Volume 27, No.1 Pages 40 - 41
4. SPring-8/SACLA通信/SPring-8/SACLA COMMUNICATIONS
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational Status
◎2021年9~12月の運転実績
SPring-8は9月24日から12月14日までセベラルバンチ運転で第4サイクルの運転を実施した。第4サイクルでは六極電磁石電源Fan Stopによる電源OFF(ビーム軌道変動による)ビームアボート等があったが、全体としては順調な運転であった。総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は、第4サイクルは約0.4%であった。
1. 装置運転関係
(1)運転期間 | |
第4サイクル(9/24(金)~12/14(火)) | |
(2)運転時間の内訳 | |
第4サイクル | |
運転時間総計 | 約1,945時間 |
①装置の調整およびマシンスタディ等 | 約265時間 |
②放射光利用運転時間 | 約1,673時間 |
③故障等によるdown time | 約6時間 |
④フィリング変更時間 | 約1時間 |
総放射光利用運転時間(ユーザータイム = ② + ③ + ④)に対するdown timeの割合(*1) |
約0.4% |
(3)運転スペック等 | |
第4サイクル(セベラルバンチ運転) | |
・11 bunch train × 29(C) | |
・406 × 11/29-bunches + 1 bunch(H) | |
・203 bunches(A) | |
・203 bunches(A) | |
・1/14 filling + 12 bunches(F) | |
・11 bunch train × 29(C) | |
・11 bunch train × 29(C) | |
・203 bunches(A) | |
・4 bunch train × 84(B) | |
・入射は電流値優先モード(2~3分毎(マルチバンチ時)もしくは20~40秒毎(セベラルバンチ時))のSACLA入射、Top-Upモードで実施。 |
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・蓄積電流 8 GeV、~100 mA | |
(4)主なdown timeの原因 | |
・六極電磁石電源Fan Stopによる電源OFF(ビーム軌道変動によるアボート) |
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・BL10XU/FCS作動によるアボート |
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・SR RF Ast.Kly真空異常のインターロックによるアボート |
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2. 利用関係(JASRI利用推進部 集計)
(1)放射光利用実験期間 | |
第4サイクル(9/29(水)~12/13(月)) | |
(2)ビームライン利用状況 | |
稼働ビームライン | |
共用ビームライン | 26本 |
専用ビームライン | 16本 |
理研ビームライン | 14本 |
第4サイクル(暫定値) | |
共同利用研究実験数 | 909件 |
共同利用研究者数 | 3,869名 |
専用施設利用研究実験数 | 659件 |
専用施設利用研究者数 | 1,694名 |
◎2021年12月~2022年1月の運転実績(停止期間)
SPring-8は12月15日から1月13日まで冬期点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業を行った。
(冬期点検調整期間中の主な作業(計画))
(1)蓄積リング関係
・運転前連続通電作業(1/11~)
・電磁石、電磁石電源等定期点検
・SR四極電磁石絶縁改良、SSBT偏向電磁石ホース交換
・QLP・SLPリップル測定、QP電源対地間抵抗測定
・地盤微小振動測定装置デジボル交換
・真空系作業及び点検(保守、メンテナンス等)
・CRAB交換作業/ベーキング、NEG活性化(セル9)
・PDAB1大気開放作業(セル48)
・中継端子盤内ケーブル補修作業(セル45)
・マスターオシレータE8257D交換
・Ast.クライストロンイオンポンプ調査
・RFテストスタンド大電力運転
・モニター系定期点検及び保守、動作確認試験
・トリガータイミング系更新
・508 MHz配信用位相調整機器変更
・タイミング伝送用光ファイバー融着部分補修
・バンチ純化装置用信号処理回路ファームアップデート、パワー出力試験
・ネットワーク及びデータベース関連作業
・SRモニター系温湿度データ収集移行・集約
・BL制御ソフトウェアバージョンアップ
・BLインターロックシステム高度化
・ID関連作業/IDチラー交換
・FE作業及び冷却系/圧空系保守作業
・FE_BL48XU整備作業
・BL関連作業(BL13XU、47XU再編工事)
・光学系・輸送チャンネル関係作業
・その他作業及び定期点検等
(2)ユーティリティ関係
・電気設備保守点検及び整備作業
・冷却水設備保守定期点検及び整備作業
・空調用設備保守点検及び整備作業
・天井クレーン月次点検作業
・消防用設備等点検整備作業(放送設備等)
(3)安全管理関係
・運転停止後の残留サーベイ
・特例区域設置(12/15~1/13)
・放射線監視設備定期点検
・放射線モニタ更新工事
(4)その他
・構造生物学研究棟及び動力棟受変電設備更新工事(停電作業)
・給水施設棟上水工水ポンプ更新(上水工水断水作業)
・空調機等間引き運転(長期停止期間節電対策)
・施設建屋関連小工事等
◎2022年1~2月の運転予定
SPring-8は1月14日から2月13日までセベラルバンチ運転で第5サイクルの運転を予定している。
2月14日から4月5日まで年度末点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業を行う予定である。
第5サイクルの運転実績については次号にて掲載する。
◎2021年度運転計画の変更について
2021年度(第5サイクル)の運転について、当初計画においては、2月7日(月)10時/ユーザータイム終了、2月8日(火)蓄積リング運転停止と計画していたが、2月12日(土)10時/ユーザータイム終了、2月13日(日)蓄積リング運転停止と変更する。(ユーザータイム:15シフト延長)
変更理由としては、次期2022A期の加速器立上げを3月27日(日)から4月6日(水)とすることによる変更となる。
2022A期のSPring-8運転スケジュールはSPring-8のWWWにて公開している。
(*1)down timeの割合に④フィリング変更時間は含まない。