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Volume 15, No.4 Pages 296 - 299

4. SPring-8 通信/SPring-8 COMMUNICATIONS

2011A 重点ナノテクノロジー支援課題およびナノネット支援課題の募集について
Call for 2011A Nanotechnology Support Proposals and Nanonet Support Proposals

登録施設利用促進機関(財)高輝度光科学研究センター Registered Institution for Facilities Use Promotion, JASRI、(独)日本原子力研究開発機構 JAEA、(独)物質・材料研究機構 NIMS

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1.重点ナノテクノロジー支援課題およびナノネット支援課題について

 財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI)および独立行政法人日本原子力研究開発機構(JAEA)、独立行政法人物質・材料研究機構(NIMS)は、 JASRIが実施する「重点ナノテクノロジー支援」と JAEA、NIMSが文部科学省の委託を受け実施する「先端研究施設共用イノベーション-ナノテクノロジーネットワーク(ナノネット支援)」による研究支援を連携して実施します。募集対象は、5〜10年後のイノベーション創出を目的としたナノテクノロジー・材料分野の研究で、SPring-8放射光を利用した研究となっております。本課題は、特定の対象・目的のもとで実施されるため、成果非専有課題のみの受付となります。

 

 

2.公募の分類

2-1 重点ナノテクノロジー支援(共用ビームライン、理研ビームラインを利用)

 重点ナノテクノロジー支援を実施しているJASRI は、平成21年3月に外部委員による中間評価を受けました。その提言を受け、2010B期から重点ナノテクノロジー支援で募集する課題を「重点領域」のみとし、新規重点テーマとして新たにNF4〜NF6の3テーマを追加して、以下の6テーマで課題を募集することとしました。

 また、2011A期の支援より、文部科学省の平成21年度第2次補正予算において、「成長戦略への布石」である「環境・エネルギー技術への挑戦」の一環として、設立されました「低炭素社会構築に向けた研究基盤ネットワークの整備」事業のサテライト拠点「グリーン・ナノ放射光分析評価拠点(参画機関:理化学研究所)」で整備した、ナノビームX線蛍光分析装置(BL39XU)、ナノビームX線吸収スペクトル計測装置(BL37XU)も利用可能となります。

 なお、評価委員会の提言についてはSPring-8ホームページの「重点ナノテクノロジー支援評価報告書」(トップページ>SPring-8について>各種委員会>委員会報告書>重点ナノテクノロジー支援評価報告書)を参照してください。

 「重点領域」とは、活発な利用研究が展開されており、今後の重点化により一層の成果拡大が見込まれる以下の領域となっております。

〔NF1〕次世代磁気記録材料

次世代磁気記録媒体、次世代磁気ヘッド、磁性ナノ粒子、磁性ナノワイヤーなどの次世代磁気記録材料に関わる研究

〔NF2〕エネルギー変換・貯蔵材料

各種二次電池、燃料電池、太陽電池、熱電変換材料、ガス吸着材料などのエネルギー変換・貯蔵に関わる研究

〔NF3〕ナノエレクトロニクス材料

シリコンLSI材料、グラフェン・エレクトロニクス材料、化合物半導体ナノ構造、スピントロニクス材料、酸化物エレクトロニクス材料などのナノエレクトロニクス材料研究

〔NF4〕ナノ医療・ナノバイオ技術

ドラッグデリバリーシステム、医療用ナノ材料、生体 分子イメージング、ナノバイオセンシングなどのナノテクノロジーを利用した医療・バイオ研究

〔NF5〕ナノ環境技術

有害物質除去技術、環境浄化技術、生分解性材料、環境触媒、環境評価技術などのナノテクノロジーを活用した環境技術研究

〔NF6〕先端ナノ計測技術

新規なナノ領域計測技術の開発に関わる研究

 

2-2 ナノネット支援(専用ビームラインを利用)

 「ナノネット支援」で募集する課題は従来通り「重点領域」と「先進新領域」で課題を募集します。

 「重点領域」とは、活発な利用研究が展開されており、今後の重点化により一層の成果拡大が見込まれる以下の領域となっております。

[NF1]次世代磁気記録材料

次世代磁気記録媒体、次世代磁気ヘッド、磁性ナノ粒子、磁性ナノワイヤーなどの次世代磁気記録材料に関わる研究

[NF2]エネルギー変換・貯蔵材料

各種二次電池、燃料電池、太陽電池、熱電変換材料、ガス吸着材料などのエネルギー変換・貯蔵に関わる研究

[NF3]ナノエレクトロニクス材料

シリコンLSI材料、グラフェン・エレクトロニクス材料、化合物半導体ナノ構造、スピントロニクス材料、酸化物エレクトロニクス材料などのナノエレクトロニクス材料研究

 

