SPring-8 / SACLA Research Report

ISSN 2187-6886

Volume7 No.1

Published 25-January 2019 / SPring-8 Document D2019-004

SPring-8 Section A: Scientific Research Report

2012A6703 / BL44XU
CD200-CD200R複合体の結晶構造解析
Crystal Structure of the CD200/CD200R Complex
DOI:10.18957/rr.7.1.1

四郎園 巧a、崎山 竜人a、池鯉鮒 麻美a、小島 利之b、烏山 一b池水 信二a

Takumi Shirouzonoa, Ryuto Sakiyamaa, Mami Chirifua, Toshiyuki Kojimab, Hajime Karasuyamab, Shinji Ikemizub

a熊本大学、b東京医科歯科大学

a Kumamoto University, b Tokyo Medical and Dental University

Abstract

 CD200は幅広い種類の細胞上で発現しており、骨髄細胞上の阻害型受容体CD200R(マウスではCD200R1)との結合を介して骨髄細胞を抑制的に制御する。この抑制機構の構造生物学的解明を目的として、マウスのCD200-CD200R1複合体の結晶構造解析を 2.7 Å 分解能で行った。解析の結果、正に荷電したCD200のドメイン1と負に荷電したCD200R1のドメイン1が静電相互作用により複合体を形成することが明らかになった。


Keywords: CD200-CD200R複合体、分子認識、結晶構造


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2012B4909 / BL15XU
Electronic Properties of Doped Topological Insulators (BiMn)2Te3 by means of Bulk Sensitive Hard X-ray Photoemission
DOI:10.18957/rr.7.1.5

J. Fujiia, G. Panaccionea, S. Uedab

aCNR-IOM, bNIMS

Abstract

  The influence of magnetic dopants on the electronic structures of topological insulators (TIs) is a key factor for magnetic TIs-based spintronic application. Here we measured core level and valence band hard x-ray photoemission (HAXPES) spectra for (BiMn)2Te3 single crystals as a function of Mn doping to investigate the modification of the bulk band structures of Bi2Te3 by the dopants.


Keywords: Topological insulators, Magnetic dopants, HAXPES


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2013A1120 / BL08W
高分解コンプトン散乱実験による電子ドープ超伝導体母物質の運動量分布関数に対するアニール効果の研究
Study of Annealing Effect on Momentum Distribution Functions in Parent Compound of Electron-Doped High-Tc Superconductor by High Resolution Compton Scattering
DOI:10.18957/rr.7.1.9

藤田 全基a, 櫻井 吉晴b, 伊藤 真義b, 山田 和芳c

Masaki Fujitaa, Yoshiharu Sakuraib, Masayoshi Itohb, Kazuyoshi Yamadac

a (大学)東北大学金属材料研究所, b (公財)高輝度光科学研究センター, c(大学共同利用機関)高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所

aIMR Tohoku University, bJASRI, cIMSS, KEK

Abstract

 T’ 構造銅酸化物の超伝導化に必要不可欠である還元アニールの役割を解明するために、Pr1.4La0.6CuO4-δ の as-grown 試料とアニールした試料に対してコンプトン散乱X線実験を行った。両試料に対して得られた電子の運動量分布関数の比較から、アニールより Cu サイトの電子状態が主に変化する事が示唆された。このことは、アニール処理が電子ドープ効果としての役割を主として持つことを示している。


Keywords: 電子ドープ高温超伝導、還元アニール効果、コンプトン散乱


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2013A1287 / BL38B1
人工FADを用いたD-アミノ酸酸化酵素の酵素・基質複合体の構造解析
Structural Investigation on the ES Complex of D-amino Acid Oxidase By using Artificial FAD
DOI:10.18957/rr.7.1.13

宮原 郁子a, 瀬戸山 千秋b,二科 安三b

Ikuko Miyaharaa, Chiaki Setoyamab, Yasuzo Nishinab

a大阪市立大学, b熊本大学

aOsaka City University, bKumamoto University

Abstract

  補酵素FADの8位のメチル基を NHCH3 に置換したHM-FADをD-アミノ酸酸化酵素(DAO)に再構成させた酵素は、酸化力が低下し反応が進行しないため、DAOの基質D-アミノ酸と安定な複合体を形成することができる。そこでHM-FADを再構成したDAOと基質D-アミノ酸との複合体結晶構造を得ようと試みたが、基質が活性部位に固定された構造を得ることが出来なかった。


