SPring-8 / SACLA Research Report

ISSN 2187-6886

Volume3 No.1

Published 10-February 2015 /
SPring-8 Document D2015-004

SPring-8 Section A: Scientific Research Report

2011B1410 / BL38B1

キノン型補酵素を持つ酵素の補酵素生成機構の解明
Implications for Quinone Cofactor Biogenesis in Amine-oxidizing Enzymes

DOI:10.18957/rr.3.1.1

喜田 昭子a, 牟礼 美苗b, 三木 邦夫c

Akiko Kitaa, Minae Mureb, Kunio Mikic

a京都大学原子炉実験所, bカンサス大学化学科, c京都大学大学院理学研究科

aResearch Reactor Institute, Kyoto University, bDepartment of Chemistry, The University of Kansas, cGraduate School of Science, Kyoto University



Abstract

 ビルトイン型キノン補酵素依存性酵素であるアミンオキシダーゼ,リジルオキシダーゼは,活性中心のトーパキノン(DPQ)やリシンチロシルキノン(LTQ)を利用して生体内リジン末端アミノ基の酸化的脱アミノ化反応を触媒する.本研究では,特に不明な点が多いLTQの生合成機構について構造生物学的な知見を得ることを目指し,アミンオキシターゼ部位特異的変異体−ベンジルアミン複合体の結晶回折実験を行った.


キーワード: ビルトイン型キノン補酵素依存性酵素,リシルチロシルキノン,結晶構造解析


2011B1449 / BL10XU

チタン酸塩化合物の高圧高温相転移
High Pressure and Temperature Phase Transition of Titanate

DOI:10.18957/rr.3.1.6

浜根 大輔

Daisuke Hamane

東京大学物性研究所

Institute for Solid State Physics of the University of Tokyo



Abstract

 巨大岩石型惑星深部に存在するMgSiO3やCaSiO3の存在様式を理解するためにチタン酸塩をアナログに高圧高温実験を行った。FeTiO3を出発物質にして、約85 GPa、2500 Kまでにイルメナイト相(約0-20 GPa)、ペロブスカイト相(約20-30 GPa)、CaTi2O4型Fe2TiO4相 + OI型TiO2相(約30-44 GPa、高温側)、ウスタイト型FeO相 + OI型TiO2相(約30-44 GPa、低温側)、ウスタイト型FeO相 + 斜方晶系FeTi3O7相(約44 GPa以上)が出現し、さらに約170 GPa、2000 K以上の条件で新たな相が出現することが判明した。


キーワード: FeTiO3、スーパーアース、高圧相転移


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2011B1519 / BL01B1

Understanding Epitaxial Growth of Phase-Change Materials through Studies of the Local Structure

DOI:10.18957/rr.3.1.10

R. Calarco,a A.V. Kolobov,b P. Fons,b A. Giussani,a P. Rodenbach,a K. Perumal,a M. Krbalb

a Paul-Drude-Institut für Festkörperelektronik, Hausvogteiplatz 5-7, 10117 Berlin, Germany

b Nanoelectronics Research Institute, AIST, Tsukuba Central 4, Higashi 1-1-1 Tsukuba, Ibaraki 305-8562, Japan


Abstract

Ge2Sb2Te5 (GST) thin films were grown epitaxially on (001)- and (111)-oriented substrates with control of the growth surface temperature obtained by in-situ quadrupole mass spectrometry (QMS). X-ray absorption near edge spectra (XANES) obtained on samples prepared on different substrate orientations and with different surface temperature were compared. The results show that the Ge2Sb2Te5 layers grown on (111) surfaces show a more pronounced rhombohedral distortion as compared to layers grown on (001)-oriented surfaces.


Keywords: GST, XANES, MBE


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2011B1879 / BL13XU

SiC(000-1)上のエピタキシャルグラフェンの界面構造の研究
Study of Interface Structure of Epitaxial Graphene Layers on SiC(000-1)

DOI:10.18957/rr.3.1.14

白澤 徹郎, 高橋 敏男

Tetsuroh Shirasawa, Toshio Takahashi

東京大学物性研究所

Institute for Solid State Physics, The University of Tokyo


Abstract

 SiC(000-1)表面上のエピタキシャルグラフェンの界面構造を原子レベルで明らかにするために、BL13XUの超高真空表面X線回折計を用いて、3×3及び√3×√3-R30˚界面構造のその場表面X線回折実験を行った。高品質の試料を製作することができなかったため分数次反射を観察できなかったが、鏡面反射ロッドにおいては界面構造からの寄与が観察され、構造解析によって積層方向の構造情報を得ることができた。2つの界面構造とも界面に付加原子層があり、この界面層とグラフェン第一層は強く相互作用していることが示唆された。


キーワード: グラフェン、SiC、表面X線回折、界面構造


2011B4500 / BL15XU

Cuをドープしたトポロジカル絶縁体CuxBi2Se3の結晶構造
Crystal Structure of Cu-doped Topological Insulator CuxBi2Se3

DOI:10.18957/rr.3.1.17

茂筑 高士a, 土屋 佳則a, 鈴木 悠介b, 藤井 宏樹a, 松下 能孝a, 坂田 修身a, 田中 雅彦a, 勝矢 良雄a

Takashi Mochikua, Yoshinori Tsuchiyaa, Yusuke Suzukib, Hiroki Fujiia, Yoshitaka Matsushitaa, Osami Sakataa, Masahiko Tanakaa, Yoshio Katsuyaa

a(独)物質・材料研究機構, b筑波大学

aNational Institute for Materials Science, bUniversity of Tsukuba



Abstract

 バルクとしては絶縁体であるが、表面のみが金属状態を有するトポロジカル絶縁体Bi2Se3にCuをドープすると、約3 Kにおいて超伝導が発現する。ドープされたCuはBi2Se3層間に挿入されると考えられているが、Cuがどのサイトを占有するかを解析した報告はない。本課題では、粉末放射光X線回折により結晶構造解析を行い、Cuが占有するサイトを調べることを目的とした。その結果、CuがBi2Se3層間に挿入されるが、Cu仕込み量xが0.15以上になるとそれだけでは説明できない振る舞いが見られた。


キーワード: トポロジカル絶縁体、Bi2Se3、超伝導、粉末X線回折


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Section B : Industrial Application Report

2011B1456 / BL02B2

ニッケル水素電池用水素吸蔵合金の結晶構造の解析
Crystal Structure Analysis of Hydrogen Absorbing Alloy for Nickel-Metal Hydride (Ni-MH) Battery

DOI:10.18957/rr.3.1.20

安岡 茂和, 石田 潤, 甲斐 拓也

Shigekazu Yasuoka, Jun Ishida, Takuya Kai


FDKトワイセル株式会社

FDK TWICELL Co., Ltd.



Abstract

 ニッケル水素電池に使用されているA2B7型金属間化合物が主相である超格子水素吸蔵合金の結晶構造の同定を行った。その結果、電池の充放電サイクル寿命改善に著しい効果を示したNiの一部をAlで置換した超格子水素吸蔵合金は、AlがAB5ユニットに優先的に存在することが明らかになった。この結果は、Alの置換がAB5相の格子サイズを広げ、AB2相とのミスマッチを小さくすることから、より安定な水素吸蔵放出が可能になり、電池の充放電サイクル寿命が著しく改善された理由と考えられる。


キーワード: ニッケル水素電池、水素吸蔵合金、粉末X線回折、リートベルト解析


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2011B1967 / BL14B2

燃料電池の信頼性を飛躍的に向上させる電解質への鉄の極微量添加手法の確立とその機構解明
Development of High Performance Fuel Cell Electrolytes by Investigating an Effect of Small Amounts of Iron Additives on its Stability and Local Structure

DOI:10.18957/rr.3.1.24

嶺重 温a, 吉岡 秀樹b, 森 良平c, 大渕 博宣d, 梅咲 則正d

Atsushi Mineshige a, Hideki Yoshioka b, Ryohei Mori c, Hironori Ofuchi d and Norimasa Umesaki d

a兵庫県立大学, b兵庫県立工業技術センター, c冨士色素(株), d(公財)高輝度光科学研究センター

aUniversity of Hyogo, bHyogo Prefectural Institute of Technology, cFuji-Pigment.Co.Ltd., dJASRI



