SPring-8 / SACLA Research Report

ISSN 2187-6886

Volume1(2013)

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発行にあたって

野田 健治

Kenji Noda

(公財)高輝度光科学研究センター

Japan Synchrotron Radiation Research Institute (JASRI)

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Section A : Scientific Research Report

2011B1684 / BL37XU

両親媒性有機半導体化合物の単成分および混合単分子膜における分子配列構造のX線反射率解析
A X-ray Reflectivity Study on Molecular Arrangement in Pure and Mixed Monolayers of Amphiphilic Organic Semiconductor Compounds

DOI:10.18957/rr.1.3.89

赤羽 千佳a, 宇留賀 朋哉b, 谷田 肇c, 豊川 秀訓b, 寺田 靖子b, 飯村 兼一a, 尾形 葵a, 三浦 隆博a, 豊田 彩a

Chika Akabanea, Tomoya Urugab, Hajime Tanidac, Hidenori Toyokawab, Yasuko Teradab, Ken-ichi Iimuraa, Aoi Ogataa, Takahiro Miuraa, Aya Toyodaa

a宇都宮大学, b(公財)高輝度光科学研究センター, c京都大学

aUtsunomiya Univ., bJASRI, cKyoto Univ.

Abstract

 両親媒性のp型,n型有機半導体分子にLangmuir-Blodgett法を適用し、水面上単分子膜の分子レベルでの構造をX線反射率法によって解析した。疎水性と親水性のバランスが異なる3種類のフラーレン誘導体の中で、親水性が比較的強い化合物に関して、最も良好な製膜性が示された。また、この化合物単分子膜に対して、表面圧を変化させることで、より分子の配列性が向上した単分子膜形成が可能となった。


キーワード: Langmuir-Blodgett(LB)膜、有機半導体分子、気/水界面、X線反射率法

Section B : Industrial Application Report

2011B1194 / BL04B2

窒化酸化物ペロブスカイトのPDF解析
PDF Analysis of Oxynitride Perovskites

DOI:10.18957/rr.1.3.94

隼瀬 幸浩, 掘露 伊保龍, 猪口 真志, 檜貝 信一

Yukihiro Hayase, Ivoyl P. Koutsaroff, Masashi Inoguchi, Shin'ichi Higai

(株)村田製作所

Murata Manufacturing Co., Ltd

Abstract

 ペロブスカイト型酸化物の一つであるチタン酸バリウムストロンチウムの酸素部を窒素置換した窒化酸化物ペロブスカイトは印加電圧に対する誘電率の変化が非常に大きい、誘電損失が低いといった、誘電体材料として優れた特性を有するが、これは窒素置換によるTiO6八面体の歪みが原因と考えられる。今回、PDF(atomic Pair Distribution Function)解析[1]を行い、この歪みについて調査したところ、Ti-Oの原子対によるものと考えられる約2 Å付近のピークは認められたが、フーリエ変換の打ち切り誤差の影響もあり歪みの存在を確認するまでには至らなかった。


キーワード: 窒化酸化物、PDF、原子対相関関数

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2011B1949 / BL14B2

Biドープリン酸塩ガラス中でのBi周りの配位構造解析
Coordination Structure around Bi Ion in Bi-doped Phosphate Glasses

DOI:10.18957/rr.1.3.98

角野 広平a, 藤本 靖b, 山添 誠司c, 山下 直人d, 山田 研二e, 梅咲 則正f, 大渕 博宣f

Kohei Kadonoa, Yasushi Fujimotob, Seiji Yamazoec, Naoto Yamashitad, Kenji Yamadae, Norimasa Umesakif, Hironori Ofuchif

a京都工芸繊維大学, b大阪大学, c龍谷大学, d五鈴精工硝子(株), e(特定非営利活動法人)レーザー技術推進センター, f(公財)高輝度光科学研究センター

aKyoto Institute of Technology, bOsaka University, cRyukoku University, dIsuzu Glass Co. Ltd., ePromotion center for Laser Technology, fJASRI

Abstract

 Bi(ビスマス)をドープしたガラスにおける可視光励起による近赤外域での発光の原因を調査するために、Biドープリン酸塩ガラスについて、Bi LIII吸収端でのXAFS測定を行った。また、比較のため、Biドープソーダ石灰ガラスについても測定を行った。XANESは、Bi濃度や溶融雰囲気の還元性の強さが異なってもほぼ同じで、Bi2O3結晶に近い形状を示した、またBiドープソーダ石灰ガラスも同じXANESであった。一方、EXAFSはリン酸塩ガラスとソーダ石灰ガラスは異なり、後者の方が前者に比べ、Bi2O3に近いスペクトルを示した。


キーワード: Biドープリン酸塩ガラス、XAFS、蛍光法、配位環境、近赤外発光

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2012A1047 / BL19B2

トバモライト合成へのフライアッシュの利用(1)
Use of Fly Ash for the Synthesis of Tobermorite(1)

DOI:10.18957/rr.1.3.103

松野 信也a, 東口 光晴a, 石川 哲吏a, 松井 久仁雄b

Shinya Matsunoa, Mitsuharu Higashiguchia, Tetsuji Ishikawaa, Kunio Matsuib

a旭化成㈱, b旭化成建材㈱

aASAHI KASEI. CO. LTD., bASAHI KASEI CONSTRUCTION MATERIALS CO.

Abstract

 軽量気泡コンクリート(ALC)の主成分であるトバモライト(tobermorite 化学組成:5CaO・6SiO2・5H2O)の量と質は、ALCの性能と密接な関係にあり、その反応過程を制御したALCの改良研究が、日本および欧州で活発になされている。そのような中で今回は、我々が2009年および2010年の検討で得た知見(Alの添加効果など)の現場プロセスへの応用を念頭にAlを含有するフライアッシュ(FA、火力発電所から排出される石炭灰)の再利用検討を行っている。今回は、メカニズム深耕のためセメントを使わない高純度試薬原料系による実験を行い、セメントを原料とした場合に比較してカトアイト(KA)生成量が少ないことが明らかになった。また、FA量が多くなるとトバモライト生成タイミングが遅くなることがわかった。


キーワード: 水熱反応、トバモライト、カルシウムシリケート、フライアッシュ、軽量気泡コンクリート、in-situ XRD

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2012A1111 / BL17SU

NiZnフェライトの微細構造が磁区構造およびコアロスに与える影響に関する研究
Study for the Micro-Structure Effect on the Magnetic Domain and Core Loss in Polycrystalline NiZn Ferrite

DOI:10.18957/rr.1.3.107

河野(大竹)健二

Kenji Kawano

太陽誘電株式会社

TAIYO YUDEN Co. Ltd.

Abstract

 NiZnフェライト焼結体表面での磁区を光電子顕微鏡(Photo Emission Electron Microscope; PEEM)を用いて観察を行い、微細構造が磁区構造にどのような影響を与えているのかを理解することを目的に実験を行った。実験の結果、フェライトの磁区構造を観察することができ、粒径が小さい方が、磁区も小さく、複雑な構造を取ることを確認し、また、磁壁は粒界部分に局在しているわけではなく、粒内にも多数存在していることが確認された。このような磁区構造は、透磁率、コアロス等のバルク体の特性から予想されるものとは異なっており、今回の結果は、フェライトの磁化過程と磁区の形成に関して、新たな知見を与えるものである。


キーワード: フェライト、磁区観察、光電子顕微鏡、PEEM

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2012A1121 / BL40XU

X線光子相関分光法を用いたシリカ充填加硫ゴムのダイナミクスに関する研究
Dynamics of Vulcanized Rubber Filled with Silica Studied by X-ray Photon Correlation Spectroscopy

DOI:10.18957/rr.1.3.109

篠原 佑也a, 岸本 浩通a,b, 雨宮 慶幸a

Yuya Shinoharaa, Hiroyuki Kishimotoa,b, Yoshiyuki Amemiyaa

a東京大学大学院新領域創成科学研究科, b住友ゴム工業株式会社

aGraduate School of Frontier Sciences, The University of Tokyo, bSumitomo Rubber Industries Ltd.

Abstract

 本研究では、加硫ゴム中でのシリカ粒子のダイナミクスを解明するために、X線光子相関分光測定を実施した。実験の結果、未加硫ゴムと比較してダイナミクスが極めて遅くなっていることが明らかになった。一方で未加硫ゴムにおいて観察されたように、ダイナミクスが試料の扱いに敏感であるため、より再現性のあるデータ取得に向けて、実験時の試料の取扱いを今後工夫していかなければならないことが明らかになった。


キーワード: X線光子相関分光法、加硫ゴム、ダイナミクス

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2012A1137 / BL27SU

軟X線XAFSを用いたAl-Mg-Si系合金中に形成されるナノクラスタの局所構造解析
Analysis on Nanocluster Structure of Al-Mg-Si Alloy by XAFS Measurement

DOI:10.18957/rr.1.3.112

山本 裕介a, 足立 大樹b

Yusuke Yamamotoa, Hiroki Adachib

a住友軽金属工業(株), b兵庫県立大学

aSumitomo Light Metal Industries, LTD., bUniversity of Hyogo

Abstract

 Al-Mg-Si系合金では、溶体化処理後にクラスタ1が形成されると人工時効時の硬化特性に負の効果が生じ、クラスタ2が形成されると正の効果が生じる。これらナノクラスタの局所構造の違いを調べることを目的として、クラスタリングやβ”相の析出によるXAFSスペクトルの変化を調べた。SiのXAFSスペクトルについては、試料表面への水分子の付着およびSiの蛍光X線強度の不足のため、解析可能なスペクトルが得られなかった。MgのXAFSスペクトルについても、試料間での明確な差が見られなかった。XAFSスペクトルの変化を調べるためには測定条件の改善が必要であり、次回以降の実験では測定時間の長時間化や測定温度の統一等を実施する。


