Volume 25, No.1 Pages 40 - 41
4. SPring-8/SACLA通信/SPring-8/SACLA COMMUNICATIONS
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational Status
◎2019年9~12月の運転実績
SPring-8は9月25日から11月8日までセベラルバンチ運転で第5サイクルの運転を行い、11月11日から12月13日までセベラルバンチ運転で第6サイクルの運転を実施した。第5~6サイクルでは真空インターロック発報によるビームアボート等があったが、全体としては順調な運転であった。総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は、第5サイクルは約0.5%、第6サイクルは約0.4%であった。
1. 装置運転関係
(1)運転期間 | |
第5サイクル(9/25(水)~11/8(金)) | |
第6サイクル(11/11(月)~12/13(金)) | |
(2)運転時間の内訳 | |
第5サイクル | |
運転時間総計 | 約1,056時間 |
①装置の調整およびマシンスタディ等 | 約168時間 |
②放射光利用運転時間 | 約883時間 |
③故障等によるdown time | 約4時間 |
④フィリング変更時間 | 約1時間 |
総放射光利用運転時間(ユーザータイム = ② + ③ + ④)に対するdown timeの割合(*1) |
約0.5% |
第6サイクル | |
運転時間総計 | 約768時間 |
①装置の調整およびマシンスタディ等 | 約72時間 |
②放射光利用運転時間 | 約693時間 |
③故障等によるdown time | 約3時間 |
④フィリング変更時間 | 約1時間 |
総放射光利用運転時間(ユーザータイム = ② + ③ + ④)に対するdown timeの割合(*1) |
約0.4% |
(3)運転スペック等 | |
第5サイクル(セベラルバンチ運転) | |
・11/29 filling + 1 bunch (H) | |
・203 bunches (A) | |
・11 bunch train × 29 (C) | |
・1/14 filling + 12 bunches (F) | |
第6サイクル(セベラルバンチ運転) | |
・4/58 filling + 53 bunches (G) | |
・203 bunches (A) | |
・11/29 filling + 1 bunch (H) | |
・11 bunch train × 29 (C) | |
・入射は電流値優先モード(2~3分毎(マルチバンチ時)もしくは20~40秒毎(セベラルバンチ時))のTop-Upモードで実施。 |
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・蓄積電流 8 GeV、~100 mA | |
(4)主なdown timeの原因 | |
・冷却水温度測定用熱電対断線による真空インターロックの発報 | |
・BL32XU安全インターロックによるアボート | |
2. 利用関係(JASRI利用推進部 集計)
(1)放射光利用実験期間 | |
第5サイクル(9/30(月)~11/8(金)) | |
第6サイクル(11/12(火)~12/12(木)) | |
(2)ビームライン利用状況 | |
稼働ビームライン | |
共用ビームライン | 26本 |
専用ビームライン | 19本 |
理研ビームライン | 12本 |
第5サイクル(暫定値) | |
共同利用研究実験数 | 455件 |
共同利用研究者数 | 2,017名 |
専用施設利用研究実験数 | 296件 |
専用施設利用研究者数 | 1,144名 |
第6サイクル(暫定値) | |
共同利用研究実験数 | 363件 |
共同利用研究者数 | 1,616名 |
専用施設利用研究実験数 | 246件 |
専用施設利用研究者数 | 936名 |
◎2019年12月~2020年1月の運転実績(停止期間)
SPring-8は12月14日から1月16日まで冬期点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業を行った。
(冬期点検調整期間中の主な作業(計画))
(1)線型加速器関係
・Gun1モジュレータ コンデンサ調査
・H0、M18モジュレータ モニター調査調整
・M18ステアリング電源交換
・冷却水流量調整
・その他作業及び定期点検
(2)シンクロトロン関係
・Sy出射キッカーチェンバーの真空計フィラメント調査
・その他作業及び定期点検
(3)蓄積リング関係
・RFエージング
・電磁石、電磁石電源等定期点検
・四極電磁石電源QP6不具合原因調査
・XSBT偏向電磁石電源IPM更新
・電磁石冷却水ホース交換
・真空系作業及び冷却水調整
・LLRF(Micro TCA)制御ファームウェア更新
・モニター、タイミングケーブル更新
・入射損失電荷積算計入替
・ID/FE作業及び点検、FE改造(BL05XU)
・制御系計算機更新、データベース更新
・BL05XU改造工事
・BL制御系更新
・BLインターロック(ソフトウェア高度化)、検査
(4)ユーティリティ関係
・電気設備保守点検
・冷却水設備保守定期点検
・空調用設備保守点検
・消防設備等点検
(5)安全管理関係
・放射線監視設備定期点検
・特例区域設置
・その他作業及び点検
(6)その他
・蓄積リング棟他LED化更新工事(クライストロン室、RF電源室等)
・特別高圧第2変電所関連改修工事
・蓄積リング棟屋根及び外壁塗装改修工事(III期)
・蓄積リング棟付属施設(W棟)外壁塗装改修工事
・実験動物維持施設外壁塗装改修工事
◎2020年1~2月の運転予定
SPring-8は1月17日から2月22日までセベラルバンチ運転で第7サイクルの運転を予定している。
2月23日から3月26日まで年度末点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業を行う予定である。
第7サイクルの運転実績については次号にて掲載する。
(*1)down timeの割合に④フィリング変更時間は含まない。