Volume 27, No.4 Pages 391 - 393
4. SPring-8/SACLA通信/SPring-8/SACLA COMMUNICATIONS
SPring-8 運転・利用状況
SPring-8 Operational Status
◎2022年5~8月の運転実績
SPring-8は5月8日から7月8日までセベラルバンチ運転で第2サイクルの運転を行い、7月11日から8月3日までセベラルバンチ運転で第3サイクルの運転を実施した。
第2サイクルでは四極電磁石補助電源トラッキングエラーによるビームアボート等があったが、全体としては順調な運転であった。総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は、第2サイクルは約0.4%、第3サイクルは0%であった。
1. 装置運転関係
(1)運転期間 | |
第2サイクル(5/8(日)~7/8(金)) | |
第3サイクル(7/11(月)~8/3(水)) | |
(2)運転時間の内訳 | |
第2サイクル | |
運転時間総計 | 約1,465時間 |
①装置の調整およびマシンスタディ等 | 約121時間 |
②放射光利用運転時間 | 約1,338時間 |
③故障等によるdown time | 約5時間 |
④フィリング変更時間 | 約1時間 |
総放射光利用運転時間(ユーザータイム = ② + ③ + ④)に対するdown timeの割合(*1) |
約0.4% |
第3サイクル | |
運転時間総計 | 約624時間 |
①装置の調整およびマシンスタディ等 | 約192時間 |
②放射光利用運転時間 | 約432時間 |
③故障等によるdown time | 0分 |
④フィリング変更時間 | 約0.5時間 |
総放射光利用運転時間(ユーザータイム = ② + ③ + ④)に対するdown timeの割合(*1) |
0% |
(3)運転スペック等 | |
第2サイクル(セベラルバンチ運転) | |
・406 × 11/29-bunches + 1 bunch(H) | |
・203 bunches(A) | |
・406 × 11/29-bunches + 1 bunch(H) | |
・11 bunch train × 29(C) | |
・203 bunches(A) | |
・1/7 filling + 5 bunches(D) | |
・1/7 filling + 5 bunches(D) | |
・203 bunches(A) | |
第3サイクル(セベラルバンチ運転) | |
・4 bunch train × 84(B) | |
・406 × 11/29-bunches + 1 bunch(H) | |
・11 bunch train × 29(C) | |
・入射は電流値優先モード(2~3分毎(マルチバンチ時)もしくは20~40秒毎(セベラルバンチ時))のSACLA入射、Top-Upモードで実施。 |
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・蓄積電流 8 GeV、~100 mA | |
(4)主なdown timeの原因 | |
・四極電磁石補助電源トラッキングエラーによる電源OFF(ビーム軌道変動によるアボート) |
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・SR RF Dst. Kly出力低下(ビーム軌道変動によるアボート) |
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2. 利用関係(JASRI利用推進部 集計)
(1)放射光利用実験期間 | |
第2サイクル(5/9(月)~7/8(金)) | |
第3サイクル(7/14(木)~8/2(火)) | |
(2)ビームライン利用状況 | |
稼働ビームライン | |
共用ビームライン | 26本 |
専用ビームライン | 16本 |
理研ビームライン | 13本 |
第2サイクル(暫定値) | |
共同利用研究実験数 | 722件 |
共同利用研究者数 | 2,927名 |
専用施設利用研究実験数 | 480件 |
専用施設利用研究者数 | 1,405名 |
第3サイクル(暫定値) | |
共同利用研究実験数 | 238件 |
共同利用研究者数 | 957名 |
専用施設利用研究実験数 | 177件 |
専用施設利用研究者数 | 498名 |
◎2022年8~10月の運転実績(停止期間)
SPring-8は8月4日から10月1日まで夏期点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業を行った。
8月6日は施設内全域の計画停電を行い、電気設備の点検整備を行った。
(夏期点検調整期間中の主な作業(実績))
(1)入射器関係(XSBT等)
・XSBTスクリーンモニター動作確認及びメンテナンス
・その他作業及び定期点検等
(2)蓄積リング関係
・RFエージング
・運転前連続通電作業(9/27~)
・電磁石、電磁石電源等定期点検
・SR四極電源QP4不具合調査
・真空系作業及び点検(保守、メンテナンス等)
・真空制御系ケーブル補修(セル1~35、43)
・SIP高圧ケーブル交換作業(セル43~48)
・機器保護インターロック自主検査
・クライストロン電源定期点検(A、B-st)、高電圧試験
・クライストロン定期点検等
・クライストロン電源及び制御改造(C、D-st)
・モニター系定期点検、動作確認試験
・ID rf-BPMインターロック機器定期検査
・データベース及びネットワーク関連作業
・MTCA.4メンテナンス
・中央制御室運転端末更新(一部)
・加速器安全インターロックメンテナンス
・入退管理システムメンテナンス
・BLインターロック自主検査
・BLインターロックハードウェアメンテナンス
・BLインターロックソフトウェアメンテンナス
・ID関連作業/ID07及び17撤去及び更新
・BL48IN/FE整備作業(壁貫通管設置等)
・FE作業及び冷却系/圧空系保守作業
・FE定期検査(運転前・MBS検査、駆動系検査)
・共用実験/制御ネットワーク関連作業
・BL改造工事(BL05XU、BL08W、BL09XU、BL13XU、BL28B2、BL46XU他)
・BL関連作業(実験分電盤増設、ハッチ作業等)
・光学系・輸送チャンネル関係作業
・DCM・LN2循環装置定期メンテナンス等
・その他作業及び定期点検等
(3)ユーティリティ関係
・電気設備保守点検及び整備作業
・冷却水設備保守定期点検及び整備作業
・空調用設備保守点検及び整備作業
・天井クレーン月次・年次点検作業
・消防設備等点検(防排煙、放送設備等)
(4)安全管理関係
・運転停止後の残留サーベイ
・安全インターロック自主検査(定期検査)
・特例区域設置
・放射線監視設備定期点検
・放射線モニタ更新工事
(5)その他
・給水施設棟上水配管補修(上水断水作業)
・空調機等間引き運転(長期停止期間節電対策)
・施設建屋、外構関連小工事等
◎2022年10~12月の運転予定
SPring-8は10月2日から12月16日までセベラルバンチ運転で第4サイクルの運転を予定している。
第4サイクルの運転実績については次号にて掲載する。
◎今後の予定
12月17日から1月12日まで冬期点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業を行う予定である。
第5サイクルの運転開始は1月13日からを予定している。
(*1)down timeの割合に④フィリング変更時間は含まない。