キーワード: A-Mg-Si系合金、ナノクラスタ、軟X線、XAFS

2012A1166 / BL20XU

走査/結像ハイブリッド型高感度高分解能微分位相X線顕微鏡を用いた毛髪加熱処理でのトリートメント効果の観察
Observation of Treatment Effect on Heated Hair Using Scanning/Imaging Hybrid Type High-sensitive and High-resolution Differential Phase-contrast X-ray Microscope

DOI:10.18957/rr.1.3.115

井上 敬文a, 河合 朋充a, 藤森 健a, 竹原 孝二a, 竹内 晃久b, 上杉 健太朗b, 鈴木 芳生b

Takafumi Inouea, Tomomitsu Kawaia, Takeshi Fujimoria, Kouji Takeharaa, Akihisa Takeuchib, Kentaro Uesugib, Yoshio Suzukib

a(株)カネボウ化粧品, b(公財)高輝度光科学研究センター

aKanebo Cosmetics Inc., bJASRI

Abstract

 走査/結像ハイブリッド型高感度高分解能微分位相X線顕微鏡により、アイロンによる加熱処理毛髪の内部微細構造を三次元で測定することができた。加熱処理毛髪でのトリートメント剤の有無の比較から、毛髪コルテックス部位で加熱処理により生じる空隙の生成がトリートメント剤によって抑制される傾向が観察された。


キーワード: 毛髪、ヘアアイロン、X線CT、マイクロCT、位相CT、走査型CT

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2012A1178 / BL19B2

非鉛圧電材料(1-x)(Na,K)NbO3 + xCaTiO3の常誘電相に対する結晶構造解析
Structure Analysis for the Paraelectric Phase of Lead-Free Piezoelectric (1-x)(Na,K)NbO3 + xCaTiO3

DOI:10.18957/rr.1.3.119

岩堀 禎浩, 野口 博司

Yoshihiro Iwahori, Hiroshi Noguchi

株式会社村田製作所

Murata Manufacturing Co., Ltd.

Abstract

 Nb系圧電材料(1-x)(Na, K)NbO3 + xCaTiO3の常誘電相(Cubic相)について結晶構造解析を行った。 CaTiO3固溶量に対し格子体積は、x = 0.06で最小値になることが分かった。同時にMEM/Rietveld 解析注)により電子密度分布を求めると、CaTiO3の固溶により酸素の熱振動異方性が緩和する傾向にあった。また、Nb/Ti - O間の共有結合性は、x = 0.06で最も弱くなる挙動を見せた。


キーワード:Nb系圧電材料,粉末X線回折,モルフォトロピック相境界,MEM/Rietveld解析


注)MEM/Rietveld解析法:

 粉末回折パターンから非線形最小二乗法を用いて格子定数と結晶構造パラメータ{原子位置,原子変位(温度因子),格子占有率,etc.}を精密化し、構造因子Fから最大エントロピー法(MEM)を用いて電子密度分布を求める一連の手法。

2012A1274 / BL19B2

アルミニウム合金摩擦攪拌接合継手における疲労き裂進展挙動のラミノグラフィによる非破壊観察
Nondestructive Observation of Fatigue Crack Propagation Behavior in Friction Stir Welded Joints of Aluminum Alloy by Laminography

DOI:10.18957/rr.1.3.124

佐野 雄二a, 政木 清孝b, 西銘 一貴b, 梶原 堅太郎c, Omar Hatamlehd, 足立 隆史e

Yuji Sanoa, Kiyotaka Masakib, Kazuki Nishimeb, Kentaro Kajiwarac, Omar Hatamlehd, Takafumi Adachie

a(株)東芝, b沖縄工業高等専門学校, c(公財)高輝度光科学研究センター, dNASA - Johnson Space Center, e富士重工業(株)

aToshiba Corporation, bOkinawa National College of Technology, cJASRI, dNASA - Johnson Space Center, eFuji Heavy Industries Ltd.

Abstract

 アルミニウム合金A6061-T6の摩擦攪拌接合(FSW)継手試験片に曲げ疲労によりき裂を導入し、その形状をラミノグラフィにより可視化した。更に、ビームライン脇に仮設した曲げ疲労試験機を使用してき裂を進展させ、その様子を非破壊で観察した。大型の板状の構造物の場合CTの適用は困難を伴うが、ラミノグラフィの適用は原理的に可能であり、微細な疲労き裂やその進展の様子を非破壊で観察できることを確認した。


キーワード: 摩擦攪拌接合,アルミニウム合金,疲労,き裂進展,ラミノグラフィ


2012A1320 / BL37XU

放射光蛍光X線法による酸化ジルコニウム中の微量遷移元素分析
Analysis of Trace Transition Elements in Zirconium Oxide Using Synchrotron Radiation X-Ray Fluorescence Spectrometry

DOI:10.18957/rr.1.3.129

國貞 泰一a, 寺田 昌生a, 野井 浩祐a, 関 隼人a

Taichi Kunisadaa, Masao Teradaa, Kousuke Noia, Hayato Sekia

a第一稀元素化学工業株式会社

aDaiichi Kigenso Kagaku Kogyo Co., Ltd.

Abstract

 酸化ジルコニウムの不純物の多くは原鉱石由来である。主な原鉱石であるジルコンサンド中には主成分のジルコニウム以外にハフニウム(Hf)が約1.5〜2%含有されているが、ハフニウム以外にも極微量不純物が含有されていることが多い。本試験では放射光を用いた蛍光X線分析により酸化ジルコニウム粉末中の遷移元素の高精度分析を目指したが、主成分のジルコニウムピーク、ハフニウムピーク、それらサムピーク及び連続X線の影響により、精度の高い定性・定量はできないことがわかった。


キーワード: 酸化ジルコニウム、ジルコニア、不純物、遷移元素、蛍光X線分析

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2012A1336 / BL13XU

水性有機半導体コロイドインクから形成した有機薄膜のGIXDを用いた界面ナノ構造解析
Grazing Incidence X-ray Diffraction (GIXD) Measurement of Colloidal Organic Semiconductor Thin-Films Formed by a Electrospray Deposition Method

DOI:10.18957/rr.1.3.134

田島 右副, 折井 孝彰, 高久 英明, 木本 篤志

Yusuke Tajima, Takaaki Orii, Hideaki Takaku, Atsushi Kimoto

独立行政法人理化学研究所

RIKEN

Abstract

 有機薄膜太陽電池の活性層に用いられる導電性高分子やフラーレン誘導体を水性有機半導体コロイドインク化し、静電噴霧堆積(ESD)法によって薄膜を形成した。このコロイド薄膜の内部構造を解明するため、In-plane GIXD測定を行い、クロロベンゼン溶液からスピンコート法で製膜した薄膜と比較を行った。導電性高分子では成膜法に依存せず、分子の自己組織化能に依存した結晶構造が確認された。一方、フラーレン誘導体は化学構造によって成膜法の影響が異なり、結晶性の高いフラーレンでもコロイド薄膜ではアモルファス状態を取りやすいことが明らかになった。


キーワード: 有機半導体、コロイド、フラーレン、静電噴霧堆積法、GIXD

2012A1377 / BL27SU

タイヤの耐久性向上のための黄銅/ゴムの接着結合様式の解析 -ゴム中の硫黄の化学状態解析
Analysis of the Adhesion Binding Style of Brass/Rubber for Durable Improvement of the Tire -Analysis of the Chemical State of Sulfur in Rubber Compound

DOI:10.18957/rr.1.3.138

清水 克典, 鹿久保 隆志, 網野 直也

Katsunori Shimizu, Takashi Kakubo, Naoya Amino

横浜ゴム株式会社

The Yokohama Rubber Co., Ltd.

Abstract

アブストラクト:

 タイヤ中のスチールコードとゴムを接着させることで耐久性が維持される。金属接着用ゴムには有機酸Coが含まれるが、ゴム中のCo塩の化学的情報はこれまであまり知られていない。そこで我々は加硫中におけるCo塩の経時変化ついて調査を行い、加硫初期にSと化学反応を起こしていると推測した。更なる分析としてCo塩配合コンパウンドにおけるSの反応メカニズムを軟X線を用いるXAFS測定より調査を行った。隣接する化合物の動径構造関数よりSは加硫初期においてCo及びCuと化学結合している可能性があることを見出した。


キーワード: タイヤ、ゴム、接着、コバルト、XAFS、XANES、EXAFS

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2012A1489 / BL19B2

新規非晶質イブプロフェン複合体(抗炎症薬)の放射光X線回折による構造評価
Structural Evaluation of New Amorphous Ibuprofen Complex (Anti-Inflammatory Drug) Using Synchrotron XRD

DOI:10.18957/rr.1.3.142

伊藤 武利, 石田 和裕

Taketoshi Ito, Kazuhiro Ishida

ライオン(株) 薬品第1研究所

Lion Corporation, Pharmaceutical Research Laboratories No.1

Abstract

 高結晶性の抗炎症薬であるイブプロフェンの溶解性向上を目的に、イブプロフェンの非晶質化について検討した。非晶質化剤として用いているアミノアルキルメタクリレートコポリマーは非常に高価であることから、本課題ではより安価な非晶質化剤の探索を行った。その結果、新たな非晶質化剤は見つからなかったが、非晶質化剤探索の指標として動径分布関数(RDF)が有用である可能性を見出すと共に、アミノアルキルメタクリレートコポリマーを大幅に減量したコストダウンの可能性を見出すことができた。


