Volume 24, No.2 Pages 189 - 190
3. SPring-8/SACLA通信/SPring-8/SACLA COMMUNICATIONS
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational Status
◎2019年1~2月の運転実績
SPring-8は1月15日から2月14日までセベラルバンチ運転で第7サイクルの運転を実施した。第7サイクルではSR B L1系冷却水流量低下(長直線部四極電磁石入側冷却水ホース損傷及び冷却水漏れ)によるビームアボートがあったが、全体としては順調な運転であった。総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は、第7サイクルは約0.6%であった。
1. 装置運転関係
(1)運転期間 | |
第7サイクル(1/15(火)~2/14(木)) | |
(2)運転時間の内訳 | |
第7サイクル | |
運転時間総計 | 約721時間 |
①装置の調整およびマシンスタディ等 | 約97時間 |
②放射光利用運転時間 | 約620時間 |
③故障等によるdown time | 約4時間 |
④フィリング変更時間 | 約1時間 |
総放射光利用運転時間(ユーザータイム = ② + ③ + ④)に対するdown timeの割合(*1) |
約0.6% |
(3)運転スペック等 | |
第7サイクル(セベラルバンチ運転) | |
・11/29-filling + 1 bunch(H) | |
・203 bunches(A) | |
・1/14-filling + 12 bunches(F) | |
・入射は電流値優先モード(2~3分毎(マルチバンチ時)もしくは20~40秒毎(セベラルバンチ時))のTop-Upモードで実施。 |
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・蓄積電流 8 GeV、~100 mA | |
(4)主なdown timeの原因 | |
・SR B L1系冷却水流量低下によるアボート | |
2. 利用関係(JASRI利用推進部 集計)
(1)放射光利用実験期間 | |
第7サイクル(1/17(木)~2/13(水)) | |
(2)ビームライン利用状況 | |
稼働ビームライン | |
共用ビームライン | 26本 |
専用ビームライン | 19本 |
理研ビームライン | 12本 |
第7サイクル(暫定値) | |
共同利用研究実験数 | 352件 |
共同利用研究者数 | 1,469名 |
専用施設利用研究実験数 | 249件 |
専用施設利用研究者数 | 921名 |
◎2019年2~3月の運転実績(停止期間)
SPring-8は2月15日から3月26日まで年度末点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業を行った。
(年度末点検調整期間中の主な作業)
(1)線型加速器関係
・RFエージング
・クライストロン交換
・その他作業及び定期点検
(2)シンクロトロン関係
・RFエージング
・SSBT-BH4新規電源設置及び出力試験
・その他作業及び定期点検
(3)蓄積リング関係
・RFエージング
・既設電磁石改造・保守点検、真空系点検
・低電力RF系及びインターロック系更新、RF点検
・新規ID/FE改造・保守点検
・ネットワーク機器更新、光ファイバー敷設
・BL建設/改造(BL45XU)
・BL制御系更新、BLインターロック改造及び更新
・その他作業及び点検
(4)ユーティリティ関係
・電気設備保守点検
・冷却水設備保守定期点検
・空調用設備保守点検
・その他作業及び点検
(5)安全管理関係
・安全系インターロック自主検査
・放射線監視設備定期点検
・特例区域設置
・その他作業及び点検
(6)その他
・蓄積リング棟LED化更新
(蓄積リング棟外周廊下、収納部及び保守通路)
・蓄積リング棟実験ホール塗床改修
(夏期、冬期、年度末停止期間にて実施)
・蓄積リング棟C/Dブロック高圧分岐盤更新
・蓄積リング棟C/Dブロック屋根及び外壁塗装
・RI実験棟、マシン実験棟エアコン更新 他
◎2019年3~5月の運転予定
(1)SPring-8は3月27日から4月26日までセベラルバンチ運転で第1サイクルの運転を予定している。
(2)4月27日から5月7日までは春の点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業等を予定している。
(3)春の点検調整期間後の運転再開は5月8日からの予定で5月31日まで第2サイクルの運転を予定している。第1~2サイクルの運転実績については次号にて掲載する。
◎2019年度SPring-8運転計画
SPring-8では2019年度の運転を以下のように計画している。
(1)運転計画予定表
SPring-8のWWWにて公開している。
(2)運転計画の内訳
①運転時間(総計/加速器の運転時間)
約5,280時間の運転を予定している。
②運転時間(総放射光利用運転時間)
4,584時間の運転を予定している。
③サイクル数
合計7サイクルの運転を予定している。
④運転スペック等
各サイクルの詳細な運転スペック(バンチ運転、フィリング等)については、決定され次第、すみやかにSPring-8のWWW等で報告する。
(*1)down timeの割合に④フィリング変更時間は含まない。