Volume 30, No.1 Pages 56 - 57
3. SPring-8/SACLA通信／SPring-8/SACLA COMMUNICATIONS
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational Status
◎2024年9月～12月の運転実績
SPring-8は9月20日から12月13日までセベラルバンチ運転で第4サイクルの運転を実施した。
第4サイクルでは、SR RF D-st.空洞出口温度異常による停止等があったが、全体としては順調な運転であった。総放射光利用運転時間（ユーザータイム）内での故障等による停止時間（down time）は、第4サイクルは約0.1％であった。
1. 装置運転関係
| （1）運転期間 | |
| 第4サイクル（9/20（金）～12/13（金）） | |
| （2）運転時間の内訳 | |
| 第4サイクル | |
| 運転時間総計 | 約2,017時間 |
| ①装置の調整及びマシンスタディ等 | 約265時間 |
| ②放射光利用運転時間 | 約1,750時間 |
| ③故障等によるdown time | 約1時間 |
| ④フィリング変更時間 | 約1時間 |
総放射光利用運転時間（ユーザータイム = ② + ③ + ④）に対するdown timeの割合（*1） |
約0.1％ |
| （3）運転スペック等 | |
| 第4サイクル（セベラルバンチ運転） | |
| ・203 bunches（A） | |
| ・406 × 11/29-bunches + 1 bunch（H）（*2） | |
| ・11 bunch train × 29（C） | |
| ・1/14 filling + 12 bunches（F） | |
| ・4/58 filling + 53 bunches（G） | |
| ・203 bunches（A） | |
| ・203 bunches（A） | |
| ・4 bunch train × 84（B） | |
・入射は電流値優先モード（2～3分毎（マルチバンチ時）もしくは20～40秒毎（セベラルバンチ時））のSACLA入射、Top-Upモードで実施。 |
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| ・蓄積電流 8 GeV、～100 mA | |
| （4）主なdown timeの原因 | |
| ・SR RF D-st.空洞出口温度異常によるアボート（グラフィックレコーダー故障） | |
2. 利用関係（JASRI利用推進部 集計）
| （1）放射光利用実験期間 | |
| 第4サイクル（9/25（水）～12/12（木）） | |
| （2）ビームライン利用状況 | |
| 稼働ビームライン | |
| 共用ビームライン | 26本 |
| 専用ビームライン | 13本 |
| 理研ビームライン | 16本 |
| 第4サイクル（暫定値） | |
| 共同利用研究実験数 | 1,041件 |
| 共同利用研究者数 | 4,370名 |
| 専用施設利用研究実験数 | 323件 |
| 専用施設利用研究者数 | 1,247名 |
◎2024年12月～2025年1月の運転実績（停止期間）
SPring-8は12月14日から1月16日まで冬期点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業を行った。
（冬期点検調整期間中の主な作業）
（1）蓄積リング関係
・電磁石運転前連続通電作業（1/14～）
・電磁石、電磁石電源等定期点検（通電作業）
・QA電源不具合調査（通電作業）
・電磁石系機器インターロック試験（通電作業）
・CRAB交換/NEG活性化（セル27,28）
・PDAB1大気開放（セル21）
・Klyソケット油漏れ補修/高電圧試験（A-st.）
・Kly室MLP（瞬時停電保護装置）取付（全st.）
・MTCAリセット機能追加（B,C,D/位相調整室）
・制御計算機関連作業（運転端末更新、調整等）
・データベース関連作業（信号登録、メンテナンス等）
・機器制御関連作業（ID15,21電磁石電源機器交換等）
・ID21関連作業（真空作業）
・ID40架台搬出,搬入設置作業（IVU-II）
・ID関連作業（セル46真空作業）
・BL21XU/FE整備作業（真空、トラッカー作業）
・FE駆動系検査（BL37XU～BL47XU）
・BL改造工事（BL11XU,40XU）
・BL新設工事（BL21XU関連）
・BL関連作業（LN2、ハッチ内作業等）
・光学系・輸送チャンネル関係作業
・LN2供給設備・整備計画
環状VJP接続（CE-C,D棟）
環状VJP分割作業（A/B-C/D）
・SPring-8-II測量用基準点設置（収納部）
・SPring-8-II基準点測量作業（収納部）
・LED更新（収納部/Cブロック）
・その他作業及び定期点検等
（2）ユーティリティ関係
・電気設備保守点検及び整備作業
・冷却水設備保守定期点検及び整備作業
・冷却設備モード切替（夏→冬）
・純水製造装置配管修理（A,B,C,D）
・タンク水位計試行（L2系統/A,B,C,D）
・空調用設備保守点検及び整備作業
・FCU更新（収納部/Aブロック）
・天井クレーン月次点検作業
・消防設備等点検（非常用放送設備等）
（3）安全管理関係
・運転停止後の残留サーベイ（12/13）
・特例区域設置（12/14～1/16）
・放射線モニタ定期点検
（4）その他
・空調機等間引き運転（長期停止期間節電対策）
・冷却水設備停止（長期停止期間節電対策）
・施設建屋、外構関連小工事等
・自動火災報知設備感知器更新（実験ホール）
・中尺ビームライン実験施設実験棟II建築工事（2025年11月末竣工予定）
◎2025年1月～2月の運転予定
SPring-8は1月17日から2月15日までセベラルバンチ運転で第5サイクルの運転を予定している。
第5サイクルの運転実績については次号にて掲載する。
◎今後の予定
2月16日から4月2日まで年度末点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業を行う予定である。
2025年度の加速器運転（第1サイクル）は4月3日からを予定している。
（*1）down timeの割合に④フィリング変更時間は含まない。
（*2）BBFトラブルにより、2024/10/11 16:20～10/21 10:00の間は、シングルバンチ部の電流値を5.0 mAから4.5 mAに変更して運転。