Abstract

 ランタンシリケート(LSO,組成La9.333+xSi6O26+1.5x)は燃料電池用新規電解質として応用が期待されるが、イオン伝導性向上のためにxの値を高める必要があり、その場合に化学的に著しく不安定となることが問題である。我々は、極微量の鉄添加が材料の安定性を飛躍的に向上させることを見出した。本課題では、0.99{La10(Si5.8Al0.2)O26.9}-0.01(FeOγ)をベース組成とする、鉄を極微量添加したLSOに対し、XAFSによる鉄の状態解析を実施した。その結果、添加された極微量の鉄はLSO類似のLa-Si-Fe-Oアパタイト相を形成するのではないかと推察された。


キーワード: 固体酸化物形燃料電池、微量元素、XAFS


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2013A1387 / BL27SU

タイヤの耐久性向上のための黄銅/ゴムの接着結合様式の解析-硫黄の化学状態解析Ⅱ
Analysis of Adhesion Bonding System between Brass and Rubber for High Durability of Tires: Analysis of the Chemical State of Sulfur in Tires Ⅱ

DOI:10.18957/rr.3.1.28

鹿久保 隆志, 清水 克典, 網野 直也

Takashi Kakubo, Katsunori Shimizu, Naoya Amino

横浜ゴム株式会社

THE YOKOHAMA RUBBER CO., LTD.



Abstract

 タイヤ中のスチールコードとゴムを接着させることで強固な複合体となり耐久性が維持される。金属接着用ゴムには硫黄が多く含まれており、ゴム中の架橋およびゴムと金属の結合の役割をする。これまで金属側からのXAFS測定を行ってきたが、今回は硫黄に着目し、軟X線XAFS測定より加硫前後、老化前後の硫黄の環境情報を測定した。ゴムシートに硫黄粉末を練りこんだ後、加硫(加熱)処理して、加硫前後の硫黄の化学状態をXAFS測定にて解析した。また、加硫後のゴムシートを空気中で熱老化させて、老化前後の硫黄の化学状態を同様に解析した。硫化物標準試料と対比することで硫黄の結合状態等を推定した。今回の測定により、金属接着ゴム中の硫黄の化学状態を把握することができた。


キーワード: タイヤ、ゴム、接着、ブラス、硫黄、軟X線XAFS


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2013A1814 / BL14B2

固体酸化物型燃料電池用セラミックス(La, Sr)(Ti, Fe)O3-δの酸化還元雰囲気下の

XAFS解析
XAFS Analysis in Air and Reducing Atmosphere of (La, Sr)(Ti, Fe)O3-δ Ceramics for SOFC

DOI:10.18957/rr.3.1.31

犬飼 浩之, 岩井 広幸, 高橋 洋祐

Koji Inukai, Hiroyuki Iwai, Yosuke Takahashi

(株)ノリタケカンパニーリミテド

Noritake Co., Limited


Abstract

 固体酸化物形燃料電池(SOFC)に用いるLaSrTiFeO3-δ系材料について、酸化雰囲気と還元雰囲気での材料挙動をXAFSで解析した。260°C以上で、Fe K-edgeのエネルギーシフト量が酸化雰囲気と還元雰囲気で顕著に異なることが分かった。Fe K-edgeにおけるXANESスペクトルから得られるエネルギーシフト量と、熱膨張率との間には比例関係があり、両者に強い相関性があることが示唆された。Fe系ペロブスカイトの熱膨張挙動は酸化雰囲気と還元雰囲気で、Fe元素に強く依存することがわかった。


キーワード: SOFC、ペロブスカイト型酸化物、還元膨張


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2013B1523 / BL46XU

加硫過程においてゴム中に発生する気泡の発生源の解明
Analysis of the Origin of Bubbles in the Rubber under Vulcanization

DOI:10.18957/rr.3.1.35

佐藤 有二, 平井 秀憲, 広田 孝司, 戸田 博美

Yuji Sato, Hidenori Hirai, Takashi Hirota, Hiromi Toda

横浜ゴム株式会社

THE YOKOHAMA RUBBER CO., LTD.



Abstract

 ゴム製品の品質・生産性の向上を目的として、加硫時に生じるゴム内部での発泡の起源を解明すべく、X線イメージングによる加硫中のゴム内部での発泡過程のリアルタイム観察を行った。その結果、発泡は分解能0.554 μmの画像上では起点となるような特異な像がない状態から、10~数10 μmの気泡が発生する事で始まっている事を見出した。


キーワード: ゴム、発泡、X線イメージング


2013B1526 / BL19B2

リチウムイオン電池正極の三次元XAS計測
3D XAS Measurement of Positive Electrodes in Lithium Ion Battery

DOI:10.18957/rr.3.1.39

平野 辰巳a, 高松 大郊a, 小西 宏明a, 梶原 堅太郎b

Tatsumi Hiranoa, Daiko Takamatsua, Hiroaki Konishia, Kentaro Kajiwarab

a(株)日立製作所 日立研究所, b(公財)高輝度光科学研究センター

aHitachi Ltd., Hitachi Research Lab., bJASRI


Abstract

 次世代リチウムイオン電池の開発には、リチウムイオンの挿入脱離反応を三次元で可視化する評価法が要望されている。そこで、二次元XAS (X-ray Absorption Spectroscopy)、および不完全CT法を応用した三次元XASによる遷移金属の価数分布の可視化計測法を検討した。二次元XASからLiFePO4正極断面において、リチウムイオンが正極から負極に移動する充電では、Al集電体に比べて正極のセパレータ側でリチウムイオン移動が進行しているのが判明した。LiFePO4正極の三次元像の構築には成功したが、不完全CT法では、電極断面のFe価数分布の識別が困難であることが判明した。


キーワード: リチウムイオン電池、反応分布、XAS、三次元、不完全CT


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2013B1533 / BL47XU

走査型X線顕微鏡による樹脂内の導電性粒子の分散状態と電気抵抗の相関に関する研究
Scanning X-ray Microscope Study of Relationship between Dispersion State of Conductive Particles in a Resin and Electrical Resistance

DOI:10.18957/rr.3.1.42

向出 大平, 山川 秀充, 長尾 昌志, 高田 一広

Taihei Mukaide, Hidemitsu Yamakawa, Masashi Nagao, Kazuhiro Takada

キヤノン株式会社

Canon Inc.

Abstract

 走査型X線位相顕微CTにより電気抵抗が異なるフィラー分散樹脂中のフィラー分散状態の可視化について検討を行った。その結果、X線の位相情報を用いた断層像の再構成によりフィラーの分布の可視化を実現することができた。更に三次元再構成像から粗大凝集体の分布および量を抽出した結果、電気抵抗の高い試料ほど粗大凝集体の割合が高くなっていることを確認することができた。しかしながら今回検討した試料において、より詳細な情報抽出を実施するためには、試料のX線によるダメージを軽減させる方法を考える、もしくは更なる解析方法の工夫等の必要があることが分かった。


キーワード: ナノコンポジット材料、走査型X線位相顕微CT


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2013B1553 / BL19B2

遺跡から出土した鉱物化した染織繊維製品の鉱物化過程解明への粉末X線回折応用研究
A Study on Mineralization Process for Excavated Textile Fibers by X-ray Powder Diffraction

DOI:10.18957/rr.3.1.45

奥山 誠義a, 佐藤 昌憲b

Masayoshi Okuyamaa, Masanori Satob

a奈良県立橿原考古学研究所, b(独)国立文化財機構奈良文化財研究所

aArchaeological Institute of Kashihara, Nara-pref., bNara National Research Institute for Cultural Properties


Abstract

 遺跡発掘により発見される出土品はその素材を問わず、地下埋蔵中に土壌成分や水分など周辺環境からの影響により劣化・腐朽・腐食作用を受けている。とりわけ、出土染織文化財は劣化・腐朽の影響を受けやすく、その遺存状態は千差万別である。本研究は、SPring-8におけるXRD測定を応用し、千数百年に及ぶ地下埋蔵環境中に鉱物化した染織文化財の変化の過程を解明することを目的とした。出土資料と鉱物化を模した資料、そして繊維に染織材料として利用されうる鉱物顔料の一種を用いて、粉末X線回折測定を行った。


