Volume 24, No.4 Pages 434 - 435
4. SPring-8/SACLA通信/SPring-8/SACLA COMMUNICATIONS
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational Status
◎2019年6~7月の運転実績
SPring-8は6月3日から7月5日までセベラルバンチ運転で第3サイクルの運転を行い、7月8日から7月31日までセベラルバンチ運転で第4サイクルの運転を実施した。第3~4サイクルでは瞬時電圧低下によるビームアボート等があったが、全体としては順調な運転であった。総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は、第3サイクルは約0.5%、第4サイクルは約0.4%であった。
1. 装置運転関係
(1)運転期間 | |
第3サイクル(6/3(月)~7/5(金)) | |
第4サイクル(7/8(月)~7/31(水)) | |
(2)運転時間の内訳 | |
第3サイクル | |
運転時間総計 | 約770時間 |
①装置の調整およびマシンスタディ等 | 約50時間 |
②放射光利用運転時間 | 約714時間 |
③故障等によるdown time | 約4時間 |
④フィリング変更時間 | 約2時間 |
総放射光利用運転時間(ユーザータイム = ② + ③ + ④)に対するdown timeの割合(*1) |
約0.5% |
第4サイクル | |
運転時間総計 | 約552時間 |
①装置の調整およびマシンスタディ等 | 約96時間 |
②放射光利用運転時間 | 約454時間 |
③故障等によるdown time | 約2時間 |
④フィリング変更時間 | 約1時間 |
総放射光利用運転時間(ユーザータイム = ② + ③ + ④)に対するdown timeの割合(*1) |
約0.4% |
(3)運転スペック等 | |
第3サイクル(セベラルバンチ運転) | |
・11 bunch train × 29(C) | |
・11/29-filling + 1 bunch(H) | |
・2/29-filling + 26 bunches(E) | |
・4 bunch train × 84(B) | |
・203 bunches(A) | |
第4サイクル(セベラルバンチ運転) | |
・203 bunches(A) | |
・11/29-filling + 1 bunch(H) | |
・入射は電流値優先モード(2~3分毎(マルチバンチ時)もしくは20~40秒毎(セベラルバンチ時))のTop-Upモードで実施。 |
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・蓄積電流 8 GeV、~100 mA | |
(4)主なdown timeの原因 | |
・瞬時電圧低下によるビームアボート | |
・SR四極電磁石補助電源過電流によるアボート | |
2. 利用関係(JASRI利用推進部 集計)
(1)放射光利用実験期間 | |
第3サイクル(6/4(火)~7/5(金)) | |
第4サイクル(7/11(木)~7/30(火)) | |
(2)ビームライン利用状況 | |
稼働ビームライン | |
共用ビームライン | 26本 |
専用ビームライン | 19本 |
理研ビームライン | 12本 |
第3サイクル(暫定値) | |
共同利用研究実験数 | 340件 |
共同利用研究者数 | 1,548名 |
専用施設利用研究実験数 | 275件 |
専用施設利用研究者数 | 1,002名 |
第4サイクル(暫定値) | |
共同利用研究実験数 | 255件 |
共同利用研究者数 | 1,147名 |
専用施設利用研究実験数 | 222件 |
専用施設利用研究者数 | 754名 |
◎2019年8~9月の運転実績(停止期間)
SPring-8は8月1日から9月24日まで夏期点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業を行った。
8月3日は施設内全域の計画停電を行い、電気設備の点検整備を行った。
(夏期点検調整期間中の主な作業)
(1)線型加速器関係
・RFエージング
・入射系機器保護インターロック自主検査
・電子銃、クライストロン/モジュレータ電源点検
・瞬時電圧低下対策(UPS設置)
・カメラリンク伝送系フェライコア取付
・その他作業及び定期点検
(2)シンクロトロン関係
・RFエージング
・Syクライストロン/電磁石定期点検・保守
・SSBT偏向電源不具合調査
・その他作業及び定期点検
(3)蓄積リング関係
・RFエージング
・電磁石、電磁石電源等定期点検
・電磁石他劣化ケーブル更新
・真空系作業及び点検
・低電力RF系更新、クライストロン定期点検
・モニター、タイミングケーブル更新
・ID/FE作業及び点検
・制御系ネットワーク更新、計算機更新
・加速器安全インターロックメンテナンス
・加速器機器保護インターロック自主検査
・BLインターロック自主検査
・BL制御系更新、BLインターロック改造及び更新
(4)ユーティリティ関係
・電気設備保守点検
・冷却水設備保守定期点検、改造工事
・空調用設備保守点検
・消防設備等点検
・装置冷却水瞬時電圧低下対策
(5)安全管理関係
・安全系インターロック自主検査
・放射線監視設備定期点検
・特例区域設置
・その他作業及び点検
(6)その他
・蓄積リング棟LED化更新
(測定及び試料準備室、談話室/共通室他)
◎2019年9~12月の運転予定
SPring-8は9月25日から11月8日までセベラルバンチ運転で第5サイクルの運転を行い、停止期間をはさみ、11月11日から12月13日までセベラルバンチ運転で第6サイクルの運転を予定している。
第5~6サイクルの運転実績については次号にて掲載する。
◎今後の予定
12月14日から1月16日まで冬期点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業を行う予定である。第7サイクルの運転開始は1月17日からを予定している。
(*1)down timeの割合に④フィリング変更時間は含まない。