 「先進新領域」とは、全く新しい概念に基づく新規機能性材料研究開発やナノテクノロジー・材料分野の研究を強力に推進する新規利用技術に関する以下の領域となっております。

[NA1]新規ナノ粒子機能材料

高機能触媒開発などのナノ粒子化により発現する新規な機能を活用する材料研究

[NA2]新規ナノ薄膜機能材料

有機エレクトロニクス材料研究などのナノスケールで制御された薄膜機能性材料に関する研究

[NA3]新規ナノ融合領域研究

ナノ材料分野と他分野(生物、医療、環境分野等)との融合よりにより実現する新機能、新現象の開拓に関する研究

[NA4]新規ナノ領域計測技術

新規なナノ領域計測技術の開発に関わる研究

 

 

3.利用時期、対象ビームライン

 利用の時期、募集の対象となるビームライン、シフト数(1シフト=8時間)を以下に示します。なお、2011A期より、「低炭素社会構築に向けた研究基盤ネットワークの整備」事業のサテライト拠点「グリーン・ナノ放射光分析評価拠点(参画機関:理化学研究所)」活用のため、BL37XUとBL39XUのシフト数を総ユーザータイムの20%から30%に増やし、75シフトの募集とします。

 なお、運転モードは本誌282ページ「2011A SPring-8利用研究課題募集要項」を参照してください。

(1)利用時期

 利用時期は2011A期(平成23年4月〜7月)です。なお、BL37XUおよびBL39XUは、2011A期の利用開始時期を5月下旬以降と予定しておりますので、ご注意ください。詳細については、本誌282ページの「2011A SPring-8利用研究課題募集要項」の「1.(3)BL37XU、BL39XUのハッチ増設に伴うユーザー提供シフト数の調整について」をご参照ください。

 

(2)対象ビームライン

重点ナノテクノロジー支援(共用ビームライン、理研ビームラインを利用)<表1>

ビームライン 供給ビームタイム
[1シフト=8時間]
BL02B2 粉末結晶構造解析 51シフト程度
BL13XU 表面界面構造解析 51シフト程度
BL25SU 軟X線固体分光 51シフト程度
BL27SU 軟X線光化学 51シフト程度
BL37XU 分光分析 75シフト程度
BL39XU 磁性材料 75シフト程度
BL40B2 構造生物学 II 30シフト程度
BL47XU 光電子分光・マイクロCT 51シフト程度
BL17SU 理研 物理科学 III 12シフト程度

 

ナノネット支援(専用ビームラインを利用)<表2>

ビームライン 供給ビームタイム
[1シフト=8時間]
BL11XU JAEA 量子ダイナミクス 48シフト程度
BL14B1 JAEA 物質科学 18シフト程度
BL15XU NIMS 広エネルギー帯域先端材料解析 21シフト程度
BL22XU JAEA 量子構造物性 12シフト程度
BL23SU JAEA 重元素科学 48シフト程度

 

 ビームラインの概要は本誌287ページの「2011A SPring-8利用研究課題募集要項」をご参照ください。また、ビームラインの整備状況はSPring-8ホームページの「ビームライン一覧」(トップページ>クイックリンク>ビームライン情報>ビームライン一覧)でも提供していますので、不明な点はそれぞれのビームライン担当者にお問い合わせください。

 なお、JAEAのビームラインの利用を希望される場合は、申請前にJAEAの担当者(BL11XU、BL14B1、BL22XU、BL23SU)にお問い合わせください。

 NIMSのビームラインの利用を希望される場合は、申請前にNIMSの担当者(BL15XU)にお問い合わせください。

 

 

4.申請方法

 Webサイトを利用した電子申請となります。本誌283ページの「2011A SPring-8利用研究課題募集要項」をご一読いただき、以下のUser Information ウェブサイトから申請してください。

 

 User Information Webサイト(UIサイト)https://user.spring8.or.jp/

 トップページ>ログイン>課題申請/利用計画書>新規作成

 

重点ナノテクノロジー支援課題]に申請される場合は、

 ナノテクノロジー課題→重点ナノテクノロジー支援課題から申請してください。

 

ナノネット支援課題]に申請される場合は、

 ナノテクノロジー課題→ナノネット支援課題から申請してください。

 