キーワード: 出土染織文化財、粉末X線回折、鉱物化過程


2013B1563 / BL47XU

デバイス実装構造の内部界面における不連続変形の非破壊観察
Nondestructive Measurement of Discontinuous Deformation at Internal Interfaces of Power Device Package

DOI:10.18957/rr.3.1.50

木村 英彦a, 浅田 崇史a, 山口 聡a, 加納 大樹a, 星野 真人b, 上杉 健太朗b

Hidehiko Kimuraa, Takashi Asadaa, Satoshi Yamaguchia, Taiki Kanoa, Masato Hoshinob, Kentaro Uesugib


a(株)豊田中央研究所, b(公財)高輝度光科学研究センター

aToyota Central R&D Labs., Inc., bJASRI


Abstract

 異種材料の接合体である機械部品やデバイスでは、熱疲労などの損傷は内部で発生する場合が多い。高度な信頼性評価には部品形状のまま内部形態を非破壊計測できるラミノグラフィが有用である。そこで高輝度放射光でデバイス実装構造を計測した結果、数μmの分解能でモールド樹脂部の内部界面に発生する微小き裂の3次元形状を可視化できた。


キーワード: デバイス、信頼性評価、イメージング、ラミノグラフィ


2013B1579 / BL14B2

X線吸収微細構造測定による新規Eu 原料EuCppm2により作製したEu析出物のないEu添加GaNのEuイオン周辺局所構造の評価
Local Structures around Eu Ions in Eu-Doped GaN Grown Using EuCppm2 without Eu Precipitation Studied by X-ray Absorption Fine Structure

DOI:10.18957/rr.3.1.53

藤原 康文a, 小泉 淳a, 朱 婉新a, 荒居 孝紀a, 松田 将明a, 稲葉 智宏a, 大渕 博宣b, 本間 徹生b

Yasufumi Fujiwaraa, Atsushi Koizumia, Wanxin Zhua, Takanori Araia, Masaaki Matsudaa, Tomohiro Inabaa, Hironori Ofuchib, Tetsuo Honmab

a大阪大学, b(公財)高輝度光科学研究センター

aOsaka University, bJASRI/SPring-8



Abstract

 Eu添加GaNによる赤色発光ダイオードの高輝度化を目的として、高濃度Eu添加とEuイオン周辺局所構造の制御技術の確立を目指している。有機Eu原料EuCppm2を用いて作製したEu添加GaNでは、高濃度にEuを添加するために原料の供給量を増加させるとEuを含む析出物が試料表面にて観察された。これらのEuを含む表面析出物は、熱リン酸や塩酸により取り除くことができた。また、Euを含む表面析出物を取り除くことで、Eu(DPM)3を用いて作製したEu添加GaNと同様なXANESスペクトルが得られたものの、ホワイトラインピーク強度は若干大きく、異なる構造も含まれていることが示された。


キーワード: ユウロピウム、窒化ガリウム、赤色発光デバイス、XAFS


2013B1820 / BL14B2

X線励起可視発光検出によるEu付活蛍光体のXAFS測定
XAFS Measurement of Eu-activated Phosphor Using X-ray Excited Optical Luminescence (XEOL) Detection

DOI:10.18957/rr.3.1.58

國本 崇a, 藤田 佳子a, 本間 徹生b

Takashi Kunimotoa, Yoshiko Fujitaa, Tetsuo Honmab

a徳島文理大学, b(公財)高輝度光科学研究センター

aTokushima Bunri University, bJASRI


Abstract

 Eu付活蛍光体について、X線励起可視発光(XEOL)検出によるXAFS測定を試みた。可視蛍光の測定系を立ち上げて、Eu-LIII端近傍でのX線励起によりXEOLスペクトルが測定できることを確認した。XEOLスペクトルとX線吸収との関係について試料形態(厚み)依存性を調べ、10 μmオーダーの薄い試料であればX線吸収を反映するスペクトルが得られることを確認した。


キーワード: 蛍光体、Eu2+、XAFS、XEOL


2014A1504 / BL19B2

トバモライト合成への低結晶質シリカの活用(6)
Use of Low Crystalline Silica for the Synthesis of Tobermorite (6)

DOI:10.18957/rr.3.1.62

松野 信也a, 東口 光晴a, 石川 哲吏a, 小川 晃博b, 松井 久仁雄b

Shinya Matsunoa, Mitsuharu Higashiguchia, Tetsuji Ishikawaa, Akihiro Ogawab, Kunio Matsuib

a旭化成㈱, b旭化成建材㈱

aASAHI KASEI. CO. LTD., bASAHI KASEI CONSTRUCTION MATERIALS CO.


Abstract

 軽量気泡コンクリート(ALC)の主成分であるトバモライト(tobermorite 化学組成:5CaO・6SiO2・5H2O)の量と質は、その性能と密接な関係にあり、その反応過程を制御したALCの改良研究が、日本および欧州で活発になされている。そのような中で、我々はフライアッシュ(火力発電所から排出される石炭灰)など低結晶質シリカ源の利用検討を行っている。今回は、通常トバモライトを生成しない微結晶シリカを使い、その系に水酸化リチウム(LiOH)を添加し、昇温速度を変えてトバモライト生成への影響を調べた。今回の実験で、Li添加のトバモライト生成への効果は再確認されたが、昇温速度の影響は小さいことが分かった。


キーワード: 水熱反応、トバモライト、低結晶質シリカ、軽量気泡コンクリート、

       水酸化リチウム、フライアッシュ


2014A1506 / BL19B2

X線回折による溶融塩電解FeNi粒子の構造評価
Evaluation of FeNi Particles Electrolyzed in Melted Salt by X-ray Diffraction

DOI:10.18957/rr.3.1.67

林 靖a, 水口 将輝b, 小嗣 真人c, 大坂 恵一c

Yasushi Hayashi a, Masaki Mizuguchi b, Masato Kotsugic, Keiichi Osakac


a(株)デンソー, b東北大学, c(公財)高輝度光科学研究センター

aDENSO CORPORATION, bTohoku Univ., cJASRI



Abstract

 自動車用高効率モーター用磁石としてL10型FeNi磁石の合成を試みている。これまで塩化物前駆体の固相低温還元法を検討してきたが、Niリッチな合金しか得られず、保磁力が頭打ちとなっていた。そこで今回還元パラメータを詳細に制御できる可能性がある溶融塩中電気化学還元法の検討を開始した。今回、その第一段階として還元条件の異なる試料の結晶構造と保磁力の関係を調べた。その結果、これまでの固相低温還元の場合と同様にFe組成と保磁力の相関が示唆された。


キーワード: L10型FeNi、還元、電気化学、溶融塩、Fe組成


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2014A1529 / BL14B2

XAFSによるカルシウムシリケート水和物の硬化プロセスの研究
A Study on Solidification Process of Calcium Silicate Hydrates by XAFS

DOI:10.18957/rr.3.1.70

松井 久仁雄a, 松野 信也b, 沼子 千弥c, 宮嵜 世里加c

Kunio Matsuia, Shinya Matsunob, Chiya Numakoc, Serika Miyazakic

a旭化成建材(株), b旭化成建材(株), c千葉大学

aASAHI KASEI CONSTRUCTION MATERIALS CO., bASAHI KASEI. CO. LTD., cCHIBA UNIV.



Abstract

 軽量気泡コンクリート(ALC)の主成分であるトバモライト(tobermorite 化学組成:5CaO・6SiO2・5H2O)の量と質は、その性能と密接な関係にあり、その反応過程を制御したALCの改良研究が、日本および欧州で活発になされている。今まで、トバモライトに結晶するC-S-Hゲルと結晶化しないC-S-Hゲルの違いをSi-NMRで解析してきた。一方、今回、それらのC-S-Hゲルの違いをCa-XAFS法で調べた。その結果、それらのXANESのホワイトライン近傍の構造が異なっており、トバモライトとも異なっていた。また、SIL5の方がEXAFSの動径構造関数の第1近接ピークが大きいことがわかった。


キーワード: カルシウムシリケートハイドレート、C-S-H、水熱反応、トバモライト、XAFS


2014A1531 / BL19B2

圧電体(1-x){(Na,K)1-yLiy}NbO3xBaZrO3の圧電特性と結晶構造の対応
Correspondence between Piezoelectric Property and Crystal Structure in Piezoelectric (1-x){(Na,K)1-yLiy}NbO3xBaZrO3

DOI:10.18957/rr.3.1.74

岩堀 禎浩, 野口 博司

Yoshihiro Iwahori, Hiroshi Noguchi

株式会社村田製作所

Murata Manufacturing. Co., Ltd.


