについて充分検討して頂きたい。

 

4-3 利用推進部
 次期UI-Systemについては、どのようにあるべきかについて利用者のSPRUCと利用支援をする利用研究促進部門、産業利用推進室などとの充分な検討に基づいて設計されることが肝要である。10-20年スパンで利用されるものであるから、利用形態の変更に対応できる柔軟性が求められる。また、蓄積されるデータが情報支援や評価のデータとして円滑に利用できるようにすることが求められ、また、現システムで扱われているデータの継続利用も可能にしておく必要がある。
 SPring-8の成果創出についてTop10をキーワードとして整理してSPring-8の立ち位置を見せるようにしたことは評価できる。一方で、SPring-8は基礎研究から産業利用に至るまでの幅広い領域でのわが国最大の共同利用機関であり、その評価基準は一般的な学術研究機関とは異なる独自のものである。それを見せるためにはこれまでの利用実績を十分に解析する必要があるが、利用推進部のマンパワーだけでは困難であり、データ解析に実績のある外部研究機関との共同研究が必須である。
 普及啓発活動についての努力は多とするが、より効率的に行うためにSPRUCとの有機的な連携が求められる。

 

 

5. まとめ
 第1回科学技術助言委員会と同様に、今回の委員会の役割は、JASRIのこれまでのアクテビティを評価することではなく、今後の発展に資するための助言を行うことにあると考えて、本取り纏めを行った。
 非常に広範に亘る放射光科学の中で、適切な選択と集中を行い、登録機関JASRI、施設者、利用者が一体となって、他施設の追従を許さない体制を構築することを目指して頂きたい。
 SPring-8とSACLAの技術開発要素には共通する部分と各々異なる部分がある。共通する部分に関しては、同じサイトにある利点を生かして情報交換の場を適宜設けて、相乗効果が期待できる効率的な取り組みが必要である。
 2021年頃を目標に理研がSPring-8をアップグレードする計画を持っており、JASRIの研究スタッフがその議論に積極的に関わるポテンシャルをもつことが重要である。研究スタッフが、SPring-8のアップグレードに積極的に関わる強い意志を持って、日々の研究業務に取り組んで頂きたい。今後、低エミッタンス化された光源、それに伴う空間コヒーレンス度の高いビームの利用研究を強く意識して、研究開発に取り組むことが重要である。
 将来計画を実現させることは、長いタームにおける人材育成にとって最も強力かつ効果的な機会であるので、将来計画を後押しする日々の業務の遂行を期待するものである。
 本委員会の本助言が登録機関としてのJASRIの役割を果たす上で、また、SPring-8の利用研究成果の最大化を目指す上で参考になることを願うものである。

 

 

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[ - Vol.15 No.4(2010)]
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