 入力項目は一般課題の申請に必要な項目に加えて、「テーマ名」を選択、「申請課題のナノテクノロジー分野における位置づけ・重要性」、「申請課題の実施により発展が期待されるナノメーター領域の技術、科学または産業分野等」を記述してください。ご応募の前に、ビームライン・ステーションの整備状況をSPring-8ホームページの「ビームライン一覧」(トップページ>ご利用の皆様へ>ご利用経験のある方へ>ビームライン情報>ビームライン一覧と検索)でご確認ください。不明な点はそれぞれのビームライン担当者にお問い合わせください。また、利用ビームラインがわからない場合は「11.(2)SPring-8相談窓口」にご相談ください。

 

● 申請書作成上のお願い

[重複申請について]

 一般課題に同じ内容で申請することは可能です。この場合、どちらか一方で採択された場合には、もう一方の申請は無条件で不採択となります。申請にあたっては、「提案理由など」の『本申請に関わる準備状況、これまでに採択された課題との関係、他に申請課題がある場合はその課題との関係、同種実験の経験』欄に重複申請をしている旨を必ず記入してください。なお、重点産業利用課題との重複申請は認められません。他の重点領域課題との重複申請が判明した場合には、両方の課題が不採択となります。

 

 

5.応募締切

   平成22年12月9日(木)

    午前10時JST(提出完了時刻)

 

 電子申請システムの動作確認はしておりますが、予期せぬ動作不良等の発生も考えられます。申請書の作成(入力)は時間的余裕をもって行っていただきますようお願いいたします。Web入力に問題がある場合は「11.(1)課題web申請について」へ連絡してください。応募締切時刻までに連絡を受けた場合のみ別途送信方法のご相談に応じます。

 

 

6.申請受理通知

 申請が完了すれば、受理通知と申請者控え用の誓約事項のPDFファイルがメールで送られます。

 

 メールが届かない場合は申請が受理されていない可能性がありますので、以下の通り確認してください。

1)申請課題がUIサイト(トップページ>ログイン>課題申請/利用計画書)の「提出済」に表示されていない場合

→受理されていません。もう一度申請課題の「提出」操作を行ってください。

 

2)申請課題がUIサイト(トップページ>ログイン>課題申請/利用計画書)の「提出済」に表示されている場合

→受理されています。ユーザー登録内容が正しいにもかかわらずメールが不着となっている場合は、利用業務部にお問い合わせください。

 

 

7.審査について

 一般課題と同様、科学技術的重要性、研究手段としてのSPring-8の必要性、実験の実施可能性および実験の安全性についての総合的かつ専門的な審査に加え、ナノテク課題としての科学技術的重要性や研究戦略について審査を行います。また、過去に利用実績のある申請者に対し、成果の公表状況を評価し、課題選定に取り入れます。

 

 

8.審査結果の通知

 審査結果は、申請者に対して、平成23年2月中旬に文書にて通知します。

 

 

9.成果公開について:利用報告書とナノテク課題研究成果報告書

 当支援を受けた課題については、課題終了後60日以内に所定の利用報告書をJASRIに提出していただきます。JASRIでは、2011A期終了後60日目から2週間後に利用報告書をWeb公開します。また、別途A4用紙2ページ程度の「ナノテク課題研究成果報告書」を提出していただきます。なお、論文発表等で成果を公表した場合は、公表後すみやかに JASRIに登録していただきます。

 

 

10.その他

(1)消耗品の実費負担については、本誌284ページの「2011A SPring-8利用研究課題募集要項」をご参照ください。

(2)次回(2011B期)の応募締切

 次回利用期間(2011B期)分の募集の締め切りは平成23年6月下旬の予定です。

(3)備考

 JASRIが実施する「重点ナノテクノロジー支援」とJAEA、NIMSが実施する「ナノネット支援」は原則、同じルールで運用を行いますが、実施機関が異なるため、消耗品の実費負担の徴収方法など手続きに若干の違いがでる場合があることをご承知おきください。

 

 

11.問い合わせ先

(1)課題Web申請について

  〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1-1-1

  財団法人 高輝度光科学研究センター 利用業務部

  TEL:0791-58-0961 FAX:0791-58-0965

  e-mail:sp8jasri@spring8.or.jp

 

(2)SPring-8相談窓口

 JASRIナノテクノロジー利用研究推進グループでは、ナノテクノロジー分野の放射光利用実験に関するあらゆる相談をお受けします。ご相談・ご質問は、

  〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1-1-1

  財団法人 高輝度光科学研究センター

  ナノテクノロジー利用研究推進グループ

  グループリーダー 木村 滋

  TEL:0791-58-0919 FAX:0791-58-0830

  e-mail:nano_tech@spring8.or.jp

にて随時受け付けております。

 

 

Print ISSN 1341-9668
[ - Vol.15 No.4(2010)]
Online ISSN 2187-4794