SPring-8 / SACLA Research Report

ISSN 2187-6886

Volume4(2016)

SPring-8 Section A: Scientific Research Report

2011B1020 / BL46XU

硬X線光電子分光による機能性クラスター薄膜の化学結合状態解析
Analysis on Chemical Bondings for Functional Nanocluster Thin Films with Hard X-ray Photoelectron Spectroscopy

DOI:10.18957/rr.4.2.154

常見 英加a,b, 辻 享志a,b, 渡辺 義夫a,b, 陰地 宏c, 崔 藝涛c, 孫 珍永c, 渋田 昌弘a,d, 江口 豊明a,b, 中嶋 敦a,b,d

Eika Tsunemia,b, Takashi Tsujia,b, Yoshio Watanabea,b, Hiroshi Ojic, Yi-Tao Cuic, Jin-Young Sonc, Masahiro Shibutaa,d, Toyoaki Eguchia,b, Atsushi Nakajimaa,b,d


a(独)科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業, b慶應義塾大学理工学部, c(公財)高輝度光科学研究センター, d慶應義塾基礎科学・基盤工学インスティテュート

aExploratory Research for Advanced Technology, Japan Science and Technology Agency, bFaculty ofScience and Technology, Keio University, cJapan Synchrotron Radiation Research Institute (JASRI)/SPring-8, dKeio Institute of Pure and Applied Sciences


Abstract

 光学応答や磁気特性から注目される有機金属ユウロピウム(Eu)サンドイッチクラスターに対して、銀(Ag)電極薄膜下に埋もれたクラスターの化学結合状態を観測することを目的として、8 keVの励起X線エネルギーによる硬X線光電子分光を行った。Agの内殻準位は観測されたものの、Euの内殻準位を観測できなかった。このAg膜厚(20 nm)において、Ag電極薄膜下のEuサンドイッチクラスター由来の光電子信号は得られるはずであることから、X線照射下において酸化数や配位環境の異なる中間生成物が発生してしまい十分な積算とならなかったことがEu由来の信号をバックグラウンドに埋もれさせた要因であると考えられる。


キーワード: クラスター、ユウロピウム化合物、硬X線光電子分光


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2011B1192 / BL27SU

溶液試料における軟X線照射中の安定化対策
Stable Encapsulation Method during Soft X-ray Irradiation for Hydrated Samples

DOI:10.18957/rr.4.2.157

江島 丈雄a, 加道 雅孝b, 石野 雅彦b

Takeo Ejimaa, Masataka Kadob, Masahiko Ishinob


a東北大学多元物質科学研究所, b量子科学技術研究開発機構関西光科学研究所

aInstitute of Multidisciplinary Research for Advanced Materials, Tohoku University,

bKansai Photon Science Institute, National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology


Abstract

 水の窓波長域は含水生物細胞を観測するのに最適な波長域と考えられているが、含水生物細胞を撮像するためには試料セル中に封入される必要がある。培養液中の細胞核試料のSX像を得るための試料セルとしてSiN薄膜を利用してきたが、強いSX光を利用した場合には安定に封入できないのが課題であった。本研究ではBL27SUを用いて不安定な条件を再現し、それをSiN薄膜にUVオゾン洗浄処理を行うことで安定に溶液試料を封入する方法を見出した。


キーワード: 軟X線顕微鏡、水の窓、含水生物細胞


2011B1318, 2012A1473 / BL04B1

二次元単色X線回折を用いたカンラン石の粒成長カイネティクス
Grain-growth Kinetics of Olivine Using in-situ 2D X-ray Diffraction

DOI:10.18957/rr.4.2.161

辻野 典秀a,b, 則竹 史哉a,c, 櫻井 萌a, 肥後 祐司d, 舟越 賢一d,e, 高橋 栄一a

Noriyoshi Tsujinoa,b, Fumiya Noritakea,c, Moe Sakuraia, Yuji Higod, Ken-ichi Funakoshid,e, Eiichi Takahashia


a東京工業大学, b岡山大学, c東京大学, d(公財)高輝度光科学研究センター, e(一財)総合科学研究機構

aTokyo Tech., bOkayama Univ., cTokyo Univ., dJASRI, eCROSS


Abstract

 本研究では、その場二次元単色X線回折測定によるカンラン石の粒径の時間変化の観察から、その粒成長速度の決定を行った。11 GPa, 1573 Kまでの条件下で、カンラン石の粒成長指数n、活性化エネルギーE*、活性化体積V*はそれぞれ、2.5 ± 0.2、184 ± 10 kJ/mol、0.4 ± 0.2 cm3/molであった。粒成長と粒界移動の活性化エネルギーが同程度であることと、粒成長指数が2に近いことから本研究でのカンラン石の粒成長は粒界移動によって引き起こされたと考えられる。


キーワード: カンラン石、粒成長則、その場二次元単色X線回折


2011B1489, 2012A1352, 2012B1465 / BL04B2

2元共晶合金Pb-Sn系の液体における密度ゆらぎ
Density Fluctuations in Liquids for Eutectic Pb-Sn System

DOI:10.18957/rr.4.2.166

梶原 行夫a, 乾 雅祝a, 尾原 幸治b

Yukio KAJIHARAa, Masanori INUIa, Koji OHARAb


a広島大学大学院総合科学研究科, b(公財)高輝度光科学研究センター

aGraduate School of Integrated Arts and Sciences, Hiroshima-univ., bJASRI


Abstract

 2元共晶合金であるPb-Sn系について、液体中の密度ゆらぎの状態を直接観測するため、組成および温度を変化させながら系統的に小角X線散乱(SAXS)測定を行った。これまでの研究では、共晶点近傍で密度ゆらぎが大きくなることが一部で主張されてきたが、直接的な証拠は無かった。今回2011B、2012A、2012B期の3期にわたる一連の測定により、少なくとも共晶点がそういった密度ゆらぎの特異点ではないことが確認できた。一方で、共晶点から離れた組成において、融点近傍における小角散乱強度の有意な上昇が見られた。これは、過去の研究では議論されていない密度ゆらぎの存在である。この結果は、小角X線散乱測定が今後液体合金の研究に新たな進展をもたらす可能性を示している。


キーワード: 液体、密度ゆらぎ、2元合金、共晶


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2012A1222 / BL43IR

文化財建造物における塗装材料の解析
Analysis on Painting Material for Cultural Heritage Buildings

DOI:10.18957/rr.4.2.170

赤田 昌倫a, 佐藤 昌憲b, 吉田 恭純c, 高妻 洋成b

Masanori Akadaa, Masanori Satob, Yasunori Yoshidac, Yohsei Kohzumab


a九州国立博物館, b奈良文化財研究所, c奈良県教育委員会

aKyushu National Museum, bNara National Research Institute for Cultural Properties, cNara Prefectural Board of Education


Abstract

 文化財建造物の塗装材料の研究の一環として、談山神社権殿の外装塗装の調査分析を行った。権殿は複数回の塗装の修理を経ており複数層が存在する。各層についてSPring-8のビームライン(BL43IR)にて微小部の分析を行った結果、漆とともにカルボン酸鉛が検出され、油系塗料が使用されていることが分かった。また、部材の年代や層構造の検証の結果、談山神社権殿の外装塗装は漆を塗装材料に用いた時期と、油系塗料を塗装材料として用いた時期とがあることが分かった。


キーワード: 文化財建造物、塗装、赤外分光分析


2012A1751 / BL46XU

硬X線光電子分光法を用いた有機薄膜太陽電池の電子構造測定
Study of Electronic Structure of Organic Photovoltaics by Using Hard X-ray Photoelectron Spectroscopy

DOI:10.18957/rr.4.2.176

田中 仙君*, 福澤 謙, 大谷 知宏

Senku Tanaka, Ken Fukuzawa, Tomohiro Otani


島根大学大学院 総合理工学研究科

Interdisciplinary Faculty of Science and Engineering, Shimane University

*現所属:近畿大学 理工学部 電気電子工学科

(Current affiliation:Faculty of Science and Engineering, Kinki University)


Abstract

 BL46XUの硬X線光電子分光(HAXPES)装置を用いて低分子系有機薄膜太陽電池の典型的な光電変換層である亜鉛フタロシアニン(ZnPc)とC60フラーレン(C60)の電子構造を観測した。プローブ光として約8 keVの放射光を用いた場合、ZnPc薄膜上に製膜した膜厚30 nmのC60層を通して、ZnPcからの光電子信号が観測可能であった。また、C60をZnPc薄膜上に積層した試料と、C60とZnPcを混合したバルクヘテロ試料では内殻準位の束縛エネルギーに差が見られ、バルクヘテロ試料内では、ZnPcからC60への電荷移動が広く生じていることが示唆された。


キーワード: 亜鉛フタロシアニン、C60、有機薄膜太陽電池


2012B1124, 2013A1491 / BL04B1

Effect of Hydrogen on the Melting Temperature of Fe–FeS System

at High Pressure

DOI:10.18957/rr.4.2.181

Yuki Shibazakia, Vincenzo Stagnob, Yingwei Feic, Yuji Higod


aTohoku University, bSapienza University of Rome, cCarnegie Institution of Washington, dJASRI


Abstract

 We have performed in situ X-ray diffraction experiments on the Fe–S–H system up to 10 GPa and 1673 K at BL04B1. The subsolidus phases were FeHx (x~0.4) and FeSHx (x~0.2) at 5 GPa and FeHx (x~0.9) and FeSHx (x~0.3) at 10 GPa. We found that H depressed the liquidus of Fe–26 wt.% S by 200–300 K whereas its solidus (i.e., eutectic temperature of the Fe–FeS system) did not decrease.


Keywords: melting temperature, metal hydride, high pressure


2012B1155, 2013A1439, 2013B1444 / BL43IR

赤外放射光の円偏光特性を利用した振動円二色性測定
Vibrational Circular Dichroism Spectroscopy by Infrared Synchrotron Radiation Source

DOI:10.18957/rr.4.2.185

池本 夕佳a, 佐藤 久子b, 森脇 太郎a

Yuka Ikemotoa, Hisako Satob, Taro Moriwakia


a(公財)高輝度光科学研究センター, b愛媛大学

aJASRI, bEhime University


Abstract

 赤外放射光の円偏光性を利用した振動円二色性測定の検討をBL43IRで行った。愛媛大学の佐藤らにより大きな二色性信号が観測されている金属錯体Co(acac)3 (acac = acetylacetonato)について、放射光を光源とした振動円二色性スペクトルを測定した。BL43IRで得られる左右円偏光スペクトルの強度とスペクトル形状の違いを補正する解析を施せば、既に報告されている二色性スペクトルの形状が再現できることがわかった。しかし、報告されている二色性信号の大きさは、本研究の測定結果の方が大きく、試料の条件を変えるなどして更に検討を行う必要がある。


キーワード: 振動円二色性、赤外放射光


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2012B1310 / BL40B2

ナイロン612の正負球晶の温度変化について
Temperature Alternation of Positive and Negative Spherulites in Nylon 612

DOI:10.18957/rr.4.2.190

森 健太, 小西 隆士, 宮本 嘉久

Kenta Mori, Takashi Konishi, Yoshihisa Miyamoto


京都大学大学院人間・環境学研究科

Graduate School of Human and Environmental Studies, Kyoto University,


Abstract

 十分に高温で融解したナイロン612のメルト結晶化過程を光学顕微鏡により観測すると正球晶が成長した。しかし、一旦、結晶が形成した後、融点直上で融解させ、再び結晶化させると負球晶が成長した。これら正負球晶における複屈折の強さは異なる温度依存性を持つ。そこで、正負球晶の構造の違いについて広角X線回折法を用いて詳細に検討した。その結果、正球晶の結晶はBrill転移を起こすのに対し、負球晶では起こさないことがわかった。


キーワード: 高分子結晶化、ナイロン612、広角X線回折、球晶、偏光顕微鏡


2012B1358 / BL35XU

鉄砒素化合物SrFe2As2のフォノンの磁気相転移点付近の温度変化
Investigation of the Phonon Structure in SrFe2As2 around Magnetic Transition Temperature

DOI:10.18957/rr.4.2.194

福田 竜生a,b, Alfred Q.R. Baronb,c, 土屋 優d, 池田 修悟d, 小林 寿夫d

Tatsuo Fukudaa,b, Alfred Q.R. Baronb,c, Yuu Tsuchiyad, Shugo Ikedad, Hisao Kobayashid


a(国立研究開発法人)日本原子力研究開発機構, b(国立研究開発法人)理化学研究所,

c(公財)高輝度光科学研究センター, d兵庫県立大学

aJAEA, bRIKEN, cJASRI, dUniversity of Hyogo


Abstract

 鉄系超伝導体の母物質の一つSrFe2As2単結晶を用いたX線非共鳴非弾性散乱実験を行い、磁気相転移点付近のフォノンの温度変化を、様々な波数方向に関して詳細に調べたが、粉末試料の核共鳴非弾性散乱で観測されていた強度変化やブロードニング等の異常は観測されなかった。一方、1111系のPrFeAsO1-yで見られていた30 meV付近のフォノンの異常は、122系のSrFe2As2でも同様に観測された。


