SPring-8 / SACLA Research Report

ISSN 2187-6886

Volume6(2018)

SPring-8 Section A: Scientific Research Report

2011B1256 / BL04B1
天然スピネルのその場熱膨張率測定
Thermal Expansion of Natural MgAl2O4 using in situ Synchrotron X-ray Powder Diffraction
DOI:10.18957/rr.6.1.1

山本 順司a, 芳野 極b, 山崎 大輔b, 下宿 彰b, Sun Weib

Junji Yamamotoa, Takashi Yoshinob, Daisuke Yamazakib, Akira Shimojukub, Sun Weib

a北海道大学,b岡山大学

aHokkaido University, bOkayama University

Abstract

 本研究では、天然スピネルの熱膨張率をSPring-8におけるその場粉末X線回折によって推定することを試みた。3 GPa におけるセル体積の温度依存性を見ると、300 K から 1500 K までの温度変化においてセル体積は約 11 Å3 増加している。300 K におけるセル体積を 538 Å3 とすると熱膨張率は 1.7 × 10-5 K-1 となる。この値は MgAl2O4 スピネルで報告されている値より低く、化学組成依存性の可能性が考えられる。

 しかし、本研究では加圧初期段階にセル体積の不規則な変化が見られており、また、本研究で見られたセル体積の圧力依存性は、スピネルの体積弾性率から推察される体積膨張率より小さい。これは加圧中に生じたセル内部の圧力不均質に因るかもしれず、今後、推定された熱膨張率の精確度を検証する作業が必要である。


キーワード: スピネル、熱膨張率、その場粉末X線回折

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2012A1392 / BL38B1
プレニル鎖変換に関わる酵素の反応機構の解析
Investigation of the Reaction Mechanism of Prenyl-Chain Transformation Enzymes
DOI:10.18957/rr.6.1.6

藤橋 雅宏a, 三登 一八a, 岩田 有希b, 廣瀬 加奈b, 渡辺 文太c, 邊見 久b, 三木 邦夫a

Masahiro Fujihashia, Kazuya Mitoa, Yuki Iwatab, Kana Hiroseb, Bunta Watanabec, Hisashi Hemmib, Kunio Mikia

a京都大学大学院理学研究科,b名古屋大学大学院生命農学研究科, c京都大学化学研究所

aGraduate School of Science, Kyoto University, bGraduate Schoolo of Bioagricultural Sciences, Nagoya University, cInstitute for Chemical Research, Kyoto University

Abstract

 ゲラニルゲラニル基還元酵素(GGR)は、イソプレノイドに存在する二重結合を還元する酵素である。本研究では古細菌Sulfolobus acidocaldarius 由来GGRを対象に、基質であるゲラニルゲラニル二リン酸(GGPP)との複合体構造を決定し、その反応機構を明らかにすることを目指した。BL38B1において、Sa-GGRとGGPPの混合溶液から得た結晶より1.85 Å 分解能のデータを取得したが、基質に相当する電子密度はGGPPとは断定できないものであった。


キーワード: 結晶構造解析、酵素

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2012A3703 / BL22XU
希土類金属3重水素化物の長周期構造の形成に関する研究
Formation of Long-Period Structures in Rare-earth Metal Tri-Deuterides
DOI:10.18957/rr.6.1.9

町田 晃彦a, 綿貫 徹a, 木村 通b,†, 市川 貴之b, 小島 由継b

Akihiko Machidaa, Tetsu Watanukia, Toru Kimurab, Takayuki Ichikawab, Yoshitsugu Kojimab

a(国)量子科学技術研究開発機構,b広島大学

aQST, bHiroshima University

Abstract

 テルビウム3重水素化物 TbD3 の高圧力下における長周期積層構造の形成をX線回折により調べた。常圧相の六方格子構造から高圧相の面心立方構造への変化する間、8.6 GP aから 17.3 GPa の広い圧力領域で中間状態の形成を示すX線回折パターンが観測された。しかしながら以前に YH3 で決定した構造モデルではパターンが再現できない。これは異なる積層シーケンスの長周期構造が形成されている可能性を示唆している。


キーワード: 金属水素化物、高圧力、X線回折

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2013A1698, 2013B1774 / BL27SU
ラジカル窒化処理で形成したSiON/SiC構造の窒素の深さ方向分布の角度分解X線光電子分光法による解明
The AR-XPS Study on Depth Profile of N Atom in Oxynitride Film Formed on 4H-SiC by Radical Nitridation
DOI:10.18957/rr.6.1.13

野平 博司a, 岡田 葉月a, 高嶋 明人b, 室 隆桂之b

Hiroshi Nohiraa, Hazuki Okadaa, Akito Takashimab, Takayuki Murob

a東京都市大学,b(公財)高輝度光科学研究センター

aTokyo City University, bJASRI

Abstract

 放射光を用いた角度分解光電子分光法により、クリプトン窒素プラズマ(Kr : N2 = 97 : 3)を用いたラジカル窒化処理で形成した SiON/4H-SiC の化学構造と窒素の深さ方向分布を調べた。N 1s 光電子スペクトルは、C面では、結合エネルギー 397 eV (LBE)、399 eV (MBE)および 401 eV (HBE)の3つの成分からなり、一方、Si面では、MBEとHBEの2つの成分のみであった。また、C面のMBEに関連する窒素原子は、SiO2 中に分布して存在するのに対し、C面のHBEとLBE、Si面のHBEとMBEに関係する窒素原子は、SiON/SiC界面に存在することを明らかにした。


