Volume 27, No.2 Pages 144 - 145
4. SPring-8/SACLA通信/SPring-8/SACLA COMMUNICATIONS
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational Status
◎2022年1~2月の運転実績
SPring-8は1月14日から2月13日までセベラルバンチ運転で第5サイクルの運転を実施した。第5サイクルではSR RF_Dst. Cav反射異常のインターロック(RFダウン)によるビームアボートがあったが、全体としては順調な運転であった。総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は、第5サイクルは約0.1%であった。
1. 装置運転関係
(1)運転期間 | |
第5サイクル(1/14(金)~2/13(日)) | |
(2)運転時間の内訳 | |
第5サイクル | |
運転時間総計 | 約721時間 |
①装置の調整およびマシンスタディ等 | 約121時間 |
②放射光利用運転時間 | 約599時間 |
③故障等によるdown time | 約0.5時間 |
④フィリング変更時間 | 約0.5時間 |
総放射光利用運転時間(ユーザータイム = ② + ③ + ④)に対するdown timeの割合(*1) |
約0.1% |
(3)運転スペック等 | |
第5サイクル(セベラルバンチ運転) | |
・11 bunch train × 29(C) | |
・406 × 11/29-bunches + 1 bunch(H) | |
・203 bunches(A) | |
・入射は電流値優先モード(2~3分毎(マルチバンチ時)もしくは20~40秒毎(セベラルバンチ時))のSACLA入射、Top-Upモードで実施。 |
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・蓄積電流 8 GeV、~100 mA | |
(4)主なdown timeの原因 | |
・SR RF_Dst. Cav反射異常によるアボート(MTCAの不具合) |
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2. 利用関係(JASRI利用推進部 集計)
(1)放射光利用実験期間 | |
第5サイクル(1/17(月)~2/12(土)) | |
(2)ビームライン利用状況 | |
稼働ビームライン | |
共用ビームライン | 26本 |
専用ビームライン | 17本 |
理研ビームライン | 14本 |
第5サイクル(暫定値) | |
共同利用研究実験数 | 326件 |
共同利用研究者数 | 1,222名 |
専用施設利用研究実験数 | 236件 |
専用施設利用研究者数 | 609名 |
◎2022年2~3月の運転実績(停止期間)
SPring-8は2月14日から4月5日まで年度末点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業を行った。
(年度末点検調整期間中の主な作業(計画))
(1)入射器関係(XSBT/SSBT)
・XSBTスクリーンモニター点検、動作確認
・XSBTビーム電荷モニター回路モジュール交換
・SR四極電磁石絶縁改良
・SSBT偏向電磁石ホース交換
・XSBT系電磁石用冷却水配管の漏水修理
(2)蓄積リング関係
・運転前連続通電作業(4/1~)
・電磁石、電磁石電源等定期点検
・C2補正キッカー電磁石撤去作業
・真空機器ILK自主検査
・CRAB交換作業/ベーキング(セル2、4、5)
・収納部内制御ケーブル補修作業(真空)
・カルマン渦式流量計設置作業(真空)
・SIP高圧ケーブル交換(セル35~41)
・真空系作業及び点検(保守、メンテナンス等)
・マスターオシレータ入替
・RFコンディショニング運転(4/1)
・SRモニター機器のトリガータイミング系更新
・MTCA.4 BPM信号処理回路装置の較正作業
・モニター系作業及び点検作業
・データベース関連作業
・機器保護インターロック改造
・機器制御関連作業
・BL制御ネットワーク用光ファイバ敷設
・入退管理システム関連作業
・BLインターロック劣化対策及び検査
・ID定期メンテナンス及びID測量
・真空内冷却水管交換(ID29、46)
・BL48XU_FE整備
・FE関連作業(定期検査、保守作業)
・FE運転前検査(全周)及び駆動系検査
・BLインターロック検査(後期)
・BL再編工事関係(BL05、13、15、28B2、46、47)
・光学系・輸送チャンネル関係作業
・その他作業及び定期点検等
(3)ユーティリティ関係
・電気設備保守点検及び整備作業
・冷却水設備保守定期点検及び整備作業
・空調用設備保守点検及び整備作業
・天井クレーン月次点検作業
(4)安全管理関係
・運転停止後の残留サーベイ
・特例区域設置(2/14~3/25)
・放射線監視設備更新工事
・SPring-8/XSBT_ILK自主検査(後期)
(5)その他
・実験動物維持施設パッケージエアコン更新
・LED化更新(外灯、中央管理棟、中尺ビームライン実験施設の一部)
・空調機等間引き運転(長期停止期間節電対策)
・消防設備等(放送、自動火災報知)更新
・実験ホール及び収納部内クレーン修理
・施設建屋関連及び構内道路小工事等
◎2022年4~5月の運転予定
(1)SPring-8は4月6日から4月28日までセベラルバンチ運転で第1サイクルの運転を予定している。
(2)4月29日から5月7日まで春の点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業等を予定している。
(3)春の停止期間後の運転再開は5月8日からの予定で7月8日まで第2サイクルの運転を予定している。第1~2サイクルの運転実績については次号にて掲載する。
◎2022年度SPring-8運転計画
SPring-8では2022年度の運転計画を以下のように計画している。
(1)運転計画予定表
SPring-8のWWWにて公開している。
(2)運転計画の内訳
①運転時間(統計/加速器の運転時間)
約5,184時間の運転を予定している。
②運転時間(総放射光利用運転時間)
約4,440時間の運転を予定している。
③サイクル数
合計5サイクルの運転を予定している。
(*1)down timeの割合に④フィリング変更時間は含まない。