Volume 15, No.3 Pages 202 -203
4. SPring-8 通信/SPring-8 COMMUNICATIONS
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational Status
◎平成22年4~6月の運転・利用実績
SPring-8は4月2日から4月28日までマルチバンチおよびセベラルバンチ運転で第1サイクルの運転を行い、5月11日から6月11日までセベラルバンチ運転で第2サイクルの運転を実施した。第1~2サイクルではRFのサーキュレータアーク等による停止があったが、全体としては順調な運転であった。総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は、第1サイクルは約0.4%、第2サイクルは0.5%であった。
放射光利用実績(いずれも暫定値)については、実施された共同利用研究の実験数は、第1サイクルは合計215件、利用研究者は951名で、専用施設利用研究の実験数は合計125件、利用研究者は581名であった。第2サイクルは合計274件、利用研究者は1,293名で、専用施設利用研究の実験数は合計154件、利用研究者は760名であった。
1.装置運転関係
(1)運転期間 | |
第1サイクル(4/2(金)〜4/28(水)) | |
第2サイクル(5/11(火)〜6/11(金)) | |
(2)運転時間の内訳 | |
第1サイクル | |
運転時間総計 | 約619時間 |
①装置の調整およびマシンスタディ等 | 約116時間 |
②放射光利用運転時間 | 約501時間 |
③故障等によるdown time | 2時間 |
総放射光利用運転時間(ユーザータイム = ② + ③)に対するdown timeの割合 | 約0.4% |
第2サイクル | |
運転時間総計 | 約742時間 |
①装置の調整およびマシンスタディ等 | 約119時間 |
②放射光利用運転時間 | 約621時間 |
③故障等によるdown time | 約3時間 |
総放射光利用運転時間(ユーザータイム = ② + ③)に対するdown timeの割合 | 約0.5% |
(3)運転スペック等 | |
第1サイクル(マルチバンチおよびセベラルバンチ運転) | |
・160 bunch train × 12(マルチバンチ) | |
・203 bunches | |
・1/7 filling + 5 bunches | |
第2サイクル(セベラルバンチ運転) | |
・11 bunch train × 29 | |
・203 bunches | |
・入射は電流値優先モード(2〜3分毎(マルチバンチ時)もしくは20〜40秒毎(セベラルバンチ時))のTop-Upモードで実施。 |
|
・蓄積電流 8 GeV、〜100 mA | |
(4)主なdown timeの原因 | |
・RFのサーキュレータアークによる停止 | |
2. 利用関係
(1)放射光利用実験期間 | |
第1サイクル(4/5(月)〜4/26(月)) | |
第2サイクル(5/13(木)〜6/11(金)) | |
(2)ビームライン利用状況 | |
稼働ビームライン | |
共用ビームライン | 26本 |
専用ビームライン | 17本 |
理研ビームライン | 8本 |
加速器診断ビームライン | 2本 |
第1サイクル(暫定値) | |
共同利用研究実験数 | 215件 |
共同利用研究者数 | 951名 |
専用施設利用研究実験数 | 125件 |
専用施設利用研究者数 | 581名 |
第2サイクル(暫定値) | |
共同利用研究実験数 | 274件 |
共同利用研究者数 | 1,293名 |
専用施設利用研究実験数 | 154件 |
専用施設利用研究者数 | 760名 |
◎平成22年6〜7月の運転・利用実績
SPring-8は6月14日から7月9日までセベラルバンチ運転で第3サイクルの運転を行い、7月10日から7月11日の停止をはさみ、7月12日から7月30日までセベラルバンチ運転で第4サイクルの運転を実施している。第3~4サイクルの運転・利用実績については次号にて掲載する。
◎今後の予定
7月31日から9月29日まで夏期点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業等を行う予定である。
◎平成22年度のSPring-8運転計画
SPring-8では2010B期の運転を以下のように計画している。但し、本計画は、後の検討により修正される場合がある。
正式に運転計画が決定され次第、SPring-8のWWW等で報告する。
(1)運転予定表
図1に平成22年度(2010年度)の運転計画を示す。
(2)運転計画の内訳
平成22年度は合計8サイクルの運転を予定している。
(3)運転スペック等
各サイクルの詳細な運転スペック(蓄積電流値やバンチ運転、フィリング等)については、利用者の要望等を踏まえ、検討・調整を行う。決定された運転スペックについては、すみやかにSPring-8のWWW等で報告する。
図1