キーワード: イブプロフェン、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、非晶質、X線回折、動径分布関数、溶解性向上

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2012A1608 / BL19B2

小角X線散乱法を用いたバイオプラスチックの加熱時のナノ構造評価
Study on Nanostructure of Bio-Based Plastics in Heating Process Using Small-Angle X-ray Scattering (SAXS) Technique

DOI:10.18957/rr.1.3.146

八木 康洋a, 小林 栄司a, 松葉 豪b, 乳井 樹b

Yasuhiro Yagia, Eiji Kobayashia, Go Matsubab, Tatsuki Nyuuib

a日立化成工業(株), b山形大学

aHitachi Chemical Co., Ltd., bYamagata University

Abstract

 バイオプラスチックであるポリ乳酸/ポリプロピレン複合材のサブミクロン構造と結晶構造の加熱・融解とその後の冷却過程による変化を、極小角X線散乱測定および小角X線散乱測定を用いて分析した。複合材は融解すると可視光波長領域の大きさを有する微小球晶が消失し、試料は白色から透明に変化することが分かった。また、急冷によってポリプロピレンの結晶性が低下し、徐冷では結晶ラメラ構造の層間距離が広がることを確認した。


キーワード: 小角X線散乱、極小角X線散乱、バイオプラスチック、球晶、結晶構造評価

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2012A1628 / BL27SU

S K-edgeにおけるXAFS測定の検討
Feasibility Study of S K-edge XAFS Measurement

DOI:10.18957/rr.1.3.150

金子 房恵a, 岸本 浩通a, 為則 雄祐b

Fusae Kanekoa, Hiroyuki Kishimotoa, Yusuke Tamenorib

a住友ゴム工業株式会社, b(公財)高輝度光科学研究センター

aSUMITOMO RUBBER INDUSTRIES, LTD., bJASRI

Abstract

 ゴム材料は、硫黄を用いてポリマー同士を橋掛けする架橋構造を形成することで、強度、機械疲労、粘弾性など特異な物理特性を発現する。しかし、その詳細な構造と物性の関係は未だ解明されていない。そこで我々は、硫黄架橋の詳細な構造を分析するためにS K-edge XAFS(X-ray Absorption Fine Structure)法に着目し、実験方法の検討を行った。


キーワード: S K-edge、XAFS、ポリマー

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2012A1634 / BL17SU

X線光電子顕微鏡を用いたポリマーの化学状態解析の検討
Estimation of Chemical State Analysis of Polymers with X-ray Photoemission Electron Microscopy

DOI:10.18957/rr.1.3.153

金子 房恵a, 岸本 浩通a, 小嗣 真人b, 大河内 拓雄b

Fusae Kanekoa, Hiroyuki Kishimotoa, Masato Kotsugib, Takuo Ohkochib

a住友ゴム工業株式会社, b(公財)高輝度光科学研究センター

aSUMITOMO RUBBER INDUSTRIES, LTD., bJASRI

Abstract

 高分子材料の微小領域の化学状態やその変化を精密に解析するために、XPEEM(X-ray Photoemission Electron Microscopy)を用いた顕微XAFS(X-ray Absorption Fine Structure)測定に着目し、SPring-8 BL17SUにて検討を行っている。これまでの実験から、炭素K殻吸収端領域の測定において、光学系における炭素汚染の影響により入射X線強度を正確に測定できていないためXAFSスペクトルが歪むなどの問題が明らかとなっている。今回、入射X線強度の計測方法の検討を目的とし実験した結果、炭素K殻吸収端におけるスペクトルの歪みを低減することができた。


キーワード: XPEEM、ポリマー

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2012A1732 / BL19B2

トバモライト合成へのフライアッシュの利用(2)
Use of Fly Ash for the Synthesis of Tobermorite(2)

DOI:10.18957/rr.1.3.156

松野 信也a, 東口 光晴a, 石川 哲吏a, 松井 久仁雄b

Shinya Matsunoa, Mitsuharu Higashiguchia, Tetsuji Ishikawaa, Kunio Matsuib

a旭化成㈱, b旭化成建材㈱

aASAHI KASEI. CO. LTD., bASAHI KASEI CONSTRUCTION MATERIALS CO.

Abstract

 軽量気泡コンクリート(ALC)の主成分であるトバモライト(tobermorite 化学組成:5CaO・6SiO2・5H2O)の量と質は、その性能と密接な関係にあり、その反応過程を制御したALCの改良研究が、日本および欧州で活発になされている。そのような中で、我々が2009年および2010年の検討で得た知見(Alの添加効果など)の現場プロセスへの応用を念頭にAlを含有するフライアッシュ(FA、火力発電所から排出される石炭灰)の再利用検討を行っている。今回は、仕込み原料組成のCa/Si(C/S)比を変えることによって液中のイオン濃度の影響を検討した。

 その結果、トバモライト生成のタイミングへの影響(C/Sが大きい方が生成タイミングが遅い)およびトバモライトの(002)面回折と(220)面回折の生成タイミングと成長速度に違いが明らかになった。


キーワード: 水熱反応、トバモライト、フライアッシュ、軽量気泡コンクリート、in-situ XRD

2012A1743 / BL19B2

X線回折によるNb添加したLiFePO4の結晶構造解析
Crystal Structure Analysis of Nb Doped LiFePO4 by Using X-ray Diffraction

DOI:10.18957/rr.1.3.160

岩堀 禎浩, 野口 博司

Yoshihiro Iwahori , Hiroshi Noguchi

株式会社 村田製作所

Murata Manufacturing Co., Ltd

Abstract

 リチウムイオン電池の正極材料に用いられるようになってきたLiFePO4は、Nb元素を添加することによりイオン電導率が向上する。しかし、このNb元素がLiFePO4結晶中でどのように結晶構造を安定しているのか明らかになっていない。そこでRietveld解析[注1]により結晶構造を究明した結果、Nb5+がLi+サイトに固溶し結晶構造を安定化していることが明らかとなった。これら2元素は4配位の時、類似のイオン半径を取ることから、解析の結果は物理化学的に妥当なものであった。


キーワード: Li電池正極材、LiFePO4、Nb2O5、粉末X線回折、結晶構造解析、Rietveld法

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2012A1760 / BL46XU

ペンタセン前駆体の転化及び結晶化挙動の解明
Conversion and Crystallization Behavior of Pentacene Precursor

DOI:10.18957/rr.1.3.165

三崎 雅裕, 村井 裕樹, 栗本 大海, 上田 裕清

Masahiro Misaki , Yuki Murai, Omi Kurimoto, Yasukiyo Ueda

神戸大学大学院工学研究科

Graduate School of Engineering, Kobe University

Abstract

 ペンタセン前駆体は、熱や光によって難溶なペンタセンへと転化することから、塗布型有機半導体として注目されている。高性能な塗布型有機トランジスタを作製するためには、前駆体の転化や結晶成長を制御することが必須である。本研究では、熱転化型と光転化型のペンタセンを混合した薄膜を調整し、光照射と熱処理が結晶配向や結晶化度などの薄膜構造に及ぼす影響について、すれすれ入射X線回折(2D-GIXD)法による評価を行った。本研究により、光転化型ペンタセンの結晶核をトリガーとした熱転化型ペンタセンの転化及び結晶成長の制御が可能となった。


キーワード: プリンテッドエレクトロニクス、ペンタセン前駆体、薄膜、GIXD、PILATUS

2012A1773 / BL14B2

アニール処理した深紫外光源用Gd添加AlN薄膜のXAFSによるGd周辺の局所構造解析
The Evaluation of the Effect of Thermal Annealing on Local Structure of AlN:Gd Film by XAFS

DOI:10.18957/rr.1.3.168

小林 幹弘a, 石原 嗣生b, 泉 宏和b, 西本 哲朗a, 田中 寛之a, 喜多 隆c, 來山 真也c, 市井 邦之c

Mikihiro Kobayashia, Tsuguo Ishiharab, Hirokazu Izumib, Tetsuro Nishimotoa, Hiroyuki Tanakaa, Takashi Kitac, Shinya Kitayamac, Kuniyuki Ichiic

a(株)ユメックス, b兵庫県立工業技術センター, c神戸大学

aYUMEX INC., bHyogo Prefectural Institute of Technology, cKobe University

Abstract

 Gd添加AlN薄膜の発光強度は成膜時の窒素流量、及び成膜後のアニール温度に大きく依存する。我々はXAFS測定によりGdの局所構造と発光強度の相関を調べたが、成膜時の窒素流量またはアニール温度により発光強度が大きく増加するにも関わらず、XAFS解析から得られる動径構造関数の変化に有意な差は認められなかった。アニールによる発光強度の増大と共に動径構造関数の第1近接Gd-Nの振幅が大きくなる傾向が得られたが、その差異は小さくGdの局所構造と発光強度との相関を充分結論付けるに至らなかった。


キーワード: Gd添加AlN、深紫外光源、XAFS

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2012A1776 / BL46XU

深紫外光源用Gd添加AlN薄膜の高エネルギー光電子分光法による深さ方向解析 (3)
Depth Analysis of the Gd Doped AlN Thin Film for Deep Ultraviolet Light by Hard X-ray Photoelectron Spectroscopy (3)

