Volume 25, No.2 Pages 172 - 173
4. SPring-8/SACLA通信/SPring-8/SACLA COMMUNICATIONS
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational Status
◎2020年1~2月の運転実績
SPring-8は1月17日から2月22日までセベラルバンチ運転で第7サイクルの運転を実施した。第7サイクルではSR_C L1系冷却水(真空機器、電磁石等冷却水)流量低下によるビームアボート等があったが、全体としては順調な運転であった。総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は、第7サイクルは約1.3%であった。
1. 装置運転関係
(1)運転期間 | |
第7サイクル(1/17(金)~2/22(土)) | |
(2)運転時間の内訳 | |
第7サイクル | |
運転時間総計 | 約865時間 |
①装置の調整およびマシンスタディ等 | 約97時間 |
②放射光利用運転時間 | 約757時間 |
③故障等によるdown time | 約10時間 |
④フィリング変更時間 | 約1時間 |
総放射光利用運転時間(ユーザータイム = ② + ③ + ④)に対するdown timeの割合(*1) |
約1.3% |
(3)運転スペック等 | |
第7サイクル(セベラルバンチ運転) | |
・1/14 filling + 12 bunches (F) | |
・203 bunches (A) | |
・11/29 filling + 1 bunch (H) | |
・203 bunches (A) | |
・入射は電流値優先モード(2~3分毎(マルチバンチ時)もしくは20~40秒毎(セベラルバンチ時))のTop-Upモードで実施。 |
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・蓄積電流 8 GeV、~100 mA | |
(4)主なdown timeの原因 | |
・SR_C L1系冷却水流量低下によるアボート | |
2. 利用関係(JASRI利用推進部 集計)
(1)放射光利用実験期間 | |
第7サイクル(1/19(日)~2/21(金)) | |
(2)ビームライン利用状況 | |
稼働ビームライン | |
共用ビームライン | 26本 |
専用ビームライン | 19本 |
理研ビームライン | 12本 |
第7サイクル(暫定値) | |
共同利用研究実験数 | 401件 |
共同利用研究者数 | 1,745名 |
専用施設利用研究実験数 | 291件 |
専用施設利用研究者数 | 1,022名 |
◎2020年2~3月の運転実績(停止期間)
SPring-8は2月23日から3月26日まで年度末点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業を行った。
(年度末点検調整期間中の主な作業(計画))
(1)線型加速器関係
・MOD定期点検
・Li-RFエージング
・冷却水流量調整
・その他作業及び定期点検
(2)シンクロトロン関係
・Sy-Pulse定期点検
・SSBT-BP定期点検
・Sy-RFエージング
・その他作業及び定期点検
(3)蓄積リング関係
・RFエージング
・電磁石、電磁石電源等定期点検及び測定、修理
・SR四極及び六極電磁石冷却水ホース交換
・SR-QA電源基盤内寿命部品調査測定
・真空系作業及び冷却水調整
・制御盤UPSバッテリ、SIP高圧ケーブル交換
・低電力RF系機器の組替
・クライストロン電源保守作業
・モニター、タイミングケーブル更新
・各種信号登録及び動作確認試験
・ID/FE作業及び点検、FE改造(BL05XU)
・ネットワークスイッチ更新、光ファイバー敷設
・BL05XU改造工事(各種検査)
・BL制御系更新
・BLインターロック工事及び検査
・BL_ILK 自主検査(後期)
(4)ユーティリティ関係
・電気設備保守点検
・冷却水設備保守定期点検
・空調用設備保守点検
・消防設備等点検
(5)安全管理関係
・放射線監視設備定期点検
・特例区域設置
・SPring-8/XSBT_ILK自主検査(後期)
・その他作業及び点検
(6)その他
・特別高圧第2変電所関連改修工事
・蓄積リング棟屋根及び外壁塗装改修工事(III 期)
・蓄積リング棟付属施設(W棟)外壁塗装改修工事
・実験動物維持施設外壁塗装改修工事
・高圧分岐盤更新工事(A及びBブロック)
◎2020年3~5月の運転予定
(1)SPring-8は3月27日から4月27日までセベラルバンチ運転で第1サイクルの運転を予定している。
(2)4月28日から5月6日までは春の点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業等を予定している。
(3)春の停止期間後の運転再開は5月7日からの予定で7月10日まで第2サイクルの運転を予定している。第1~2サイクルの運転実績については次号にて掲載する。
◎2020年度SPring-8運転計画
SPring-8では2020年度の運転を以下のように計画している。
(1)運転計画予定表
SPring-8のWWWにて公開している。
(2)運転計画の内訳
①運転時間(総計/加速器の運転時間)
約5,184時間の運転を予定している。
②運転時間(総放射光利用運転時間)
4,464時間の運転を予定している。
③サイクル数
合計5サイクルの運転を予定している。
④特記事項
2020年度はSACLAから蓄積リングへの入射可能期間を設定している。
(*1)down timeの割合に④フィリング変更時間は含まない。