キーワード: 鉄系超伝導体、フォノン、X線非共鳴非弾性散乱


2012B1425 / BL25SU

Tb錯体から成る単分子磁石の軟X線磁気円二色性による磁気特性解析
Element-Specific Magnetometry in Tb Complex Single-Molecule Magnets Using Soft X-Ray Magnetic Circular Dichroism Spectroscopy

DOI:10.18957/rr.4.2.199

加藤 恵一a, 鈴木 基寛b, 中村 哲也b, 辻 成希b, 小谷 佳範b, 山下 正廣a

Keiichi Katoha, Motohiro Suzukib, Tetsuya Nakamurab, Naruki Tsujib, Yoshinori Kotanib, Masahiro Yamashitaa


a東北大学, b(公財)高輝度光科学研究センター

aTohoku Univ., bJASRI


Abstract

 単分子磁石[TbNcPc]は分子構造・磁気測定から一軸磁気異方性が大きいことが推測されるが、スピンの向きがAu(111)基板に対して垂直か平行か何れかの状態をとるかは研究室レベルの測定では明らかになっていない。そこで放射光による軟X線磁気円二色性(MCD)測定を用い類似の単分子磁石[TbPc2]と比較しつつ、単層膜から多層膜に移行する過程で磁気異方性と分子配列の関係を明らかにした。


キーワード: 単分子磁石、単分子膜、軟X線MCD、軌道磁気モーメント、磁気異方性


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2012B1563 / BL10XU

高温高圧下におけるNeHe2の相安定性
Phase Stability of NeHe2 under High-Pressure and High-Temperature Conditions

DOI:10.18957/rr.4.2.204

福井 宏之a, 前川 武雄a, 杉本 隼之a, 赤浜 裕一a, 平尾 直久b, 大石 泰生b

Hiroshi Fukuia, Takeo Maekawaa, Toshiyuki Sugimotoa, Yuichi Akahamaa, Naohisa Hiraob, Yasuo Ohishib


a兵庫県立大学大学院物質理学研究科, b(公財)高輝度光科学研究センター

aGraduate School of Material Science, University of Hyogo, bJASRI


Abstract

 MgZn2型のラーベス構造を持つ希ガス固体NeHe2について、160 GPaまでの圧力下でX線回折測定を実施した。120 GPa以上でファイバーレーザーにより1500 K程度まで加熱を行ったが、構造相転移は観察されなかった。この結果から、MgZn2型を示すNeHe2は少なくとも120 GPaおよび1500 Kの高温高圧条件下でも安定に存在することが示された。また、理論的に170 GPaで起こると予言されているMgZn2型からMgCu2型への構造相転移は160 GPaまで確認されなかった。


キーワード: X線回折、高圧力、NeHe2


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2012B1755 / BL47XU

Analysis of Electronic States of New Solution-processed, Unusual P-type Oxides by Using Hard X-ray Photoelectron Spectroscopy (HXPES)

DOI:10.18957/rr.4.2.209

Jinwang Lia,b, Eiji Ikenagac, Tatsuya Shimodaa,b,d


aJST-ERATO, Shimoda Nano-Liquid Process Project, 2-13 Asahidai, Nomi, Ishikawa 923-1211, Japan

bGreen Devices Research Center, Japan Advanced Institute of Science and Technology, 2-13 Asahidai,Nomi, Ishikawa 923-1211, Japan

cSPring-8 / Japan Synchrotron Radiation Research Institute, Sayo, Hyogo, 679-5198 Japan

dSchool of Materials Science, Japan Advanced Institute of Science and Technology, 1-1 Asahidai, Nomi, Ishikawa 923-1292, Japan


Abstract

Our unusual p-type oxide, Ni-Rh-O, showed unprecedentedly low resistivity (10-4 – 10-5 ohm cm) and metallic conduction. HXPES indicated nickel in the Ni2+ state while rhodium mainly in the Rh0 state, suggesting a phase composition of Rh5.14(NiO)(Rh2O3)0.13C0.16. A Rh0 core-oxide shell-structure was proposed to explain the unusual conduction properties.


Keywords: Ni-Rh-O, p-type, electronic state


2012B1774 / BL25SU

軟X線光電子顕微鏡を用いたSm2Fe17N3焼結磁石表面の化学状態および磁区観察
Magnetic Domain and Chemical Mapping Observations of Sm2Fe17N3 Sintered Magnet Surface by Photo-emission Electron Microscope Technique with Soft X-ray Irradiation.

DOI:10.18957/rr.4.2.214

田中 真人, 小川 博嗣

Masahito Tanaka, Hiroshi Ogawa


(国研) 産業技術総合研究所 分析計測標準研究部門

Research Institute for Measurement and Analytical Instrumentation,

National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST).


Abstract

 自動車モーター用の永久磁石材料候補の一つであるSm2Fe17N3焼結磁石の表面での化学状態マッピングならびに磁区構造の端緒の観察を、軟X線円偏光と光電子顕微鏡を利用して行った。小型の磁気閉回路を開発することで面内磁化試料においても、光電子顕微鏡観察を可能にした。その結果、磁区サイズは0.5~1 μm程度であり、未着磁試料では粒内に多磁区構造が見られた。残留磁化状態の面内磁化試料では同じ磁化軸方向の磁区が大多数であったが、僅かな逆方向の磁区の存在も示唆された。


キーワード: 重希土類フリー、省エネルギー化、磁気円二色性、円偏光


2010B1004, 2012A1385 / BL39XU

X線磁気円二色性によるラーベス相RFe2 (R=Y, Gd) 水素化物の高圧下の磁気状態の研究
XMCD Study of Magnetic States in Laves Phase RFe2 (R=Y, Gd) Hydrides under High Pressure

DOI:10.18957/rr.4.1.1

石松 直樹a, 圓山 裕a, 河村 直己b, 水牧 仁一朗b, 中野 智志c, 三井 隆也d, 中村 優美子e, 榊 浩司e, 榎 浩利e

Naoki Ishimatsua, Hiroshi Maruyamaa, Naomi Kawamurab, Masaichiro Mizumakib, Satoshi Nakanoc, Takaya Mitsuid, Yumiko Nakamurae, Koji Sakakie, Toshinori Enokie


a広島大学大学院理学研究科, b(公財)高輝度光科学研究センター, c(独)物質・材料研究機構,

d(独)日本原子力研究開発機構, e(独)産業技術総合研究所創エネルギー技術

aGrad. Sch. of Sci., Hiroshima Univ., bJASRI/SPring-8, cNIMS, dJAEA/SPring-8, eRIEF, AIST


Abstract

 C15型ラーベス相化合物GdFe2とYFe2をGPaオーダーの水素雰囲気下で加圧し、水素化による電子状態と磁気状態の変化をGd L2吸収端およびFe K吸収端のX線吸収分光法とX線磁気円二色性(XMCD)から調べた。高圧下の水素化により強磁性秩序が消失したことでXMCDの強度が減少し、さらに加圧すると再び強磁性秩序が出現してXMCDの強度が増加した。常圧下と高圧下の強磁性秩序におけるXMCDの強度を比較すると高圧下のXMCDの強度は常圧の1/10程度と小さい。このことから高圧下の強磁性秩序はFeと希土類原子間の電子軌道の混成が水素の占有によって弱まった電子状態であることが分かった。


キーワード: ラーベス相,金属水素化物,高圧力,X線吸収分光法,X線磁気円二色性


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2011B1417 / BL40B2

小角X線散乱法による高純度粘土のコンシステンシーメカニズムに関する研究
Research on Consistency Mechanism of High-purity Clay by SAXS

DOI:10.18957/rr.4.1.5

大河原 正文a, 曽我 健一b, 斎野 崇a, 田中 政典c, 齊藤 康明a, 内田 勝也a, 三田地 利之d

Masafumi Okawaraa, Kenichi Sogab, Takashi Sainoa, Masanori Tanakac, Yasuaki Saitoa, Katsuya Uchidaa, Toshiyuki Mitachid


a岩手大学, bケンブリッジ大学, c(独)港湾空港技術研究所, d日本大学

aIwate University, bUniversity of Cambridge, cPort and Airport Research Institute, dNihon University


Abstract

 土は含水量によってその状態を大きく変化させ、それに伴って外力に対する抵抗性も変化する。土のこのような性質をコンシステンシー特性といい、土木分野では土構造物の建設から土砂災害にまで関係する工学的に重要な特性である。本研究では小角X線散乱法を用いることで含水量の変化に伴う粘土粒子の構造の変化を明らかにし、土のコンシステンシーメカニズムの解明を試みた。その結果、Na型スメクタイトのクニピアFおよびCa型スメクタイトのクニボンドはコンシステンシー限界時にその構造を大きく変化させることが明らかとなった。とくに、クニピアFは塑性体領域において層間距離を増加させ、層間距離10-15 nmまで層構造を保つことが確認された。


キーワード: 粘土鉱物,水分子,コンシステンシー特性,層間距離,配向性


2011B1722 / BL27SU

軟X線光電子分光によるSi中にドープされた不純物のクラスター化の熱処理条件および濃度依存性
Study of Clustering of Impurities Doped in Si Crystals Depending on Annealing Conditions and Concentration by Using Soft X-ray Photoelectron Spectroscopy

DOI:10.18957/rr.4.1.11

筒井 一生a, 宮田 陽平a, 金原 潤a, 野平 博司b, 服部 健雄a, 岩井 洋a, 室 隆桂之c, 木下 豊彦c

Kazuo Tsutsuia, Yohei Miyataa, Jun Kaneharaa, Hiroshi Nohirab, Takeo Hattoria, Hiroshi Iwaia, Takayuki Muroc and Toyohiko Kinoshitac


a東京工業大学, b東京都市大学, c(公財)高輝度光科学研究センター

aTokyo Institute of Technology, bTokyo City University, cJASRI


Abstract

 Si中にドープされたBおよびAsの化学結合状態を軟X線光電子分光で観測し、電気的活性/不活性との対応づけ、構造の異なる不純物クラスターの存在を推測し、これらの濃度を求めた。Bドープについては、二種類のクラスター形成の濃度比のドーズおよび熱処理条件の依存性から、クラスター形成過程についてモデルを提案した。Asドープについては、電気的に活性なAs原子およびクラスター化したAsを検出し、それらの濃度プロファイルを明らかにした。


キーワード: 軟X線光電子分光、ナノデバイス、Si、不純物、クラスター


2011B1902 / BL40B2

量子ドットのサイズ選択光エッチング反応過程における構造変化の解明
Analysis on Structural Changes of Quantum Dots during Size-selective Photoetching

DOI:10.18957/rr.4.1.18

上松 太郎a, 佐々木 園b, 増永 啓康c, 小川 紘樹c, 梶 勇輔a, 桑畑 進a

Taro Uematsua, Sono Sasakib, Hiroyasu Masunagac, Hiroki Ogawac, Yusuke Kajia, Susumu Kuwabataa


a大阪大学大学院工学研究科, b京都工芸繊維大学, c(公財)高輝度光科学研究センター

aOsaka University, bKyoto Institute of Technology, cJASRI


Abstract

 直径が10 nm前後の半導体ナノ粒子(量子ドット)は、サイズの減少と共にバンドギャップエネルギーが増大する量子サイズ効果や、常温での蛍光発光など特異な性質を有する。我々は、サイズに応じて光吸収波長が変化する量子ドットの特性を利用し、光による粒径制御法「サイズ選択光エッチング法」を開発した。硫化カドミウム(CdS),テルル化カドミウム(CdTe)ナノ粒子について、単色性の高いナノ粒子溶液を得ることに成功している[1-3]。透過型電子顕微鏡観察の結果は、CdS、CdTeの何れも光エッチング反応による粒径・粒径分布の減少を示しているが、反応途中の光学スペクトル変化や反応速度が両者で全く異なっている。CdSとCdTeナノ粒子の光エッチング反応過程の違いを明らかにすることによって、反応効率を改善したり、同手法を他の種類の半導体に適用したりする際に、非常に重要な知見が得られると期待される。


キーワード: 半導体ナノ粒子、サイズ選択光エッチング、小角X線散乱法


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2012A1085, 2012B1220 / BL37XU

シンクロトロン放射光測定における極微量成分から推定する古文書料紙の起源探究
Investigation of the Origin of Ancient Documents by Ultra Trace Element Analysis

DOI:10.18957/rr.4.1.23

岩田 忠久a, 加部 泰三a, 寺田 靖子b

Tadahisa Iwataa, Taizo Kabea, Yasuko Teradab


a国立大学法人東京大学大学院農学生命科学研究科, b(公財)高輝度光科学研究センター

aGraduate School of Agricultural and Life Sciences, The University of Tokyo, bJASRI


Abstract

 本研究は、古文書を構成する料紙に含まれる微量元素を高感度蛍光X線により分析すると共に、既にデータベース化されている地質図や希土類元素分布図との相関分析を行うことにより、各料紙の産地を推定することを目的とした。紙の主原料である楮、雁皮、三椏に加え、現代和紙や古和紙から主原料や産地の異なる200点近くの試料を選択し、測定を行った。紙の原料である、楮、雁皮、三椏から得られたスペクトルには違いが認められたため、本解析手法が、古文書の原料を特定するための手法として有効であることが示唆された。しかし、様々な産地で作製された紙から得られたスペクトルはあまりにも複雑で、今のところ明確な微量元素と産地との相関は得られておらず、更なるデータ収集と解析が必要である。