Abstract

 我々は、無鉛圧電セラミック材料(1-x){(Na,K)1-yLiy}NbO3-xBaZrO3 (x=0.035~0.075, y=0.00~0.06)の圧電特性に関して結晶構造変化との関係を研究している。本申請課題では、次に示す2つの組成領域(x,y)=(0.035, 0.06)および(0.075, 0.06)に関し圧電定数d33が大きくなる理由について調査した。

その結果、本材料はPb(Zr,Ti)O3セラミック材料のような結晶相境界(以下、MPB)領域を有しており、結晶系は斜方晶と正方晶の混晶構造である。加えて格子軸比は限りなく1に近いことから、電場印加に対するドメイン回転を増加させているものと推察した。


キーワード: Lead-free Piezoelectric、MPB、(Na,K)NbO3、X-ray diffraction、Rietveld method


2014A1703 / BL46XU

自動車メタリック塗装のイメージング観察
Imaging Observation of an Automobile Metallic Painting

DOI:10.18957/rr.3.1.81

谷口 昌司, 田中 裕久, 神澤 啓彰, 中山 泰, 阪本 雅宜, 中嶋 博之, 佐野 健一, 杉谷 篤史, 大森 宏, 平垣 康成, 市木 孝征

Masashi Taniguchi, Hirohisa Tanaka, Yoshiaki Kanzawa, Tai Nakayama, Masanobu Sakamoto, Hiroyuki Nakajima, Kenichi Sano, Atsushi Sugitani, Hiroshi Omori, Yasunari Hiragaki, Takamasa Ichiki

ダイハツ工業株式会社

DAIHATSU MOTOR CO., LTD.



Abstract

 自動車メタリック塗装の明度や彩度に影響を及ぼすアルミフレークの配向メカニズムを明らかにするため、今後計画しているin-situイメージング観察の予備試験として観察条件、観察手法を検討した。実験ハッチ外から遠隔操作で塗装し、その過程をin-situ二次元イメージング観察した結果、アルミフレークの配向挙動を観察することに成功した。またCTによるアルミフレークの立体的な配向の様子を観察することにも成功した。


キーワード: メタリック塗装、イメージング、アルミフレーク配向


2014A1765 / BL19B2

トバモライト合成への低結晶質シリカの活用(7)
Use of Low Crystalline Silica for the Synthesis of Tobermorite (7)

DOI:10.18957/rr.3.1.85

松野 信也a, 東口 光晴a, 石川 哲吏a, 小川 晃博b, 松井 久仁雄b

Shinya Matsunoa, Mitsuharu Higashiguchia, Tetsuji Ishikawaa, Akihiro Ogawab, Kunio Matsuib

a旭化成㈱, b旭化成建材㈱

aASAHI KASEI. CO. LTD., bASAHI KASEI CONSTRUCTION MATERIALS CO.



Abstract

 軽量気泡コンクリート(ALC)の主成分であるトバモライト(tobermorite 化学組成:5CaO・6SiO2・5H2O)の量と質は、その性能と密接な関係にあり、その反応過程を制御したALCの改良研究が、日本および欧州で活発になされている。そのような中で、我々はフライアッシュ(火力発電所から排出される石炭灰)など低結晶質シリカ源の利用検討を行っている。今回は、通常トバモライトを生成しない微結晶シリカ源を使い、その系に石膏を4wt.%添加し、合成温度を下げてトバモライト生成への影響を調べた。今回、合成温度が低くてもトバモライト生成が認められた。また、低温(180°C)ではゾノトライト(Xono)の生成が抑制されることがわかった。


キーワード: 水熱反応、トバモライト、低結晶質シリカ、軽量気泡コンクリート、

       石膏、低温合成


2014A1813 / BL46XU

石油増進回収技術への応用を目的とした油-鉱物/水-鉱物の2相界面における吸着構造解析
Structure Analysis on Oil- and Water-Mineral Interface for Application to Enhanced Oil Recovery Technique

DOI:10.18957/rr.3.1.90

松岡 俊文a, 片所 優宇美a, 山邉 浩立a, 小林 和弥a, 葭谷 暢仁a, 今泉 昂憲a, 日比 隆太郎a, 杉山 俊平a, 立山 優a, 村松 玲奈a, 岡本 直樹a, 三野 泰之b, 下河原 麻衣b, 梁 云峰a, 蜂谷 寛a, 福中 康博c, 村田 澄彦a, 廣沢 一郎d

Toshifumi Matsuokaa, Yumi Katashoa, Hirotatsu Yamabea, Kazuya Kobayashia, Nobuhito Yoshitania, Takanori Imaizumia, Ryutaro Hibia, Shumpei Sugiyamaa, Yu Tateyamaa, Reina Muramatsua, Naoki Okamotoa, Yasuyuki Minob, Mai Shimokawarab, Yunfeng Lianga, Kan Hachiyaa, Yasuhiro Fukunakac, Sumihiko Murataa, Ichiro Hirosawad

a京都大学, b(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構, c早稲田大学/JAXA, d(公財)高輝度光科学研究センター

aKyoto University, bJOGMEC, cWaseda University/JAXA, dJASRI

Abstract

 石油増進回収技術の開発には、油-鉱物、水-鉱物の界面における水分子および油分子の集積、吸着現象の解明が必要である。本研究では鉱物に雲母を、油にシクロヘキサンを採用し、BL46XUにおいて20 keVの入射X線エネルギーでX線CTR散乱法の測定を行った。その結果、X線入射光強度を落とさず測定した場合、雲母基板にX線による損傷が確認された。測定後、損傷個所に対してラマンイメージング測定を実施し、ラマンシフトが240 cm-1から305 cm-1の範囲に見られる鉱物由来のピークの重心位置をマッピングしたところ、色中心の発生が示唆された。一方、入射強度を1/10にすると明確な損傷は見られず、同ビームラインでのX線CTR散乱法測定では入射X線エネルギーを20 keVとした場合、入射光強度を1/10にすればよいことが分かった。


キーワード: 油-鉱物界面、石油増進回収、X線CTR散乱法、マイカ、色中心

Section C : Technical Report

2011B2100, 2012A1852, 2013B1902, 2013B1917 / BL01B1

BL01B1(XAFS)の現状(2014)
Present Status of BL01B1 (2014)

DOI:10.18957/rr.3.1.95

新田 清文a、伊奈 稔哲a、加藤 和男a小原 真司b宇留賀 朋哉a

Kiyofumi Nittaa, Toshiaki Inaa, Kazuo Katoa, Shinji Koharab, Tomoya Urugaa

a(公財)高輝度光科学研究センター・利用研究促進部門・分光物性Iグループ、b同・構造物性Ⅰグループ

aSpectroscopy GroupⅠ, Research & Utilization Division, JASRI, bMaterials Structure GroupⅠ, Research & Utilization Division, JASRI

Abstract

 ビームラインBL01B1(XAFS)は、偏向電磁石を光源としたビームラインで、広いエネルギー領域(3.8-113 keV)に渡り、様々な環境下にある実試料に対して、in-situ時間分解計測など多様な計測手法を用いたXAFS実験に使用されている。本稿では、BL01B1の現在の利用状況と、近年実施した高度化研究開発について報告する。


キーワード:高温in-situ XAFS、高エネルギー蛍光法XAFS、透過法顕微XAFS

2014A1901 / BL02B1

BL02B1(単結晶構造解析)の現状(2014)
Present Status of BL02B1 (2014)

DOI:10.18957/rr.3.1.100

杉本 邦久a、安田 伸広b

Kunihisa Sugimotoa, Nobuhiro Yasudab

a(公財)高輝度光科学研究センター・利用研究促進部門・構造物性Iグループ、b同・ナノテクノロジー利用研究推進グループ

aMaterials Structure Group I, Research & Utilization Division, JASRI, bNanotechnology Research Promotion Group, Research & Utilization Division, JASRI

