Volume 30, No.1 Page 87

4. 談話室・ユーザー便り/USER LOUNGE・LETTERS FROM USERS

SPring-8ユーザー協同体(SPRUC)四季報[1]
SPRUC Communications

藤原 明比古 FUJIWARA Akihiko

SPring-8ユーザー協同体(SPRUC)会長 Chair of SPRUC

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SPring-8

 

1. はじめに(秋号以降の動向)
 SPring-8/SACLA利用者情報秋号(前号)のSPring-8ユーザー協同体(SPRUC)四季報[2][2] https://user.spring8.or.jp/sp8info/?p=43605以降、主にNanoTerasuのユーザー共同体との融合に向けて調整をしてきました。本号では、NanoTerasuのユーザー共同体との融合とBLsアップグレードワークショップの準備状況について、状況をご説明したいと思います。

 

 

2. NanoTerasuのユーザー共同体との融合
 NanoTerasuが3月に供用開始することを受け、新ユーザー協同体を3月1日に設置する準備を進めてきました。近年、SPRUC特別総会はBLsアップグレードワークショップ期間中に開催してきましたが、この状況を踏まえ、評議員会、特別総会を1月の放射光学会期間中に開催しました。また、NanoTerasuユーザー共同体との合同総会を開催し、皆様のご理解、ご協力と建設的なご意見を頂き、3月1日に「特定放射光施設ユーザー協同体」として新たな組織として出発することが承認されました(図1)。

 

図1 合同総会後の記念写真。

 

 

 今後は、特定放射光施設で実施される実験を大局的に見渡し、我が国における先端放射光研究の成果最大化に向けた議論を進める組織へと発展させていきたいと考えております。

 

 

3. BLsアップグレードワークショップ
 これまでBLsアップグレードワークショップはSPring-8-IIへのアップグレードに向けた情報共有と議論を行ってきました。3月に特定放射光施設ユーザー協同体が設置されると、ワークショップはSPring-8、SACLA、NanoTerasuという3つの特定放射光施設の利用者が集う場となります。そこで、今回のワークショップでは、SPring-8-IIに向けた議論ならびにNanoTerasuの理解を深化し、今後の展開について議論したいと考えています。今回は、初日にSPring-8をテーマとするセッション、2日目にNanoTerasuをテーマとするセッションとしていますが、将来的には、例えば軟X線ビームラインについては施設に関わりなく一つの土俵で議論するなど、日本の先端放射光施設がより良くなるための総合的な議論を進めていく場にしたいと考えております。

 

 

4. おわりに
 SPring-8シンポジウム期間中に開催された評議員会、総会において、NanoTerasuユーザー共同体との融合に関する基本的方向性が承認されてから新年の評議員会、特別総会まで光陰矢の如しでした。その間、評議員や幹事、事務局の皆様、また、NanoTerasu関係者の皆様の継続的な取り組みにより特定放射光施設ユーザー協同体を設置する準備が整いました。関係者の皆様のお力添えにお礼申し上げます。
 特定放射光施設ユーザー協同体はこれまで以上に、日本の放射光利用研究を総合的に議論する組織として発展していくものと信じております。会員の皆様におかれましては、より良い放射光利用研究の環境整備に向け、ご意見、ご要望等ありましたら、ご連絡を頂けましたら幸いです。よろしくお願いいたします。

 

 

 

参考文献
[1] 本記事発行時(2025年3月)には新ユーザー協同体が設置され、BLsアップグレードワークショップは開催済みの予定ですが、原稿執筆は1月のためSPRUC会長からのメッセージとしています。
[2] https://user.spring8.or.jp/sp8info/?p=43605

 

 

 

藤原 明比古 FUJIWARA Akihiko
関西学院大学 工学部
〒669-1330 兵庫県三田市学園上ケ原1番
TEL : 079-565-9752
e-mail : akihiko.fujiwara@kwansei.ac.jp

 

 

Print ISSN 1341-9668
[ - Vol.15 No.4(2010)]
Online ISSN 2187-4794