Keywords: D-アミノ酸酸化酵素、ES複合体


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2013A1288 / BL09XU
一酸化炭素が結合した一酸化窒素還元酵素の核共鳴非弾性散乱分光測定
Measurement of Carbon Monoxide-bound Form of Membrane-integrated Nitric Oxide Reductase by Nuclear Resonance Vibrational Spectroscopy
DOI:10.18957/rr.7.1.16

當舎 武彦a、依田 芳卓b

Takehiko Toshaa and Yoshitaka Yodab

a理化学研究所 SPring-8、b(公財)高輝度光科学研究センター

aRIKEN, SPring-8 Center, bJASRI

Abstract

 一酸化窒素(NO)は、反応性に富んだラジカル分子であり高い細胞毒性を示す。細菌が持つ膜結合型一酸化窒素還元酵素(NOR)は、ヘム鉄と非ヘム鉄からなる複核活性中心をにおいて、細胞毒である NO を電子とプロトンを利用して、亜酸化窒素(N2O)へと還元・無毒化する。本研究では、NOR による NO 還元反応の分子機構解明のために、鉄を含む活性部位の構造解析に有効な核共鳴非弾性散乱(NRVS)に着目した。活性部位に基質の類似体である一酸化炭素(CO)を結合させた試料の測定を行った。共鳴ラマン分光測定の結果と比較し、得られた NRVS スペクトルについて考察した。


Keywords: 核共鳴非弾性散乱、金属タンパク質、ヘム鉄、非ヘム鉄、共鳴ラマン分光


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2013A1738, 2014B1520 / BL39XU
Search for X-ray Natural Circular Dichroism in a Charge-Ordered Prototype Cuprate Superconductor La1.875Ba0.125CuO4
DOI:10.18957/rr.7.1.20

Rui-Hua He

Westlake Institute for Advanced Study

Abstract

 Recent developments point to a common, broken chiral symmetry nature of the charge orders in high-Tc cuprate superconductors. We have performed a temperature- and angle-dependent x-ray circular dichroism study on the charge-ordered prototype system La1.875Ba0.125CuO4 near the Cu K-edge. We found preliminary evidence for a broken chiral symmetry of the charge order in this system.


Keywords: cuprate superconductor, charge ordering, x-ray circular dichroism


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2014B1426 / BL47XU
Crドープ超ナノ微結晶ダイヤモンド/アモルファスカーボン混相膜のHAXPES測定
Hard X-ray Photoelectron Spectroscopy of Cr Doped Ultrananocrystalline Diamond/Amorphous Carbon Composite Films
DOI:10.18957/rr.7.1.24

花田 賢志a,冨永 亜希a,楢木野 宏a,杉山 武晴a,神谷 和孝a,池永 英司b,吉武 剛a

Kenji Hanadaa, Aki Tominagaa, Hiroshi Naraginoa, Takeharu Sugiyamaa, Kazutaka Kamitania, Eiji Ikenagab, Tsuyoshi Yoshitakea

a九州大学, b(公財)高輝度光科学研究センター

aKyushu University, bJASRI

Abstract

 数 nm のダイヤモンド結晶がアモルファスカーボン中に凝集した構造を持つ超ナノ微結晶ダイヤモンド/アモルファスカーボン混相膜の成膜中に in-situ で Cr ドーピングを試みた。成長膜のVSM測定を行ったところ強磁性の発現が見られた。強磁性発現の起源を調べるために硬X線光電子分光により膜の内部を調べた結果、膜内部に Cr–C 結合が存在していることが明らかとなった。強磁性発現の起源としては、Cr–C 結合を形成している Cr が膜内部のナノ結晶ダイヤモンドの結晶格子内に存在して成長膜の強磁性発現に寄与した可能性が考えられる。