キーワード: AR-XPS、SiON/SiC、化学結合状態

2013B1316 / BL01B1
ハイドロキシアパタイトをベースとした抗菌性材料の開発に向けたAgおよびCuの局所構造評価
Local Structural Evaluation of Ag and Cu for the Development of Antibacterial Materials Based on Hydroxyapatite
DOI:10.18957/rr.6.1.17

佐藤 充孝a,中平 敦b

Mitsutaka Satoa, Atsushi Nakahirab

a東北大学 金属材料研究所, b大阪府立大学

aInstitute for Materials Research, Tohoku University, bOsaka Prefecture University

Abstract

 高い抗菌性を有する高組織代替材料の開発を目指し、ハイドロキシアパタイト(HAp)合成時にAgおよびCuを添加した試料に対して、Ca、AgおよびCu K吸収端XAFS測定を行った。その結果、Agは添加した量の大部分が金属Agとして存在しており、HAp構造中に固溶し難いことがわかった。また、いずれの元素添加試料においてもリン酸化合物と類似した局所構造を有しており、HAp構造中への固溶の可能性が示唆された。


キーワード: ハイドロキシアパタイト、抗菌、XAFS

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2013B1351, 2016B1942 / BL43IR
種々の合成法により合成された法規制薬物の放射光顕微 FTIR 分析
SR-FTIR Microscopy Analysis of Illicit Drugs Synthesized by Several Synthesis Routes
DOI:10.18957/rr.6.1.22

橋本 敬,本多 定男, 森脇 太郎, 池本 夕佳, 木下 豊彦

Takashi Hashimoto, Sadao Honda, Taro Moriwaki, Yuka Ikemoto, Toyohiko Kinoshita

(公財)高輝度光科学研究センター

JASRI

Abstract

 覚醒剤メタンフェタミン塩酸塩を赤外顕微鏡で非破壊透過測定した。測定光源は赤外放射光とグローバー光源(熱輻射光源)について測定し、結果を比較したところ5 µm以下の微小な試料では赤外放射光が優位であることが確認できた。


キーワード: 赤外放射光、覚醒剤、非破壊顕微鏡透過測定

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2013B1356 / BL02B2
種々の合成法により合成された法規制薬物の放射光Ⅹ線回折分析
SR-XRD Analysis of Illicit Drugs Synthesized by Several Synthesis Routes
DOI:10.18957/rr.6.1.27
橋本 敬,本多 定男

Takashi Hashimoto, Sadao Honda

(公財)高輝度光科学研究センター

JASRI

Abstract

 放射光を用いた非破壊的な高感度X線回折法によって、乱用薬物の覚醒剤メタンフェタミン塩酸塩の結晶構造解析を行った。測定は結晶をメノウ乳鉢で粉砕しリンデマン製ガラスキャピラリー(内径0.3 mmΦ)に入れ粉末X線回折測定を行った。測定データの解析はEXPOを用いた直接法により初期構造を決定し、精密化を行うことができた。


キーワード: 科学捜査、合成覚せい剤類、粉末X線回折

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2014A1159 / BL38B1
巨大ヘモグロビンの酸素結合中間状態の結晶構造解析
Crystal Structure Analysis of the Oxygenation Intermediate States of the Giant Hemoglobin
DOI:10.18957/rr.6.1.31

沼本 修孝

Nobutaka Numoto

東京医科歯科大学難治疾患研究所

Medical Research Institute, Tokyo Medical and Dental University (TMDU)

Abstract

 ヘモグロビンの酸素結合と解離に伴う構造変化の中間体を構造解析した例はこれまでにない。本研究では、無脊椎動物由来巨大ヘモグロビンの酸素結合型結晶を浸漬法により酸素非結合型へと結晶を破壊することなく移行させ、その中間状態のX線結晶構造解析を行った。得られた結晶構造から酸素の部分的な解離を確認し、本手法の有効性を実証した。また、巨大ヘモグロビンの四次構造変化は、大部分の酸素が解離しない限り生じないことが示唆された。


キーワード: アロステリックタンパク質、構造変化、中間体

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2014A1288, 2014B1123 / BL43IR
赤外顕微分光によるアポトーシスを起こした細胞核の解析
Analysis of Apoptotic Nuclei with Infrared Spectra-Microscopy
DOI:10.18957/rr.6.1.35

加道 雅孝a, 江島 丈雄b, 刀祢 重信c, 篠原 邦夫d

Masataka Kadoa, Takeo Ejimab, Shigenobu Tonec, Kunio Shinoharad

a量子科学技術研究開発機構, b東北大学, c東京電機大学, d東海大学

aQST, bTohoku University, cTokyo Denki University, dTokai University

Abstract

 アポトーシスを誘発したHeLa S3細胞の単離核を赤外顕微分光ビームライン(BL43IR)の試料セルに封入し、赤外顕微分光測定を行い、得られたスペクトルを解析することによりDNAの断片化過程を調べた。アポトーシスを起こしていない正常な細胞核および、アポトーシスの進行を制御した細胞核を用い、リング形状、ネックレス形状、崩壊状態のそれぞれの各ステージにある個々の細胞核の赤外線吸収スペクトルを測定した結果、アポトーシスによる強度の減少が指摘されている 1000 cm-1 付近の PO2- モードのスペクトルにアポトーシスのステージによる特徴的な差異が確認できた。