Abstract

 BL02B1は偏光電磁石を光源としたビームラインで、主として単結晶試料による結晶構造解析を目的とした研究のために建設された。現在、精密構造解析を主軸とする物質構造と物性との相関を明らかにする研究が展開されている。


キーワード:極低温、時間分解、CCD検出器


2014A1908 / BL02B2

BL02B2(粉末結晶構造解析)の現状(2014)
Present Status of BL02B2 (2014)

DOI:10.18957/rr.3.1.106

杉本 邦久、藤原 明比古

Kunihisa Sugimoto, Akihiko Fujiwara

(公財)高輝度光科学研究センター・利用研究促進部門・構造物性Iグループ

Materials Structure GroupⅠ, Research & Utilization Division, JASRI

Abstract

 BL02B2は偏光電磁石を光源としたビームラインで、主として粉末試料による結晶構造解析を目的とした研究のために建設された。現在、粉末回折実験により、相転移、構造変化、リートベルト解析、精密構造解析など物質構造と物性との相関を明らかにする研究が展開されている。


キーワード:ハイスループット

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2013A1715 / BL04B1

BL04B1(高温高圧)の現状(2014)
Present Status of BL04B1 (2014)

DOI:10.18957/rr.3.1.110

肥後 祐司、丹下 慶範

Yuji Higo, Yoshinori Tange

(公財)高輝度光科学研究センター・利用研究促進部門・構造物性Ⅰグループ

Materials Structure GroupⅠ, Research & Utilization Division, JASRI

Abstract

 BL04B1は偏向電磁石を光源としたビームラインで、主として白色X線を用いた高温高圧条件下のX線回折実験とX線ラジオグラフィー実験に使用されている。2013年度は、X線ラジオグラフィー拡大光学系の整備および高感度高分解能sCMOSカメラの導入などの高度化を行った。本高度化によって、X線ラジオグラフィー画像を用いた試料の微小変形の検出が可能となり、高圧鉱物の弾性波速度測定、アコースティック・エミッション実験や非弾性測定の高精度化が可能となる。


キーワード:歪測定、非弾性測定、超音波

2010B2015, 2011A2050, 2011A2051, 2011B2086, 2011B2087, 2012A1837, 2012B1974, 2012B1975, 2013A1897, 2013B1914 / BL04B2

高エネルギーX線回折ビームラインBL04B2の現状(2014)
Present Status of BL04B2 (2014)

DOI:10.18957/rr.3.1.116

小原 真司、平尾 直久、大石 泰生、藤原 明比古

Shinji Kohara, Naohisa Hirao, Yasuo Ohishi, Akihiko Fujiwara

(公財)高輝度光科学研究センター・利用研究促進部門・構造物性Ⅰグループ

Materials Structure GroupⅠ, Research & Utilization Division, JASRI

Abstract

 BL04B2は偏向電磁石を光源としたビームラインで、SPring-8の特徴の一つである37 keV以上の高エネルギーX線を用いた回折・散乱実験が行われている。2013年度における主な高度化は、オフラインにおけるガス浮遊炉の整備、低温液体実験用音波型浮遊装置の整備、高スループットCdTe3連装検出器システムの整備である。


キーワード:高エネルギーX線回折、X線Pair Distribution Function(PDF)解析

2013B1924 / BL08W

BL08W(高エネルギー非弾性散乱)の現状(2014)
Present Status of BL08W (2014)

DOI:10.18957/rr.3.1.124

伊藤 真義、Marek Brancewicz、櫻井 吉晴

Masayoshi Itou, Marek Brancewicz, Yoshiharu Sakurai

(公財)高輝度光科学研究センター・利用研究促進部門・構造物性Ⅱグループ

Materials Structure GroupⅡ, Research & Utilization Division, JASRI

Abstract

 高エネルギー非弾性散乱ビームライン(BL08W)は、SPring-8唯一のウィグラーを光源とし、直線偏光または楕円偏光の100~300 keVの高エネルギーX線を使用することができるビームラインである。主な利用研究は高エネルギー非弾性散乱(コンプトン散乱)測定による物性研究であり、他にも高エネルギーX線を利用した蛍光X線分析、X線回折測定、X線CT測定や、高エネルギーX線用光学素子や検出器の開発・評価実験に利用されている。また、X線コンプトン散乱を用いた物体内部の構造変化や化学反応分布の分析手法の開発が進められている。2013年度における主な高度化は屈折レンズの開発である。


キーワード:高エネルギーX線、コンプトン散乱、屈折レンズ

2011B2107, 2012B1980, 2013A1898 / BL09XU

BL09XU(核共鳴散乱)の現状(2014)
Present Status of BL09XU (2014)

DOI:10.18957/rr.3.1.130

依田 芳卓

Yoshitaka Yoda

(公財)高輝度光科学研究センター・利用研究促進部門・構造物性Ⅱグループ

Materials Structure GroupⅡ, Research & Utilization Division, JASRI

Abstract

 BL09XUは周期長32 mmのアンジュレータを有するSPring-8標準のX線ビームラインである。主な利用研究として、核共鳴非弾性散乱を利用しての物質のダイナミクスの研究や放射光を利用したメスバウアー分光が挙げられる。放射光でのメスバウアー分光は特に極端条件下での測定や全反射による薄膜測定、メスバウアー線源に適当な核種がない場合などに威力を発揮している。2014年度からは核共鳴散乱実験に加えて、硬X線光電子分光の利用が可能となる予定である。2013年度までに行った主な高度化は、57Fe核共鳴振動分光法用の高分解能モノクロメータのバックアップの製作・評価である。


キーワード:高分解能モノクロメータ、核共鳴非弾性散乱、核共鳴振動分光法、動力学的回折理論

2010A1967, 2010B2064, 2010B2068, 2011A2071, 2011B2101, 2012A1844, 2012B1982 / BL10XU

BL10XU(高圧構造物性)の現状(2014)
Present Status of BL10XU (2014)

DOI:10.18957/rr.3.1.137

平尾 直久、大石 泰生

Naohisa Hirao, Yasuo Ohishi

(公財)高輝度光科学研究センター・利用研究促進部門・構造物性Iグループ

Materials Structure GroupⅠ, Research & Utilization Division, JASRI

Abstract

 BL10XU高圧構造物性ステーションは、高強度・高指向性の放射光X線を利用した高エネルギーX線回折法とダイヤモンドアンビルセル高圧装置を組み合わせることにより、超高圧下での精密結晶構造解析が実施されている。主な供用研究分野は、高圧構造物性科学・材料科学および地球科学である。高圧・低温/高温により誘起される現象は多種多様な様相を呈しており、単体元素や新奇化合物に至る幅広い物質で発現する多彩で複雑な構造相転移や物性が研究されている。また地球・惑星深部状態を模擬した高温高圧条件における核・マントル物質の構造状態や相平衡関係、密度変化に関する研究も行われている。2013年度においては、1)分光結晶の変更と液体窒素循環冷却システムの導入およびマルチ結晶分光器への改造、2)高エネルギーX線マイクロビーム生成・評価試験、3)高圧X線回折・放射光57Feメスバウアー吸収分光複合同時測定システムの高度化が行われた。


キーワード:液体窒素冷却シリコン二結晶分光器、マルチ結晶切り替え、高エネルギーX線マイクロビーム、放射光57Feメスバウアー吸収分光法

2011B2093, 2011B2095, 2012A1849, 2012A1851, 2012B1985, 2013A1018, 2013A1908, 2013B1920, 2013B1923 / BL13XU

BL13XU(表面界面構造解析)の現状 (2014)
Current Status of BL13XU (2014)

DOI:10.18957/rr.3.1.145

田尻 寛男a今井 康彦b

Hiroo Tajiria, Yasuhiko Imaib

a(公財)高輝度光科学研究センター・利用研究促進部門・構造物性Iグループ、
b同・ナノテクノロジー利用研究推進グループ

aMaterials Structure GroupⅠ, Research & Utilization Division, JASRI, bNanotechnology Research Promotion Group, Research & Utilization Division, JASRI