Keywords: 超ナノ微結晶ダイヤモンド、HAXPES、同軸型アークプラズマ堆積法


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2014B1497 / BL28B2
多発肺転移モデルマウスを用いたマイクロビーム放射線治療における抗腫瘍効果の検討
Assessment of Microbeam Radiation Therapy with Lung Metastasis Mouse Model
DOI:10.18957/rr.7.1.27

椋本 成俊a, 赤坂 浩亮a, 中山 雅央a, 宮脇 大輔a, 佐々木 良平a, 梅谷 啓二b

Naritoshi Mukumotoa, Hiroaki Akasakaa, Masao Nakayamaa, Daisuke Miyawakia, Ryohei Sasakia, Keiji Umetanib

a神戸大学, b(公財)高輝度光科学研究センター

aKobe University, bJASRI

Abstract

 本研究では、通常X線照射(Broad beam irradiation)とすだれ状照射(Slit beam irradiation)の肺転移の抑制および呼吸性移動がある部位への照射精度を検討した。ビーム幅 25 μm、ビーム間隔 200 μm のすだれ状ビームを用いて、肺転移モデルマウスへの照射実験を行い、照射による肺転移の抑制を組織学的評価から行い、マウスの生存率に関しても検討した。


Keywords: 多発肺転移モデル、マイクロビーム放射線治療、すだれ状照射


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2015A1233 / BL43IR
高輝度赤外放射光を利用した半導体ナノワイヤ中の極微量ドーパント不純物の電子状態評価
Characterization of Electronic States of Dopant Atoms with Low Concentrations in Semiconducting Nanowires by Infrared Synchrotron Radiation Beam
DOI:10.18957/rr.7.1.30

深田 直樹a, 池本 夕佳b, 森脇 太郎b

Naoki Fukataa, Yuka Ikemotob, Taro Moriwakib

a国立研究開発法人物質・材料研究機構, b(公財)高輝度光科学研究センター

aNIMS, bJASRI

Abstract

 レーザーアブレーション法により成長したSiナノワイヤ中の不純物の顕微赤外分光を行った。B ドープSiナノワイヤの場合において、約 624 cm-1の位置にBの局在振動ピークを検出することに成功した。更に、約 468、806、1085、1200 cm-1 の位置には、Siナノワイヤの表面酸化膜中の酸素に関する振動を観測できた。通常の赤外分光ではナノ構造体中の不純物分光は困難であるが、SPring-8赤外放射光の高輝度性を生かすことで実現できた成果といえる。


Keywords: ナノワイヤ、半導体、不純物、赤外吸収分光


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2015A1418 / BL43IR
水素結合型混合原子価レニウム錯体における遠赤外吸収スペクトル
Far-Infrared Absorption Spectra in Hydrogen-Bonding Mixed-Valence Re Complexes
DOI:10.18957/rr.7.1.33

松井 広志a, 富田 京志a, 赤城 達弥a, 池本 夕佳b, 田所 誠c

Hiroshi Matsuia, Atsushi Tomidaa, Tatsuya Akagia, Yuka Ikemotob, Makoto Tadokoroc

a東北大学, b(公財)高輝度光科学研究センター, c東京理科大学

aTohoku Univ., bJASRI/SPring-8, cTokyo Univ. of Science

Abstract

 N-H…N水素結合で結ばれたダイマーを基本単位とする混合原子価レニウム錯体単結晶試料について、顕微遠赤外分光実験を行い、吸光度スペクトルの温度変化を測定した。各種分子振動を観測し、DFT計算により帰属した。X線・中性子線結晶構造解析から、プロトンはN-N間の中心付近に分布することが分かり、プロトントンネルを期待したが、吸光度スペクトルには、トンネル等に起因した異常な吸収バンドは見出せず、局在したプロトンの振動状態のみを捉えた。


Keywords:遠赤外分光、顕微分光、電子プロトン連動、レニウム錯体


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2015A1795 / BL41XU
うま味受容体細胞外リガンド結合ドメインのX線結晶構造解析
Crystallographic Analysis of the Ligand-binding Domains of Umami Taste Receptor
DOI:10.18957/rr.7.1.37