キーワード: 細胞核、アポトーシス、赤外顕微分光法

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2014A1353 / BL40XU
高速X線1分子追跡法を使ったタンパク質のフォールディングダイナミクスの解析
Protein Folding Dynamics Based on High Speed Diffracted X-ray Tracking
DOI:10.18957/rr.6.1.38

高橋 聡a, 小井川 浩之a, 関口 博史b, 佐々木 裕次c

Satoshi Takahashia, Hiroyuki Oikawaa, Hiroshi Sekiguchib, Yuji Sasakic

a東北大学,b(公財)高輝度光科学研究センター, c東京大学

aTohoku University, bJASRI, cThe University of Tokyo

Abstract

 タンパク質が変性状態から天然状態にフォールディングする過程の解明を目指し、プロテインAのBドメイン(BdpA)のゆらぎ運動をX線1分子追跡法(DXT法)を用いて観察することを試みた。金基板にBdpAと金ナノ結晶を滴下した試料についてDXT測定を行い、多数の回折点を検出した。変性剤濃度が低い条件では回折点の揺らぎ運動は制限されており、金ナノ粒子と基板の間の相互作用が示唆された。一方で、変性剤濃度が高い条件では比較的速い運動が検出される場合があった。この条件では、変性したBdpAの鎖の揺らぎ運動を観察できた可能性がある。


キーワード: タンパク質のフォールディング、プロテインAのBドメイン、X線1分子追跡法

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2014A1832 / BL26B2
挿入変異が引き起こすYFPの構造変化
Structure Change of YFP Induced by Insertion Mutations
DOI:10.18957/rr.6.1.42

田中 るみかa, 慶澤 景子b, 渡邉 朋信b, 川口 辰也a, 今田 勝巳a

Rumika Tanakaa, Keiko Yoshizawab, Tomonobu Watanabeb, Tatsuya Kawaguchia, Katsumi Imadaa

a大阪大学大学院理学研究科, b理化学研究所 QBiC

aGraduate School of Science, Osaka University, bRIKEN QBiC

Abstract

 YFPは発色団近傍の7番目のβ鎖にアミノ酸を挿入すると、蛍光の圧力応答性が著しく向上した変異蛍光タンパク質が得られるが圧力応答性が生じる原因は不明である。本研究では、系統的に挿入変異を行ったYFPについて様々な圧力下での構造解析を行い、蛍光圧力応答の構造基盤を明らかにすることを目的として、加圧セル材のテストとYFP1残基挿入変異体YFP-Qの構造解析を行った。


キーワード: YFP、圧力応答、結晶構造解析

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2014A3712, 2014B3712 / BL22XU
高エネルギーX線回折を用いた銅酸化物高温超伝導体における電荷密度波の研究
CDW in High-Tc Cuprates Studied by High-Energy X-ray Diffraction
DOI:10.18957/rr.6.1.46

石井 賢司a, 佐藤 研太朗b, 浅野 駿b, 藤田 全基b, 中尾 裕則c

Kenji Ishiia, Kentaro Satob, Shun Asanob, Masaki Fujitab, Hironori Nakaoc

a(国研)量子科学技術研究開発機構放射光科学研究センター,b東北大学金属材料研究所, c(共)高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所

aQST, bTohoku University, cKEK

Abstract

 CuO2面が三層重なったBi系銅酸化物高温超伝導体 Bi2Sr2Ca2Cu3O10+δ(Bi2223)における電荷密度波を探索するため、高エネルギーX線回折実験を行った。低温で出現し、温度上昇により消失する超格子反射は観測されたが、銅 L3 吸収端では等価な波数位置には観測されないため、電荷密度の変調に由来した超格子反射ではないと結論づけた。結晶中のCuO2面間でホール濃度が不均一である三層系における電荷密度波の特徴とその超伝導との関係について議論を行う。


キーワード: 銅酸化物高温超伝導体、電荷密度波、X線回折

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2014A6907, 2014B6907, 2015B6504, 2016A6605, 2016B6605 / BL44XU
小胞体分子シャペロンER-60によるペプチド結合様式
Prptide Binding Mechanism of Endoplasmic Reticulum Chaperone ER-60
DOI:10.18957/rr.6.1.50

裏出 令子a, 伊中 浩治b, 古林 直樹b, 東野 ゆうきa, 松﨑 元紀a, 奥田 綾a, 加茂 昌之b

Reiko Uradea, Koji Inakab, Naoki Furubayashib, Yuki Higashinoa, Motonori Matsusakia, Aya Okudaa, Masayuki Kamoa

a京都大学,b丸和栄養食品株式会社

aKyoto University, bMaruwa Foods and Biosciences, Inc.