Abstract

 BL13XUは、X線の回折・散乱現象を利用して、固体表面や埋もれた界面の構造、そこに生成する低次元物質・ナノ物質の構造を原子レベルで評価・解析できる標準アンジュレータを光源とする共用ビームラインである。研究対象は、有機、無機にかかわらず結晶表面や界面が多くを占めるが、いずれの場合も非常に微弱な回折・散乱信号を高精度で検出する必要があり、ここに高輝度というアンジュレータ放射光の特長が生かされている。よく規定された金属、半導体結晶のみならず、酸化物結晶、有機結晶、触媒の表面層やその上に成長した薄膜構造を調べる利用者も増している。また、デバイス材料の局所歪み等をマイクロビームで計測する技術も利用できる。近年における主な高度化は、非対称分光結晶を利用した高フラックス光学系の構築、フィードバックシステムによる利用ビームの位置安定化、マイクロビーム回折装置の高度化である。


キーワード:非対称分光結晶、高フラックス光学系、ビーム位置安定化、屈折レンズ集光光学系、マイクロビーム回折用検出器

/ BL14B2

BL14B2(産業利用Ⅱ)の現状(2014)
Present Status of BL14B2 (2014)

DOI:10.18957/rr.3.1.154

高垣 昌史、大渕 博宣、本間 徹生

Masafumi Takagaki, Hironori Ofuchi, Tetsuo Honma

(公財)高輝度光科学研究センター・産業利用推進室・産業利用支援グループ

Industrial User Support Group, Industrial Application Division, JASRI

Abstract

 BL14B2では透過法、蛍光法、電子収量法などの測定技術により粉末から薄膜など様々な試料形態および広いエネルギー領域(3.8 ~ 72 keV)により広範な元素(Ca-K ~ W-K吸収端)に対応し、簡便で高能率なXAFS測定を目指して研究支援および機器開発を行っている。その一環としてユーザーがSPring-8に来所しなくても実験を行うことが可能となる遠隔XAFS測定のための環境整備を行った。


キーワード:BL14B2、XAFS、遠隔XAFS測定

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2008A1430 / BL17SU

BL17SUにおける光電子顕微鏡の現状(2014)
Present Status of Photoemission Electron Microscope in BL17SU (2014)

DOI:10.18957/rr.3.1.163

小嗣 真人、大河内 拓雄

Masato Kotsugi, Takuo Ohkochi

(公財)高輝度光科学研究センター・利用研究促進部門・応用分光物性グループ

Hard X-ray Spectroscopy Group, Research & Utilization Division, JASRI

Abstract

 BL17SU軟X線ビームライン(理研・物理科学ビームラインⅢ)のAcステーションには、分光型光電子・低エネルギー電子顕微鏡(Spectroscopic PhotoEmission and Low Energy Electron Microscope: SPELEEM)が設置されている。光電子顕微鏡は表面から放出された光電子の空間分布を数10 nmの空間分解能で直接可視化できる電子顕微鏡の一種である。BL17SUの高輝度軟X線とSPELEEMの高い空間分解能を組み合わせることで、試料の微細構造、組成分布、電子状態、磁区構造を取得することができるため、これまでレアメタルフリー磁性材料から、グラフェンエレクトロニクス、あるいは惑星科学の分野まで、幅広い分野で活用されている。本稿では、SPELEEMの基本原理について述べた後に、最近行った主な高度化について紹介する。


キーワード:光電子顕微鏡、軟X線イメージング、局所電子状態解析、磁区マッピング

/ BL19B2

BL19B2(産業利用Ⅰ)の現状(2014)
Present Status of BL19B2 (2014)

DOI:10.18957/rr.3.1.170

梶原 堅太郎、小金澤 智之、大坂 恵一、佐藤 眞直

Kentaro Kajiwara, Tomoyuki Koganezawa, Keiichi Osaka, Masugu Sato

(公財)高輝度光科学研究センター・産業利用推進室・産業利用支援グループ

Industrial User Support Group, Industrial Application Division, JASRI

Abstract

 BL19B2は産業界による放射光利用を目的としており、産業界の多様なニーズに対応するため、イメージング装置、多軸回折計装置、粉末回折装置及び小角散乱装置といった複数の装置が設置されている。イメージング装置では測定時間短縮のために測定方法を改良し、多軸回折計では信号強度増加のために小角散乱用に導入したシリンドリカルミラーを本装置にも適用した。粉末回折装置では測定代行用の試料を安全に運搬するために搬送バッグを整備し、小角散乱装置では散乱強度が微弱な試料でも評価できるようにバックグラウンド強度を低減した。


キーワード:産業利用、イメージング、回折、小角散乱

2013A1376, 2013B1173 / BL20XU

BL20XU(医学・イメージングII)の現状(2014)
Present Status of BL20XU (2014)

DOI:10.18957/rr.3.1.176

鈴木 芳生、竹内 晃久、上杉 健太朗

Yoshio Suzuki, Akihisa Takeuchi, Kentaro Uesugi

(公財)高輝度光科学研究センター・利用研究促進部門・バイオ・ソフトマテリアルグループ

Bio- and Soft-materials Group, Research & Utilization Division, JASRI

Abstract

 BL20XUはハイブリッドタイプの水平偏光真空封止アンジュレータを光源としたビームラインで、主としてX線顕微イメージング実験や、極小角散乱実験に使用されている。2013年度における主な高度化は、X線取り出し窓の改良とXRD-CT装置の開発である。


キーワード:X線取り出し窓、SiN、マイクロビーム、XRD(X-Ray Diffraction)、CT(Computed Tomography)

2013A1143, 2013B1221 / BL20B2

BL20B2の現状(2014)
Present Status of BL20B2 (2014)

DOI:10.18957/rr.3.1.182

上杉 健太朗、星野 真人

Kentaro Uesugi, Masato Hoshino

(公財)高輝度光科学研究センター・利用研究促進部門・バイオ・ソフトマテリアルグループ

Bio- and Soft-materials Group, Research & Utilization Division, JASRI

Abstract

 BL20B2は偏向電磁石を光源としたビームラインで光源からエンドステーションまで215 mの長さを持つ中尺ビームラインである。このビームラインは主に吸収コントラスト法や位相コントラスト法を利用したX線イメージング実験に使用されている。また大型光学素子の評価や大面積トポグラフィーなどの実験も可能である。


キーワード:X線イメージング・吸収・位相

2011B2103, 2012A1850, 2012A1853, 2012B1941, 2012B1977, 2012B1983 / BL25SU

BL25SU(軟X線固体分光ビームライン)の現状(2014)
Present Status of BL25SU (2014)

DOI:10.18957/rr.3.1.186

中村 哲也a室 隆桂之a,b大河内 拓雄b、小谷 佳範a、辻 成希a、木下 豊彦a、松下 智裕c、仙波 泰徳d、大橋 治彦d

Tetsuya Nakamuraa, Takayuki Muroa,b, Takuo Ohkochib, Yoshinori Kotania, Naruki Tsujia, Toyohiko Kinoshitaa, Tomohiro Matsushitac, Yasunori Senbad, Haruhiko Ohashid

a(公財)高輝度光科学研究センター・利用研究促進部門・分光物性Ⅱグループ、b同・利用研究促進部門・応用分光物性グループ、c同・制御・情報部門・機器制御グループ、d同・光源・光学系部門・光学系グループ

aSpectroscopy GroupⅡ, Research & Utilization Division, JASRI, bHard X-ray Spectroscopy Group, Research & Utilization Division, JASRI, cEquipment Control Group, Controls and Computing Division, JASRI, dOptics Group, Light Source and Optics Division, JASRI

Abstract

 BL25SUは、高速の円偏光スイッチングを実現するツインヘリカルアンジュレータを光源とする軟X線ビームラインである。建設当時、世界最高クラスのエネルギー分解能を特徴として、1998年の供用開始から軟X線吸収分光や光電子分光による固体物性研究で成果を挙げてきた。他に二次元光電子分光、X線磁気円二色性分光、光電子顕微鏡を利用した課題が実施され、2013年までに約350報の原著論文が出版された。一方、2012年度からスタートした文部科学省・元素戦略プロジェクト(研究拠点形成型)において、軟X線ナノビームを利用したピンポイント磁気解析が必須とされたことをはじめ、より先端的な研究ニーズに応えるために2013年末よりビームライン全体の大規模な改造を実施し、ナノおよびマイクロビームの利用基盤が整備された。本報告では、改造後のビームライン概要、および改造前に実施した計測技術開発について示す。


