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Volume 14, No.2 Pages 64 - 73

1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8

2009B SPring-8共用ビームライン利用研究課題の募集について
Call for 2009B Proposals

登録施設利用促進機関(財)高輝度光科学研究センター A Registered Institution for Promoting Synchrotron Radiation Research, JASRI

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 2009B期(平成21年10月〜平成22年3月)における一般課題について、以下の要領でご応募ください。

 

 

1. 一般課題について

 SPring-8は、赤外線から硬X線までの広い波長範囲の高輝度放射光ビームおよび先端的な測定装置を備え、最先端の研究開発や社会に貢献する産業利用などを目指した一般研究課題を募集いたします。一般課題の他にも、JASRIが重点領域に指定したナノテクノロジー支援課題、産業利用課題、拡張メディカルバイオ課題およびメディカルバイオ・トライアルユース課題の募集を行っており、2009B期ビームライン別の募集課題一覧を表1に示しております。詳しくは、「重点ナノテクノロジー支援課題およびナノネット支援課題の募集について」「重点産業利用課題の募集について」「重点拡張メディカルバイオ課題の募集について」「重点メディカルバイオ・トライアルユース課題の募集について」を参照してください。なお、申請を検討されているビームラインのご利用経験がない方は、申請前にビームライン担当者へご相談ください。

 

 

2. 成果非専有課題と成果専有課題について

 本プログラムで募集する課題は成果非専有課題と成果専有課題に大別されます。成果非専有課題とは、論文等により研究成果を公表していただくもので、ビーム使用料は無料となる利用のことです。成果専有課題は審査が簡略化され、成果公開の義務がない代わりに、利用時間に応じたビーム使用料が課せられます。提出された申請書およびその内容については、厳格な情報管理を行うとともに、審査に関わる人数を限定し、秘密保持に尽くします。実験内容あるいは試料等に機密事項が含まれる場合に多く利用されています。

 

 

3. 利用時期、対象ビームライン

 利用時期、募集の対象となるビームライン、シフト数(シフト割合・1シフト=8時間)および運転モードを以下に示します。

 

(1)利用時期

 利用時期は2009B期(平成21年10月〜平成22年3月)と一部ビームラインの成果専有課題に関しては2009Bの第1期(平成21年10月〜同年12月中旬)となっております。

 

(2)対象ビームライン

 募集の対象となるビームラインビームラインおよび1本あたりのビームタイム(240シフト)から供出する割合は以下のとおりです。また、簡単なビームライン情報は表2に示します。

 

●共用ビームライン
ビームライン ビームタイム割合
(全240シフト)
BL01B1 XAFS 80〜60%
BL02B1 単結晶構造解析 80〜60%
BL02B2 粉末結晶構造解析 50〜30%
BL04B1 高温高圧 80〜60%
BL04B2 高エネルギーX線回折 80〜60%
BL08W 高エネルギー非弾性散乱 80〜60%
BL09XU 核共鳴散乱 60〜40%
BL10XU 高圧構造物性 80〜60%
BL13XU 表面界面構造解析 60〜40%
BL14B2 産業利用 II(平成21年10月~12月中旬の全153シフト)
(一般課題としては成果専有課題のみ募集)
< 80%
・産業利用課題
・成果専有課題
・成果公開優先利用課題
BL19B2 産業利用 I(平成21年10月~12月中旬の全153シフト)
(一般課題としては成果専有課題のみ募集)
BL20B2 医学・イメージング I 60〜40%
BL20XU 医学・イメージング II 60〜40%
BL25SU 軟X線固体分光 50〜30%
BL27SU 軟X線光化学 50〜30%
BL28B2 白色X線回折 70〜50%
BL35XU 高分解能非弾性散乱 80〜60%
BL37XU 分光分析 50〜30%
BL38B1 構造生物学 III 70〜50%
BL39XU 磁性材料 60〜40%
BL40B2 構造生物学 II 40〜20%
BL40XU 高フラックス 40〜20%
BL41XU 構造生物学 I 60〜40%
BL43IR 赤外物性 70〜50%
BL46XU 産業利用 III(平成21年10月~12月中旬の全153シフト)
(一般課題としては成果専有課題のみ募集)
< 80%
・産業利用課題
・成果専有課題
・成果公開優先利用課題
BL47XU 光電子分光・マイクロCT 40〜20%

 

●理研ビームライン(応募の前に理研の担当者にお問い合わせください)

