Volume 25, No.4 Pages 306 - 307
3. SPring-8/SACLA通信/SPring-8/SACLA COMMUNICATIONS
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational Status
◎2020年5~7月の運転実績
SPring-8は5月11日から7月10日までセベラルバンチ運転で第2サイクルの運転(*1)を行い、7月13日から7月27日までセベラルバンチ運転で第3サイクルの運転を実施した。
第2~3サイクルではビームライン安全インターロック発報によるビームアボート等があったが、全体としては順調な運転であった。総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は、第2サイクルは約0.1%、第3サイクルは約1.3%であった。
1. 装置運転関係
(1)運転期間 | |
第2サイクル(5/11(月)~7/10(金))(*2) | |
第3サイクル(7/13(月)~7/27(月)) | |
(2)運転時間の内訳 | |
第2サイクル | |
運転時間総計 | 約1,442時間 |
①装置の調整およびマシンスタディ等 | 約266時間 |
②放射光利用運転時間 | 約1,174時間 |
③故障等によるdown time | 約1時間 |
④フィリング変更時間 | 約1時間 |
総放射光利用運転時間(ユーザータイム = ② + ③ + ④)に対するdown timeの割合(*3) |
約0.1% |
第3サイクル | |
運転時間総計 | 約337時間 |
①装置の調整およびマシンスタディ等 | 約97時間 |
②放射光利用運転時間 | 約237時間 |
③故障等によるdown time | 約3時間 |
④フィリング変更時間 | 0時間 |
総放射光利用運転時間(ユーザータイム = ② + ③ + ④)に対するdown timeの割合(*3) |
約1.3% |
(3)運転スペック等 | |
第2サイクル(セベラルバンチ運転) | |
・1/7 filling + 5 bunches(D) | |
・203 bunches(A) | |
・11 bunch train × 29(C) | |
・1/7 filling + 5 bunches(D) | |
・11/29 filling + 1 bunch(H) | |
・203 bunches(A) | |
第3サイクル(セベラルバンチ運転) | |
・203 bunches(A) | |
・入射は電流値優先モード(2~3分毎(マルチバンチ時)もしくは20~40秒毎(セベラルバンチ時))のTop-Upモードで実施。 |
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・蓄積電流 8 GeV、~100 mA | |
(4)主なdown timeの原因 | |
・ビームライン安全インターロックによるアボート | |
2. 利用関係(JASRI利用推進部 集計)
(1)放射光利用実験期間 | |
第2サイクル(5/12(火)~7/10(金)) | |
第3サイクル(7/16(木)~7/26(日)) | |
(2)ビームライン利用状況 | |
稼働ビームライン | |
共用ビームライン | 26本 |
専用ビームライン | 18本 |
理研ビームライン | 13本 |
第2サイクル(暫定値) | |
共同利用研究実験数 | 186件 |
共同利用研究者数 | 644名 |
専用施設利用研究実験数 | 171件 |
専用施設利用研究者数 | 509名 |
第3サイクル(暫定値) | |
共同利用研究実験数 | 130件 |
共同利用研究者数 | 487名 |
専用施設利用研究実験数 | 84件 |
専用施設利用研究者数 | 290名 |
◎2020年8~9月の運転実績(停止期間)
SPring-8は7月28日から9月24日まで夏期点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業を行った。
8月1日は施設内全域の計画停電を行い、電気設備の点検整備を行った。
(夏期点検調整期間中の主な作業)
(1)線型加速器関係
・RFエージング
・モジュレータ定期点検
・その他作業及び定期点検
(2)シンクロトロン関係
・RFエージング
・SSBT関連作業
・その他作業及び定期点検
(3)蓄積リング関係
・RFエージング
・電磁石、電磁石電源等定期点検
・電磁石系冷却水流量確認、運転前連続通電等
・真空系作業及び点検
・低電力RF系更新、クライストロン定期点検
・509 MHzダミーロード、サーキュレータ試験準備
・ID rf-BPMインターロック機器定期検査
・モニター定期点検、ソフトウェア改修
・ID/FE作業及び点検、ID25関連作業
・制御系ネットワーク更新及びメンテナンス
・加速器安全インターロック改修及びメンテナンス
・BLインターロック自主検査
・BL制御系更新、BLインターロック劣化対策
・BLソフトウェア高度化
(4)ユーティリティ関係
・電気設備保守点検等
・冷却水設備保守定期点検、整備、改修等
・空調用設備保守点検、整備等
・消防設備等点検等
(5)安全管理関係
・安全インターロック自主点検(定期検査)
・放射線監視設備定期点検
・特例区域設置
・放射線モニタ更新工事
(6)その他
・蓄積リング棟実験ホールLED化更新
(夏期点検調整期間及び冬期、年度末停止期間)
・組立調整実験棟受変電設備改修
◎今後の予定
12月16日から1月16日まで冬期点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業を行う予定である。
第5サイクルの運転開始は1月17日からを予定している。
(*1)2020年5月12日からの利用運転は、COVID-19関連の研究に限り実施。
6月16日からの利用運転より、国内ユーザーの利用再開(5都道県を除く)、6月19日からは5都道県を含む国内ユーザーの利用が再開されている。
(*2)第2サイクルは5月7日から運転開始予定であったが、5月11日からに変更している。
運転計画の変更に伴い減となった利用運転時間については、2020年度後期(2月末)に補填することを計画している。
詳細は決まり次第、SPring-8のWWWにて連絡する。
(*3)down timeの割合に④フィリング変更時間は含まない。