キーワード:円偏光軟X線、軟X線分光、電子・磁気状態

2013B1913 / BL27SU

BL27SU(軟X線光化学ビームライン)の現状(2014)
Present Status of BL27SU (2014)

DOI:10.18957/rr.3.1.201

為則 雄祐a,室 隆桂之b

Yusuke Tamenoria, Takayuki Murob

a(公財)高輝度光科学研究センター・利用研究促進部門・分光物性IIグループ, b同・応用分光物性グループ

aSpectroscopy GroupⅡ, Research & Utilization Division, JASRI, bHard X-ray Spectroscopy Group, Research & Utilization Division, JASRI

Abstract

 BL27SU(軟X線光化学ビームライン)は、Si(111)結晶分光器を配して2.1〜3.3 keVの高エネルギー領域の軟X線を利用可能なBブランチと、回折格子型分光器を配して0.17〜2.2 keVの低エネルギー域の軟X線を利用可能なCブランチから構成されている。大気圧から超高真空までの幅広い試料環境に対応でき、吸収分光・光電子分光・発光分光法を組み合せた、多様な分光研究に利用されている。本稿では、BL27SUの現在の利用状況と、2013年度に実施した高度化研究開発について報告する。


キーワード:軟X線、広帯域化

2012A1793, 2013B1927 / BL28B2

BL28B2(白色X線回折)の現状(2014)
Present Status of BL28B2 (2014)

DOI:10.18957/rr.3.1.207

梅谷 啓二a、梶原 堅太郎b加藤 和男c

Keiji Umetania, Kentaro Kajiwarab, Kazuo Katoc

a(公財)高輝度光科学研究センター・利用研究促進部門・バイオ・ソフトマテリアルグループ、b同・産業利用推進室・産業利用支援グループ、c同・利用研究促進部門・分光物性Iグループ

aBio- and Soft-materials Group, Research & Utilization Division, JASRI, bIndustrial User Support Group, Industrial Application Division, JASRI, cSpectroscopy GroupⅠ, Research & Utilization Division, JASRI

Abstract

 BL28B2は標準的な偏向電磁石を光源としたビームラインで、薬効評価などのための小動物生体機能イメージング、マイクロビーム放射線治療の基礎研究、高エネルギー白色X線による回折とイメージング実験、時間分解エネルギー分散XAFS(DXAFS)測定、高温高圧実験など、広範な研究分野に対し様々な手法を用いた白色X線を利用する実験に利用されている。近年に実施した主な高度化は、マイクロビーム放射線治療の基礎研究に関して、装置全体の統合によるユーザーフレンドリー化、高エネルギー白色X線による回折とイメージング実験に関して、2012年からCT測定とXRD測定の両方の測定を行う装置の開発と改良、時間分解エネルギー分散XAFS(DXAFS)測定に関して、低エネルギー領域DXAFS計測の高度化などである。本稿では、BL28B2の現在の利用状況と、近年の高度化研究開発による利用研究の拡大について報告する。


キーワード:マイクロビーム放射線治療、ユーザーフレンドリー、X線回折手法XRD、CT測定、低エネルギー領域DXAFS

2012A1838, 2012B1957, 2013A1273, 2013A1895 / BL35XU

BL35XU(高分解能非弾性散乱)の現状(2014)
Present Status of BL35XU (2014)

DOI:10.18957/rr.3.1.212

バロン・アルフレッド、筒井 智嗣、内山 裕士石川 大介

Alfred Baron, Satoshi Tsutsui, Hiroshi Uchiyama, Daisuke Ishikawa

(公財)高輝度光科学研究センター・利用研究促進部門・構造物性Ⅱグループ

Materials Structure Group II, Research & Utilization Division, JASRI

Abstract

 BL35XUは短周期リニアアンジュレータを光源としたビームラインで、主として高分解能非弾性X線散乱実験に使用されている。2013年度までに得られた主な高度化による成果は、これまでユーザー実験に供されなかった1 meV分解能測定の安定化、及び微弱フォノン励起の観測である。最終節では、インハウス課題の成果の中から、非弾性散乱分光器の高分解能化と鉄系超伝導体の試験研究について報告する。


キーワード:meV及びsub-meV分解能、X線光学、微弱フォノン励起の観測

/ BL37XU

BL37XU(分光分析)の現状(2014)
Present Status of BL37XU (2014)

DOI:10.18957/rr.3.1.219

寺田 靖子、新田 清文

Yasuko Terada, Kiyofumi Nitta

(公財)高輝度光科学研究センター・利用研究促進部門・分光物性Iグループ

Spectroscopy GroupⅠ, Research & Utilization Division, JASRI

Abstract

 ビームラインBL37XU(分光分析)は、直線型真空封止アンジュレータを光源としたビームラインであり、顕微分光分析法を主体とする実験に利用されている。2010年度に実施された「グリーン・ナノ放射光分析評価拠点の整備」により、高品質なナノ集光ビーム形成の実現を目的として、第3実験ハッチが新規に建設された。この第3実験ハッチには、「ナノビームX線蛍光分析装置」が整備され、ビームライン光学系も併せて高度化が行われた[1,2]。2013年度においては、広いエネルギー領域(4.5 ~ 113 keV)とX線集光素子の組み合わせにより、マイクロ/ナノビームを用いた分光分析手法を利用して、様々な実試料の分析が行われている。本稿では、BL37XUの現在の利用状況と、近年実施した高度化研究開発について報告する。


キーワード:走査型X線顕微鏡、蛍光X線分析、ビームライン延伸

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2013A1872, 2013B1890 / BL38B1

構造生物学ビームラインIII BL38B1の現状(2014)
Present Status of BL38B1 (2014)

DOI:10.18957/rr.3.1.223

馬場 清喜、水野 伸宏、奥村 英夫、長谷川 和也、熊坂 崇

Seiki Baba, Nobuhiro Mizuno, Hideo Okumura, Kazuya Hasegawa, Takashi Kumasaka

(公財)高輝度光科学研究センター・利用研究促進部門・構造生物グループ

Structural Biology Group, Research & Utilization Division, JASRI

(現所属:同・タンパク質結晶解析推進室・タンパク質構造解析促進グループ)

(Current affiliation: Structure Analysis Promotion Group, Protein Crystal Analysis Division, JASRI)

Abstract

 BL38B1は、結晶回折測定用に偏向電磁石を光源とした安定性の高いビームを提供できる。この高安定性を利用し、比較的回折能の高い結晶(50 µm3以上のサイズ)を対象として、凍結結晶からの回折データ収集の高速化・効率化のために、測定の自動化を進めてきた。それとともに、高精度データ測定のため、集光系の改良によるビームの微小化と高フラックス密度化を行ってきた。さらに、回折測定のみならず、機能解析に必要な多様な測定を可能とするため、オンライン顕微分光装置の高度化、新しい結晶マウント手法の開発を行っている。2013年度に実施した主な高度化は、試料位置でのX線照射位置の高精度化、オンライン顕微分光装置の高速化・安定化、装置の更新、周辺技術の開発と、湿度調整と水溶性ポリマーを使用した結晶マウント法の開発である。


キーワード:(高度化のキーワード1)HAG法、(高度化のキーワード2)顕微分光装置

2012A1845, 2012B1976, 2012B1987, 2013A1899, 2013A1901, 2013A1904, 2013B1921, 2013B1922 / BL39XU

BL39XU(磁性材料)の現状(2014)
Present Status of BL39XU (2014)

DOI:10.18957/rr.3.1.228

河村 直己a、水牧 仁一朗a大沢 仁志b鈴木 基寛a

Naomi Kawamuraa, Masaichiro Mizumakia, Hitoshi Osawab, and Motohiro Suzukia

a(公財)高輝度光科学研究センター・利用研究促進部門・分光物性Iグループ、b同・ナノテクノロジー利用研究推進グループ

aSpectroscopy GroupⅠ, Research & Utilization Division, JASRI, bNanotechnology Research Promotion Group, Research & Utilization Division, JASRI