キーワード: 古文書、和紙、極微量元素分析、紙生産地、無機物添加剤


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2012A1099 / BL08W

コンプトン散乱測定による有機物の相転移の観測
Compton Scattering Observation for Organic Materials

DOI:10.18957/rr.4.1.28

山本 勲a, 櫻井 吉晴b, 伊藤 真義b

Isao Yamamotoa, Yoshiharu Sakuraib, Masayoshi Itoub


a横浜国立大学, b(公財)高輝度光科学研究センター

aYokohama National University, bJASRI


Abstract

 アガロース水溶液のゾル/ゲル相転移における電子運動量の密度分布の変化をコンプトン散乱測定を用いて測定した。相転移が可逆的であることを利用して、ゾル状態とゲル状態の差、磁場で分子を配向させたゲルと無配向ゲルの差を特徴的な温度で測定し、差分コンプトンプロファイルから相転移による架橋密度の変化を捉えた。ゲル化によって低運動量の電子密度が低下し、磁場配向による運動量密度の差は加熱により消失した。含水量の多い有機物であるアガロースゲルの架橋構造の変化をコンプトン散乱測定によって評価できる可能性を示唆した。


キーワード: コンプトン散乱、アガロースゲル、相転移


2012A1168, 2013A1381 / BL10XU

ナノ多結晶ダイヤモンドの高応力負荷による変形・破壊挙動
Deformation Behavior of Nano-polycrystalline Diamond Subjected to High Stress Load

DOI:10.18957/rr.4.1.32

角谷 均a, b, 中本 有紀b, 坂田 雅文b, 太田 健二b, 清水 克哉b

Hitoshi Sumiyaa, b, Yuki Nakamotob, Masafumi Sakatab, Kenji Ohtab, Katsuya Shimizub


a住友電気工業(株), b大阪大学

aSumitomo Electric Industries Ltd., bOsaka Univ.


Abstract

 超高圧高温下の直接変換焼結により合成されたナノ多結晶ダイヤモンド(NPD)は、単結晶ダイヤモンド(SCD)を凌ぐ高い硬度、強度をもつため、超高圧発生用ダイヤモンドアンビルセル(DAC)用のアンビルとして非常に有用である。特に先端(キュレット)径が300 μm以上のNPDアンビルは、従来のSCDアンビルの2倍前後の超高圧を安定して発生できる。今回、ラテラルサポート型の側面テーパー付NPDアンビルを試作し、超高圧発生実験を実施したところ、アンビル底面の引っ張り応力が抑えられて、さらに到達発生圧力を向上できることがわかった。加えて、アンビル先端にべベルも付与することでSCDアンビルの3倍近い超高圧発生が可能であることを確認した。このラテラルサポート型アンビルによる超高圧の安定発生のためには、アンビルと超硬台座との接触部の形状や面精度を高度に保つことが重要である。


キーワード: nano-polycrystalline diamond、x-ray diffraction、diamond anvil、high pressure


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2012A1243 / BL35XU

Soft Phonon in an Antiferromagnetic and Ferroelectric Sr0.5Ba0.5Mn0.97Ti0.03O3

DOI:10.18957/rr.4.1.36

T. Suzukia, D. Okuyamaa, T. Fukudab,c, A. Q. R. Baronc,d, T. Arimaa,e, Y. Tokuraa,e and Y. Taguchia

aRIKEN CMSE, bSPring-8/JAEA, cRIKEN SPring-8, dSPring-8/JASRI, eUniv. Tokyo


Abstract

Phonon dynamics of multiferroic Sr0.5Ba0.5Mn0.97Ti0.03O3 was investigated by means of inelastic x-rays cattering. We found that the mode which corresponds to the soft mode in the paraelectric materials becomes prominent below the antiferromagnetic phase transition temperature. On the other hand, the energies of transverse optical phonon modes remain almost constant upon the magnetic ordering. This suggests that dynamical fluctuation of electric dipole moments is crucial for a large spin-phonon coupling.


Keywords: inelastic x-ray scattering, multiferroics, phonon dynamics


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2012A1277 / BL40XU

超高速時分割X線回折像記録による昆虫飛翔筋力学感受性成分の種間普遍性に関する研究
Study on the Cross-taxonal Distribution of Mechanosensitive Components in Insect Flight Muscle by Ultrafast Time-resolved X-ray Diffraction Recordings

DOI:10.18957/rr.4.1.41

岩本 裕之

H. Iwamoto


(公財)高輝度光科学研究センター

JASRI, SPring-8


Abstract

 カルシウムイオンにより活性化したタガメおよびミカドガガンボの飛翔筋線維を急速にステップ伸長(振幅:筋線維長の1%;伸長時間:1 ms)したときの2次元X線回折像の時間変化を0.5 msの時間分解能で記録した。その結果、これらの昆虫の飛翔筋線維で伸長時に起こる構造変化は、すでに判明しているマルハナバチ飛翔筋線維の構造変化と基本的に同じであることが判明した。


キーワード: 高速時分割X線回折実験、昆虫飛翔筋、生物物理学


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2012A1441 / BL41XU

レジオネラエフェクターLubXの結晶構造解析
Crystallographic Study of LubX, a Legionella Effector Protein

DOI:10.18957/rr.4.1.45

黒田 琢弥a, 近藤 裕輝a, 内田 裕美子a, 久堀 智子b, 永井 宏樹b, 今田 勝巳a

Takuya Kurodaa, Hiroki Kondoa, Yumiko Uchidaa, Tomoko Kuborib, Hiroki Nagaib, Katsumi Imadaa


a大阪大学大学院理学研究科, b大阪大学微生物病研究所

aGraduate School of Science, Osaka University, bResearch Institute for Microbial Diseases, Osaka University


Abstract

 レジオネラの宿主内増殖に必須の蛋白質LubXはユビキチンリガーゼ様の機能をもち、初めて発見されたエフェクターをターゲットとするメタエフェクターである。本研究では、レジオネラの感染増殖機構の解明とLubXを標的とする薬剤開発につなげることを目的として、ユビキチンリガーゼ機能領域を含むフラグメントLubXΔC (Met1-Phe215)の結晶構造解析に取り組んだ。


キーワード: IVB型分泌装置、エフェクター、結晶構造解析


2012A3511 / BL11XU

In-Situ Studies of Polytypic Formation and Reconstructions in Selected Area Grown III-V Heterostructures on Silicon

DOI:10.18957/rr.4.1.49

Morten H. Madsena, Peter Krogstrupb, Masamitu Takahasic, Robert Feidenhans’la


aNiels Bohr Institute, University of Copenhagen, Denmark

bCenter for Quantum Devices and Station Q Copenhagen, Niels Bohr Institute, University of Copenhagen, Denmark

cQuantum Beam Science Center, Japan Atomic Energy Agency, Sayo-cho, Hyogo 679-5148, Japan


Abstract

 In-situ monitoring of the crystal structure formation during growth of InAs and InAsSb based nanostructure arrays on patterned Si(111) substrates, was performed in a combined molecular beam epitaxy(MBE) growth and X-ray characterization experiment. An e-beam lithography defined mask etched into a SiO2 film grown on Si(111) substrates was used for the selective area growth. This method enables us to characterize the relative formation rates of the most common polytypic phases 3C (Zinc-blende) and 2H (Wurtzite) during growth, but also higher order sequences like 4H and 6H. Moreover, the effect of adding a small amount of Sb to the growth system was observed to have a direct impact on the growth mechanisms, as it induced a solid phase transition from the Wurtzite to the Zinc-blende crystal structure.


Keywords: Crystal growth, In-situ X-ray characterization, Molecular beam epitaxy


2012A3782, 2012B3784, 2013A3782 / BL22XU

Density and Thermoelastic Properties of Liquid Fe-FeO at High Pressure

DOI:10.18957/rr.4.1.53

Yusaku Takuboa, Hidenori Terasakia, Yuta Shimoyamaa, Soma Kuwabaraa, Satoru Urakawab, Tadashi Kondoa, Akio Suzukic, Keisuke Nishidad, Eiji Ohtanic, Tetsu Watanukie, Yoshinori Katayamae

aOsaka University, bOkayama University, cTohoku University, dThe University of Tokyo, eJAEA


Abstract

 We have measured the density of liquid Fe98.3O1.7 in the P-T range of 1.4 - 6.1 GPa and 1950 - 2250 K using X-ray absorption method at BL22XU. Microprobe analysis of the recovered samples showed the reaction between the sample and BN spacer. After removing the BN contribution to the sample density, the estimated densities of liquid Fe-O increase from 6.71 to 7.08 g/cm3 with pressure at 2200 K.


Keywords: density, liquid Fe alloy, high pressure


2012B1160 / BL40B2

Al-Zn-Mg合金における巨大ひずみ加工に伴うナノ析出物の形状変化測定
Measurement of Shape Change in Nano-Precipitates by Severe Plastic Deformation in Al-Zn-Mg Alloys

DOI:10.18957/rr.4.1.58

足立 大樹, 村岡 和尚

Hiroki Adachi, Kazunari Muraoka


兵庫県立大学

University of Hyogo


Abstract

 Al-Zn-Mg合金に予備時効を行い、様々なサイズのη’準安定相を析出させた試料に対し、巨大ひずみ加工の一種であるHPT加工を施し、準安定相の形状変化を小角散乱測定により調べた。その結果、予備時効60 ksの亜時効材ではひずみの増加により容易に加工誘起溶解したのに対し、予備時効2000 ksの過時効材では溶解しづらいことが分かった。このことから、巨大ひずみ加工中における加工誘起溶解は、転位が準安定相を切断したことによる界面増加に伴う界面エネルギーの増加によるものであると予想される。


キーワード: 小角散乱、巨大ひずみ加工、アルミニウム合金、準安定相


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SPring-8 Section B: Industrial Application Report

2011B1024 / BL19B2

オーステナイト系ステンレス鋼表面での酸化被膜成長に伴う界面近傍残留応力の変化
Skin Residual Stress Measurements and Oxide Characterization by Synchrotron X-ray Diffraction in Non-sensitized 316 Stainless Steel and High Temperature Water Combination

DOI:10.18957/rr.4.2.220

渡邉 真史, 米澤 利夫, 庄子 哲雄

Masashi Watanabe, Toshio Yonezawa, Tetsuo Shoji


東北大学 未来科学技術共同研究センター

New Industry Creation Hatchery Center, Tohoku University


Abstract

 軽水炉の構造材料における「鋭敏化によらない粒界応力腐食割れ」のメカニズムを探る研究の一環として、非鋭敏化低炭素Type 316Lオーステナイト系ステンレス鋼冷間加工材について酸化皮膜直下の残留応力測定をBL19B2において課題番号2011B1024として実施した。結果的にはさらに課題番号2012A1019を実施し、これらを併せて総合的に比較検討することとなったが、本稿ではこのうち課題番号2011B1024に該当する部分の実験とその結果について報告する。


キーワード: 応力腐食割れ、X線回折、表面近傍残留応力、侵入深さ一定法


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2012A1032 / BL19B2

X線小角散乱法による厚鋼板の溶接熱影響部中における窒化物の定量的観察
Quantitative Observation of Nitride Particles in Heat Affected Zone of Steel Plates by Small-angle X-ray Scattering

DOI:10.18957/rr.4.2.225

諸岡 聡a, 大場 洋次郎b

Satoshi Morookaa, Yojiro Obab


a横浜国立大学(現:首都大学東京), b京都大学原子炉実験所

aYokohama National University (Tokyo Metropolitan University), bKyoto University Research Reactor Institute


Abstract

 大入熱溶接における熱影響部の切欠靭性改善のためにチタン(Ti)の添加が有効である。本研究は、入熱量が及ぼすTiによる窒素(N)の固定効果によるフェライト結晶粒中の固溶Nの低減効果について、X線小角散乱法を用いた迅速定量分析法を確立し、定量的に解釈することを目的とする。本実験はSPring-8の産業利用IビームラインBL19B2を使用して極小角散乱測定を実施した。再現熱サイクル試験における入熱量の増加に伴い、未溶解窒化物(TiN)、再析出TiNの数密度および体積率の変化を意味する散乱プロファイルの強度変化を捉えることに成功した。


キーワード: X線小角散乱法、溶接熱影響部、窒化物


2012A1146 / BL28B2

BL28B2における非対称反射結晶の導入
Introduction of Asymmetrically Cut Crystal at BL28B2

DOI:10.18957/rr.4.2.230

梶原 堅太郎

Kentaro Kajiwara


(公財)高輝度光科学研究センター

JASRI


Abstract

 標準モノクロメータから得られる37 keV以上のX線は、Si(311)回折やSi(511)回折によるものであり強度が弱い。37 keV以上のX線を用いたCT測定の測定時間を短縮するために、強度が強いSi(111)回折で高エネルギーX線が得られるモノクロメータをBL28B2に準備して実験を行った。モノクロメータ結晶には非対称反射のシリコン結晶を準備し、X線の強度を重視して迅速な測定を目指した。83 keVのX線を用いて断面が1.5 mm × 1.5 mmの鉄鋼材料中のき裂や介在物を観察することができた。


