Volume 27, No.4 Pages 373 - 374
4. SPring-8/SACLA通信/SPring-8/SACLA COMMUNICATIONS
SPring-8利用制度の変更について
The Renewal Points of the Proposal Systems at SPring-8
2022B期から2023A期にかけて、SPring-8の利用制度・運用が一部変更になります。具体的な課題申請方法等の詳細は、SPring-8 User Information Webサイトの課題募集のページ(https://user.spring8.or.jp/?p=22799)をご覧ください。
1. 年6回募集ビームラインの拡張(2022B期より)
これまで、SPring-8の課題募集においては、旧産業利用ビームライン(BL14B2、BL19B2、BL46XU)を除き、共用ビームラインにおいては年2回の課題募集を行ってまいりました。年2回の課題募集では、課題申請から実際に利用するまでの期間が長く、研究・開発計画における即時性への対応に課題があり、実際に特に産業界のユーザーより募集頻度の見直しに係る要望がこれまで寄せられておりました。
そこで、年6回の課題募集を、一般共用ビームラインの一部にも適用し、ユーザーの利用へのアクセス機会を拡大することにより、産業界はもとより、学術機関も含めた産学官のユーザーの更なる利用促進に資することを目的とし、2022B期より一部ビームラインにおいて年6回募集ビームラインの拡張を行うことといたしました。
募集対象課題は、一般課題(成果非専有)、成果専有課題、大学院生提案型課題、成果公開優先利用課題の4課題となります。但し、科学審査を行う一般課題および大学院生提案型課題については、募集対象の審査分野が限定されます。
2. 産業利用ビームラインの運用変更(2022B期より)
これまで旧産業利用ビームラインでは、応募資格として実験責任者もしくは共同実験者において、「民間企業」もしくは「産業界に準ずる機関」に属する方が1名以上含まれることを応募資格としておりましたが、近年、学術機関のユーザーからも旧産業利用ビームラインの利用を希望する声があったこと、学術機関のユーザーが実験責任者(民間企業のユーザーが共同実験者)という利用割合が増加傾向であることを勘案し、実験責任者または共同実験者において「民間企業」もしくは「産業界に準ずる機関」に属する方を含まない学術機関のグループについても各測定手法に応じた分科会への課題申請により、旧産業利用ビームラインを利用できるように運用を変更し、更なる利用促進を図ることといたしました。
【2022A期まで】
旧産業利用ビームラインへの申請は、産業利用の審査分野(分科会)に限定
【2022B期から】
各ビームラインの測定手法に関係する各審査分野(分科会)からも申請可能
例)BL46XU(HAXPES II)
3. 長期間有効な利用制度の変更(2023A期より)
これまで長期間有効な利用課題として、長期利用課題、パートナーユーザー課題、新分野開拓利用課題を設置し、運用して参りました。それぞれ課題の設置目的に沿って活用され、一定の役割を果たし、数多くの成果が創出されて参りました。
一方で、長期間有効な利用制度が複数あることで、課題の実施目的が混在し利用制度の複雑化に繋がっているとの指摘もございました。
こうした課題を解消するため、複雑且つ細分化された利用制度を抜本的に見直し、新規ユーザーにとっても分かりやすい制度とすべく、長期間有効な利用制度については、長期利用課題、パートナーユーザー課題、新分野開拓利用課題を廃止し、新たに長期間有効な利用制度として、2023A期より有効期間を1年とする成果公開優先利用課題を設置し、年に1回公募することとします。
また、これまで成果公開優先利用課題の申請においては、申請者(実験責任者)の条件として、国が実施する競争的資金(科研費補助金等)あるいは独立行政法人などの政府系機関が実施する競争的資金(JST、NEDO、医薬品機構等)において、研究課題の採択を受けた方に限ってきましたが、計画的かつ安定的にビームタイムを確保する機会をより広く提供するため、2023A期より課題応募資格において、競争的資金等の有無は問わないこととします。科学技術・イノベーション基本計画等、国の方針(政策)に則した研究であることのみを申請条件とすることで、更なる利用促進を図ることといたします。
<注>以上のうち、対象ビームライン等は2022B期公募時及び2023A期公募時の予定であり、その他の事項を含め今後変更する可能性があります。課題申請の際には、各利用期の募集要項でご確認ください。