DOI:10.18957/rr.1.3.173

小林 幹弘a, 石原 嗣生b, 泉 宏和b, 西本 哲朗a, 田中 寛之a, 喜多 隆c, 來山 真也c, 市井 邦之c

Mikihiro Kobayashia, Tsuguo Ishiharab, Hirokazu Izumib, Tetsuro Nishimotoa, Hiroyuki Tanakaa, Takashi Kitac, Shinya Kitayamac, Kuniyuki Ichiic

a(株)ユメックス, b兵庫県立工業技術センター, c神戸大学

aYUMEX INC., bHyogo Prefectural Institute of Technology, cKobe University

Abstract

 我々は、水銀ランプの代替光源としてGd添加AlN薄膜の開発を進めている。今回、高エネルギー光電子分光(HAXPES)によりアニール前後の試料と電子線照射により劣化した試料の化学結合状態を分析し、発光強度と化学組成の関係を調べた。アニールにより発光強度が増大した試料は、酸化によりAl-O結合状態の領域が増え、窒素流量が大きいほど酸化物成分の割合が増加する傾向が得られているが、今回の結果より窒素流量、及びアニールによるCL強度増加の原因の究明に至る結果は得られなかった。また、電子線照射により劣化した試料は結晶が破壊されており、組成変化が発光強度の低下に繋がったと推測される。


キーワード: Gd添加AlN、深紫外光源、HAXPES

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2012B1051 / BL19B2
トバモライト合成への低結晶質シリカの活用
Use of Low Crystalline Silica for the Synthesis of Tobermorite
DOI:10.18957/rr.1.3.178

松野 信也a, 東口 光晴a, 石川 哲吏a, 松井 久仁雄b

Shinya Matsunoa, Mitsuharu Higashiguchia, Tetsuji Ishikawaa, Kunio Matsuib

a旭化成㈱, b旭化成建材㈱

aASAHI KASEI. CO. LTD., bASAHI KASEI CONSTRUCTION MATERIALS CO.

Abstract

 軽量気泡コンクリート(ALC)の主成分であるトバモライト(tobermorite 化学組成:5CaO・6SiO2・5H2O)の量と質は、その性能と密接な関係にあり、その反応過程を制御したALCの改良研究が、日本および欧州で活発になされている。そのような中で、我々はフライアッシュ(火力発電所から排出される石炭灰)など低結晶質シリカ源の利用検討を行っている。今回は、通常トバモライトを生成しない微結晶シリカを使い、その系に核として微結晶トバモライトおよびC-S-Hゲルスラリーを添加し、トバモライト生成の促進効果を調べた。今回の実験で、添加なしのブランクに比べていずれの添加系も反応促進効果があった。いずれの添加物もトバモライト(220)の生成(ab面内の成長)を促進した。特筆すべきは、セメント水和に効果のあるC-S-Hゲルスラリーを添加するとトバモライト(002)の生成(c軸方向の成長)、つまりトバモライト結晶の生成が認められた。


キーワード: 水熱反応、トバモライト、カルシウムシリケイト、フライアッシュ、低結晶質シリカ、軽量気泡コンクリート、in-situ XRD

2012B1287 / BL46XU
Si-MOSのバイアス印加硬X線光電子分光による評価
Analysis of Si-MOS by Hard X-ray Photoelectron Spectroscopy under Bias
DOI:10.18957/rr.1.3.181

片岡 恵太, 渡辺 行彦, 木本 康司, 北住 幸介

Keita Kataoka, Yukihiko Watanabe, Yasuji Kimoto, Kosuke Kitazumi

(株)豊田中央研究所

TOYOTA Central Research and Development Laboratories, Inc.

Abstract

 半導体デバイスにおいてバイアスを印加した際のバンドエネルギーの変化は、デバイス動作を解析する上で重要な情報となる。我々は、半導体MOS(metal-oxide-semiconductor)界面におけるバイアス印加によって生じるバンドエネルギー変化の直接的な観察を目的に、バイアス印加状態で硬X線光電子分光による評価を試みた。標準的なSi-MOS試料について測定を実施し、ほぼ印加バイアスに対応したSi 1sコアレベルのシフトが確認できた。


キーワード: 半導体、硬X線光電子分光、バイアス印加

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2012B1292 / BL46XU
硬X線光電子分光による電子デバイス用GaAs表面の状態解析
HAXPES Analysis of GaAs Surface State for Electronics Devices
DOI:10.18957/rr.1.3.184

斎藤 吉広, 鶴見 大輔, 飯原 順次, 富永 愛子, 米村 卓巳, 山口 浩司

Yoshihiro Saito, Daisuke Tsurumi, Junji Iihara, Aiko Tominaga, Takumi Yonemura, Koji Yamaguchi

住友電気工業(株)

Sumitomo Electric Industries, LTD

Abstract

 電子デバイス用砒化ガリウム(GaAs)半導体の表面状態に関し、硬X線光電子分光(HAXPES)による分析を行った。特に、GaAs表面の酸化物がGaAs電子準位のエネルギーに与える影響について調べるため、酸化物量が異なると予想される2つの試料を作製し、Ga2p3/2及びAs2p3/2の光電子スペクトルを2水準の取り出し角で測定した。結果として、より多くの表面酸化物が確認された方の試料で、Ga及びAsのいずれのピークも低エネルギー側に0.2 eVシフトすることが確認された。このシフトは界面近傍に固定された負電荷の存在を示唆しており、GaAs表面酸化物が電子トラップの起源と推定される。また、酸化物の適切な制御により、耐圧特性に優れたGaAs高電子移動度トランジスタを実現できるものと期待される。


キーワード: GaAs、HEMT、表面酸化物、SiNx、硬X線光電子分光

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2012B1720 / BL14B2
XAFSを用いたV2O5-P2O5-MxOy系ガラスの物性予測のための構造解析
X-ray Absorption Fine Structure Analysis on V2O5-P2O5-MxOy System Glass towards the Prediction of Functional Properties
DOI:10.18957/rr.1.3.188

青柳 拓也a, 藤枝 正a, 小原 真司b

Takuya Aoyagia, Tadashi Fujiedaa, Shinji Koharab

a(株)日立製作所日立研究所, b(公財)高輝度光科学研究センター

aHitachi, Ltd., Hitachi Research Laboratory, bJASRI

Abstract

 V2O5-P2O5系ガラスの構造解析を目的として、V原子周囲の局所構造をSPring-8 BL14B2のXAFS測定装置にて評価した。V-K吸収端のXANESスペクトルの結果より、ガラス中にはバナジル基(V=O)の存在が示唆された。また、P2O5量の増大に伴ってVの還元量が増加することが分かった。EXAFSの結果からは、V2O5-P2O5系ガラスではV-O間の結合距離が結晶と比較して短いものが存在することが明らかとなった。さらに、V-O間の結合距離は、P2O5量の増加と共に変化することが判明した。


キーワード: V2O5-P2O5、ガラス構造解析、XAFS、EXAFS、XANES

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2012B1854 / BL19B2
トバモライト合成への低結晶質シリカの活用(2)
Use of Low Crystalline Silica for the Synthesis of Tobermorite (2)
DOI:10.18957/rr.1.3.191

松野 信也a, 東口 光晴a, 石川 哲吏a, 松井 久仁雄b

Shinya Matsunoa, Mitsuharu Higashiguchia, Tetsuji Ishikawaa, Kunio Matsuib

a旭化成㈱, b旭化成建材㈱

aASAHI KASEI. CO. LTD., bASAHI KASEI CONSTRUCTION MATERIALS CO.

Abstract

 軽量気泡コンクリート(ALC)の主成分であるトバモライト(tobermorite 化学組成:5CaO・6SiO2・5H2O)の量と質は、ALCの性能と密接な関係にあり、その反応過程を制御したALCの改良研究が、日本および欧州で活発になされている。そのような中で、我々はフライアッシュ(火力発電所から排出される石炭灰)など低結晶質シリカ源の利用検討を行っている。今回は、通常トバモライトを生成しない微結晶シリカを使い、その系に核としてγ-Ca2SiO4(以下、γC2Sと略記)とセメント(βC2Sが含まれている)を添加し、トバモライト生成の促進効果を調べた。今回の実験で、添加なしのブランクに比べていずれの添加系も反応促進効果があった。その結果、γC2S、セメントともに添加によるトバモライト生成促進効果が認められた。


キーワード: 水熱反応、トバモライト、セメント、γC2S、低結晶質シリカ、軽量気泡コンクリート、in-situ XRD

2012B1857 / BL19B2
放射光ラミノグラフィによるパワーモジュール実装構造の内部き裂と変形の計測
Measurement of Internal Crack and Deformation in Power Module Package by Synchrotron X-ray Laminography
DOI:10.18957/rr.1.3.194

木村 英彦a, 浅田 崇史a, 山口 聡a, 加納 大樹a

Hidehiko Kimuraa, Takashi Asadaa, Satoshi Yamaguchia, Taiki Kanoa

a(株)豊田中央研究所

aTOYOTA Central R&D Labs., Inc.