Abstract

 脳神経細胞の小胞体に高発現する分子シャペロンER-60はアルツハイマー病の原因と考えられているアミロイドβペプチドの線維化を阻害する。生化学的な解析から、ER-60のbb’ 領域がアミロイドβペプチドと結合することで線維化を阻害することが明らかとなっている。本研究では、結晶構造解析によりbb’ の境界領域にアミロイドβペプチドが一定の決まった配位ではなくフレキシブルな結合様式で結合することを明らかにした。


キーワード: アミロイドβペプチド、小胞体、分子シャペロン、X線結晶構造解析

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2014B1324, 2015B1287, 2017A1392 / BL43IR
ナノインプリントグラフォエピタキシーによって作製した三次元液晶微細構造物の分子配向評価
Evaluation of Molecular Orientation of Nanostructure of Photo-cross Linkable Liquid Crystalline Polymer Fabricated by Nanoimprint Graphoepitaxy
DOI:10.18957/rr.6.1.55

岡田 真a, 池本 夕佳b, 森脇 太郎b

Makoto Okadaa, Yuka Ikemotob, Taro Moriwakib

a兵庫県立大学高度産業科学技術研究所, b(公財)高輝度光科学研究センター

aLASTI, University of Hyogo, bJASRI

Abstract

 ナノインプリントグラフォエピタキシーによって作製した分子配向を有する液晶微細構造物の分子配向を評価するため、BL43IRによる局所領域における偏光IR測定を行った。測定の結果、ラインアンドスペースパターン内の分子が配向していることが分かった。


キーワード:ナノインプリントグラフォエピタキシー、分子配向、偏光IR測定

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2014B1518 / BL29XU
コヒーレントX線回折による電荷密度波物質の研究
Study of Charge-Density-Wave Materials by Means of Coherent X-ray Diffraction
DOI:10.18957/rr.6.1.60

吉田 力矢a, 後藤 遼平a, 松浦 徹b, 丹田 聡b, 香村 芳樹c, 田中 良和c, 西野 吉則a

Rikiya Yoshidaa, Ryohei Gotoa, Toru Matsuurab, Satoshi Tandab, Yoshiki Komurac, Yoshikazu Tanakac, Yoshinori Nishinoa

a北海道大学電子科学研究所,b北海道大学工学部,c(国)理化学研究所

aResearch Institute for Electronic Science, Hokkaido University, bDepartment of Engineering, Hokkaido University, cRIKEN

Abstract

 本実験課題では、コヒーレントX線回折による電荷密度波物質の研究に向けた事前検討を目的として、X線光学系・測定装置系の設置と、1T-TaS2 をテスト試料に用いた評価をBL29XUにおいて行った。室温における評価では、1T-TaS2 の衛星反射におけるスペックルパターンを測定できることを確認した。試料に電流を印加して行った測定では、コヒーレントX線回折パターンに有意な変化は観測されなかったが、電流印可方法に問題があった可能性があり、断定的な結論は得られなかった。温度依存性の測定に向けた検討では、低温測定用クライオスタットのベリリウム窓材がコヒーレントX線回折パターンに影響を与えることが確認された。更に、ヒーターを使用して試料を 〜370 K まで加熱した測定では、ブラッグピークの強度分布に揺らぎが観測され、高温では測定系が十分に安定していないことが示された。


キーワード: コヒーレントX線回折、電荷密度波

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SPring-8 Section B: Industrial Application Report

2011B1011 / BL14B2
XAFSによる可視光応答型光触媒の構造解析
Structure Analysis of Visible-light-driven Photocatalysts by XAFS Method
DOI:10.18957/rr.6.1.65

黒田 靖a, 李 定a, 細木 康弘b, 宮石 壮b

Yasushi Kurodaa, Ding Lia, Yasuhiro Hosogib, So Miyaishib

a昭和電工セラミックス(株), b昭和電工(株)

aShowa Denko Ceramics Co., Ltd., bShowa Denko K.K.

Abstract

 可視光照射によって、抗菌・抗ウイルス性能を発揮する、銅(II)化合物担持酸化チタン(昭和電工(株)「ルミレッシュ®CT-2」)について、表面の銅化合物の構造や、光照射時の銅の価数を明確にすることを目的として、SPring-8 BL14B2ラインを使用して、XAFS分析を行った。抗菌・抗ウイルス挙動から考慮して、光照射によって酸化チタン表面にて銅(I)化合物の生成が強く示唆されるが、今回の測定では、銅(I)に帰属できる結果を得ることはできなかった。


キーワード: 可視光応答型光触媒、抗菌、抗ウイルス、銅、酸化チタン


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2012B1184 / BL46XU
HAXPESによるLiFSI添加電解液を用いたリチウムイオン二次電池の電極表面解析
Analysis of the Electrode Surface with LiFSI-containing Liquid Electrolyte in Lithium Ion Secondary Battery by HAXPES
DOI:10.18957/rr.6.1.68

平田 和久, 水野 弘之, 柴田 慎弥, 小川 賢, 久保田 是史, 栗山 明子, 伊藤 広一

Kazuhisa Hirata, Hiroyuki Mizuno, Shinya Shibata, Ogawa Satoshi, Korefumi Kubota, Akiko Kuriyama, Hirokazu Ito

株式会社日本触媒

NIPPON SHOKUBAI CO., LTD.

Abstract

 リチウム ビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)はリチウムイオン電池の主電解質としてだけでなく、添加剤として使用することにより電池の性能を向上させることができる。本検討ではLiFSIをリチウムイオン電池の添加剤として使用し、満充電状態での高温保存試験を行った。高温保存試験の結果、LiFSIを添加することにより電池の容量維持率を向上させることが可能であった。また、保存試験後の正極をXPSおよびHAXPESによる分析を行った結果、LiFSIの添加により正極最表面のコバルト原子の価数変化が生じないこと及び正極上の堆積物が低減することが確認された。


キーワード: リチウムイオン電池、リチウム塩、LiFSI、リチウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、HAXPES、XPS

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2013A1533 / BL19B2
延伸時のナノシリカ充填シリコーンゴムの階層構造解析
Analysis on Hierarchical Structure of Nano-Sillica Filled Poly(dimethylsiloxane) during Uniaxial Deformation
DOI:10.18957/rr.6.1.72

福谷 (野田) 実希, 妹尾 政宣

Miki Noda Fukuya, Kazunobu Senoo

住友ベークライト株式会社

Sumitomo Bakelite Co., Ltd.

