Volume 17, No.4 Pages 308 - 310
2. SACLA通信/SACLA COMMUNICATIONS
第2回SACLA利用に関するワークショップ
The 2nd Workshop on the Utilization of SACLA
第2回SACLA利用に関するワークショップが81名の参加者のもと、2012年8月1日にSACLA実験研究棟において開催された。昨年11月24日に同会場で開催された第1回に続く、2回目となる。
このワークショップは、SACLAでの利用実験を検討されている方や実際に利用実験を行うユーザーを対象として開催するもので、SACLAにおいて機器・装置等を見ながら施設者側が参加者からの質問に直接回答をする場も提供する。
プログラムは、3月から開始された供用運転の状況やマシン(加速器)の状況、ビームライン・実験装置の技術情報、利用研究に関する情報についての講演(写真1)と、実際にユーザーが利用実験を行う光学ハッチや実験ハッチ内に設置されている機器・装置等を説明する実地見学で構成されている。特に今回は実験ステーションの現状として、コヒーレントイメージング(CDI)やポンプ・プローブといったより具体的で詳細な実験設備・手法について2つの講演も行った。また、2013A期より利用が可能となる“SACLA-SPring-8相互利用実験施設(BL3 実験ハッチ5)”の内部の見学も実施した(写真2)。
それぞれの講演後には、具体的なビームタイムの配分や実験手法、将来的なシード技術についてなどの質問が多くなされた。
写真1 講演の様子
写真2 実地見学の様子(相互利用実験施設ハッチ内部)
<プログラム>
13:00-13:05 開会挨拶
野田 健治
(公財)高輝度光科学研究センター 常務理事
13:05-13:20 供用に関する概要説明
後藤 俊治
(公財)高輝度光科学研究センター
XFEL研究推進室 室長
13:20-13:45 マシンの状況
田中 均
(独)理化学研究所放射光科学総合研究センター
XFEL研究開発部門 部門長
13:45-14:55 実地見学
(実験ホール〜相互利用実験施設)
14:55-15:10 休憩
15:10-15:35 ビームラインの状況
矢橋 牧名
(独)理化学研究所放射光科学総合研究センター
XFEL研究開発部門 ビームライン研究開発グループ グループディレクター
15:35-16:05 実験ステーションの現状(1)
コヒーレントイメージング
登野 健介
(公財)高輝度光科学研究センター
XFEL研究推進室 先端利用グループ
利用技術開発・整備チーム チームリーダー
16:05-16:35 実験ステーションの現状(2)
ポンプ・プローブ
佐藤 尭洋
(独)理化学研究所放射光科学総合研究センター
XFEL研究開発部門 ビームライン研究開発グループ ビームライン開発チーム
16:35-17:00 質疑応答
また、当日行ったアンケートの集計結果は以下に示す通りである。参加目的がSACLAを利用するにあたっての知識習得、あるいは、実験・研究への適用例の調査が大半を締めていることから、本ワークショップの目的に沿った方々が多数参加されていることが分かる。
<アンケート結果> | |
回答者所属(n=60) |
参加の目的(複数回答可n=65) |
講演(見学)内容について(平均:n=52) |
SACLA利用予定について(n=56) |
SACLA利用経験(n=60) |
回答者住所(n=59) |
アンケートのフリーな記述欄については、今回のワークショップの参加について、
“利用実験の具体的なイメージが形成できた。”
“相互利用施設も含めて見学できて良かった。”
“実際のXFELのパラメーターの情報が有効だった。”
“データ処理システムの説明やCDIの現状、課題、今後の改善の説明が有効だった。”
といった、参加が有用であったという意見が多く寄せられた。
また、一方では、
“利用実例や具体的な実験結果が知りたい。”
“実験データやセットアップについてもっと聞きたい。”
“実際にSACLAを利用したユーザーの講演が聞きたい。”
“具体的なアプリケーションの話が聞きたい。”
“分野別(生物系、材料系、化学系等)にワークショップを開いてほしい。”
といった、より具体的な情報についての希望や意見が寄せられた。
今後はこれらの意見を参考にしながら、SACLAの利用を検討されている皆様に充分な情報を提供できるワークショップを検討していきたい。
(公財)高輝度光科学研究センター 研究調整部 研究業務課
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