Abstract

 パワーモジュールは電気自動車やハイブリッド車の動力・環境性能に影響を及ぼし、製造時や実稼働時には内部に応力が発生する。性能と信頼性を更に高める次世代製品の開発には、内部の非破壊計測が有用である。モジュールは扁平形状のため、ラミノグラフィ法で内部形状等を計測した。その結果、素子、はんだや配線の接合体において、はんだ内部に積極導入した数μmの微小ボイドを可視化できた。今後の課題として、ラミノグラフィ特有のアーティファクトの低減と影響度の定量化が明らかとなった。


キーワード: パワーモジュール、イメージング、CT、ラミノグラフィ

2012B1888 / BL46XU
硬X線光電子分光法による有機EL素子ITO/Alq3膜界面の化学状態解析
Investigation of Chemical States of ITO/Alq3 Interface in Organic Light Emission Diode by Hard x-ray Photoelectron Spectroscopy
DOI:10.18957/rr.1.3.197

小川 慎吾, 安居 麻美, 藤田 学, 宮本 隆志, 村木 直樹

Shingo Ogawa, Asami Yasui, Manabu Fujita, Takashi Miyamoto, Naoki Muraki

株式会社東レリサーチセンター

Toray Research Center Inc.

Abstract

 トップ・エミッション構造の有機Electroluminescence(EL)素子として、電子輸送層の有機膜であるキノリノールアルミニウム錯体(Alq3)上に透明導電膜であるITO膜を陰極として形成した際のITO膜とAlq3膜の界面の化学状態を硬X線光電子分光法(HAXPES)により調べた。角度変化測定により検出深さを変えて測定した結果、Alq3膜上にITO膜を成膜するとAlq3膜の深い領域(内部)は変化しないが、浅い領域(ITO/Alq3界面近傍)ではAlq3の分子構造が変化することが確認された。ITO成膜時のAlq3の変性は、ITO成膜前にAlq3膜表面に極薄LiF膜を堆積しても抑制できなかったため、性能向上のためのさらなるプロセス改善が必要であると考えられる。


キーワード: Hard x-ray photoelectron spectroscopy, HAXPES, Organic light emission diode, Alq3

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2011B1771 / BL14B2
都市ごみ処理飛灰中鉛のメカノケミカル処理による形態変化と溶出特性の関係
Relation between Chemical State and Leaching Property of Lead in Fly Ash Treated by Mechanochemical Method
DOI:10.18957/rr.1.2.31

原田 浩希a, 山本 常平a, 高岡 昌輝b

Hiroki Harada a, Tsunehira Yamamoto a, Masaki Takaoka b

a 日立造船(株), b 京都大学

aHitachi Zosen Corporation, bKyoto University

Abstract

 都市ごみ処理飛灰のメカノケミカル処理によるPbの不溶化処理をねらいとした基礎検討を行った。結果、溶出液がアルカリ性の飛灰ではPbの溶出量が低減するが、その機構はPbの化学形態の変化ではなく、比表面積の変化が影響していると考えられた。また溶出液が弱酸性となる飛灰では、MC処理による形態の変化に対してpHの影響が卓越し、Pbの溶出量が低減しなかった。以上のMC処理の特徴は、現行のキレート処理による不溶化機構とは異なることが示唆された。


キーワード: 都市ごみ焼却飛灰、メカノケミカル、鉛、溶出

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2011B1774 / BL17SU
垂直磁化型磁壁移動メモリ用磁性細線の磁壁電流駆動その場観察
Observation of Current Induced Domain Wall Motion in Magnetic Wires for Domain Wall Motion Memory with Perpendicular Magnetic Anisotropy
DOI:10.18957/rr.1.2.34

谷川 博信a, 大嶋 則和a, 小山 知弘b, 吉村 瑤子b, 千葉 大地b, 小野 輝男b, 小嗣 真人c, 大河内 拓雄c

Hironobu Tanigawaa, Norikazu Ohshimaa, Tomohiro Koyamab, Yoko Yoshimurab, Daichi Chibab, Teruo Onob,
Masato Kotsugic, Takuo Ohkochic

aルネサスエレクトロニクス株式会社, b京都大学化学研究所, cJASRI/SPring-8

aRenesas Electronics Corp., bInstitute for Chemical Research, Kyoto University, cJASRI/SPring-8

Abstract

 磁壁電流駆動ダイナミクスの解明および磁壁移動メモリの基本動作解析の一環として、SPELEEMを用いたCo/Ni垂直磁化細線中に形成した磁壁の電流駆動現象観察を行っている。2011A期から同一素子における磁壁移動速度とばらつきについて議論するために、磁壁導入および磁壁移動のための電流印加が、SPELEEM装置内にて行えるような測定環境の構築を試みている[1]。2011B期においては、Si基板の露出面積をなるべく小さくし、なおかつCo/Ni細線近傍の端子をコプレナー構造にした新しい素子で検討を進めた。その結果、数10 nsの時短パルスが印加可能であり、なおかつ放電による試料破壊を回避できる素子構造の手がかりを掴んだ。


キーワード: SPELEEM、垂直磁気異方性、磁壁電流駆動、その場観察

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2011B1783 / BL40B2

新しい化粧品基剤の開発を目的としたリン脂質と高級アルコールの相互作用に関する研究
Study of Molecular Interaction between Phospholipids and Fatty Alcohols for the Development of New Cosmetic Products

DOI:10.18957/rr.1.2.37

中川 泰治a, 中沢 寛光b, 加藤 知b

Yasuharu Nakagawaa, Hiromitsu Nakazawab, Satoru Katob

aクラシエホームプロダクツ(株)ビューティケア研究所, b関西学院大学 理工学部 物理学科

aBeauty Care Laboratory, Kracie Home Products, Ltd., bDepartment of Physics, School of Science & Technology, Kwansei Gakuin University

Abstract

 化粧品基剤として期待される大豆由来水添リン脂質(フォスファチジルコリンがおおよそ70%含まれる:PC70)と高級アルコール(ヘキサデカノール:HD)混合物について、その構造特性を解明すべく、BL40B2にて小角広角同時X線構造解析実験を実施した。これまでに当混合物を特定の配合比(PC70:HD ≒ 1:2)で作製すると、高粘度のゲル状構造物が形成されることを報告してきたが[1-3]、今回、単成分脂質を用いた検討により、ゲル状構造物の形成にはフォスファチジルグリセロール(PG)などのリン脂質副成分が寄与していることが示唆された。また、製剤塗布後の構造変化を観察する目的で、当混合物を支持基板上に薄く塗布し、その構造の時間変化を解析したところ、シングル(単層膜)もしくはオリゴラメラから徐々にマルチラメラへと変化する過程が観察された。


キーワード: リン脂質製剤、高級アルコール、小角広角同時解析

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2011B1794 / BL14B2
タイヤの耐久性向上のための黄銅/ゴムの接着結合様式の解析 -ゴム中のCo塩の化学状態解析
Analysis of the Adhesion Binding Style of Brass/Rubberfor Durable Improvement of the Tire – Analysis of the Chemical State of Cobalt Salt in Rubber Compound
DOI:10.18957/rr.1.2.40

清水 克典, 鹿久保 隆志, 網野 直也

Katsunori Shimizu, Takashi Kakubo, Naoya Amino

横浜ゴム株式会社

The Yokohama Rubber Co., Ltd.

Abstract

 タイヤ中のスチールコードとゴムを接着させることで耐久性が維持される。金属接着用ゴムには有機酸コバルト(Co)塩が含まれるが、ゴム中のコバルト(以下、Co)の化学的情報はこれまであまり知られていない。そこで、有機酸Co塩を配合したゴムを加硫(加熱)処理して、加硫時間ごとにゴム中のCoの化学状態をXAFS 測定にて解析した。加硫時間を変えることにより170 °Cでは3 minまでにCoの酸化反応が進行し、それ以降は化学状態がほとんど変化しないことがわかった。今回の測定により、金属接着ゴム中のCo塩の状態を把握することができた。


キーワード: タイヤ、ゴム、接着、コバルト、XAFS、XANES、EXAFS

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2011B1795 / BL27SU
窒化ガリウム中のマグネシウムの化学状態解析
Chemical State Analysis of Magnesium in Gallium Nitride
DOI:10.18957/rr.1.2.43

米村 卓巳, 飯原 順次, 斎藤 吉広

Takumi Yonemura, Junji Iihara, Yoshihiro Saito

住友電気工業株式会社

Sumitomo Electric Industries Ltd.

Abstract

 窒化ガリウム中のマグネシウムのXAFS測定技術を開発した。本系においては、ガリウム成分とマグネシウム成分の分離が困難であり、これまでXAFS法を用いた窒化ガリウム中のマグネシウムの化学状態解析は行われてこなかった。今回、我々はSPring-8のBL27SUにてSilicon Drift Detectorを用いた蛍光XAFS法を使ってガリウム成分とマグネシウム成分の分離技術を開発した。その結果、マグネシウム濃度が1E19 /cm3のEXAFS測定が可能となり、窒化ガリウム中のマグネシウムの化学状態がアニール処理方法によって変化することを初めて見出した。


キーワード: GaN、ドーパント、Mg、XAFS、蛍光法、SDD

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2011B1816 / BL20XU
走査/結像ハイブリッド型高感度高分解能微分位相X線顕微鏡を用いた加熱処理毛髪の構造解析
Structural Analysis of Heated Human Hair Using Scanning/Imaging Hybrid Type High-sensitive and High-resolution Differential Phase-contrast X-ray Microscope
DOI:10.18957/rr.1.2.46

竹原 孝二a, 井上 敬文b, 藤森 健a, 河合 朋充a, 上杉 健太朗c, 竹内 晃久c, 鈴木 芳生c

Kouji Takeharaa, Takafumi Inoueb, Takeshi Fujimoria, Tomomitsu Kawaia, Kentaro Uesugic, Akihisa Takeuchic, Yoshio Suzukic

a(株)カネボウ化粧品 スキンケア研究所, b価値創成研究所, c(公財)高輝度光科学研究センター

aSkincare Research Laboratory, bInnovative Beauty Science Laboratory, Kanebo Cosmetics Inc., cJASRI

