Volume 26, No.2 Pages 208 - 209
4. SPring-8/SACLA通信/SPring-8/SACLA COMMUNICATIONS
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational Status
◎2021年1~2月の運転実績
SPring-8は1月17日から2月20日までセベラルバンチ運転で第5サイクルの運転を実施した。第5サイクルではフィリング変更時にID11メインエンコーダーの不調及びSR RF_Astのチューナー動作不良による停止時間(down time)があったが、全体としては順調な運転であった。総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間は、第5サイクルは約0.1%であった。
1. 装置運転関係
(1)運転期間 | |
第5サイクル(1/17(日)~2/20(土)) | |
(2)運転時間の内訳 | |
第5サイクル | |
運転時間総計 | 約816時間 |
①装置の調整およびマシンスタディ等 | 約120時間 |
②放射光利用運転時間 | 約694時間 |
③故障等によるdown time | 約1時間 |
④フィリング変更時間 | 約1時間 |
総放射光利用運転時間(ユーザータイム = ② + ③ + ④)に対するdown timeの割合(*1) |
約0.1% |
(3)運転スペック等 | |
第5サイクル(セベラルバンチ運転) | |
・11 bunch train × 29(C) | |
・203 bunches(A) | |
・203 bunches(A) | |
・11/29 filling + 1 bunch(H) | |
・203 bunches(A) | |
・入射は電流値優先モード(2~3分毎(マルチバンチ時)もしくは20~40秒毎(セベラルバンチ時))のSACLA入射、Top-Upモードで実施。 |
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・蓄積電流 8 GeV、~100 mA | |
(4)主なdown timeの原因 | |
・ID11メインエンコーダーの不調 | |
・SR RF_Astチューナーの動作不良 | |
2. 利用関係(JASRI利用推進部 集計)
(1)放射光利用実験期間 | |
第5サイクル(1/20(水)~2/19(金)) | |
(2)ビームライン利用状況 | |
稼働ビームライン | |
共用ビームライン | 26本 |
専用ビームライン | 17本 |
理研ビームライン | 13本 |
第5サイクル(暫定値) | |
共同利用研究実験数 | 341件 |
共同利用研究者数 | 1,227名 |
専用施設利用研究実験数 | 175件 |
専用施設利用研究者数 | 636名 |
◎2021年2~3月の運転実績(停止期間)
SPring-8は2月21日から3月30日まで年度末点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業を行った。
(年度末点検調整期間中の主な作業(計画))
(1)入射器関係(Li、Sy、XSBT等)
・XSBT真空制御保守作業
・SSBT2偏向電源IPM更新
・SSBTステアリング電磁石磁気シールド設置作業
・SSBTマシン冷却設備配管改修工事
(2)蓄積リング関係
・RFエージング
・運転前連続通電作業
・電磁石、電磁石電源等定期点検
・電磁石絶縁ホース交換
・真空系及び冷却水関連作業、調整
・大気開放作業及びNEG活性化(真空)
・タイミング用光ファイバー敷設(RF)
・SPBPM撤去及び新19インチラック設置
・バンチ純化装置用パワーアンプ入替
・MTCA.4 BPM回路設置
・MTCA.4トリガモジュール、レベル変換器等設置
・モニタ関連定期点検、動作確認
・MADOCA2データベース更新
・ID作業及びメンテナンス、ID25関連作業
・FE作業及び冷却系/圧空系保守、駆動系検査
・BL改造工事(BL09XU、BL20B2、BL35XU)
・BLインターロック工事、システム高度化、検査
・BL_ILK自主検査(後期)
(3)ユーティリティ関係
・電気設備保守点検及び整備作業
・冷却水設備保守定期点検及び整備作業
・空調用設備保守点検及び整備作業
(4)安全管理関係
・放射線監視設備定期点検
・特例区域設置
・放射線モニタ更新工事
・SPring-8/XSBT_ILK自主検査(後期)
・その他作業及び点検
(5)その他
・蓄積リング棟他LED化更新(実験ホール)
・マシン実験棟 受変電設備更新工事
・Sy棟受変電設備高圧主幹ケーブル更新工事
◎2021年3~5月の運転予定
(1)SPring-8は3月31日から4月28日までセベラルバンチ運転で第1サイクルの運転を予定している。
(2)4月29日から5月8日までは春の点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業等を予定している。
(3)春の停止期間後の運転再開は5月9日からの予定で7月9日まで第2サイクルの運転を予定している。第1~2サイクルの運転実績については次号にて掲載する。
◎2021年度SPring-8運転計画
SPring-8では2021年度の運転を以下のように計画している。
(1)運転計画予定表
SPring-8のWWWにて公開している。
(2)運転計画の内訳
①運転時間(総計/加速器の運転時間)
約5,184時間の運転を予定している。
②運転時間(総放射光利用運転時間)
4,320時間の運転を予定している。
③サイクル数
合計5サイクルの運転を予定している。
④2021年度はSACLAから蓄積リングへの入射となる。
(*1)down timeの割合に④フィリング変更時間は含まない。