Abstract

 BL39XUは標準的な直線アンジュレータを光源としたビームラインで、主として偏光を用いたX線分光実験に使用されている。2013年度における主な高度化は、(1)高いX線透過率と耐圧を有する多結晶ダイヤモンド圧力セルの開発、(2)X線発光分光計測の高効率化、(3)ナノビーム走査型イメージング測定の開発、(4)デバイス素子の時間分解顕微XAFS測定に向けた要素技術開発である。


キーワード:高圧下X線分光、X線発光分光、X線ナノビーム、走査型イメージング

2012A1841, 2012B1979 / BL40XU

BL40XU(高フラックス)の現状(2014)
Present Status of BL40XU (2014)

DOI:10.18957/rr.3.1.238

岩本 裕之a、青山 光輝a、安田 伸広b八木 直人c

Hiroyuki Iwamotoa, Koki Aoyamab, Nobuhiro Yasudab, Naoto Yagic

a(公財)高輝度光科学研究センター・利用研究促進部門・バイオソフトマテアリアルグループ、b同・利用研究促進部門・ナノテクノロジー利用研究推進グループ、c同・利用研究促進部門

aBio- and Soft-materials Group, Research & Utilization Division, JASRI, bNanotechnology Research Promotion Group, Research & Utilization Division, JASRI, cResearch & Utilization Division, JASRI

Abstract

 高フラックスビームライン(BL40XU)はヘリカルアンジュレータを光源とし、分光器を用いずアンジュレータの基本波を準単色光として利用することで、標準的なアンジュレータビームラインに比較して輝度が1000倍程度高いX線の利用を可能にしたビームラインである。高時間分解能の時分割X線回折実験や、マイクロビームを利用した実験等が行われている。


キーワード:高輝度X線、高速時分割実験、マイクロビーム、ピンポイント構造計測

2012B1981 / BL40B2

BL40B2(構造生物学II)の現状(2014)
Present Status of BL40B2 (2014)

DOI:10.18957/rr.3.1.243

太田 昇、関口 博史

Noboru Ohta & Hiroshi Sekiguchi

(公財)高輝度光科学研究センター・利用研究促進部門・バイオ・ソフトマテリアルグループ

Bio- and Soft-materials Group, Research & Utilization Division, JASRI

Abstract

 ビームラインBL40B2は偏向電磁石を光源とし、タンパク質、合成高分子、脂質、界面活性剤などのソフトマテリアルを対象としたX線小角散乱法が利用されている。計測できる構造はおよそ0.15 nmから400 nmの周期範囲で、試料から検出器までの距離およびX線波長を実験に合わせて適切に選択し利用できる。広角領域の散乱・回折測定を小角散乱法と組み合わせた同時計測や、微小角斜入射X線小角・広角散乱法による高分子薄膜等の解析も行われている。


キーワード:小角散乱法、スリットブレード

2013A1900, 2013B1919, 2013A1001, 2013B1005 / BL41XU

BL41XU(構造生物学I)の現状(2014)
Present Status of BL41XU (2014)

DOI:10.18957/rr.3.1.250

長谷川 和也a奥村 英夫a、馬場 清喜a、水野 伸宏a、宮野 菜央b、熊坂 崇a

Kazuya Hasegawaa, Hideo Okumuraa, Seiki Babaa, Nobuhiro Mizunoa, Nao Miyanob, Takashi Kumasakaa

(公財)高輝度光科学研究センター・利用研究促進部門・構造生物グループ

Structural Biology Group, Research and Utilization Division, JASRI・

(現所属:a(公財)高輝度光科学研究センター・タンパク質結晶解析推進室 ・タンパク質構造解析促進グループ、b大阪薬科大学・薬学部)

(Current affiliation: aStructure Analysis Promotion Group, Protein Crystal Analysis Division, JASRI, bFaculty of Pharmaceutical Sciences, Osaka University of Pharmaceutical Sciences)

Abstract

 BL41XUは、SPring-8標準真空封止アンジュレータを光源に持つタンパク質結晶構造解析ビームラインである。高フラックスビームを利用して回折データ測定を行えることから、主として膜タンパク質・超分子複合体など、良質な結晶を得ることが困難な高難度試料の構造決定に利用されている。2013年度は、冬期停止期間(2014年1~3月)を利用して光学系・回折計・検出器を入れ替える抜本的な高度化を実施した他、2013A、B期で運用した新しいピンホールコリメータシステムの導入、および、分光器液体窒素冷却システムの立ち上げを行った。


キーワード:高フラックスビーム、マイクロビーム、高速データ測定

2012A1833, 2013A1910 / BL43IR

BL43IRの現状(2014)
Present Status of BL43IR (2014)

DOI:10.18957/rr.3.1.258

森脇 太郎、池本 夕佳、木下 豊彦

Taro Moriwaki, Yuka Ikemoto, Toyohiko Kinoshita

(公財)高輝度光科学研究センター・利用研究促進部門・分光物性Ⅱグループ

Spectroscopy Group Ⅱ, Research & Utilization Division, JASRI

Abstract

 BL43IRでは赤外放射光の高輝度性を活かし、通常実験室光源では達成できない、微小領域、微小試料の赤外顕微分光を行っている。このため、高空間分解顕微鏡、長作動距離顕微鏡、磁気光学顕微鏡の三種の赤外顕微鏡を備える。また、回折限界を超える空間分解能を得るために近接場顕微分光装置の開発を行っている。2013年度の高度化では、輸送光学系に起因する振動ノイズの除去と水溶液測定セルの整備に重点をおいた。このほか、赤外近接場分光装置の開発や円偏光利用のためのスタディも行った。


キーワード:赤外顕微分光、振動ノイズ、高空間分解

/ BL46XU

BL46XU(産業利用Ⅲ)の現状(2014)
Present Status of BL46XU (2014)

DOI:10.18957/rr.3.1.265

陰地 宏、安野 聡、小金澤 智之、梶原 堅太郎、佐藤 眞直

Hiroshi Oji, Satoshi Yasuno, Tomoyuki Koganezawa, Kentaro Kajiwara, Masugu Sato

(公財)高輝度光科学研究センター・産業利用推進室・産業利用支援グループ

Industrial User Support Group, Industrial Application Division, JASRI

Abstract

 BL46XUは産業界による放射光利用の促進を主な目的とする産業利用ビームラインであり、アンジュレータを光源とする高輝度X線を利用することができる。主に硬X線光電子分光(HAXPES)とX線回折・散乱を測定手法とした利用実験を提供している。BL46XUでは2012年度末にJASRI光源・光学系部門、制御・情報部門の協力の下、二結晶分光器の液体窒素冷却化と第2実験ハッチの増設を実施した。2013年度は二結晶分光器の立上げ調整、並びに、第2実験ハッチに設置した硬X線光電子分光装置の機器整備を中心に行った。


キーワード:X線回折、硬X線光電子分光、データベース、自動化

2012A1355, 2013B1431 / BL47XU

BL47XU(光電子分光・マイクロCT)の現状(2014)
Present Status of BL47XU (2014)

DOI:10.18957/rr.3.1.271

池永 英司a、上杉 健太朗b竹内 晃久b、鈴木 芳生b

Eiji Ikenagaa, Kentaro Uesugib, Akihisa Takeuchib, Yoshio Suzukib

a(公財)高輝度光科学研究センター・利用研究促進部門・応用分光物性グループ、b同・バイオ・ソフトマテリアルグループ

aHard X-ray Spectroscopy Group, Research & Utilization Division, JASRI, bBio- and Soft-materials Group, Research & Utilization Division, JASRI

Abstract

 BL47XUはSPring-8標準型の真空封止アンジュレータを光源としたビームラインで、主として結像顕微鏡を用いた高分解能イメージング実験と、硬X線光電子分光実験(HArd X-ray PhotoEmission Spectroscopy:HAXPES)に使用されている。結像顕微鏡では、500 nmを切る分解能の3次元CT撮影が定常的に行われている。HAXPESは、広角対物レンズを用いた角度分解深さ分析法やKBマイクロビームを用いた微小領域電子状態のイメージング計測も、利用研究可能である。また、高分解能X線画像検出器を用いた観察・フレネルゾーンプレート(FZP)を用いて形成した微小ビームを利用したX線回折実験や蛍光X線観察も実施可能である。


キーワード:X線顕微鏡、位相コントラスト、硬X線光電子分光、マイクロビーム、角度分解深さ分析

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