Abstract

 走査/結像ハイブリッド型高感度高分解能微分位相X線顕微鏡により、ヘアアイロンによる加熱処理毛髪の内部微細構造を三次元で測定することができた。加熱処理毛髪と未処理毛髪の比較から、毛髪キューティクル部位で加熱処理により凹凸や空隙と思われる微細構造が生じることが確認された。今後、加熱処理によるダメージをより詳細に観察できるものと期待される。


キーワード: X線顕微鏡、Computed Tomography (CT)、毛髪、イメージング

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2011B1817 / BL40B2
皮膚洗浄のための界面活性剤による角層構造変化観察
Observation of Structural Change of Stratum Corneum by Applying Cosmetic Surfactants
DOI:10.18957/rr.1.2.49

簗瀬 香織a, 太田 昇b

Kaori Yanasea, Noboru Ohtab

aクラシエホームプロダクツ(株), b(公財)高輝度光科学研究センター

aKracie Home Products, Ltd., bJASRI

Abstract

 ボディソープや洗顔フォームなどの皮膚洗浄料に汎用されている代表的な界面活性剤を、ヒト皮膚角層に適用し、X線回折測定により構造変化を経時的に追跡した。広角領域に現れる細胞間脂質の充填構造に着目し解析したところ、斜方晶由来のピークでは、一般的に洗浄力が高いことが知られる界面活性剤にピーク位置と半値幅の変化が現れた。このことから、本研究で得た結果は、日常の皮膚洗浄による肌バリア機能へ及ぼす影響の指標に繋がると期待できる。


キーワード: ヒト角層、角層細胞間脂質、皮膚洗浄

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2011B1831 / BL40B2
皮膚角層細胞間脂質ラメラ構造の構造変化評価パラメータの確立と製剤成分の機能評価
Establishment of Structural Change Evaluation Parameters of Intercellular Lipid Lamellar Structure in Stratum Corneum and Evaluation of Components of Cosmetic/Pharmaceutical Formulation Using Those Parameters
DOI:10.18957/rr.1.2.52

小幡 誉子a, 太田 昇b, 八木 直人b, 八田 一郎b, 髙山 幸三a

Yasuko Obataa, Noboru Ohtab, Naoto Yagib, Ichiro Hattab, Kozo Takayamaa

a星薬科大学, b(公財)高輝度光科学研究センター

aHoshi University, bSPring-8/JASRI

Abstract

 ヒト角層を用いてジメチルスルホキシドの細胞間脂質のラメラ構造への影響を検討したところ、細胞間脂質の充填構造を液晶化すると同時に角層細胞にも大きな影響を与える様子が観察された。したがって、外用剤に溶剤として繁用されるジメチルスルホキシドは、細胞間脂質および角層細胞の双方に働きかけて薬物の皮膚透過経路を拡大している可能性が示唆された。また、この挙動はすでに明らかになっているエタノールと類似していた。


キーワード: 角層細胞間脂質、ラメラ構造、ジメチルスルホキシド、経皮吸収型製剤、外用剤

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2011B1947 / BL19B2
すれすれ入射X線回折によるガラス最表面の構造解析
Analysis of Structure on the Surface of Glass Material by Grazing Incidence X-ray Diffraction
DOI:10.18957/rr.1.2.55

酒井 千尋, 湊 淳一

Chihiro Sakai, Junichi Minato

日本板硝子株式会社 研究開発部 分析・シミュレーション領域

Analysis & Simulation Research Group, Nippon Sheet Glass Co., Ltd.

Abstract

 SPring-8 BL19B2の多軸X線回折装置を用いて、X線の入射角度を10 keV(波長λ = 1.2398 A)のX線を試料表面にαi = 0.12°の低角度で入射して、ソーダ石灰組成の板ガラス(フロートガラス:組成は重量%で、SiO2 = 71.2, Al2O3 = 1.5, CaO = 9.0, MgO = 3.8, Na2O = 13.9)の溶融スズと接した面(ボトム面)と反対側の最表面(トップ面)で「すれすれ入射X線回折」を行った結果、恒温恒湿試験(60°C 湿度90%、15時間もしくは24時間浸漬)後に最表面に回折線に近い周期構造が検出されることを見い出した。この周期構造は、波数q(= 4πsinθ/λ、:散乱角) = 1.5 Å-1 付近に確認され、Hydrocalcite(CaCO3・6H2)が大気中のCO2 とガラス中のCa成分および雰囲気中のH2Oと反応して、ガラス表面で新たに結晶化したものと考えられる。これらの結晶量は、ガラス組成に関係しており、Al2O3濃度が低いガラスで析出量が多かった。

 以上の結果から、ソーダ石灰組成のガラスでは大気雰囲気との反応によって最表面部分での風化の進行過程を知ることができた。また、ガラスのAl2O3濃度を高くすることで大気雰囲気による風化の促進を抑制できることもわかった。これらの結果は、ガラスの製造技術の改善に対しては非常に大きな知見となる。


キーワード: ソーダ石灰ガラス、フロートガラス、風化、すれすれ入射X線回折

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2011B1950 / BL19B2
ゴムの振動伝達特性に及ぼすフィラー凝集サイズの影響
Effect of the Filler Aggregation Structure Size on Vibration Transmission Characteristic of Rubber
DOI:10.18957/rr.1.2.59

高松 成亮a, 山本 勝宏b

Shigeaki Takamatsua, Katsuhiro Yamamotob

a東海ゴム工業株式会社, b名古屋工業大学 大学院工学研究科

aTokai Rubber Industries, LTD., bNagoya Institute of Technology

Abstract

 ゴム中の粘弾性特性に及ぼすフィラー分散状態の影響について調査した。フィラーの分散状態の変化は、ゴムとフィラーの混練時間を変更することで実施した。混練時間が長くなると静的弾性定数は変化せず動的弾性率が低下することで動倍率が低下した。この動倍率の低下は、混練時にゴムとフィラー間において化学的ないし物理的吸着が起こり、フィラー界面でのすべりによる粘性が原因の動的弾性率が低減されたことによると推察される。これを確認するためゴムに伸張を与え(ゴムに4.5%歪みをかけ)超小角散乱測定を実施した。その結果、混練時間を長くした試料からは散乱パターンに異方性が認められた。このことは、ゴムとフィラーであるカーボンブラック界面での化学的ないし物理的吸着ができ構造に異方性が発現したものと考察される。以上のことから混練時間を最適化し、フィラー界面での化学的、物理的吸着を強固にすることがゴムの低動倍率化に効果があることが確認された。今回実施した微小歪みを与え極小角散乱測定を行うことは、ゴムとフィラー間の結合の有無を判定する手法として利用できると考えられる。


キーワード: ゴム(rubber),補強材(reinforcing material),静的ばね定数(static spring constant),動的弾性率(dynamic modulus),界面(interface),異方性(anisotropy)ゴム,充てん剤,凝集構造

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2011B1962 / BL19B2
層状リチウムニッケルマンガン複合酸化物におけるLi 脱離時の結晶構造変化
Crystal Structure Analysis of Layered Lithium-Nickel-Manganese Oxide during Li de-Intercalation/Intercalation Process
DOI:10.18957/rr.1.2.63

笹川 哲也a, 原田 康宏a, 浜尾 尚樹b, 鹿島 徹也b, 北村 尚斗b, 井手本 康b

Tetsuya Sasakawaa, Yasuhiro Haradaa, Naoki Hamaob, Tetsuya Kashimab, Naoto Kitamurab, Yasushi Idemotob

a(株)東芝 研究開発センター, b東京理科大学理工

aCorporate Research and Development Center, Toshiba Corp., bFaculty of Science & Technology, Tokyo University of Science

Abstract

 次世代高エネルギー密度リチウムイオン電池正極材料として期待されるLi過剰層状マンガン系酸化物Li1.2Ni0.2Mn0.6O2及びLi1.2Ni0.13Mn0.54Co0.13O2について、初回充放電過程における粉末X線回折を測定した。初充電過程において、六方晶(003)ピーク及び(018)ピークの半値幅が増大し、また半値幅の増大は充電レートを高めることで抑制されることを見出した。これらの結果は、初回充放電時に生じる層間距離の乱れが、充電レートを高めることで軽減されることを示している。


キーワード: 二次電池、正極、粉末回折

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2011B1966 / BL14B2
X線吸収微細構造測定によるEu添加GaNにおけるEuイオンの周辺局所構造(VII)
Local Structures around Eu Ions in GaN Studied by X-ray Absorption Fine Structure (VII)
DOI:10.18957/rr.1.2.67

藤原 康文a, 李 東建a, 若松 龍太a, 松野 孝則a, 瀬野 裕三a, 大渕 博宣b, 本間 徹生b

Yasufumi Fujiwaraa, Dong-gun Leea, Ryuta Wakamatsua, Takanori Matsunoa, Yuzo Senoa, Hironori Ofuchib, Tetsuo Honmab

a大阪大学, b(公財)高輝度光科学研究センター

aOsaka University, bJASRI

Abstract

 有機金属気相エピタキシャル法により作製したEu,Mg共添加GaNおよびEu,Mg,Si共添加GaNについてX線吸収微細構造(XAFS)測定を行った。Eu,Mg共添加の場合、フォトルミネッセンス測定ではMg共添加により新しいEu発光中心が形成され、Eu発光強度の増大が観測された。XAFS測定ではEuは基本的にGaサイトに置換するが、Eu周辺局所構造の揺らぎが増大することが明らかになった。一方、Eu,Mg,Si共添加の場合、フォトルミネッセンス測定ではSiを共添加することにより新たな発光が観測されるが、Eu-Mg特有の発光中心は減少、消滅する。対応するXAFS測定では、Mgのみ共添加した場合に比べて、より揺らぎの少ないEu周辺局所構造が得られることが明らかになった。