Abstract

 優れた化学的安定性を有するシリコーンゴムは、様々な用途で使用されているが、引裂き強度の弱さが課題である。我々は補強材としてナノシリカを充填することにより、高引裂き強度を備えたシリコーンゴムを開発している。本研究では、延伸過程における構造変化を極小角X線散乱および小角X線散乱測定により評価した結果、高次構造の変形が観察された。


キーワード: ナノシリカ、シリコーンゴム、USAXS


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2013A1816 / BL19B2
シリカ配合ゴムの時分割X線散乱法によるせん断変形時のゴム内部構造観察
Observation of Silica Filled Rubber using Simultaneous Measurement of Time-Resolved Ultra-Small Angle X-ray Scattering and Viscoelastoc Properties
DOI:10.18957/rr.6.1.75

三原 諭a, 網野 直也a, 菅原 優輝b, 西辻 祥太郎b, 佐藤 翔c, 和泉 英二c, 山口 薫c, 竹中 幹人c

Satoshi Miharaa, Naoya Aminoa, Yuki Sugawarab, Shotaro Nishitsujib, Sho Satoc, Eiji Izumic, Kaoru Yamaguchic, Mikihito Takenakac

a横浜ゴム株式会社, b山形大学, c京都大学

aYokohama Rubber Co., Ltd., bYamagata University, cKyoto University

Abstract

 シリカ充填ゴムに周期的なせん断変形を与えながら、時分割超小角X線散乱と粘弾性特性の同時測定を行ない、ゴムの内部構造と粘弾性特性の関係を調べた。ゴムに50%せん断ひずみを周期的に与えても散乱プロファイルに変化は見られなかった。せん断ひずみが200%に達するとシランカップリング剤配合の有無に関わらず、不可逆な散乱プロファイル変化を示した。また、シランカップリング剤未配合のゴムは、せん断変形による散乱プロファイルの変化が大きくなった。これらの散乱プロファイルの変化は、繰り返しせん断変形における応力-ひずみ曲線より得られるリサージュ面積の変化に対応することから、フィラー充填ゴムのエネルギーロスは、変形に伴うフィラー構造の変化に起因することが示唆された


キーワード: シリカ,凝集,フィラー分散、エネルギーロス


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2013B1517 / BL46XU
硬X線光電子分光による駆動中の有機デバイス素子の解析
HAXPES Analysis on Organic Electronics Devices under Operation
DOI:10.18957/rr.6.1.82

岡本 薫, 岡部 崇志, 武田 一樹, 阿部 芳巳

Kaoru Okamoto, Takashi Okabe, Kazuki Takeda, Yoshimi Abe

三菱ケミカル株式会社

Mitsubishi Chemical Corporation

Abstract

 電圧印加により発光した状態の有機EL素子について硬X線光電子分光(HAXPES)測定を行った。電圧印加に伴うXPSピークのシフト幅を比較した結果、発光層とホール輸送層の間に最も大きな差があり、印加した電位差がこの領域の電荷移動で費やされていることを直接的に観測できた。


キーワード: 硬X線光電子分光、駆動中測定、有機EL


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2013B1709 / BL14B2
XAFSによるスズおよびコバルトを還元析出した白金触媒の局所構造解析
Local Structure of Sn and Co Species Reductively Deposited on Pt Catalysts
DOI:10.18957/rr.6.1.86

谷屋 啓太, 今井 智太, 桶本 篤史, 市橋 祐一, 西山 覚

Keita Taniya, Tomota Imai, Atsushi Okemoto, Yuichi Ichihashi, Satoru Nishiyama

神戸大学

Kobe University

Abstract

 SnまたはCoカチオンを水素雰囲気下の液相中で Pt/SiO2 上に還元析出させた、Sn-deposited Pt/SiO2 触媒および Co-deposited Pt/SiO2 触媒における各添加金属種の局所構造についてX線吸収微細構造(XAFS)測定を行った。XANESの結果から、Pt/SiO2 上に析出したSn種およびCo種はそれぞれ4価および2価で存在していることがわかった。また、EXAFSの結果から、SnおよびCoの最近接にはO原子が存在することが示唆されたが、それぞれの化合物種の同定には更なる検討が必要である。


キーワード: Sn-deposited Pt/SiO2、Co-deposited Pt/SiO2、液相還元析出、選択水素化

2014A1520 / BL14B2
BL14B2における遠隔XAFSシステムの構築(4)
Development of Remote-XAFS System at BL14B2 (4)
DOI:10.18957/rr.6.1.93

高垣 昌史, 井上 大輔, 古川 行人, 本間 徹生

Masashi Takagaki, Daisuke Inoue, Yukito Furukawa, Tetsuo Honma

(公財)高輝度光化学研究センター

JASRI

Abstract

 BL14B2において開発を進めている遠隔XAFSシステムを構成する、自動光学調整、自動試料搬送ロボット制御、およびQuick XAFS測定プログラムの完成を受け、総合動作試験、およびBL-USER-LANの外部からの遠隔操作試験を行った。