細谷 麻以子, 山下 敦子

Maiko Hosotani, Atsuko Yamashita

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科

Graduate School of Medicine, Dentistry and Pharmaceutical Sciences, Okayama University

Abstract

 T1r1/T1r3ヘテロ二量体は、味覚受容において、アミノ酸などを感知するうま味受容体として機能する。T1r1/T1r3受容体の主要な味物質結合部位であるリガンド結合ドメインについて、組換え発現・精製・結晶化を行い、得られた結晶のX線回折実験を行った。その結果、結晶から確認された回折は、異方性が高く、構造決定に十分な分解能の回折強度データを得ることができなかった。


Keywords: 味覚受容体、クラスC型GPCR


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SPring-8 Section B: Industrial Application Report

2012A1719, 2012B1889 / BL46XU
次世代CMOSチャネル実現に向けた硬X線光電子分光によるグラフェン・ゲート絶縁膜界面構造の最適化
Optimization of the Interface between Graphene and Gate Insulator Studied by Hard X-ray Photoelectron Spectroscopy for Future CMOS Channel
DOI:10.18957/rr.7.1.40

近藤 大雄a,b, 林 賢二郎a,b, 山口 淳一a,b, 曽我 育生b, 佐藤 信太郎a,b, 横山 直樹a,b

Daiyu Kondoa,b, Kenjiro Hayashia,b, Junichi Yamaguchia,b, Ikuo Sogab, Shintaro Satoa,b, Naoki Yokoyamaa,b

a(独)産業技術総合研究所 グリーン・ナノエレクトロニクスセンター, b(株)富士通研究所

aGNC, AIST, bFujitsu Labotarories, Ltd.

Abstract

 我々はグラフェンのチャネル材料としての高いポテンシャルに着目し、次世代CMOSチャネル候補として大面積基板上での成長技術やFETトランジスタ作製プロセス開発を行ってきた。今回は、原子層堆積法や蒸着法などの異なる方式で作製した絶縁膜とグラフェンの界面電子状態を硬X線光電子分光により調べることで、現在想定し得るゲート絶縁膜候補材料とグラフェン界面での電子状態から絶縁膜としての適性の検討を行い、グラフェン直上には SiO2 を絶縁膜として堆積することが望ましく、その上に別途High-k等の絶縁膜を堆積すれば良いことが判明した。今後さらなる検討を行いグラフェンFET作製プロセスの最適化を推し進める予定である。


Keywords: 硬X線光電子分光、グラフェン、CMOS


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2012B1853 / BL14B2
シリア・土器新石器時代出土の青色ビーズにおける人類最初の人造青色着色技術の解明
Structural and Chemical Characterization of the First Artificial Blue Beads in the Neolithic Site in Syria
DOI:10.18957/rr.7.1.44

谷口 陽子a, 沼子 千弥b, 島津 美子c,北原 圭祐b

Yoko Taniguchi a, Chiya Numako b, Yoshiko Shimadzu c, Keisuke Kitahara b

a筑波大学, b千葉大学, c国立歴史民俗博物館

a University of Tsukuba, b Chiba University, c National Museum of Japanese History

Abstract

 テル・エル・ケルク遺跡から出土した青色ビーズを対象に、その青の発色機構を明らかにすることを試みている。先行研究により、ビーズの基材は生物由来のフルオロアパタイトであり、青色の発色には Mn が関与している報告があった。マトリクスの状態がやや異なる青色ビーズと、ミタータル遺跡(インド)出土の青色の骨について非破壊で Mn K-XAFS スペクトルを蛍光モードで測定し、さまざまな価数の Mn 標準試料と比較したところ、これら青色の考古試料が共通して5価から6価のマンガンを含むことがわかった。また Mn と P の置換が進んでいると考えられるマストドンの牙化石を加熱して Mn の価数を高めようと試みたがこちらは成功しなかったこともわかった。


Keywords: 土器新石器、ビーズ、青色、Mn5+、アパタイト、XAFS


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2014B1605 / BL46XU
異常分散X線回折法による電池正極材料LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2の構造解析
Structural Study of Lithium Battery Cathode Material LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2 by Anomalous Dispersive X-ray Diffraction
DOI:10.18957/rr.7.1.49

北原 周, 大園 洋史, 河野 研二, 世木 隆

Amane Kitahara, Hiroshi Ozono, Kenji Kono, Takashi Segi

株式会社コベルコ科研

Kobelco Research Institute, Inc.

