Volume 28, No.4 Pages 408 - 410
3. SPring-8/SACLA通信/SPring-8/SACLA COMMUNICATIONS
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational Status
◎2023年5~8月の運転実績
SPring-8は5月10日から7月7日までセベラルバンチ運転で第2サイクルの運転を行い、7月10日から8月2日までセベラルバンチ運転で第3サイクルの運転を実施した。
第2サイクルではSR RF Ast. Blower5 ErrのインターロックによるRF Down(ビーム軌道変動によるアボート)があったが、全体としては順調な運転であった。総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は、第2サイクルは約0.1%、第3サイクルは0%であった。
1. 装置運転関係
(1)運転期間 | |
第2サイクル(5/10(水)~7/7(金)) | |
第3サイクル(7/10(月)~8/2(水)) | |
(2)運転時間の内訳 | |
第2サイクル | |
運転時間総計 | 約1,393時間 |
①装置の調整およびマシンスタディ等 | 約97時間 |
②放射光利用運転時間 | 約1,294時間 |
③故障等によるdown time | 約1時間 |
④フィリング変更時間 | 約1時間 |
総放射光利用運転時間(ユーザータイム = ② + ③ + ④)に対するdown timeの割合(*1) |
約0.1% |
第3サイクル | |
運転時間総計 | 約552時間 |
①装置の調整およびマシンスタディ等 | 約120時間 |
②放射光利用運転時間 | 約432時間 |
③故障等によるdown time | 0分 |
④フィリング変更時間 | 約0.5時間 |
総放射光利用運転時間(ユーザータイム = ② + ③ + ④)に対するdown timeの割合(*1) |
0% |
(3)運転スペック等 | |
第2サイクル(セベラルバンチ運転) | |
・203 bunches(A) | |
・406 × 11/29-bunches + 1 bunch(H) | |
・11 bunch train × 29(C) | |
・406 × 11/29-bunches + 1 bunch(H) | |
・1/7 filling + 5 bunches(D) | |
・203 bunches(A) | |
・203 bunches(A) | |
第3サイクル(セベラルバンチ運転) | |
・4 bunch train × 84(B) | |
・406 × 11/29-bunches + 1 bunch(H) | |
・11 bunch train × 29(C) | |
・入射は電流値優先モード(2~3分毎(マルチバンチ時)もしくは20~40秒毎(セベラルバンチ時))のSACLA入射、Top-Upモードで実施。 |
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・蓄積電流 8 GeV、~100 mA | |
2. 利用関係(JASRI利用推進部 集計)
(1)放射光利用実験期間 | |
第2サイクル(5/11(木)~7/7(金)) | |
第3サイクル(7/13(木)~8/1(火)) | |
(2)ビームライン利用状況 | |
稼働ビームライン | |
共用ビームライン | 26本 |
専用ビームライン | 15本 |
理研ビームライン | 13本 |
第2サイクル(暫定値) | |
共同利用研究実験数 | 708件 |
共同利用研究者数 | 2,881名 |
専用施設利用研究実験数 | 352件 |
専用施設利用研究者数 | 1,409名 |
第3サイクル(暫定値) | |
共同利用研究実験数 | 253件 |
共同利用研究者数 | 1,045名 |
専用施設利用研究実験数 | 116件 |
専用施設利用研究者数 | 483名 |
◎2023年8~9月の運転実績(停止期間)
SPring-8は8月3日から9月27日まで夏期点検調整期間とし、加速器やビームライン(BL)に係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業を行った。
8月5日は施設内全域の計画停電を行い、電気設備の点検整備を行った。
(夏期点検調整期間中の主な作業(実績))
(1)蓄積リング関係
・RFエージング(9/26)
・運転前連続通電作業(9/26~)
・電磁石、電磁石電源等定期点検
・SR入射用バンプ電源BP1(サイラトロン交換)
・SR入射用DCセプタム電磁石不具合調査
・真空系作業及び点検(保守、メンテナンス等)
・CRAB交換(セル32、33、34)
・C15真空制御システム改造(BL15XU対応)
・C39B架台冷却水フレキホース交換
・機器保護インターロック自主検査
・クライストロン定期点検等
・クライストロン電源定期点検(C、D-st)、高電圧試験
・モニター系定期点検、動作確認試験
・旧SPBPM回路撤去、新MTCA回路設置
・データベース及びネットワーク関連作業
・機器制御関連作業(整備及び更新等)
・中央制御室ディスプレイウォール更新
・加速器安全インターロックメンテナンス
・入退管理システムメンテナンス
・ID15架台入替
・ID22形状変換部冷却水管(スパイラル管)交換
・Mg列冷却用チラー入替
・ID関連作業及びメンテナンス
・FE作業及び冷却系/圧空系保守作業
・BL20B2アブソーバ交換
・MBS電磁弁交換(ビームシャッター等)
・FE定期検査(運転前・MBS検査、駆動系検査)
・共用実験/制御ネットワーク関連作業
・BL改造工事(BL15XU、BL39XU、他)
・BL関連作業(実験分電盤増設、ハッチ作業等)
・BLインターロック自主検査
・BL制御・PLCハードウェアメンテナンス
・BLネットワーク更新
・光学系・輸送チャンネル関係作業
・DCM・LN2循環装置定期メンテナンス等
・その他作業及び定期点検等
・LEPS2実験棟ビームダンプ増強工事
(2)ユーティリティ関係
・電気設備保守点検及び整備作業
・冷却水設備保守定期点検及び整備作業
・空調用設備保守点検及び整備作業
・天井クレーン月次・年次点検作業
・消防設備等点検(防排煙、放送設備等)
・遮蔽扉点検作業
(3)安全管理関係
・運転停止後の残留サーベイ
・安全インターロック自主検査(定期検査)
・特例区域設置(8/3~9/25)
・放射線モニタ定期点検
(4)その他
・受変電設備点検(全施設停電(8/5))
・給水施設棟工水関連作業(工水断水作業)
・停止期間中の節電対策(装置冷却水等停止)
・空調機等間引き運転(長期停止期間節電対策)
・建屋設備機器等更新及び改修工事
・施設建屋、外構関連小工事等
・LN2供給設備・設備計画(*2)
◎2023年9~12月の運転予定
SPring-8は9月28日から12月15日までセベラルバンチ運転で第4サイクルの運転を予定している。
第4サイクルの運転実績については次号にて掲載する。
◎今後の予定
12月16日から1月18日まで冬期点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業を行う予定である。
第5サイクルの運転開始は1月19日からを予定している。
(*1)down timeの割合に④フィリング変更時間は含まない。
(*2)LN2供給設備・整備計画
2023年度においては、蓄積リング棟マシン収納部上部全周に環状VJP配管(真空断熱二重)を設置する。
夏期点検調整期間中に実験排気ダクト分岐作業及び、環状VJP配管用サポート取付(全周)、プレ工事を実施している。
※今後の環状VJP配管設置予定(作業場所:収納部天井)
・第1期工事:11/20~10日間程度(ユーザー実験中)
・第2期工事:12月末(冬期点検調整期間中)
・第3期工事:1月下旬
・第4期工事:2月末~3月上旬