ビームライン ビームタイム割合
(全240シフト)
BL17SU 理研 物理科学 III 10%程度
BL26B1 理研 構造ゲノム I 20%程度
BL26B2 理研 構造ゲノム II 20%程度
BL45XU 理研 構造生物学 I 20%程度

 

表1 2009B期ビームライン別募集課題一覧

共用BL(26本) 一般 長期 成果公開
優先利用
萌芽 重点 測定
代行
随時
BL No. 利用時期 専有 非専有 1年 ナノテク/ナノネット 産業利用 拡張メディカルバイオ メディカルバイオ・トライアルユース
1年 09B 09B
第1期
1年
BL01B1 H21.10-H22.3
BL02B1 H21.10-H22.3
BL02B2 H21.10-H22.3 ナノテク
BL04B1 H21.10-H22.3
BL04B2 H21.10-H22.3
BL08W H21.10-H22.3
BL09XU H21.10-H22.3
BL10XU H21.10-H22.3
BL13XU H21.10-H22.3 ナノテク
BL14B2 H21.10-H21.12 XAFS
BL19B2 H21.10-H21.12
BL20B2 H21.10-H22.3
BL20XU H21.10-H22.3
BL25SU H21.10-H22.3 ナノテク
BL27SU H21.10-H22.3 ナノテク
BL28B2 H21.10-H22.3
BL35XU H21.10-H22.3
BL37XU H21.10-H22.3 ナノテク
BL38B1 H21.10-H22.3
BL39XU H21.10-H22.3 ナノテク
BL40B2 H21.10-H22.3 ナノテク
BL40XU H21.10-H22.3
BL41XU H21.10-H22.3
BL43IR H21.10-H22.3
BL46XU H21.10-H21.12
BL47XU H21.10-H22.3 ナノテク
理研BL(4本)
BL17SU H21.10-H22.3 ナノテク
BL26B1 H21.10-H22.3
BL26B2 H21.10-H22.3 タンパク
BL45XU H21.10-H22.3
専用BL(5本)
BL11XU H21.10-H22.3 ナノネット
BL14B1 H21.10-H22.3 ナノネット
BL15XU H21.10-H22.3 ナノネット
BL22XU H21.10-H22.3 ナノネット
BL23SU H21.10-H22.3 ナノネット

 

 また、ビームライン・ステーションの整備状況はSPring-8ホームページの「ビームライン一覧表」(トップページ>ご利用の皆様へ>ご利用経験のある方へ>ビームライン情報>ビームライン一覧と検索)でも提供していますので、不明な点はそれぞれのビームライン担当者にお問い合わせください。ビームラインを選ぶ際には「SPring-8利用事例データベース」(トップページ>ご利用の皆様へ>初めてご利用をお考えの方へ>利用事例データベースのご紹介)もご活用ください。

 

(3)運転モード

● 2009Bのセベラルバンチ運転モード

 Aモード:203 bunches

(蓄積リング全周において等間隔に203個のバンチに電子が入っている。)

 Bモード:4-bunch train × 84

(連続4バンチのかたまりが、全周において等間隔に84ある。)

 Cモード:11-bunch train × 29

(連続11バンチのかたまりが、全周において等間隔に29ある。)

Dモード:1/14-filling + 12 bunches

(全周を14等分し、1/14には連続して80.8 mA相当の電子が入り、残りの部分は等間隔12カ所に各1.6 mA相当のバンチがある。)

Eモード:4/58-filling + 56 bunches

(全周を58等分し、4/58には連続して47 mA 相当の電子が入り、残りの部分は等間隔53カ所に各1.0 mA相当のバンチがある。)

 

*運転モードの希望がある場合は、ポップアップメニューから選んでください。第1希望と第2希望のフィリングでは、どの程度効率が違うかを申請書「その他」欄に記述してください。

*上記のDおよびEモードはB期(2009B、2010B、…)のみ運転します。A期(2010A、2011A、…)のDおよびEモードはそれぞれ1/7-filling + 5 bunchesおよび2/29-filling + 26 bunchesの予定です。

 

 

4. 申請方法

 Webサイトを利用した電子申請となります。以下のUser Informationウェブサイトから申請してください。下書きファイルトップページ>課題申請/利用計画書>利用計画書トップページ)をご用意しておりますので、ご利用ください。