Abstract

 Liイオン二次電池に用いられる3元系正極材 LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2 の結晶構造解析を行うため、異常分散X線回折法を検討した。電池劣化の一因とされるカチオンミキシングと遷移金属元素種の関係を調べるため、NiとCoの挙動に着目し、CoとNiの K 吸収端近傍の異常分散を利用した。充放電サイクル試験前後においてNiの異常分散X線回折強度に違いがみられ、CoよりもNiの方がカチオンミキシングに影響することが示唆された。


Keywords:異常分散X線回折、二次電池正極材料、層状岩塩構造、カチオンミキシング


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2014B3325, 2015A3325, 2016A3325 / BL08B2
In situ XAFSによるPd/CZO2 触媒の劣化解析
Degradation Analysis of Pd/CZO2 Catalyst by in situ XAFS
DOI:10.18957/rr.7.1.55

東 遥介, 高橋 照央, 藤本 智成, 末広 省吾

Yosuke Azuma, Teruo Takahashi, Tomonari Fujimoto, Shogo Suehiro

(株)住化分析センター 技術開発センター

Sumika Chemical Analysis Service, Ltd. Technology Innovation Center

Abstract

 Pd/CeZrO2 に代表される環境浄化触媒は、XAFSによる in situ 分析が近年盛んに行われており、価数や局所構造による評価事例が多数報告されている。近年当社は、ラボでガス流通・加熱試験が可能な in situ XRD を導入し、ビームタイムを待つことなく in situ 実験が提供できる環境を整備した。本課題ではSPring-8 BL08B2における in situ XAFS とラボで実施可能な in situ XRD を併用・比較して Pd/CeZrO2 の劣化解析を行うことで、触媒の挙動および in situ XRD の有用性を考察した。


Keywords: 環境浄化触媒,in situ分析


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2014B3373, 2015B3373 / BL08B2
環境温度を考慮したリチウムイオン2次電池 in situ XRD測定法の開発
Development of in situ XRD for Lithium-ion Batteries Considering Working Temperature
DOI:10.18957/rr.7.1.61

東 遥介, 高橋 照央, 末広 省吾

Yosuke Azuma, Teruo Takahashi, Shogo Suehiro

(株)住化分析センター 技術開発センター

Sumika Chemical Analysis Service, Ltd. Technology Innovation Center

Abstract

  リチウムイオン電池の充放電に対する作動環境温度の影響を解析するため、温調機能を有する in situ 測定系を構築し、高温(80°C)・低温(-10°C)における in situ XRD測定を実施した。各条件で室温(25°C)とは異なった活物質の構造変化が観測され、本分析法により新しい知見が得られることが示唆された。


Keywords: リチウムイオン電池,in situ 分析


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2015A1006 / BL01B1
Ag含有ゼオライト蛍光体の実用化のための局所構造解析
― 水中におけるAg交換X型ゼオライトのAg局所構造 ―
Local Structure Analysis for Practical Use of Ag-containing Zeolite Phosphors
– Local Structure around Ag for Ag-exchanged X-type Zeolite in Water –
DOI:10.18957/rr.7.1.66

阪根 英人a, 都丸 琢斗a, 藤木 伸爾b, 杉山 公寿b

Hideto Sakanea, Takuto Tomarua, Shinji Fujikib, Koju Sugiyamab

a山梨大学, bレンゴー株式会社中央研究所

a University of Yamanashi, b Rengo Co., Ltd.