キーワード: X線CT、金属材料、高エネルギーX線


2012A1609 / BL14B2

LED用蛍光体材料の温度消光メカニズム解明(2)
Investigation of the Mechanism of Thermal Quenching of Phosphor Materials for White LED(2)

DOI:10.18957/rr.4.2.237

上田 恭太a, 本間 徹生b

Kyota Uhedaa, Tetsuo Honmab


a(株)三菱化学科学技術研究センター, b(公財)高輝度光科学研究センター

aMitsubishi Chemical Group Science and Technology Research Center, bJASRI


Abstract

 発光強度の温度依存が異なる二つの白色LEDランプ用蛍光体(Y3Al5O12:Ce)の発光中心であるCeイオンの価数および周辺局所構造をX線吸収微細構造(XAFS)測定により調べた。まず、Ce-LIII吸収端XAFSスペクトルからCeイオンの価数は、両蛍光体試料ともにほぼ3価であることを確認した。次いで、Ce-K吸収端XAFSスペクトルから得られる動径構造関数からCe発光中心周辺の原子が秩序立っているほど、発光特性に優れ、更に発光強度についても優れた温度特性を示すことが明らかとなった。


キーワード: 白色LED、蛍光体、温度消光、XAFS、YAG:Ce、デバイワーラー因子


2012A1761 / BL19B2

燃料電池用アニオン交換膜の解析
Analysis of Anion Exchange Membranes for Fuel Cells

DOI:10.18957/rr.4.2.241

朝澤 浩一郎a, 猪谷 秀幸a, 田中 裕久a, 宮崎 司b, 武田 雄希b, 西井 弘行b, 鈴木 孝b, 松田 康壮b

Koichiro Asazawaa, Hideyuki Shishitania, Hirohisa Tanakaa, Tsukasa Miyazakib, Yuuki Takedab, Hiroyuki Nishiib, Takashi Suzukib, Kousou Matsudab


aダイハツ工業㈱, b日東電工㈱

aDAIHATSU MOTOR CO., LTD., bNitto Denko Corporation


Abstract

 アニオン交換形燃料電池に用いられる電解質膜の分子構造と膜特性の相関を解明し、更なる高性能化に取り組むため、放射光X線を用いたX線小角散乱法(SAXS)に取り組んでいる[1,2]。高イオン伝導度と低燃料透過性を両立させるべく開発中の電子線グラフト重合膜は、従来の炭化水素系アニオン交換膜とは膜特性において異なる傾向を示しているため、この膜の分子構造解析を行った。その結果、電解質膜化によって、基材フィルム中の結晶間距離が大きくなっており、膜化によって分子構造が変化していることが捉えられた。さらに実使用を想定した含水状態においてこの膜には分子構造上、大きな変化は起こらないことが分かった。


キーワード: 燃料電池、アニオン交換形電解質膜、電子線グラフト重合法、液体燃料、SAXS


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2012B1323 / BL46XU

イットリウム系超電導線材用中間層の結晶子サイズと不均一格子歪みの評価
Evaluation of Crystallite Size and Inhomogeneous Strain in Buffer Layers for Yttrium-based Superconducting Coated Conductors

DOI:10.18957/rr.4.2.243

種子田 賢宏a,b, 吉積 正晃a, 栗木 礼二a, 青木 大志a, 高橋 貴彦a, 和泉 輝郎a, 塩原 融a, 木須 隆暢b

Takahiro Tanedaa,b, Masateru Yoshizumia, Reiji Kurikia, Daishi Aokia, Takahiko Takahashia, Teruo Izumia, Yuh Shioharaa, Takanobu Kissb


a(公財) 国際超電導産業技術研究センター, b九州大学

aInternational Superconductivity Technology Center (ISTEC), bKyushu University


Abstract

 イットリウム系超電導線材の中間層を構成する多結晶のCeO2/LaMnO3/MgO/a-Y2O3/a-Gd2Zr2O7/ HastelloyTM積層膜(a: アモルファス)においてCeO2層では膜厚増加とともに高度に結晶子の面内配向が進行し、この上に成膜された超電導膜の臨界電流特性向上に寄与するが、その配向機構は未解明である。そこで機構解明の一助となるデータ取得を目的として、CeO2層の下のLaMnO3層について放射光微小角入射X線回折(GIXD)測定を行い、結晶子のサイズとその方位の結晶主配向軸からのずれ角度との相関関係を見出した。


キーワード: イットリウム系超電導線材、GIXD、自己配向


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2012B1395 / BL19B2

MYTHENを利用した新しい粉末回折装置のカメラ半径の検討
Determination of Reasonable Camera Radius for Developing Powder Diffractometer Using 1-D Detector MYTHEN

DOI:10.18957/rr.4.2.248

大坂 恵一a, 佐藤 眞直a, 松本 拓也b, 広野 等子c, 川瀬 守弘a, 豊川 秀訓a

Keiichi Osakaa, Masugu Satoa, Takuya Matsumotob, Toko Hironoc, Morihiro Kawasea, Hidenori Toyokawaa


a(公財)高輝度光科学研究センター, b(株)スプリングエイトサービス, cボン大学

aJASRI, bSPring-8 Service Co., Ltd., cUniversity of Bonn


Abstract

 産業利用ビームラインに導入を検討しているオンライン1次元検出器MYTHENを利用した新しい粉末回折装置の設計上、最も重要な要素のひとつである「カメラ半径」の最適化検討のためのデータ収集を行った。その結果、検出器形状の影響を抑制し、良好なデータが取得できる条件を得ることができた。


キーワード: 粉末回折、新装置開発、自動化、高効率化、高度化


2012B1871 / BL14B2

XAFS遠隔化を目指した次期Quick XAFS測定プログラムの開発
Development of the Next Version of QXAFS Program for XAFS-remote-experiment System

DOI:10.18957/rr.4.2.252

高垣 昌史, 本間 徹生

Masafumi Takagaki, Tetsuo Honma


(公財)高輝度光科学研究センター

JASRI


Abstract

 BL14B2におけるXAFS測定環境の遠隔化を実現するに先立ち、現行のQuick XAFS測定プログラムの最適化を行った。コードの見直しを行った結果、メンテナンス性の向上はもとより、ユーザーインターフェースが簡素化され、操作性が向上した。


キーワード: 遠隔実験、XAFS、最適化


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2012B7012 / BL33XU

き裂先端特異応力場における局所応力測定系の開発
Development of Local Stress Measurement System in Stress Singularity Field at Crack Tip

DOI:10.18957/rr.4.2.255

木村 英彦a, 瀬戸山 大吾a, 山口 聡a, 高原 稔a, 小島 由梨a, 秋庭 義明b

Hidehiko Kimuraa, Daigo Setoyamaa, Satoshi Yamaguchia, Minoru Takaharaa, Yuka Kojimaa, Yoshiaki Akiniwab


a(株)豊田中央研究所, b横浜国立大学

aToyota Central R&D Labs., Inc., bYokohama National University


Abstract

 機械部品では応力集中部の局所的な応力が強度や寿命を支配する場合が多く、特に疲労き裂先端の特異応力場における局所応力の実測が重要である。本課題では放射光回折法により微小領域の応力を測定する実験系を構築した。鋼の表面においてき裂先端および遠方の応力を測定した結果、き裂先端部では約8倍の応力となり特異応力場の傾向が得られた。今後、応力分布の実測や照射領域が測定応力におよぼす影響の検討などを行う。


キーワード: 回折、応力ひずみ、微小領域、疲労き裂


2013B1510 / BL19B2

すれすれ入射広角X線回折による修飾された無機材上有機薄膜の構造評価
GI-WAXD Measurements of Organic Film on Modified Inorganic Substrate

DOI:10.18957/rr.4.2.259

権藤 聡a, 馬路 哲a, 和泉 篤士b

Satoshi Gondoa, Satoshi Majia, Atsushi Izumib


a住ベリサーチ(株),b住友ベークライト(株)

aS. B. RESEARCH CO., LTD, bSUMITOMO BAKELITE CO., LTD.


Abstract

 有機-無機複合材料において無機材料の表面を改質することで、様々な特性を付与することができる。その例として、エポキシ樹脂-アルミナ複合材料の熱伝導性は、アルミナ表面を脂肪酸で修飾することで向上することが分かっている。このことは、表面修飾によって樹脂の高次構造の変化に起因している可能性を推定している。本研究では、脂肪酸がエポキシ樹脂の高次構造に与える影響について、放射光によるX線反射率(XRR)測定およびすれすれ入射広角X線回折(GI-WAXD)による解析を行った。同一炭素数で二重結合数が異なる脂肪酸を使用して検証を行った結果、エポキシ樹脂の構造が脂肪酸の二重結合数によって異なる可能性が示された。


キーワード: すれすれ入射広角X線回折、表面修飾、熱伝導性


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2013B1520 / BL14B2

In-situ XAFSによるMo-Bi系複合酸化物の酸化還元挙動解析
Redox Behavior Analysis of Multicomponent Bismuth Molybdate Catalyst by Using In-situ XAFS

DOI:10.18957/rr.4.2.263

東口 光晴a, 松野 信也a, 吉田 淳b

Mitsuharu Higashiguchia, Shinya Matsunoa, Jun Yoshidab


a旭化成株式会社, b旭化成ケミカルズ株式会社

aAsahi Kasei Corporation, bAsahi Kasei Chemicals Corporation


Abstract

 Mo-Bi系複合酸化物触媒中のFeの役割を明確にするため、反応ガス中でのin-situ XAFS測定を行った。Fe-K吸収端、Bi-LIII吸収端のシフトから、酸化還元に伴う価数変化を見積もることにより、BiとFeの酸化還元挙動に相関があること、メタクロレイン生成量とBiの還元量が相関することが分かった。この結果から、Biは主触媒、Feは酸素輸送を担う助触媒として働いていると推測された。


キーワード: Mo-Bi系触媒、工業触媒、in-situ XAFS


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2013B1552 / BL14B2

全反射蛍光XAFSによるa-InGaZnO薄膜の局所構造解析
Local Structural Analysis of Amorphous In-Ga-Zn-O Thin Films by Total Reflection Fluorescence X-ray Absorption Fine Structure Technique

DOI:10.18957/rr.4.2.268

安野 聡, 稲葉 雅之, 小坂 修司

Satoshi Yasuno, Masayuki Inaba, Shuji Kosaka


㈱コベルコ科研

KOBELCO Research Institute,Inc.


Abstract

 アモルファスInGaZnO(以下、a-IGZO)における熱処理やArプラズマ処理に対する薄膜表面近傍の局所構造を調べるため全反射蛍光XAFS測定を実施した。Ga-K吸収端及びZn-K吸収端から導出した動径構造関数から、熱処理有無によるMetal (Ga, Zn) – Oの結合距離や第一隣接ピーク強度などに有意な差異、変化は認められなかった。一方、Arプラズマ処理によってMetal (Ga, Zn) – Oの結合距離が僅かに大きくなる傾向が認められた。


キーワード: 酸化物半導体、a-IGZO、X線吸収微細構造


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2014A1547 / BL19B2

超小角X線散乱によるエマルション粘着剤の構造解析;エマルション粒子のトルエンによる膨潤挙動の解明
Structural Studies on Emulsion Adhesives Using Ultra-Small Angle X-ray Scattering Technique; Smelling Behaviors of Emulsion Particles by Toluene Solutions

DOI:10.18957/rr.4.2.272

宮崎 司, 瀧口 康二, 下北 啓輔, 戸崎 裕

Tsukasa Miyazaki, Koji Takiguchi, Keisuke Shimokita, Yutaka Tosaki


日東電工株式会社

Nitto Denko Corporation


Abstract

 アクリル系エマルション粘着剤の増粘メカニズムを明らかとするため、超小角X線散乱法によるエマルション粒子の構造解析を試みている。以前の課題実験(課題番号2012B1512)で行ったエマルション粒子の形状因子の評価により、使用しているエマルション粒子の粒径は130 nmで粒子径の分布も小さいことが分かっている。このエマルション粒子のトルエンによる膨潤挙動を詳細に調べ、トルエン添加により粒子径が130 nmから190 nmにまで大きくなることが分かった。散乱強度の変化はトルエンによる膨潤によりエマルション粒子内の電子密度が小さくなると仮定した計算で再現できた。


キーワード: エマルション、超小角X線散乱、トルエン膨潤


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2014B1598 / BL19B2

半導体パッケージ用封止樹脂の熱硬化過程における残留応力その場観察
In situ Residual Stress Analysis in Encapsulation Resins for Semiconductor Packaging during Curing Process

DOI:10.18957/rr.4.2.275

若林 みどり, 中井戸 宙, 渡邊 俊明, 首藤 靖幸, 和泉 篤士

Midori Wakabayashi, Hiroshi Nakaido, Toshiaki Watanabe, Yasuyuki Shudo, Atsushi Izumi


住友ベークライト(株)

SUMITOMO BAKELITE CO., LTD.


