Volume 21, No.4 Pages 376 - 377
3. SPring-8/SACLA通信/SPring-8/SACLA COMMUNICATIONS
2016A期におけるSPring-8/SACLAユーザー要望等について
SPring-8/SACLA User Requests in 2016A
SPring-8及びSACLAでは、各ビームタイム終了後に実験グループごとに「ビームタイム利用報告書」を提出いただいております。この報告書には、その実験の概要、次回の利用者へのアドバイスや施設に対する要望、提案等を記入いただいております。
2016A期における要望等の状況は下記のとおりです。これら要望等と、それに対する施設側の回答(内容により、必ずしも全てではありません)につきましては、User Informationで公開されています。
1. 2016A期 要望等全体概要
2016A期 | 実施 課題数 |
利用実験数 (報告書数) |
うち、要望等コメントがある*1報告書数 | ||
技術的要望等 | 食堂他要望等 | その他(お礼) | |||
SPring-8共用BL | 738 | 1,114 | 77 | 28 | 111 |
SACLA共用BL | 34 | 36 | 9 |
*1「なし」「None」等のコメントを除く。
<SPring-8共用BL技術的要望等(計77件)の研究分野/手法*2別内訳>
手法\分野 | 生命科学 | 医学応用 | 物質科学・ 材料科学 |
化学 | 地球・ 惑星科学 |
環境科学 | 産業利用 |
X線回折 | 21 | 9 | 6 | 4 | 4 | ||
X線散乱 | 1 | 3 | 5 | ||||
X線非弾性散乱 | 3 | ||||||
X線・軟X線吸収分光 | 3 | 2 | 2 | 3 | |||
光電子分光 | 4 | 3 | |||||
X線イメージング | 1 | 1 | 1 | ||||
特殊環境実験 | 1 |
*2課題申請時の利用者申告ベース。
2. 2016A期 要望等の内容(一部抜粋)
(1)技術的要望等
○ハイスループット解析(スクリーニング)する上で、高速データ収集可能な検出器(Pilatus)などが、今後は望ましい。
【生命科学/X線回折】
○核共鳴散乱時間スペクトル測定に不可欠な8素子APD検出器の素子が半数近く動作不良で、測定効率が落ちています。今後さらに多くの素子が劣化していく可能性がありますので、できましたら予備品の常備をお願いいたします。
【物質科学・材料科学/X線散乱】
○温度制御セルをビームラインにセットしたまま、薬剤溶液を注入・薬剤溶液の除去を行える環境設定を希望致します。具体的には、温度制御セルを設置する外箱の上部・温度制御セルの上部に穴があいており、シリンジ等により薬剤溶液を注入あるいは除去できる構造が好ましい。
【産業利用/X線散乱】
○今回行ったダイヤモンド位相子を用いた偏向依存HAXPES測定は電子構造研究に非常に有用なので、BL47XUやBL09XUなど利用できるビームラインが増えるとユーザーとしてはうれしいです。
【物質科学・材料科学/光電子分光】
○測定機器に関しては、万全に整備していただき、自動化も整備されて、人為的ミスが少ない測定環境が整備されているのは素晴らしい。但し、装置、機器の老朽化によるトラブルもおきつつある。これに関しては、BL単位、すなわち、BL担当者が全てを対応するのは、エフォート的にも予算的にも難しいと思われる為、別途、リプレースに関しては施設全体で取り組んでいって欲しい。
【物質科学・材料科学/X線散乱】
(2)食堂その他要望等
○ビームタイムでの仕事が深夜まで及ぶため、食堂が午後7時半までで売店が午後8時まで、というのは、非常に不便であると感じました。もう少し時間を伸ばしていただけるか、パンやスナックの自販機を置いていただけると、みなさんが助かるのではないかと思います。
○所内にATMがあると助かる、と共同研究者(海外からの)からの要望がありました。
○施設に対する要望として、サイト入り口の施設名看板は夜間ライトアップして見えるようにした方が良いと思います。
3. 要望等及び施設側回答の公開場所
SPring-8/SACLA User Informationのいずれからも検索・閲覧ができます。