Abstract

 Ag+ 交換した種々のゼオライトの、蛍光を示す調製条件と示さないものの Ag K 吸収端EXAFSを測定した。それらのうち、水中でも蛍光を発する Ag+ 交換したX型ゼオライトについて、水中での Ag の局所構造を解析した。Ag の含有量や交換後の処理温度を変化させると蛍光スペクトルの高さは変化したが、ピークの形や位置はほとんど変化しなかった。一方、EXAFSの解析によるフーリエ変換について、強度はいくらか変化するが形はほぼ変わらず、カーブフィッティング解析した局所構造も処理温度の違いによる変化がまったくなかった。


Keywords:Ag 交換ゼオライト、蛍光体、EXAFS


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2015A1671 / BL46XU
リチウムイオン電池のオペランドX線回折計測
In-Operand X-ray Diffraction Measurement of Lithium-Ion Batteries
DOI:10.18957/rr.7.1.73

平野 辰巳, 高松 大郊, 春名 博史, 本蔵 耕平

Tatsumi Hirano, Daiko Takamatsu, Hiroshi Haruna, Kouhei Honkura

(株)日立製作所

Hitachi, Ltd.

Abstract

 リチウムイオン二次電池の放電曲線解析による正負極利用率の減少と実際の劣化現象との対応を検証することを目的として、充放電サイクル試験後の18650型電池の充電中におけるX線回折を測定した。その結果、オペランドX線回折により、内周部ほど劣化が進行していることが明らかとなった。さらに、オペランドX線回折線の積分強度比から算出した導電ネットワークからの活物質粒子の孤立化率が、放電曲線解析による正負極利用率の減少に相当することを検証した。


Keywords: リチウムイオン電池、オペランド計測、放電曲線解析、劣化、孤立化


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2015A1677 / BL14B2
BL14B2における透過配置遠隔自動XAFSシステムの開発
Development of Remote Auto-XAFS (Transmission mode) System at BL14B2
DOI:10.18957/rr.7.1.79

高垣 昌史a, 井上 大輔a, 古川 行人a, 西尾 光司b, 本間 徹生a

Masafumi Takagaki a, Daisuke Inoue a, Yukito Furukawa a, Kouji Nishio b, Tetsuo Honma a

a (公財)高輝度光科学研究センター, bスプリングエイトサービス

aJASRI, bSPring-8 Service Co., Ltd.

Abstract

 BL14B2において開発を進めている遠隔XAFSシステムを統括制御するプログラム「Auto-XAFS」の開発を行った。光学調整、試料交換等を含む完全自動測定は概ね良好な動作結果を得た。


Keywords: 遠隔実験、XAFS


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2015A1687 / BL14B2
雲母含有剤による加熱下でのセシウムの捕捉機構
Capture Mechanism of Cesium by Mica under Heating Condition
DOI:10.18957/rr.7.1.82

原田 浩希a, 高岡 昌輝b, 塩田 憲司b, 伊藤 華子a

Hiroki Harada a, Masaki Takaoka b, Kenji Shiota b, Hanako Itoh a

a日立造船株式会社, b京都大学

aHitachi Zosen Corporation, bKyoto University

Abstract

 放射性物質を含む廃棄物の焼却炉内の耐火物への放射性Csの浸透、蓄積を防止する塗膜の選定と、Csの選択的捕捉とその機構について調査した。耐火物のブロックに複数種の塗装を施し、都市ごみ焼却炉のボイラ付着灰に安定性Csを添加した模擬汚染灰を加熱処理により浸透させた結果、雲母を含有する塗膜では 850°Ϲ または 1000°Ϲ においてCsを捕捉していることが確認され、またその形態は概ねPolluciteに類似していた。さらにCs溶液中で雲母に吸着させた形態と比較した結果、XANES領域の比較においては熱間で捕捉された形態と類似していることがわかった。。


Keywords: セシウム、雲母、熱間、XAFS


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2015B1591 / BL17SU
PEEMによる積層セラミックコンデンサにおけるチタン酸バリウムの劣化メカニズム調査
Analysis for Degradation Mechanism of Barium Titanate in Monolithic Ceramic Capacitors Using PEEM
DOI:10.18957/rr.7.1.87

村木 智則, 西村 仁志, 尾山 貴司

Tomonori Muraki, Hitoshi Nishimura, Takashi Oyama

株式会社村田製作所

Murata Manufacturing Co., Ltd.