Abstract

 半導体パッケージの長期信頼性を実現する上で、製造時の各過程において発生する熱応力を把握することが重要となる。本研究ではX線回折現象を用いた残留応力評価手法であるsin2ψ法により、樹脂の熱硬化過程において半導体パッケージの樹脂/金属界面に発生する応力のその場観察を行った。その結果、各熱硬化過程における樹脂の熱膨張や冷却収縮、また硬化収縮に伴った応力の変化を観察することに成功した。


キーワード: 残留応力解析、sin2ψ法、その場観察


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2014B1631 / BL46XU

イオン液体ナノ薄膜の単結晶基板上における吸着挙動
Structural Characterization for Ionic Liquid Nano Layers Adsorbed on Single Crystal Substrates

DOI:10.18957/rr.4.2.279

大橋 昇a, 丸山 伸伍a, 渡邉 光a, 山内 美保a, 宮寺 哲彦b, 松本 祐司a

Noboru Ohashia, Shingo Maruyamaa, Ko Watanabea, Miho Yamauchia, Tetsuhiko Miyaderab, Yuji Matsumotoa


a東北大学 工学研究科, b(独)産業技術総合研究所

aSchool of Engineering, Tohoku University, bNational Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST).


Abstract

 イオン液体1-ethyl-3-methylimidazolium hexafluorophosphate [emim][PF6]のナノ薄膜に対し、温度可変微小角入射広角X線散乱(GIWAXS)による測定を行った。その結果、[emim][PF6]の膜厚8 nmをしきい値として、結晶化する事が明らかとなった。これは、[emim][PF6]が8 nm以下で擬似液体層として存在する事を示唆する。また、硬X線光電子分光測定(HAXPES)により、イオン液体1-octyl-3-methylimidazolium bis(trifluoromethylsulfonyl)imide [omim][NTf2]を介した真空蒸着法により成膜されたペンタセン単結晶薄膜へのイオン液体吸着挙動を調べた。その結果、イオン液体は主に基板/ペンタセン結晶界面に浸透して存在する事が明らかとなった。


キーワード: GIWAXS、HAXPES、イオン液体、[emim][PF6]、[omim][NTf2]、ペンタセン


2014B1634 / BL19B2

芳香族ポリイミドフィルムの炭化過程にて生成するグラファイト前駆体の構造解析
Structure Analysis of the Polyimide Precursors Produced from Carbonization Process of Aromatic Polyimide Film

DOI:10.18957/rr.4.2.284

毛利 文仁a, 小林 幹明a, 加藤 裕介a, 小島 正寛a, 西川 泰司a, 大坂 恵一b, 渡辺 剛b

Fumihito Mohria, Motoaki Kobayashia, Yuusuke Katoa, Masahiro Kojimaa, Yasushi Nishikawaa, Keiichi Osakab, Takeshi Watanabeb


a株式会社カネカ,b公益財団法人高輝度光科学研究センター

aKaneka Corporation, bJASRI


Abstract

 ポリイミドが高温焼成よってグラファイト化する過程のメカニズムを明らかにするため、種々の焼成条件で作成したフィルムおよび粉末試料のX線回折の測定を行った。また、キャピラリー入りポリイミドを加熱しつつX線回折の測定も行った。その結果、分子配向性と焼成物構造に関する知見は得られなかった。一方、加熱温度を上げていくと面間隔16 Åの反射が消滅して、より低角側に強度の強いショルダーが現れた。このことと加熱時に起きているCOおよびCO2の脱離との関係を考察した。


キーワード: ポリイミド焼成物、グラファイト、X線回折、その場観察


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2014B1796 / BL14B2

XAFSによる高炉水砕スラグのガラス構造解析
Glass Structure Analysis of Blast Furnace Slag by XAFS

DOI:10.18957/rr.4.2.288

高橋 俊之a, 三隅 英俊a, 伊藤 貴康a, 高松 雄一郎a, 本間 徹生b

Toshiyuki Takahashia, Hidetoshi Misumia, Takayasu Itoha, Yuichiroh Takamatsua, Tetsuo Honmab


a宇部興産(株) 技術開発研究所, b(公財)高輝度光科学研究センター

aUbe Industries, Ltd., Technical Development Center, bJASRI


Abstract

 高炉水砕スラグ中の化学成分量や製造条件(温度)が、高炉スラグのガラス構造に及ぼす影響を把握するため、XAFSを用いてガラス中のCa,Ti,Mnの配位数などを解析した。その結果、主要成分であるCaの配位数は、ガラス化率100%のもので概ね6配位であり、化学成分量が異なっても余り変わらない可能性が考えられた。一方、結晶相が一部確認された系ではやや大きくなる傾向であった。また、Tiの配位数は概ね5配位、Mnの配位数は明確にはできなかったが、一連の測定結果からは含有量によらず一定であると推測された。これらの結果から、化学成分量や製 造条件を変えた高炉スラグにおいて、結晶相が一部生成する状態になるとCaの配位数が若干大きくなったが、結晶相が存在しないガラス化率100%の状態では今回着目した原子のガラス中での配位数などは余り変わらないことが確認でき、硬化特性の違いには別の要因が関係していると推察された。


キーワード: 高炉水砕スラグ、XAFS、ガラス構造、Ca、Ti、Mn


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2014B1895 / BL19B2

半導体パッケージ基板用樹脂の熱硬化過程における残留応力その場観察
In situ Residual Stress Analysis in Resins for Semiconductor Packaging Substrates during Curing Process

DOI:10.18957/rr.4.2.294

若林 みどり, 鈴木 咲子, 中井戸 宙, 渡邊 俊明, 和泉 篤士

Midori Wakabayashi, Sakiko Suzuki, Hiroshi Nakaido, Toshiaki Watanabe, Atsushi Izumi


住友ベークライト(株)

SUMITOMO BAKELITE CO., LTD.


Abstract

 半導体パッケージ基板用樹脂/銅箔界面の残留応力について、基板樹脂の熱硬化過程におけるその場観察を行った。加熱試料台を用い、Cu(331)面のX線回折プロフィール変化を側傾法により測定し、sin2ψ法により熱時の残留応力を算出した。その結果、熱硬化過程における基板樹脂/銅界面の残留応力その場観察に成功し、樹脂の熱膨張や収縮、硬化収縮挙動を残留応力変化の観点から解明した。これによりシリカフィラー含有量(FC)の多い樹脂の方が少ない樹脂と比較して熱時の残留応力変化が小さいことが明らかとなった。


キーワード: 残留応力解析、sin2ψ法、その場観察、半導体パッケージ、長期信頼性


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2014B1898 / BL14B2

酢酸ビニル気相合成用工業触媒の選択性向上と構造解析
Characterization and Selectivity Enhancement of Industrial Catalysts for Gas Phase Production of Vinyl Acetate

DOI:10.18957/rr.4.2.298

石崎 将士, 横道 健, 宮崎 隼人, 小松 晃, 上田 正道, 宮治 孝行, 鈴鹿 弘康, 吉村 昌壽, 髙木 由紀夫

Shoji Ishizaki, Masaru Yokomichi, Hayato Miyazaki, Akira Komatsu, Masamichi Ueda, Takayuki Miyaji, Hiroyasu Suzuka, Masatoshi Yoshimura, Yukio Takagi


エヌ・イー ケムキャット㈱

N.E. CHEMCAT CORPORATION


Abstract

 最近我々は、エチレンの酸化的アセトキシル化による酢酸ビニル合成用工業触媒に関して、活性金属のパラジウムと金の分布連動性を向上させることで、エチレンの完全酸化を抑えて酢酸ビニルへの選択性を向上できる触媒を開発した。触媒中の活性点構造と酢酸ビニル選択率の関係を調べるためEXAFS測定を行った結果、反応後におけるAu-Pd合金化の度合いはAu-Pd配位数の変化から改良型触媒の方が従来型触媒よりも高いことが示唆された。


キーワード: EXAFS、合金化触媒、パラジウム、金、酢酸ビニル、酸化的アセトキシル化


2015A1676 / BL19B2

界面活性剤処理によるヒト皮膚角層の構造変化の小角・広角X線散乱法を用いた解析(第6報)
Study on the Structural Change of Human Stratum CorneumInduced by the Treatment of Surfactant Solutions Using Small- and Wide-Angle X-ray Scattering, Part 6

DOI:10.18957/rr.4.2.306

久米 卓志a, 坂井 隆也a, 加賀谷 真理子a, 宮崎 敦史a, 藤井 亮輔a, 遠藤 寛子a, 田渕 友季子a, 大鳥居 裕姫a, 小野尾 信a,

山田 真爾a, 太田 昇b, 八田 一郎c

Takuji Kumea, Takaya Sakaia, Mariko Kagayaa, Atsushi Miyazakia, Ryosuke Fujiia, Hiroko Endoa, Yukiko Tabuchia, Yuki Ootoriia, Makoto Onooa, Shinji Yamadaa, Noboru Ohtab, Ichiro Hattac


a花王株式会社, b(公財)高輝度光科学研究センター, c(公財)名古屋産業科学研究所

aKao Corporation, bJASRI, cNISRI


Abstract

 これまでに我々はSPring-8の高強度X線の利点を生かし、界面活性剤溶液浸漬後の短時間(数分〜1時間)での角層のソフトケラチン構造の変化に着目し、とくにq ≈ 6 nm−1近傍に見られるプロトフィブリル由来の散乱ピークについてX線散乱法を用いた解析検討を行ってきた。しかしながら、より小角領域に現れる高次の構造であるミクロフィブリル構造の観測には、X線散乱法では界面活性剤ミセル由来の散乱が妨害となる課題があった。そこで角層細胞内でのケラチン線維の配向を利用した積層角層シートでの2次元散乱解析により、ケラチン線維構造を評価する手法の検討を実施した。その結果、角層の積層面に対して垂直・平行方向とも散乱プロファイルにミセル由来のピークは重畳しているが、ミセル由来のピークよりも垂直方向の角層構造由来のピークは十分に強く現れ、積層角層シートを利用した2次元散乱解析の有効性が確認できた。この手法により、界面活性剤種によるケラチン(ミクロフィブリル)構造への作用の差を評価した。その結果、水に比べて界面活性剤溶液での変化は速く、大きかった。


キーワード: human stratum corneum, surfactant, X-ray scattering, soft keratin, fibril structure


2015A1690 / BL19B2

固体酸化物形燃料電池用酸素イオン伝導体のin-situ XRD解析
In-situ XRD Analysis of Oxygen Ion Conductor for SOFC

DOI:10.18957/rr.4.2.309

岩井 広幸, 犬飼 浩之, 村上 歩, 高橋 洋祐

Hiroyuki Iwai, Koji Inukai, Ayumi Murakami, Yosuke Takahashi


(株)ノリタケカンパニーリミテド

NORITAKE CO., LIMITED


Abstract

 固体酸化物形燃料電池(SOFC)電極に用いる酸素イオン伝導材料としてPrBaCo2O5+δが期待されており、低温作動化かつ高性能化を実現している。この材料組成でBaサイトへのSr置換およびCoサイトへのFe置換について、作動条件での材料挙動をin-situ XRDで解析した。どちらの元素を置換しても、結晶構造の対称性が高まることが確認された。作動雰囲気においての材料の安定性が高まることが期待される。


キーワード: ペロブスカイト型酸化物、in-situ XRD、燃料電池


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2015A1950 / BL19B2

Alラミネートフィルムの変形・疲労損傷のX線評価
X-ray Evaluation of Damage of Emboss-formed Al Laminates

DOI:10.18957/rr.4.2.314

阿部 一博c, 田中 啓介a, 清水 憲一a, 菖蒲 敬久b, 長谷 光司a, 小林 大純a

Kazuhiro Abec, Keisuke Tanakaa, Kenichi Shimizua, Takahisa Shobub, Koji Nagayaa, Hirozumi Kobayashia


a名城大学, b(独)日本原子力研究開発機構, c(株)村田製作所

aMEIJO UNIVERSITY, bJAEA, cMurata Manufacturing Co., Ltd.