キーワード: 遠隔実験、XAFS

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2014A1551 / BL19B2
SDSが引き起こす角層構造変化に対する多価アルコール添加効果
Roles of Polyols in SDS-Induced Structural Change of Human Stratum Corneum
DOI:10.18957/rr.6.1.96

簗瀬 香織a, 藤崎 裕子a, 八田 一郎b

Kaori Yanasea, Yuko Fujisakia, Ichiro Hattaa

aクラシエホームプロダクツ株式会社, b(公財)名古屋産業科学研究所

aKracie Home Products, Ltd., bNagoya Industrial Science Research Institute

Abstract

 ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)適用によるヒト皮膚角層構造変化と、多価アルコールの添加が構造変化に与える影響を、X線散乱測定により観察した。SDSの適用により、角層細胞間脂質の長周期ラメラ構造は明らかに膨潤し、短周期ラメラ構造はほとんど変化しなかったが、多価アルコールはラメラ周期に影響を及ぼさなかった。細胞間脂質充填構造はSDS単独ではほとんど変化しなかったが、多価アルコールを添加すると、格子間隔が増加し、充填構造を緩めた。


キーワード: stratum corneum, sodium dodecyl sulfate, glycol, X-ray diffraction


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2014A1714 / BL04B2
異なる製造法による硫化物系固体電解質ガラスの構造解析
Structural Analysis of the Sulfide Solid Electrolyte Glass Obtained by Different Production Methods
DOI:10.18957/rr.6.1.101

山口 展史a, 梅木 孝a, 順毛 直憲a, 樋口 弘幸a, 小原 真司b

Hiroshi Yamaguchia, Takashi Umekia, Tadanori Junkea, Hiroyuki Higuchia, Shinji Koharab

a出光興産株式会社,b(国研)物質・材料研究機構

aIdemitsu Kosan Co., Ltd., bNIMS

Abstract

 硫化物系固体電解質ガラスLi3PS4において、ラボで合成可能なメカニカルミリング法(MM法)と量産化が見込める溶媒を用いた製法(新プロセス法)によるÅ~nmスケールの構造差を、HEXRD (High Energy X-Ray Diffraction) により調べた。両製法を比較した場合、二体分布関数G(r)による局所構造評価では有意な差は見られず新プロセス法においてもMM法と同等の局所構造を有する材料を合成できることが分かった。一方で構造因子S(Q)において、新プロセス法により合成した材料はQが0.5 Å-1以下の低波数領域に強い散乱が見られたことから、ナノサイズよりも大きい領域で、異なる製造法により構造差があることが分かった。また、SAXS (Small Angle X-ray Scattering) 測定の結果から、これは球形近似で数十nmの構造体であることが分かった。


キーワード: 固体電解質、HEXRD、SAXS、二体分布関数

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2014A3723 / BL22XU
放射光X線回折による CFRP/Ti 積層板の Ti 層におけるひずみ測定
Strain Measurement in Ti Layers of CFPR/Ti Laminates by Synchrotron X-ray Diffraction
DOI:10.18957/rr.6.1.105

秋田 貢一a, 中谷 隼人b, 荻原 慎二c, 菖蒲 敬久a, 城 鮎美d, 井川 直樹a, 下条 豊a

Koichi Akitaa, Hayato Nakatanib, Shinji Ogiharac, Takahisa Shobua, Ayumi Shirod, Naoki Igawaa, Yutaka Shimozyoa

a日本原子力研究開発機構, b大阪市立大学, c東京理科大学, d量子科学技術研究開発機構

aJAEA, bOsaka City University, cTokyo University of Science, dQST

Abstract

 炭素繊維強化プラスチック(CFRP)とチタン箔(Ti)を交互に積層したCFRP/Ti積層板に機械的曲げ負荷を与え、それに伴う各Ti層のひずみ挙動を放射光X線回折により測定した。実験結果から、CFRP/Ti積層板内の各Ti層の弾性ひずみ挙動が、放射光X線回折によって非破壊的に測定できることが示された。


キーワード: ファイバメタル積層材、CFRP、Ti、放射光X線回折、弾性ひずみ、塑性ひずみ

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2015A1854 / BL14B2
バイオマスサンプルにおける元素形態の解析2
Analysis on Elemental Form for Biomass Sample 2
DOI:10.18957/rr.6.1.109

日良 聡a, 上田 厚志a, 鈴木 健治a, 武田 龍二a, 沼子 千弥b

Satoru Hiraa, Atsushi Uedaa, Kenji Suzukia, Ryuji Takedaa, Chiya Numakob

a月島機械株式会社, b千葉大学大学院理学研究科

aTsukishima Kikai Co., Ltd, bChiba University

Abstract

 バイオマス燃料の発熱・発火原因を究明するため、バイオマス燃料に含まれる鉄について、BL14B2のXAFS測定システムを用いて鉄K吸収端XAFS測定を行った。標準物質で調製した模擬試料の測定結果より、炭化物製造過程で安定な三価の鉄化合物から、Fe3O4 に変化する可能性が示唆された。


キーワード: バイオマス、燃料、XAFS、XANES、鉄

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2015A1948 / BL19B2
アイソタクチックポリプロピレン(PP)/熱可塑性エラストマー2成分ブレンド系における熱膨張挙動とPP格子定数及び長周期の温度変化
Study on Temperature Dependence of Crystalline Structure and Long Period of Injection-molded Isotactic Polypropylene/Thermoplastic Elastomer Binary Blends
DOI:10.18957/rr.6.1.115

小野 道雄

Michio Ono

ダウ・ケミカル日本株式会社

Dow Chemical Japan, Ltd.