Abstract

 積層セラミックコンデンサのチタン酸バリウム誘電体層中には酸素空孔が存在し、この酸素空孔の偏析が絶縁性の使用時経年劣化を引き起こすと考えられている。そこで絶縁抵抗が劣化した積層セラミックコンデンサを用いてPEEM観察を行い酸素空孔分布の評価を試みた。誘電体層中のPEEM像から抽出したXASスペクトルより、Tiの化学状態が正極と負極の間で段階的にわずかに変化していることが示唆された。今後、この変化が酸素空孔由来か否かを検討していく。


Keywords: チタン酸バリウム、積層セラミックコンデンサ、酸素空孔、光電子顕微鏡


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2017B1601 / BL10XU
圧力下における炭化イットリウムの合成と結晶構造
Synthesis and Crystal Structure Analysis of Yttrium Carbides under High Pressure
DOI:10.18957/rr.7.1.91

川島 健司a, 松岡 岳洋b

 

Kenji Kawashimaa, Takehiro Matsuokab

a(株)イムラ材料開発研究所, b岐阜大学

aIMURA Material Co., Ltd., bGifu University

Abstract

 本課題では炭化イットリウムの一種の Y2C3 の圧力下における構造と物性の確認を目的としている。今回、レーザー加熱システムを用いた試料合成によりDiamond Anvil Cell(= DAC)の試料室内に Y2C3 と他の炭化イットリウム化合物を含む混相試料を合成し、Y2C3 と炭化イットリウムの結晶構造の加圧による影響を調べた。その検証の結果、Y2C3 の Pu2C3 型構造の圧力印加に対する安定性や他の炭化イットリウム化合物の構造変化の兆候を確認した。


Keywords: 炭化イットリウム、高圧下X線回折実験、結晶構造解析


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SPring-8 Section C: Technical Report

2013A1905 / BL39XU
バルク磁性体試料に対する深さ分解XMCD測定の開発
Development of Depth-Resolved XMCD Measurement for Bulk Magnets
DOI:10.18957/rr.7.1.96

鈴木 基寛, 保井 晃, 中村 哲也

Motohiro Suzuki, Akira Yasui, Tetsuya Nakamura

(公財)高輝度光科学研究センター

JASRI

Abstract

 蛍光X線の検出角度依存性を利用した深さ分解X線磁気円二色性 (XMCD) 測定法を開発した。表面研磨したネオジム焼結磁石試料に適用し、試料の減磁過程において Nd L2 吸収端での元素選択的磁化曲線を取得した。その結果、異なる蛍光X線検出角度、すなわち試料表面から検出深さに対して保磁力の値が変化することを見出した。得られた磁化曲線をモデルフィッティングで解析し、表面から 3.2 µm までの深さでは保磁力が試料内部の1/2に低下していることを明らかにした。本手法は、ネオジム永久磁石やサマリウムコバルト磁石等、微細組織を有する永久磁石の深さ分解磁化解析に応用が可能である。


Keywords: 深さ分解、バルク敏感、保磁力、焼結磁石


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Section SACLA

2015A8060 / BL3
SACLAのフェムト秒パルスX線回折による光励起Ge2Sb2Te5ナノ薄膜の弾性特性解析
Elastic Properties of Photo-induced Ge2Sb2Te5 Nanofilm by fs-pulse X-ray Diffraction in SACLA
DOI:10.18957/rr.7.1.100

松原 英一郎a, 市坪 哲b

aEiichiro Matsubara, bTetsu Ichitsubo

a京都大学, b東北大学

aKyoto University, bTohoku University

Abstract

 フェムト秒可視光レーザーを Ge2Sb2Te5 多結晶ナノ薄膜に照射した際に発現する格子膨張の時間変化を、SACLAの高強度、フェムト秒パルスX線によるフェムト秒パルスX線回折法を用いて、回折ピークの散乱角の時間変化から精密に測定し解析することで、Ge2Sb2Te5 ナノ薄膜の弾性特性の情報を得られることを明らかにした。


Keywords:


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その他

目次
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編集委員会
Editorial Board
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