Abstract

 これまで、ラミネートフィルムのAl層がエンボス加工や環境変化等から受ける負荷の評価は、主として与えた負荷と対応する試料の外観状態からメカニズムを推測するに留まっていた。これはひとえに実験室X線回折装置の照射スポットが広いため試料の損傷状態を細かくマッピングすることができなかったためである。そのため代用として有限要素法を用いた部材変形のシミュレーションで評価を行ってきたが、実際のAl層の損傷状態を評価する術がなかったため、両者の整合性を評価できていなかった。今回SPring-8の放射光を利用する機会を得て、実際にエンボス成形及びヒートショック試験を実施したラミネートフィルムのAl層の応力状態を評価することができ、外観観察では捉えられないAl層の損傷状態を評価することができた。また、シミュレーション結果とも良好な相関が認められ、シミュレーションが評価ツールとして有効であることもわかった。


キーワード: Al、ラミネート、sin2ψ、マッピング、残留応力


2015A1963 / BL19B2

異なる冷凍条件での冷凍食品中氷結晶の状態評価
Ice Imaging in Frozen Foods under Different Freezing Conditions

DOI:10.18957/rr.4.2.320

上原 康a, 須藤 和幸a, 本谷 宗a, 松本 真理子b, 柴田 舞子b

Yasushi Ueharaa, Kazuyuki Sudoa, Tsukasa Motoyaa, Mariko Matsumotob, Maiko Shibatab


三菱電機(株) a先端技術総合研究所,b住環境研究開発センター

Mitsubishi Electric Co. aAdvanced Technology R&D Center, bLiving Environment Systems Laboratory


Abstract

 一般家庭用冷凍冷蔵庫での食品冷凍では、解凍時の食感劣化や肉類からのドリップ流出等の問題があるが、過冷却状態を経た冷凍法(「瞬冷凍」)によりこれら問題が大幅に改善されることが分かっている。放射光X線CTによる解析で、「瞬冷凍」食品中の氷結晶は従来法冷凍品のそれに比べて細かく均一な形状を有していることを明らかにした。食品冷凍において、氷結晶成長の制御が重要であることを、明確に示すことができた。


キーワード: 放射光X線CT,冷凍食品,氷結晶,過冷却


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2015A1979 / BL14B2

固体酸化物型燃料電池用Ni電極のアンモニア環境下におけるIn-situ XAFS解析
In-situ XAFS Analysis of Ni Anode for Solid Oxide Fuel Cell under Ammonia Gas

DOI:10.18957/rr.4.2.324

犬飼 浩之, 岩井 広幸, 里見 恵梨佳, 斎藤 正紀

Koji Inukai, Hiroyuki Iwai, Erika Satomi, Masaki Saito


(株)ノリタケカンパニーリミテド

NORITAKE CO., LIMITED


Abstract

 固体酸化物形燃料電池(SOFC)に用いるNi電極について、アンモニア及び水素含有N2ガス雰囲気で材料の窒化挙動をXAFS測定で解析した。5 ppmNH3-N2ガス雰囲気ではNi K-edgeのXANESスペクトルの変化は顕著でなかったが、アンモニアの完全分解を想定したガス(25%N2+75%H2)雰囲気で処理したサンプルのNi K-edgeのXANESスペクトルは、低温から低エネルギー側へのシフトが観察され、Ni電極の窒化の進行が示唆された。しかしながら、100%アンモニアガス中で処理した材料に比べてスペクトルの変化が小さいことから、アンモニアガスが完全分解したガス雰囲気下では、Ni電極の窒化反応が進みにくいことを明らかにした。


キーワード: SOFC、アンモニア、Niアノード


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2015A1983 / BL19B2

超微細粒を有するAl合金における時効析出挙動のIn-situ SAXS測定
In-situ SAXS Measurement of Precipitation Behavior by Artificial Aging in Ultra-fine Grained Aluminum Alloys

DOI:10.18957/rr.4.2.328

足立 大樹, 唐松 佑衣, 岡田 将秀

Hiroki Adachi, Yui Karamatsu, Masahide Okada


兵庫県立大学

University of Hyogo


Abstract

 溶体化処理を施したAl-Zn-Mg-Cu系A7075合金に巨大ひずみ加工の一種であるHPT加工を施し、結晶粒径100 nmとしたバルクナノメタルに対し、353 Kもしくは383 Kで時効を行った時の析出挙動をIn-situ X線小角散乱測定により調べた。その結果、383 K時効では析出物の核生成サイズが半径4 nm程度であり、従来粒径を有するA7075合金におけるピーク時効時の析出物サイズの倍程度であることが分かった。このことはバルクナノメタルでは容易に過時効となり、析出強化量が小さくなることを示している。また、時効温度を下げることによって析出物の核生成サイズを小さくすることは可能であったが、析出物の体積分率が低下した。


キーワード: 小角散乱、巨大ひずみ加工、アルミニウム合金、準安定相


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2015A1991 / BL19B2

石油増進回収技術への応用を目的とした塩添加による油-鉱物二相界面の吸着構造変化の解明
Elucidation of Absorption Structure Change on Oil-mineral Interface by Adding Salt for Enhanced Oil Recovery

DOI:10.18957/rr.4.2.332

村田 澄彦a, 立山 優a, 日比 隆太郎a, 澤 侑乃輔a, 杉山 俊平a, 岡本 直樹a, 村松 玲奈a, 杉本 達洋a, 志賀 正茂a, 俵谷 侑吾a, 久保田 歩a, 三野 泰之b, 髙桑 靖知b, 中野 正則c, 梁 云峰a, 廣沢 一郎d

Sumihiko Murataa, Yu Tateyamaa, Ryutaro Hibia, Yunosuke Sawaa, Shumpei Sugiyamaa, Naoki Okamotoa, Reina Muramatsua, Tatsuhiro Sugimotoa, Masashige Shigaa, Yugo Hyotania, Ayumi Kubotaa, Yasuyuki Minob, Yasutomo Takakuwab, Masanori Nakanoc, Yunfeng Lianga, Ichiro Hirosawad


a京都大学, b(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構, c石油資源開発(株), d(公財)高輝度光科学研究センター

aKyoto University, bJOGMEC, cJAPEX, dJASRI


Abstract

 油-鉱物界面の吸着構造に及ぼす塩の影響を調べることを目的に、白雲母-オレイン酸の界面に対してオレイン酸飽和の状態と濃度1 wt%の塩水注入実施後の状態とで、20 keVの入射X線エネルギーでX線CTR散乱法の測定を行った。その結果、オレイン酸飽和の状態に対しては良好な測定データを得ることができた。しかし、塩水注入実施後の状態に対しては、塩水注入時の白雲母基板の浮き上がりにより、特にLが大きい範囲で良好なデータが取得できず、基板の固定方法と塩水の注入方法に課題を残した。また、オレイン酸の吸着構造を直接示すデータを得るにはL < 2の範囲も測定する必要があることがわかった。


キーワード: 油-鉱物界面、石油増進回収、X線CTR散乱法、白雲母、塩


2011B1918 / BL14B2

中温型固体酸化物形燃料電池開発に向けた燃料極触媒の構造解析
Structural Analysis of the Catalyst on Anode for Intermediate Temperature SOFC Development

DOI:10.18957/rr.4.1.62

平岩 千尋, 真嶋 正利, 水原 奈保, 富永 愛子, 飯原 順次, 米村 卓巳, 斎藤 吉広

Chihiro Hiraiwa, Masatoshi Majima, Naho Mizuhara, Aiko Tominaga, Junji Iihara, Takumi Yonemura and Yoshihiro Saito


住友電気工業株式会社

Sumitomo Electric Industries, Ltd.


Abstract

 固体酸化物形燃料電池向けアノード触媒の高活性化を行うため、NiFe合金触媒の還元特性を評価した。還元挙動の雰囲気組成と温度依存性より、400°C、10% H2-Heガスを評価条件として決定した。本条件においてアノード触媒として有望な材料の1つであるNiFe合金触媒の還元特性を評価した結果、NiFe合金触媒中のNiの還元速度はNi含有量が少ないほど速いこと、Feの還元速度はFe含有量が、50 wt.%から75 wt.%の組成が最も良好であることが示唆され、Ni、Feそれぞれの(組成比×還元率)の合計としての還元率での総合性能としてはNi含有量が多いほど触媒活性が高くなることが示唆された。


キーワード: 燃料電池、燃料極、触媒


2012A1414 / BL43IR

ヒト毛髪内部浸透成分解析、及び、ヘアトリートメント効果評価
Analysis of Ingredients that Penetrate into the Inside of Human Hair and Hair Treatment Effect Using Infrared Microspectroscopy

DOI:10.18957/rr.4.1.68

稲益 悟志a, 森脇 太郎b, 池本 夕佳b

Satoshi Inamasua, Taro Moriwakib, Yuka Ikemotob


aクラシエホームプロダクツ(株), b(公財)高輝度光科学研究センター

aKracie Home Products, Ltd., bJASRI


Abstract

 効率的に毛髪用製剤を開発するためには、毛髪内部へ製剤成分の浸透性を直接的にかつ簡便に解析することが重要となる。本研究においては顕微IRを用いて毛髪内部に局在する物質を直接解析し、適用した製剤の物質浸透性及び局在部位を確認する事を目的とした。その結果今回、製剤処理条件の違いに対応して、毛髪内部へのシロキサン化合物の局在分布状況に差異が生じていることが示唆された。


キーワード: 顕微IR、化粧品、毛髪


2012A1485 / BL46XU

黄銅‐ゴム接着層の湿熱処理による劣化の解析
Analysis of Adhesive Layer Degradation between Brass and Rubber in High Humidity Conditions

DOI:10.18957/rr.4.1.71

網野 直也a, 鹿久保 隆志a, 清水 克典a, 竹中 幹人b

Naoya Aminoa, Takashi Kakuboa, Katsunori Shimizua, Mikihito Takenakab


a横浜ゴム株式会社、b京都大学

aTHE YOKOHAMA RUBBER CO.,LTD., bKyoto University


Abstract

 タイヤ中のスチールコードとゴムにおける接着力は、形成される接着層の形態によって大きく変化する。特に耐熱老化や湿熱、温水老化処理後の接着層の形態変化は接着力低下に影響することが知られている。本研究では、加熱板内蔵恒湿槽を用いて黄銅板に形成された黄銅-ゴム接着層の湿熱劣化過程のリアルタイム計測を試み、老化処理に伴う接着層の結晶構造の変化を追跡することが可能となった。


キーワード: タイヤ、ゴム、接着、黄銅、微小角入射X線回折、湿熱劣化


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2012A1755 / BL19B2

1次元X線検出器MYTHENを利用した結晶粒度評価法の検証
Evaluation of Crystal Granularity Using 1-D Detector MYTHEN

DOI:10.18957/rr.4.1.75

大坂 恵一a, 佐藤 眞直a, 松本 拓也b, 広野 等子c, 川瀬 守弘a, 豊川 秀訓a

Keiichi Osakaa, Masugu Satoa, Takuya Matsumotob, Toko Hironoc, Morihiro Kawasea, Hidenori Toyokawaa


a(公財)高輝度光科学研究センター, b(株)スプリングエイトサービス, cボン大学

aJASRI, bSPring-8 Service Co., Ltd., cUniversity of Bonn


Abstract

 産業利用ビームラインにおける粉末回折装置の検出器として導入を検討しているオンライン1次元検出器MYTHENを用いて、検出器が有する時分割測定機能を利用した結晶粒度評価法を開発し、その詳細な評価条件を検証した。その結果、結晶粒度の相対的な比較が可能となる最適な条件を見いだすことができた。


キーワード: 粉末回折、新装置開発、自動化、高効率化、高度化


2012A3610 / BL14B1

白色X線を利用した異材接合内部残留ひずみ評価
Internal Residual Strain Evaluation in Dissimilar Welding Using White X-rays

DOI:10.18957/rr.4.1.79

菖蒲 敬久a, 張 朔源b, 城 鮎美a, 山田 知典a, 村松 壽晴a, 河野 史明a, 小澤 隆之a

Takahisa Shobua, Shuoyuan Zhangb, Ayumi Shiroa, Tomonori Yamadaa, Toshiharu Muramatsua, Fumiaki Konoa and Takayuki Ozawaa


a(国立研究開発法人)日本原子力研究開発機構, b(一般財団法人)総合科学研究機構

aJAEA, bCROSS


Abstract

 本研究では、フェライト/マルテンサイト鋼(PNS-FMS)とSUS316をレーザ溶接した際に発生する内部残留ひずみ分布を計測した。2種類のレーザ条件で作成された厚さ5 mm程度の試験片のひずみ分布を比較すると、PNC-FMSの溶接部の外側に非常に強い引張ひずみ、内部に弱い圧縮ひずみが表面から裏側まで発生し、SUS316の溶接部内部界面表面付近に圧縮ひずみが発生すること、また単位溶接長さあたりに投入されるレーザエネルギーを小さくすると各鉄鋼材におけるひずみ分布の範囲は狭くなるが、ひずみの絶対値は大きくなるという結果が得られた。


キーワード: 白色X線、異種材料接合、レーザ溶接、内部残留ひずみ分布


2012B1014 / BL20XU

塗装レス高輝度(メタリック)樹脂成形における色ムラの原因解明
Elucidation of the Uneven Color in Injection Molding of Plastics with Metallic Colors

DOI:10.18957/rr.4.1.84

髙橋 勇一a, 小宅 勝a, 小林 潤哉b, 小林 正和c, 戸田 裕之d

Yuichi Takahashia, Masaru Oyakea, Junya Kobayashib, Masakazu Kobayashic, Hiroyuki Todad


a群馬県立群馬産業技術センター, b(株)柴田合成, c豊橋技術科学大学, d九州大学

aGunma Industrial Technology Center, bShibata Gosei Co.,Ltd, cToyohashi University of Technology, dKyushu University