Abstract

 ポリプロピレン/熱可塑性エラストマーブレンドの長周期及び格子定数の温度変化を小角X線、広角X線散乱測定を用いて調べた。PP長周期は温度と共に増大した。エラストマーブレンドによりPP長周期は大きく増加し、高メルトインデックス(低粘度)のエラストマーブレンド系ほど長周期の温度変化が大きくなることがわかった。またPP格子定数はac軸はエラストマーブレンド系において大きく増加したが、b軸は若干小さくなることがわかった。各格子定数の温度変化はエラストマーのメルトインデックスと強い相関があることもわかった。


キーワード: 小角X線散乱、広角X線散乱、長周期、格子定数、熱膨張係数、射出成形、ポリプロピレン、熱可塑性エラストマー

2016A1566 / BL19B2
固体酸化物形燃料電池用酸化物イオン伝導体のXRD解析
XRD Analysis of Oxygen Ion Conductor for SOFC
DOI:10.18957/rr.6.1.125

岩井 広幸,齋藤 正紀,高橋 洋祐

Hiroyuki Iwai, Masaki Saito, Yosuke Takahashi

(株)ノリタケカンパニーリミテド

Noritake Co., Ltd.

Abstract

 固体酸化物形燃料電池(SOFC)電極に用いる酸素イオン伝導材料として、現在もっともよく利用されているのがぺロブスカイト型酸化物 La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8O3−δ(LSCF)である。長期信頼性の確立、さらなるコスト低減を推し進めることで、SOFCの普及拡大が期待されている。SOFCの作動温度条件におけるLSCFの主要な劣化要因は、微量存在する不純物との反応による材料組成変化(高抵抗相の形成等)である。LSCFの合成条件や発電条件が異なる場合において結晶構造の安定性について工業的に重要な知見が得られた。製造時から発電時まで、材料の結晶性を安定させるために合成温度を高くすることが有効であるという指針を得られた。


キーワード: ペロブスカイト型酸化物、in-situ XRD、燃料電池

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2016B1578 / BL40B2
保湿剤がヒト角層細胞間脂質の構造変化に及ぼす影響の検討(2)
Effects of Moisturizer Application on Structural Changes of Human Stratum Corneum (2)
DOI:10.18957/rr.6.1.129

羽深 朱里a, 難波 美沙a, 小林 加奈a, 大畑 哲也a, 山田 武a, 八田 一郎b

Akari Habukaa, Misa Nambaa, Kana Kobayashia, Tetsuya Ohataa, Takeshi Yamadaa, Ichiro Hattab

a阪本薬品工業株式会社,b(公財)名古屋産業科学研究所

aSakamoto Yakuhin Kogyo Co., Ltd., bNISRI

Abstract

 保湿剤として汎用されるグリセリンや 1,3-ブチレングリコールの角層に対する保湿機構を解明するため、前検討でこれらを作用した角層の乾燥時の構造変化を小角・広角X線回折により測定した。その結果、保湿剤の種類により乾燥時の構造の変化に差は見られたが、湿潤時の影響をあわせて評価することの重要性が示唆された。そこで本検討では、保湿剤を作用した角層の湿潤、乾燥による一連の変化を連続的に測定する方法の確立に向け、検討を行った。試料セルに固定した角層について保湿剤の作用から乾燥までを同一の試料を用いて連続的に評価したところ、小角・中角領域に見られる角層構造の格子面間隔(d)は作用により拡大し、乾燥により縮小することが確認された。また、その変化は作用する保湿剤により異なった。今後、この方法を用いて保湿剤の影響の評価が可能と考えられる。。


キーワード: ヒト角層、細胞間脂質、多価アルコール、小角広角X線回折

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2016B1628 / BL19B2
固体酸化物形燃料電池用酸化物イオン伝導体のXRD解析
XRD Analysis of Oxygen Ion Conductor for SOFC
DOI:10.18957/rr.6.1.133

岩井 広幸, 齋藤 正紀, 高橋 洋祐

Hiroyuki Iwai, Masaki Saito, Yosuke Takahashi

(株)ノリタケカンパニーリミテド

Noritake Co., Ltd.

Abstract

 固体酸化物形燃料電池(SOFC)電極や集電材に用いる酸化物イオン伝導材料として、現在もっともよく利用されているのがぺロブスカイト型酸化物 La1-xSrxCo1-yFeyO3−δ(LSCF)である。長期信頼性の確立、さらなるコスト低減を推し進めることで、SOFCの普及拡大が期待されている。SOFCの作動温度条件におけるLSCFの主要な劣化要因は、周辺部材の耐熱合金から蒸散してくるCrとの反応により、電極としての活性が低下することである。本実験にて微量存在するCrとLSCF組成による反応性の変化を確認した。材料の安定性や不純物相などの情報は工業的に重要な知見である


キーワード: ペロブスカイト型酸化物、in-situ XRD、燃料電池


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2016B1862 / BL19B2
液相界面ボトムアップ法による分離膜向け分子ナノシートの創製と構造解析
Structural Analysis of Molecular Nanosheets for Separation Membrane Assembled with a Bottom-Up Approach at Liquid Interfaces
DOI:10.18957/rr.6.1.137