キーワード: ユウロピウム、窒化ガリウム、赤色発光デバイス

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2011B1969 / BL46XU
硬X線光電子分光法を用いたマンガン系リチウム電池材料の電子状態変化の解明
A Study on Reaction Mechanism of Li2MnO3-based Electrode Materials by Hard X-Ray Photoemission Spectroscopy
DOI:10.18957/rr.1.2.71

駒場 慎一a, 藪内 直明a, 青木 良憲a, 吉川 武徳a, 孫 珍永b, 陰地 宏b

Shinichi Komabaa, Naoaki Yabuuchia, Yoshinori Aokia, Takenori Yoshikawaa, Son JinYoungb, Hiroshi Ojib

a東京理科大学, b(公財)高輝度光科学研究センター

Abstract

 電気自動車用途を志向した次世代大型リチウムイオン二次電池正極材料の候補として挙げられているLi2MnO3系材料について、高輝度放射光X線を用いたHAXPES(Hard X-ray Photoemission Spectroscopy)測定を行い、当該材料の充放電反応機構の解明を試みた。標準試料の測定からマンガンが4価以上の高酸化状態となる場合には明確にMn 1s、Mn 2p光電子スペクトルがともに高エネルギー側へとシフトすることが観測された。しかし、Li[Li0.2Co0.13Ni0.13Mn0.54]O2の充電時においては、明確なスペクトル形状の変化は観察されず、今回の結果からマンガンが4価を超えて高酸化状態になることは無いという結論が得られた。


キーワード: リチウム電池、リチウムマンガン酸化物、電極界面、硬X線光電子分光

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2011B1972 / BL19B2
X線及び中性子小角散乱の特徴を駆使した高分子電解質膜のナノ〜メソスケールの階層構造解析:燃料電池の特性向上に必要な高分子電解質膜構造の解明
Analysis of Hierarchical Structures in the Polymer Electrolyte Fuel Cell Membranes with Nano to Meso Scales by the Combination of Small Angle X-ray and Neutron Scattering Properties to Reveal the Required Structure of Polymer Electrolyte Membranes for High Performance Fuel Cells
DOI:10.18957/rr.1.2.74

前川 康成a, 長谷川 伸a, 澤田 真一a, 吉村 公男a, トラン タップa, 大沼 正人b, 大場 洋次郎b

Yasunari Maekawaa, Shin Hasegawaa, Shin-ichi Sawadaa, Kimio Yoshimuraa, Tap Trana, Masato Ohnumab, Yojiro Obab

a(独)日本原子力研究開発機構, b(独)物質・材料研究機構

aJapan Atomic Energy Agency, bNational Institute for Materials Science

Abstract

 放射線グラフト法を駆使して燃料電池用電解質膜を開発するためには、電解質膜の構造に関する基礎的知見が不可欠である。そこで本研究では、SPring-8の所有する超小角X線散乱測定装置を用いて、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)またはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を基材とするグラフト電解質膜の構造を調べた。その結果、ETFE電解質膜では、膜内に導入される親水性グラフト領域は、349-369 nmという長距離の相関長を有することがわかった。


キーワード: 固体高分子型燃料電池、グラフト電解質膜、超小角X線散乱

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2011B1976 / BL14B2
無機蛍光体の室温合成の実用化
Inorganic Phosphor Preparation at Room Temperature
DOI:10.18957/rr.1.2.77

石垣 雅a, 亀井 真之介b, 上松 和義c, 戸田 健司a,b, 佐藤 峰夫a,c

Tadashi Ishigakia, Shinnosuke Kameib, Kazuyoshi Uematsuc, Kenji Todaa,b, Mineo Satoa,c

a新潟大学超域学術院, b新潟大学自然科学研究科, c新潟大学工学部

aCenter for Transdiciplinary Research, Niigata University, bGraduate School of Science & Technology, Niigata University, cFaculty of Engineering, Niigata University

Abstract

 放射光を用いたXAFS分析にて、室温で原料を接触させて静置するだけで反応させたRbVO3:EuおよびCsVO3:Eu蛍光体の発光中心の価数評価を行った。Eu(ユウロピウム)を賦活したXANES領域の測定では、通常の固相反応法で合成された蛍光体と同等でいずれの試料もEuがすべて3価で存在する結果が得られ、固相反応法に変わるものと期待できることが確認された。


キーワード: RbVO3、CsVO3、蛍光体、XANES

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2011B1985 / BL19B2
室温合成による希土類フリー蛍光体の構造解析
Structure Analysis of Rare Earth Free Phosphors Synthesized at Room Temperature
DOI:10.18957/rr.1.2.80

石垣 雅a, 亀井 真之介b, 上松 和義c, 戸田 健司a,b, 佐藤 峰夫a,c

Tadashi Ishigakia, Shinnosuke Kameib, Kazuyoshi Uematsuc, Kenji Todaa,b, Mineo Satoa,c

a新潟大学超域学術院, b新潟大学自然科学研究科, c新潟大学工学部

aCenter for Transdiciplinary Research, Niigata University, bGraduate School of Science & Technology, Niigata University, cFaculty of Engineering, Niigata University

Abstract

 放射光を用いた粉末X線回折で、室温で原料を接触させて静置するだけで反応させたRbVO3蛍光体の結晶構造解析を行った。リートベルト法による分析で、合成された蛍光体は不純物が非常に少ない単相であることが確認された。


キーワード: 蛍光体、リートベルト解析、室温合成

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2011B1986 / BL14B2
MgO薄膜の添加元素の局所構造解析
Local Structural Analysis of Dopants in MgO Thin Film
DOI:10.18957/rr.1.2.83

森田 幸弘a,b, 辻田 卓司a,b, 寺内 正治a,b, 西谷 幹彦a,b

Yukihiro Moritaa,b, Takuji Tsujitaa,b, Masaharu Terauchia,b, Mikihiko Nishitania,b

aパナソニック株式会社, b大阪大学

aPanasonic Corp., bOsaka University

Abstract

 プラズマディスプレイ(PDP)の高性能化のためのキー材料である保護膜の局所構造解析をXAFS測定によって行った。石英基板上にスパッタ製膜で形成したMgO:Sn薄膜(1 μm)を大気アニールし、Sn-K端の吸収スペクトルを測定した。その結果、500°Cの大気アニールでは、局所構造の変化はほとんど無いが、800°Cでアニールすると、第二近接の強度が顕著に小さくなることが分かった。


キーワード: プラズマディスプレイ、保護膜、局所構造、XAFS

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2011B1989 / BL14B2
IGZO薄膜の局所構造解析
Local Structural Analysis of IGZO Thin Film
DOI:10.18957/rr.1.2.86

森田 幸弘a,b, 辻田 卓司a,b, 寺内 正治a,b, 西谷 幹彦a,b

Yukihiro Moritaa,b, Takuji Tsujitaa,b, Masaharu Terauchia,b, Mikihiko Nishitania,b

aパナソニック株式会社, b大阪大学

aPanasonic Corp., bOsaka University

Abstract

 アモルファスシリコンに比べて10倍以上の移動度を持つことで注目を集めているアモルファス酸化物半導体(InGaZnO(IGZO))の局所構造解析をXAFS測定によって行った。スパッタ製膜時の基板温度とプロセスガスを変えた時の局所構造の変化を調べた結果、基板温度が高く、プロセスガスをAr + O2とした場合に、第二近接の強度が大きくなることが分かった。このことから、アモルファス構造においても、プロセス条件によって局所構造を制御できる可能性があることが分かった。


キーワード: アモルファス酸化物半導体、IGZO、局所構造、XAFS

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2011B1754 / BL40B2
界面活性剤処理によるヒト皮膚角層の構造変化の小角・広角X線散乱法を用いた解析
Study on the Structural Change of Human Stratum Corneum Induced by the Treatment of Surfactant Solutions Using Small- and Wide-Angle X-ray Scattering
DOI:10.18957/rr.1.1.1

山田 真爾a, 久米 卓志a, 小野尾 信a, 内藤 崇a, 太田 昇b, 八田 一郎b

Shinji Yamadaa, Takuji Kumea, Makoto Onooa, Takashi Naitoa, Noboru Ohtab, Ichiro Hattab

a花王株式会社, b(公財)高輝度光科学研究センター

aKao Corporation, bJASRI

Abstract

 超純水およびドデシル硫酸ナトリウム水溶液の処理によるヒト皮膚角層の構造変化を、小角・広角X線散乱法により解析した。従来報告されている細胞間脂質層のアルキル鎖充填構造、ケラチン線維のプロトフィブリル構造のピークに加えて、我々は0.5 nm-1 < q < 3 nm-1 の領域に複数のブロードなピークを初めて検出した。この領域のピークは溶液処理により位置・強度が変化したが、これはケラチンのミクロフィブリル構造の変化を反映している可能性がある。


キーワード: human stratum corneum, surfactant, X-ray scattering, soft keratin, intercellular lipids

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2011B1772 / BL19B2
微結晶核延伸法により高強度化したバイオベースポリマー繊維の超小角X線散乱測定による高次構造解析
High Ordered Structural Analysis of High-Strength Bio-Based Fibers Processed by a New Drawing Method with Small Crystal Nuclei Using Ultra-Small Angle X-ray Scattering
DOI:10.18957/rr.1.1.5