Abstract

 自動車等のプラスチック部品においては、メタリック樹脂を使用した成形では、形状の変化による高輝度粒子の乱れや、開口部後の樹脂の合流地点に発生するウェルドラインとは別の高輝度粒子同士の溝が発生する。この現象は、輝度感が失われるだけでなく、外観不良になるが、外観やワークの切断による断面観察だけでは高輝度粒子の配向を評価することは難しい。SPring-8のシンクロトロン放射によるX線CTにより高分解能な三次元データ化により、スキン層を含む表面から100 μm以内の範囲の高輝度粒子の配向と高輝度粒子同士の溝との相関を明らかにした。


キーワード: メタリック樹脂成形、高輝度粒子、イメージング


2013B1560 / BL43IR

赤外放射光を用いた顕微マッピング測定による皮膚組織中への医薬品分子の拡散挙動に関する研究
Study for the Diffusion Property of Drug Molecule in Dermal Tissue by Mapping Measurement Using Infrared Light Source

DOI:10.18957/rr.4.1.89

米持 悦生a, 寺田 勝英b

Etsuo Yonemochia, Katsuhide Teradab


a星薬科大学, b(社)製剤機械技術学会

aHoshi University, bJapan Society of Pharmaceutical Machinery and Engineering


Abstract

 本研究では、医薬品インドメタシン製剤を投与した後のマウス皮膚組織について、組織中の医薬品インドメタシンの濃度分布をBL43IRにおいて、スペクトル・マッピングにより測定した。サンプル中の各座標でのスペクトルデータから医薬品インドメタシン投与後の組織中の薬物分布が評価可能であった。得られた医薬品インドメタシンのカルボニル基のスペクトルによる吸収帯の強度分布より、血管組織周辺部に医薬品インドメタシンが集積していることが明らかとなった。本研究の結果から、組織中で識別可能な赤外吸収ピークを持つ医薬品は、医薬品投与後の組織切片を経時的に測定することにより、組織中における医薬品の移行性が評価でき、蛍光プローブ等による標識なしに、医薬品の体内動態が評価可能であることがわかった。


キーワード: 医薬品製剤、組織中医薬品分子の濃度分布、赤外スペクトル・マッピング


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2013B1603 / BL19B2

培養環境におけるコラーゲンゲル構造の品質評価法の開発
Development of the Quality Evaluation Method of Collagen Gel Structure in Culture Environment

DOI:10.18957/rr.4.1.93

足立 浩章, 坂 貞徳, 田中 浩

Hiroaki Adachi, Sadanori Ban, Hiroshi Tanaka


日本メナード化粧品(株)総合研究所

Research Laboratories, Nippon Menard Cosmetic Co., Ltd.


Abstract

 化粧品の有効性を評価することを目的として、現在様々な試験が行われているが、特に真皮に関しては、コラーゲンゲルを用いた三次元培養系が用いられている。本課題では、より生体に近い培養環境の構築とその評価系の確立につながる情報を得る為に、皮膚組織およびコラーゲンゲルの極小角および小角X線散乱を測定した。その結果、皮膚組織においてコラーゲン線維の径や65 nmの周期に関する構造と思われる回折を捉える事ができた。コラーゲンゲルの回折プロファイルは皮膚組織とは異なるものであったが、対応していると思われる回折がいくつか得られた。また、コラーゲンゲル内のⅢ型コラーゲン比率の変化に伴いゲルの回折が変化することから、コラーゲンの組成によってコラーゲン線維構造が変化していると考えられた。


キーワード: コラーゲンゲル、皮膚、真皮コラーゲン


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2014A1516 / BL19B2

界面活性剤処理によるヒト皮膚角層の構造変化の小角・広角X線散乱法を用いた解析(第4報)
Study on the Structural Change of Human Stratum Corneum Induced by the Treatment of Surfactant Solutions Using Small- and Wide-Angle X-ray Scattering, Part 4

DOI:10.18957/rr.4.1.98

久米 卓志a, 坂井 隆也a, 加賀谷 真理子a, 宮崎 敦史a, 藤井 亮輔a, 小野尾 信a, 山田 真爾a, 太田 昇b, 八田 一郎c

Takuji Kumea, Takaya Sakaia, Mariko Kagayaa, Atsushi Miyazakia, Ryosuke Fujiia, Makoto Onooa, Shinji Yamadaa, Noboru Ohtab, Ichiro Hattac


a花王株式会社, b(公財)高輝度光科学研究センター, c(公財)科学技術交流財団

aKao Corporation, bJASRI, cASTF


Abstract

 これまでに我々はSPring-8の高強度X線の利点を生かし、界面活性剤溶液浸漬後の短時間(数分〜1時間)での角層のソフトケラチン構造の変化に着目し、とくにq ≈ 6 nm−1近傍に見られるプロトフィブリル由来の散乱ピークについてX線散乱法を用いた解析検討を行ってきた。しかしながらさらに高次の構造であるミクロフィブリル構造(q ≈ 0.5–1 nm−1近傍)の観測には、X線散乱法では活性剤ミセルの散乱が妨害となる課題があった。そこで角層細胞内でのケラチン線維の配向を利用した積層角層シートでの2次元散乱解析により、ケラチン線維構造を評価する手法の検討を実施した。その結果、垂直・平行方向とも散乱プロファイルにミセル由来のピークは重畳しているが、ミセル由来ピークよりも垂直方向の角層構造由来のピークは十分に強く現れ、積層角層シートを利用した2次元散乱解析の有効性が示された。


キーワード: human stratum corneum, surfactant, X-ray scattering, soft keratin, fibril structure


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2014A1517 / BL19B2

高アルカリ性溶液に接する岩の透過像−XRD連成法による変化の分析
Analysis on Alteration Rocks Contacting Highly Alkali Solution Using Integrated Transmission Image – XRD Method

DOI:10.18957/rr.4.1.102

人見 尚, 鵜山 雅夫

Takashi Hitomi, Masao Uyama


(株)大林組

Obayashi. Co. Ltd.


Abstract

 大深度地下に建設が検討されている放射性廃棄物処分場には、坑道の安定性確保などの目的でセメント系材料の使用も検討されている。本実験では、セメント系材料に触れて高アルカリ性溶液となった地下水の坑道周辺の母岩である花崗岩に及ぼす影響の把握のため、花崗岩の浸漬試験を行い、また時分割で透過像と局所X線回折を行い、アルカリ作用により41時間程度の浸漬においても構成鉱物の変質が起きることを見出した。


キーワード: 放射性廃棄物処分場,セメント系材料,花崗岩変質,透過像,X線回折,

       時分割測定


2014A1524 / BL14B2

In-situ XAFSによるMo-Bi系複合酸化物の酸化還元挙動解析2
Redox Behavior Analysis of Multicomponent Bismuth Molybdate Catalyst by Using In-situ XAFS 2

DOI:10.18957/rr.4.1.107

東口 光晴a, 松野 信也a, 吉田 淳b

Mitsuharu Higashiguchia, Shinya Matsunoa, Jun Yoshidab


a旭化成株式会社, b旭化成ケミカルズ株式会社

aAsahi Kasei Corporation, bAsahi Kasei Chemicals Corporation


Abstract

 Mo-Bi系複合酸化物触媒の反応炉内での酸化還元に伴う現象の知見を得る為、反応ガス中でのin-situ XAFS測定を行った。Fe-K吸収端のXAFS測定から、酸化還元反応が等吸収点を伴う2成分間の反応であること、また、それ以上還元が進まない、安定なFeの還元状態が存在することが示唆された。この振る舞いは、モデル触媒系を用いた解析と同様の結果である。


キーワード: Mo-Bi系触媒、工業触媒、in-situ XAFS


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2014A1557 / BL19B2

コラーゲンゲルの品質評価法の開発
Development of the Quality Evaluation Method of the Collagen Gel

DOI:10.18957/rr.4.1.111

足立 浩章, 坂 貞徳, 田中 浩

Hiroaki Adachi, Sadanori Ban, Hiroshi Tanaka


日本メナード化粧品(株)総合研究所

Research Laboratories, Nippon Menard Cosmetic Co., Ltd.


Abstract

 化粧品の有効性を評価することを目的として利用されるコラーゲンゲルを用いた三次元培養系について、より生体に近い培養環境の構築とその評価系の確立につながる情報を得るために、皮膚組織およびコラーゲンゲルの極小角および小角X線散乱を測定した。その結果、細胞や遠心処理を用いてコラーゲンゲルを濃縮すると散乱強度の増加が認められた。しかし、皮膚組織と対応するような位置にピークが観察されるなどの顕著な波形の変化は見られなかった。また、固定した皮膚組織のうち、メタノール処理した組織では、X線散乱に変化が見られた。すなわち、水を抱えた生の状態の皮膚真皮組織には、メタノール処理により弱まる散乱と強まる散乱があることが分かった。したがって、生の皮膚組織についてX線散乱を測定すると、水環境に依存するような構造が見られると思われた。


キーワード: コラーゲンゲル、皮膚、真皮、線維芽細胞


2014B1581 / BL27SU

Al-Mg-Si合金における室温時効条件によるナノクラスター構造変化の軟X線XAFSを用いた測定
Soft X-ray XAFS Measurement of the Change in Nano-Cluster Structure by Aging Time at Room Temperature in Al-Mg-Si Alloys

DOI:10.18957/rr.4.1.117

足立 大樹a, 中西 英貴b, 長谷川 啓史b

Hiroki Adachia, Hidetaka Nakanishib, Akifumi Hasegawab


a兵庫県立大学, b(株)UACJ

aUniversity of Hyogo, bUACJ Corporation


Abstract

 溶体化処理後の室温時効によりAl-Mg-Si合金中にはクラスター1が形成し、引き続いて行う170℃における人工時効処理中のβ”相の析出が阻害されることにより、時効硬化量を低下させることが知られている。本研究ではクラスター1の室温時効時間の変化を調べるため、軟X線XAFS測定を行った。その結果、室温時効時間の増加により徐々にSi原子周りの配位距離が減少し、Si価数が増加することが示唆された。しかしながら、16 days以上の長時間時効により、逆に配位距離が増加し、Si価数が減少することが示唆された。


キーワード: 自動車用構造材料、ナノクラスター、軟X線XAFS


2014B1592 / BL14B2

自動車窓ガラスに含まれる鉄の存在状態を指標とする異同識別の可能性に関する検討
Investigation of Forensic Discrimination of Automobile Window Glasses by Chemical States of Iron

DOI:10.18957/rr.4.1.120

舩附 淳志a, 塩田 憲司b, 高岡 昌輝b, c

Atsushi Funatsukia, Kenji Shiotab, Masaki Takaokab, c


a三重県警察本部科学捜査研究所, b京都大学大学院工学研究科都市環境工学専攻, c京都大学大学院地球環境学堂

aForensic Science Laboratory, Mie Prefectural Police H. Q.,

bDepartment of Environmental Engineering, Graduate School of Engineering, Kyoto University,

cDepartment of Global Ecology, Graduate School of Global Environmental Studies, Kyoto University


Abstract

 自動車窓ガラス試料について、XAFSによる鉄の存在状態分析によってメーカー判別が可能か検討した。A〜C社の製造時期が既知の自動車窓ガラスを試料とし、同一ロット内、さらに異なるロット間での存在状態を分析した。試料は蛍光法で測定した。XANES及びEXAFSの結果から、A社のセリウム添加のある試料はA社のセリウム添加のないもの及び他社のものに比べ還元状態であり、他の試料と判別することができると考えられた。


キーワード: 科学捜査、XAFS、自動車窓ガラス、メーカー推定、セリウム


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2014B1617 / BL40B2

界面活性剤処理によるヒト皮膚角層の構造変化の小角・広角X線散乱法を用いた解析(第5報)
Study on the Structural Change of Human Stratum Corneum Induced by the Treatment of Surfactant Solutions Using Small- and Wide-Angle X-ray Scattering, Part 5

DOI:10.18957/rr.4.1.124

久米 卓志a, 坂井 隆也a, 加賀谷 真理子a, 宮崎 敦史a, 藤井 亮輔a, 小野尾 信a, 山田 真爾a, 太田 昇b, 八田 一郎c

Takuji Kumea, Takaya Sakaia, Mariko Kagayaa, Atsushi Miyazakia, Ryosuke Fujiia, Makoto Onooa, Shinji Yamadaa, Noboru Ohtab, Ichiro Hattac


a花王株式会社, b(公財)高輝度光科学研究センター, c(公財)科学技術交流財団

aKao Corporation, bJASRI, cASTF


Abstract

 これまでに我々はSPring-8の高強度X線の利点を生かし、界面活性剤溶液浸漬後の短時間(数分~1時間)での角層のソフトケラチン構造の変化に着目し、とくにq ≈ 6 nm−1近傍に見られるプロトフィブリル由来の散乱ピークについてX線散乱法を用いた解析検討を行ってきた。しかしながら、さらに高次の構造であるミクロフィブリル構造(q ≈ 1 nm−1近傍)の観測には、X線散乱法では界面活性剤ミセルの散乱が妨害となる課題があった。そこで角層細胞内でのケラチン線維の配向を利用した積層角層シートでの2次元散乱解析により、ケラチン線維構造を評価する手法の検討を実施した。その結果、垂直・平行方向とも散乱プロファイルにミセル由来のピークは重畳しているが、ミセル由来のピークよりも垂直方向の角層構造由来のピークは十分に強く現れ、積層角層シートを利用した2次元散乱解析の有効性が確認できた。とくに今回の検討では、実験手法の確立を目標とし、2014A期と異なるビームラインを用いて検出器などの光学系の異なる条件での比較実験を実施した。


キーワード: human stratum corneum, surfactant, X-ray scattering, soft keratin, fibril structure


2014B1885 / BL46XU

BaTiO3にドープされた遷移金属の化学状態分析のためのHAXPES測定条件の最適化
Optimization of HAXPES Measuring Condition for Chemical State Analysis of Transition Metal Doped in Barium Titanate

DOI:10.18957/rr.4.1.128

尾山 貴司, 西村 仁志

Takashi Oyama, Hitoshi Nishimura


株式会社村田製作所

Murata Manufacturing Co., Ltd.