大畑 孝司a, 廣沢 一郎b, 渡辺 剛b, 牧浦 理恵a

Takashi Ohataa, Ichiro Hirosawab, Takeshi Watanabeb, Rie Makiuraa

a大阪府立大学 大学院工学研究科,b(公財)高輝度光科学研究センター 産業利用推進室

aOsaka Prefecture University, bJASRI

Abstract

 配位高分子は、有機分子を主成分とした多孔性物質であり、有機分子の設計性を生かし、細孔サイズや形状を多様且つ容易に変化させることができる。そのため、ナノシート化により、透過性と選択性を兼ね備えた分離膜としての応用が期待される。これまでに、気液界面を用いて配位高分子ナノシートの作製に成功しているが、ナノシートの形成状態(厚さ、面積、結晶化度)に影響を及ぼす条件因子、ガス選択性や透過性は未解明である。本課題においては、固体基板に転写した配位高分子ナノシートの構造評価及び気液界面におけるナノシート形成過程解明のためのその場測定に向けた条件確認を行った。波長 0.124 nm における微小角入射X線回折(GIXRD)測定を行い、in‒plane および out‒of‒plane 測定の両方に関してピークが得られていることから、配位高分子ナノシートは高い結晶性を有し、さらに基板に対して配向していることがわかった。また、ビーム打ち下ろし設定における水表面からの全反射の確認を行った。


キーワード: 分離膜、ナノシート、配位高分子、気液界面、微小角X線回折

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SPring-8 Section C: Technical Report

2012B1181, 2013B1372, 2016B1942 / BL43IR
科学鑑定のための短繊維片の赤外放射光 FTIR 分析
Synchrotron Radiation FTIR Microscopy Analysis of Single Fibers for Criminal Investigation
DOI:10.18957/rr.6.1.141

本多 定男, 橋本 敬, 森脇 太郎, 池本 夕佳, 木下 豊彦

Sadao Honda, Takashi Hashimoto, Taro Moriwaki, Yuka Ikemoto, Toyohiko Kinoshita

(公財)高輝度光科学研究センター

JASRI

Abstract

 犯罪現場において犯人が無意識に遺留する微細証拠物件は犯行を立証する証拠として非常に重要であるが、その中でも繊維は、殺人のみならず傷害、交通事犯、迷惑防止条例違反等、極めて多くの罪種に関係している。法科学分野においては、微細な証拠であればあるほど、再鑑定の必要性から証拠物をそのまま残す非破壊的な鑑定手法が望まれる。そこで、赤外放射光を利用した顕微FTIR分析により、単繊維の標準試料等を非破壊で分析した。その結果、赤外放射光の高輝度性が優位に働き、S/N 比が高く、吸収度の飽和現象が少ないIRスペクトルを得られた。


キーワード: 科学捜査、法科学、微細証拠物件、単繊維、赤外放射光、顕微FTIR

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2014A1840 / BL43IR
科学鑑定のための自動車塗膜の赤外放射光分光顕微分析
Synchrotron Radiation Fourier Transform Infrared Spectrometer(FTIR) Microscopy Analysis of Vehicle Paint for Criminal Investigation
DOI:10.18957/rr.6.1.145

本多 定男, 橋本 敬, 森脇 太郎, 池本 夕佳, 木下 豊彦

Sadao Honda, Takashi Hashimoto, Taro Moriwaki, Yuka Ikemoto, Toyohiko Kinoshita

(公財)高輝度光科学研究センター

JASRI

Abstract

 科学鑑定のもっとも重要な対象のひとつに自動車塗膜があり、構成する各層について赤外分光分析を実施してデータベースと照合することにより車種を推定することが可能になる。

 全国各警察の科学捜査研究所では、自動車塗膜を研磨したうえ各層から微量を採取し、グローバー光源の顕微フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)により分析しているが、微細・僅少になるにしたがって採取して分析に供するのが難しくなり、また分析が可能であってもノイズレベルが高くなり、データベースとの照合でヒット率が大きく低下する。まして、擦過状に付着したものについては層状部分が発見が困難で、まったくお手上げの状態である。

 そこで、広がりが小さく、桁違いに強度が高い赤外放射光分光分析に着目し、アパーチャで 2 µm に絞ったマッピング分析により極小の擦過状自動車塗膜の分析手法について検討した。


キーワード: 科学捜査、法科学、微細証拠物件、赤外放射光、顕微FTIR、自動車塗膜

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2014A1891 / BL14B2
BL14B2における遠隔XAFS環境の開発
Development of Remote-XAFS at BL14B2
DOI:10.18957/rr.6.1.150

高垣 昌史, 井上 大輔, 古川 行人, 本間 徹生

Masafumio Takagaki, Daisuke Inoue, Yukito Furukawa, Tetsuo Honma

(公財)高輝度光科学研究センター

JASRI

Abstract

 BL14B2において開発を進めている遠隔XAFSシステムの基盤である MADOCA が MADOCA2 にバージョンアップしたのを受けて、遠隔XAFSシステムを構成する、自動試料搬送、Quick XAFS測定、および自動光学調整プログラムの MADOCA2 への移行、および動作試験を行った。


キーワード: 遠隔実験、XAFS


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その他

目次
Table of contents
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編集委員会
Editorial Board
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