本郷 千鶴a, 田中 稔久b, 岩田 忠久a

Chizuru Hongoa, Toshihisa Tanakab, Tadahisa Iwataa

a東京大学大学院農学生命科学研究科, b信州大学繊維学部

aGraduate School of Agricultural and Life Sciences,The University of Tokyo,bFaculty of Textile Science and Technology, Shinshu University

Abstract

 生分解性を有する微生物産生ポリエステルの1つであるポリ[(R)-3-ヒドロキシブチレート-co-4-ヒドロキシブチレート]に新規延伸法の微結晶核延伸法を適用することで、繊維内部に無数のマイクロサイズのポアが存在する特殊な繊維を作製できた。微結晶核形成時間の異なる未延伸および延伸繊維の超小角X線散乱測定を行った結果、未延伸繊維では等方的な散乱が得られ、微結晶核形成時間の増加に伴って散乱強度が増加する傾向が確認できた。一方、延伸繊維では赤道線上にストリーク状の散乱が観察され、微結晶核形成時間の増加に伴ってストリークの幅と散乱強度が増加する傾向が確認できた。このストリーク散乱は繊維軸に平行な細長いポアに起因するものと考察できた。微結晶核形成時間を制御して非晶質繊維中の微小なポアの量を変化させた後に延伸を行うことによって、ポア形状を制御できることが見出された。


キーワード:バイオベースポリマー、微生物産生ポリエステル、繊維、ポーラス、超小角X線散乱

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2011B1775 / BL19B2
すれすれ入射X線回折による有機半導体薄膜結晶の構造解析
Structure Analysis of Organic Semiconductor Thin Films by Grazing Incidence X-ray Diffraction
DOI:10.18957/rr.1.1.9

越谷 直樹, 細井 慎, 工藤 喜弘

Naoki Koshitani, Shizuka Hosoi, Yoshihiro Kudo

ソニー株式会社

Sony Corporation

Abstract

 新規有機半導体peri-Xanthenoxanthene(PXX)誘導体の薄膜結晶について、すれすれ入射X線回折法により、回折強度マップの測定を行った。その結果をもとにして求められた格子定数から、同薄膜結晶は、原料粉末と結晶構造が異なることが分かった。今後PXX誘導体薄膜の結晶性、配向性などを詳細に評価し、移動度との相関について議論する。


キーワード:すれすれ入射X線回折、有機半導体

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2011B1785 / BL19B2
X線回折による圧電体(1-x)(Na0.45K0.55)NbO3 + xCaTiO3の結晶構造解析
Crystal Structure Analysis of Piezoelectric (1-x)(Na0.45K0.55)NbO3 + xCaTiO3 by Using X-ray Diffraction
DOI:10.18957/rr.1.1.12

岩堀 禎浩, 野口 博司

Yoshihiro Iwahori, Hiroshi Noguchi

株式会社 村田製作所

Murata Manufacturing. Co., Ltd.

Abstract

 (Na,K)NbO3(NKN)は、CaTiO3(CT)と化合物を作ることで圧電特性を制御する。我々はCTの添加濃度に対するNKNの結晶構造変化を解析した。測定はBL19B2で行い、粉末X線回折パターンから格子定数の変化を評価した。この結果、NKNに対するCTの添加濃度が3 mol%から9 mol%の間は、斜方晶と正方晶の混晶系になっていると推定した。この混晶系は、Pb(Zr,Ti)O3のモルフォトロピック相境界(Morphotropic Phase Boundary : MPB) 組成域と似ており、CTの固溶濃度を最適化すれば圧電特性を最大にできる可能性を見出した。


キーワード:圧電材料、モルフォトロピック相境界(MPB)、粉末X線回折,結晶構造解析

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2011B1860 / BL19B2
有機半導体の薄膜中における配向状態解析
Analysis of Molecular Orientation in Organic Semiconductor Thin Films
DOI:10.18957/rr.1.1.17

尾坂 格, 瀧宮 和男

Itaru Osaka, Kazuo Takimiya

広島大学大学院工学研究院

Graduate School of Engineering, Hiroshima University

Abstract

 本研究では、新規なナフトビスチアジアゾール(NTz)を有する半導体ポリマー(PNTz4T)の2次元斜入射X線回折測定を行い、有機トランジスタ特性や有機薄膜太陽電池特性との相関関係を解析した。PNTz4Tは、比較として用いたベンゾチアジアゾール(BTz)を有するポリマー(PBTz4T)に比べて結晶性が高いことが分かった。また、PNTz4Tは、フラーレン誘導体を混合することで、配向性がedge-onからface-onへと劇的に変化することが分かった。以上のような薄膜構造を形成することで、PNTz4Tが非常に高いデバイス特性を示す要因であることが明らかとなった。


キーワード:有機半導体、半導体ポリマー、薄膜、微小角入射X線回折、2次元検出

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2011B1942 / BL19B2
水熱条件下でのトバモライト生成過程のその場X線回折(12)

In-situ X-ray Diffraction Analysis on Formation Mechanism of Tobermorite under Hydrothermal Condition

DOI:10.18957/rr.1.1.20

松野 信也1, 東口 光晴1, 石川 哲吏1, 松井 久仁雄2

Shinya Matsuno1, Mitsuharu Higashiguchi1, Tetsuji Ishikawa1, Kunio Matsui2

1旭化成㈱, 2旭化成建材㈱

1ASAHI KASEI. CO. LTD., 2ASAHI KASEI CONSTRUCTION MATERIALS CO.

Abstract

 軽量気泡コンクリート(ALC)の主成分であるトバモライト(tobermorite 化学組成:5CaO・6SiO2・5H2O)の量と質は、その性能と密接な関係にあり、その反応過程を制御したALCの改良研究が、日本および欧州で活発になされている。そのような中で今回は、我々が2009年および2010年の検討で得た知見(Alの添加効果など)の現場プロセスへの応用を念頭にAlを含有するフライアッシュ(FA、火力発電所から排出される石炭灰)の再利用検討を行った。その結果、主成分が非晶質であるFAの減少を明確に検出できた。また、トバモライト生成量は原料中の石英(Quartz)量に相関しており、それがトバモライト生成に寄与していることが推定された。


キーワード:水熱反応、トバモライト、カルシウムシリケイト、フライアッシュ、軽量気泡コンクリート、in-situ XRD

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2011B1951 / BL19B2
超小角X線散乱によるインスリンアミロイド線維の構造解析
Structural Analysis of Insulin Amyloid Fibrils as Revealed by Ultra Small Angle X-ray Scattering
DOI:10.18957/rr.1.1.24

茶谷 絵理a, 井上 倫太郎b, 竹中 幹人c, 西田 幸次b, 金谷 利治b

Eri Chatania, Rintaro Inoueb, Mikihito Takenakac, Koji Nishidab, Toshiji Kanayab

a神戸大学大学院理学研究科, b京都大学化学研究所,c京都大学大学院工学研究科

aGrad. Sch. of Sci., Kobe Univ., bInst. for Chem. Res., Kyoto Univ., cGrad. Sch. of Eng., Kyoto Univ.

Abstract

 アミロイド線維は、タンパク質のミスフォールディングにより形成される超分子重合体であるが、様々な疾病に関与するだけではなく、タンパク質凝集の一形態としてタンパク質医薬品の安定性や薬効などにも深く関与する。本研究では、糖尿病のタンパク質製剤として有名なインスリンが形成するアミロイド線維構造を明らかにするため、超小角X線散乱を用いて構造解析を行った。その結果、サブμmオーダーの線維構造の観測に成功し、塩濃度によりこれらの構造が大きく影響を受けることが明らかとなった。


キーワード:タンパク質、アミロイド線維、凝集、階層構造、超小角X線散乱

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2011B1955 / BL19B2
高強度鋼の転動疲労下における内部き裂形態の観察
Observation of Subsurface Crack under Rolling Contact Fatigue in High-strength Steels
DOI:10.18957/rr.1.1.27

牧野 泰三a, 根石 豊a, 中井 善一b, 塩澤 大輝b

Taizo Makinoa, Yutaka Neishia, Yoshikazu Nakaib, Daiki Shiozawab

a 新日鐵住金(株) 技術開発本部, b 神戸大学大学院工学研究科

aNippon Steel & Sumitomo Metal Corporation, bKobe University

Abstract

 転動疲労寿命の向上には、高清浄度化による介在物寸法の低減や基地組織の高強度化など各種因子が挙げられているが、その影響を直接的な観察に基づいて論じたものはほとんどない。そこで本研究ではSPring-8の放射光を用いたCTイメージングによって転動疲労下における内部介在物からのき裂発生・進展挙動を観察することを目的とする。これまでの実験では介在物を模擬した人工欠陥からの転動疲労き裂の発生・進展挙動の評価を行ってきた[1-3]。本実験では実際の介在物から発生した内部の疲労き裂を観察し、人工介在物において観察されたき裂進展挙動と比較することを目的とした。中途止めした転動疲労試験片から試験片表面において検出された損傷箇所を含む試料を切り出し、CTイメージング観察を行った。フレーキング損傷箇所の直下にはいずれも介在物が存在し、同じ繰返し数で最も損傷状態が進んでいる箇所では介在物が深さ方向に長く連なっている様子が観察された。また介在物から転動面に垂直なき裂が発生し、介在物同士が連結する様子が観察された。


キーワード:Rolling Fatigue, CT Imaging, High-strength Steels

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