Abstract

 BaTiO3誘電体セラミックスに添加された遷移金属の価数分析法として硬X線光電子分光(HAXPES:HArd X-ray PhotoElectron Spectroscopy)に注目し、価数の解析が可能な光電子スペクトルを取得するための測定条件を検討した。試料にカーボンコートを施し併せて電子線照射を行うことにより、試料表面の帯電が抑制され、変調がない光電子スペクトルが得られることがわかった。また硬X線に対しイオン化断面積が大きい1s準位を選定することにより、微量の遷移金属の光電子スペクトルの検出が可能であった。


キーワード: チタン酸バリウム、遷移金属、硬X線光電子分光


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2014B1914 / BL46XU

過充電リチウムイオン電池中のカーボン負極に形成されたSEIの挙動解析
Structure Change of SEI Formed on Carbon Negative Electrode during Overcharge of Lithium Ion Battery

DOI:10.18957/rr.4.1.132

東 遥介, 中村 和紀, 高橋 照央, 福満 仁志, 高原 達夫

Yosuke Azuma, Kazunori Nakamura, Teruo Takahashi, Hitoshi Fukumitsu, Tatsuo Takahara


(株)住化分析センター

Sumika Chemical Analysis Service, Ltd.


Abstract

 リチウムイオン電池の過充電に伴うSEI(Solid Electrolyte Interface) 形成挙動の把握のため、硬X線光電子分光(HAXPES) を実施した。添加剤のない電解液で作製した電池電極では、充電・過充電に伴い有機溶媒および無機塩の分解成分が負極表面に堆積していく過程が観測された。一方、炭酸ビニレン(VC)や1,3-プロパンスルトンを電解液に添加した電池のSEIは、電解液の分解が抑制される傾向が示唆された。特に、1,3-プロパンスルトンを添加した試料では過充電時においても分解が抑制されている可能性が示唆された。


キーワード: リチウムイオン電池、SEI、過充電、硬X線光電子分光


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2014B1927 / BL19B2

摩擦攪拌接合継手に発生した疲労き裂のレーザーピーニングによる進展抑制効果の放射光ラミノグラフィによる検証
Verification of Effect of Laser Peening for Fatigue Crack Propagation in Friction Stir Welded Joints by Laminography

DOI:10.18957/rr.4.1.136

政木 清孝a, 木村 聖光a, 比嘉 良鳳a, 梶原 堅太郎b, 佐野 智一c, 足立 隆史d, Omar Hatamlehe

Kiyotaka Masakia, Masamitsu Kimuraa, Ryoho Higaa, Kentaro Kajiwarab, Tomokazu Sanoc, Takafumi Adachid, Omar Hatamlehe


a沖縄工業高等専門学校, b(公財)高輝度光科学研究センター, c大阪大学, d富士重工業(株), eNASA - Johnson Space Center

aOkinawa National College of Technology, bJASRI, cOsaka University, dFuji Heavy Industries Ltd, eNASA - Johnson Space Center


Abstract

 アルミニウム合金A6061-T6ならびにA2024-T3の異材摩擦攪拌接合(FSW)継手から平面曲げ疲労試験片を作成し、疲労き裂を導入した試験片を用意した。FSWの適用が期待される車両や航空構造部材などでは、き裂の発生を許容する損傷許容設計が適用されており、発生した疲労き裂の進展抑制が重要となる。そこで本研究ではレーザーピーニング(以下、LP)に注目した。疲労き裂先端にLPを施し、ビームライン脇に仮設した曲げ疲労試験機を使用してき裂を進展させるとともに、ラミノグラフィにより内部のき裂形状を逐次可視化することで、処理による疲労き裂進展 の抑制効果を調査した。ラミノグラフィによって、表面だけでなく試験片内部においてもき裂成長が抑制されること、さらにピーニング条件によって抑制効果が異なることを確認した。


キーワード: 摩擦攪拌接合,アルミニウム合金,疲労,き裂進展,ラミノグラフィ,レーザーピーニング


2014B1929 / BL19B2

固体酸化物形燃料電池用酸素イオン伝導体のin-situ XRD解析
In-Situ XRD Analysis of Oxygen Ion Conductor for SOFC

DOI:10.18957/rr.4.1.141

岩井 広幸, 山田 祐貴, 犬飼 浩之, 高橋 洋祐

Hiroyuki Iwai, Yuuki Yamada, Koji Inukai, Yosuke Takahashi


(株)ノリタケカンパニーリミテド

NORITAKE CO., LIMITED


Abstract

 固体酸化物形燃料電池(SOFC)電極に用いる酸素イオン伝導材料としてLnBaCo2O5+δ(Ln=Pr,Gd,Nd)が期待されており、低温作動化と高性能化を実現している。この材料について、作動条件での材料挙動を、in-situ XRDで解析した。作動温度までの昇降温時には相転移を伴う不連続な体積変化は確認されず、SOFC電極として使用した際、ヒートサイクルに対する信頼性へ影響しないことが期待される。


キーワード: ペロブスカイト型酸化物、in-situ XRD、燃料電池


2014B1936, 2014B1831 / BL19B2

石油増進回収技術への応用を目的とした油-鉱物/水-鉱物の2相界面における吸着構造解析
Structure Analysis on Oil- and Water-Mineral Interface for Application to Enhanced Oil Recovery Technique

DOI:10.18957/rr.4.1.145

松岡 俊文a, 片所 優宇美a, 立山 優a, 小林 和弥a, 葭谷 暢仁a, 今泉 昂憲a, 日比 隆太郎a, 澤 侑乃輔a, 草薙 和也a, 杉山 俊平a, 岡本 直樹a, 三野 泰之b, 下河原 麻衣b, 鐵 剛志b, 梁 云峰a, 蜂谷 寛a, 福中 康博c, 村田 澄彦a, 廣沢 一郎d

Toshifumi Matsuokaa, Yumi Katashoa, Yu Tateyamaa, Kazuya Kobayashia, Nobuhito Yoshitania, Takanori Imaizumia, Ryutaro Hibia, Yunosuke Sawaa, Kazuya Kusanagia, Shumpei Sugiyamaa, Naoki Okamotoa, Yasuyuki Minob, Mai Shimokawarab, Takeshi Tetsub, Yunfeng Lianga, Kan Hachiyaa, Yasuhiro Fukunakac, Sumihiko Murataa, Ichiro Hirosawad


a京都大学, b(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構, c早稲田大学/JAXA, d(公財)高輝度光科学研究センター

aKyoto University, bJOGMEC, cWaseda University/JAXA, dJASRI


Abstract

 石油増進回収技術の開発には、油-鉱物、水-鉱物の界面における水分子および油分子の集積、吸着現象の解明が必要である。本研究では白雲母に対する純粋シクロヘキサンと水飽和シクロヘキサンの吸着構造の違いを調べるためBL19B2において20 keVの入射X線エネルギーでX線CTR散乱法の測定を行った。今回、雲母基板を強固に固定する工夫を行うとともに、X線による照射損傷の影響を軽減するため、多軸回折計のXYステージを用いて照射位置を移動させる工夫を行った結果、L = 2.1–13.9の範囲で良好なCTR信号を測定することができた。また、水飽和シクロヘキサンの場合、水が雲母表面に吸着して油-鉱物界面の吸着構造が変化することが確認できた。さらに、純粋シクロヘキサンの場合に対する界面近傍の電子密度分布を解析した結果、シクロヘキサンの吸着層が確認できた。


キーワード: 油-鉱物界面、石油増進回収、X線CTR散乱法、白雲母


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SPring-8 Section C: Technical Report

/ BL27SU

Feasibility Study of a Diffraction Grating as a Soft X-ray Beam Splitter toward Soft X-ray Fourier Transform Spectroscopy

DOI:10.18957/rr.4.2.336

Yusuke Tamenori

 

Utilization Frontier R&D Group, Research & Utilization Division ,JASRI

Abstract

 With the aim of performing Fourier transform spectroscopy in the soft X-ray region, we examined the feasibility of a conventional diffraction grating as a beam splitter in the wavelength range of 1–10 nm. The basic idea of the present research is that the divided positive- and negative-order diffraction beams can be used in X-ray interferometric experiments. We performed a beam-dividing test using a diffraction grating. The grating parameter was chosen by taking into account the geometrical restriction for the negative-order diffraction and the equivalent diffraction efficiency for both light orders. However, we could not detect the negative-order light by using the selected diffraction grating.


Keyword: Soft X-ray interferometer, beam splitter, diffraction grating

2012A1840 / BL40XU
マイクロビームX線回折トモグラフィーの試み(2015)
Microbeam X-ray Diffraction Tomography at BL40XU(2015)
DOI:10.18957/rr.4.1.149

八木 直人、太田 昇、青山 光輝

Naoto Yagi, Noboru Ohta, Koki Aoyama

(公財)高輝度光科学研究センター 利用研究促進部門・バイオソフトマテリアルグループ

Bio-and- Soft-materials Group, Research & Utilization Division, JASRI

Abstract

 BL40XUにおいて、直径約5 µmのX線ビームを用いて回折トモグラフィー実験を行った。試料としてはヒト毛髪を使用した。試料は垂直に置き、水平位置を5 µmずつ変えながら、各位置で試料を回転して9度ごとに回折パターンを記録し、回折強度を定量することにより、毛髪の断面におけるケラチンと脂質の分布を可視化することが可能であった。本手法においては、試料の放射線損傷の回避が最大の課題である。


キーワード: X線回折トモグラフィー、毛髪、ケラチン、脂質

SACLA

2012A8024, 2012B8002, 2013B8025, 2014B8001 / SACLA BL3

蛍光分光法によるXFEL誘起現象の観測とその応用
Observation of XFEL Induced Phenomena Using Fluorescence Spectroscopy and Its Application

DOI:10.18957/rr.4.2.340

繁政 英治a, b, 岩山 洋士a, b, J.R.Harriesc, 下條 竜夫d, 犬伏 雄一e, 井上 伊知郎f, 玉作 賢治g

Eiji Shigemasaa, b, Hiroshi Iwayamaa, b, James R. Harriesc, Tatsuo Gejod, Yuichi Inubushie, Ichiro Inouef, Kenji Tamasakug


a分子科学研究所, b総合研究大学院大学, c日本原子力研究開発機構, d兵庫県立大学, e(公財)高輝度光科学研究センター,

f東京大学, g理化学研究所

aInstitute for Molecular Science, bSOKENDAI, cJAEA, dUniversity of Hyogo, eJASRI, fThe University of Tokyo, gRIKEN


Abstract

 XFELと物質との相互作用、特に量子光学効果や非線形光学現象の観測を目指して、蛍光分光法に基づく実験研究を行った。二光子逐次吸収による内殻二正孔状態からの蛍光放出過程の観測を自己相関法に応用し、XFELパルス幅計測を試みたが、XFEL強度や遅延時間に依らず信号が観測された。これは、XFELのパルス幅が設定可能な最小遅延時間よりも狭いために、二色のXFELパルスの時間的な重なりが不十分であったことが原因と考えられる。


キーワード: XFEL、蛍光分光法、超蛍光、非線形光学過程、自己相関法


2013B8024, 2014B8002 / SACLA BL3

近赤外強レーザーパルスによるXFELオージェ電子サイドバンド計測
XFEL Auger Electron Sideband Measurements by Near-Infrared Strong Laser Pulses

DOI:10.18957/rr.4.2.344

伏谷 瑞穂a, 松田 晃孝a, 遠藤 友随a, 樋田 裕斗a, 菱川 明栄a, 彦坂 泰正b

Mizuho Fushitania, Akitaka Matsudaa, Tomoyuki Endoa, Yuto Toidaa, Akiyoshi Hishikawaa, Yasumasa Hikosakab


a名古屋大学, b富山大学

aNagoya University, bUniversity of Toyama


Abstract

 Ne原子のX線ポンプ-近赤外プローブ電子分光を行った。XFEL( = 4.70 keV)によるNe 2p-2オージェ電子ピーク(~ 800 eV)の高エネルギー側に近赤外レーザー場強度に応じて明瞭なサイドバンドが観測された。サイドバンド強度のパルス遅延時間の関数として得られた相互相関トレースは、タイミングジッターに由来する約2 psの幅をもつことが見出された。


キーワード: オージェ電子、オージェ電子サイドバンド、ポンプ・プローブ計測、強レーザー場


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その他

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