 User Information : https://user.spring8.or.jp/

 トップページ>ログイン>課題申請/利用計画書>課題申請/利用計画書作成

 課題を申請するには、まずユーザーカード番号とパスワードでログインする必要があります。まだユーザーカード番号を取得していない方は、ユーザー登録を行ってください。

 なお、実験責任者は、ログインのアカウントのユーザー名で登録されるため、代理で課題申請書を作成する場合は、実験責任者のユーザーカード番号で作業のうえ、提出する必要があります。その場合、アカウントやパスワードの管理は実験責任者の責任の下でお願いします。

 また、Web申請にあたり、申請者(実験責任者)だけでなく共同実験者も全員ユーザー登録が必要となります。従って申請者(実験責任者)は、課題の申請手続きを行う前に、共同実験者に対してユーザー登録を行うように指示してください。

 詳しい入力方法については、User Informationウェブサイト「SPring-8利用研究課題オンライン入力要領」(トップページ/SPring-8利用案内/SPring-8利用手続きフロー/課題申請)をご参照ください。また申請書の記入要領については、SPring-8ホームページの「SPring-8利用研究課題申請書記入要領」(トップページ>お知らせ>研究課題募集>SPring-8利用研究課題申請書)をご参照ください。

[成果非専有課題へ申請する場合]

 『成果の形態および課題種』の選択画面で“成果を専有しない”をチェックし、「一般課題」を選択してください。

[成果専有課題へ申請する場合]

 『成果の形態および課題種』の選択画面で“成果を専有する”をチェックし、「一般課題」を選択してください。

 また、成果専有で申請する場合は、課題申請の後に、成果専有利用同意書(2006Bより変更)を提出していただく必要があります。当該のフォームをUser Informationウェブサイト(トップページ>提出書類)よりダウンロード後、料金支払いの責任者が記名・捺印のうえ、別途郵送してください(成果専有利用同意書の郵送期限:平成21年7月2日必着)。

 

● 申請書作成上のお願い

[1]申請形式(新規/継続)について

 SPring-8の課題は6カ月の間に実行できる範囲の具体的な内容で申請してください。SPring-8の継続課題は、前回申請した課題が何らかの理由により終了しなかった時に申請していただくものです。研究そのものが何年も続いていくことと、SPring-8の継続課題とは別に考えてください。前回採択された課題のビームタイムを終了されて、研究が続く場合は新規課題の申請を行ってください。

 

[2]実験責任者について

 実験の実施全体に対してSPring-8の現場で責任を持つことが出来る人が実験責任者となってください。学生の方は実験責任者になれません。(博士課程の学生の方は萌芽的研究支援課題にお申し込みください。「萌芽的研究支援 利用研究課題の募集について」をご参照ください。)

 

[3]複数のビームラインへの利用申請について

 一申請者が複数のビームラインを利用する場合は、ビームライン毎の申請としてください。科学的意義の書き方が同じでも、別のビームラインでの申請と容認できる場合には、審査で不利に扱われることはありません。

 

[4]本申請に関わるこれまでの成果について

 成果発表リストとその概要は必ずご記入ください。最近のものから順にスペースの範囲に書き込める内容をご記入ください。過去に利用実績のある申請者に対し、成果の公表状況を評価し、課題選定に取り入れます。

 

[5]1.5シフト単位で申請する課題

 BL41XU(構造生物学I)のみを希望される場合は、1.5シフトや4.5シフトの申請も受け付けます。なお、第2希望としてBL38B1も申請される場合は、3シフト単位で申請してください。審査結果においてBL41XUでビームタイムが配分される場合は1.5シフト単位で配分される場合がありますが、BL38B1での配分は3シフト単位となります。この運用は、BL41XU成果非専有一般課題のみを対象としており、成果専有課題や他のビームラインでは行いません。また、0.5シフトの配分はありません。

 

[6]予備実験ビームタイムを設けて申請する課題

 XAFS分野において長時間のビームタイムを要望される課題においては、まず予備実験が配分され、その後再評価を受け残りのビームタイムが配分されます。

 

[7]1年課題

 分野の特徴として2回に分けて実験を行うことに重要な意味がある課題が多い散乱回折および分光分野では、B期から始まりA期にもシフト配分を行う1年課題の運用を以下のビームラインで行っています。

・BL02B1(単結晶構造解析)

・BL04B1(高温高圧)

・BL10XU(高圧構造物性)

・BL27SU(軟X線光化学)

 1年課題を希望する場合は申請形式選択ページで“1年課題”を選んでください。

 

 

5. 応募締切

 平成21年6月25日(木)

  午前10時JST(提出完了時刻)

 

 電子申請システムの動作確認はしておりますが、予期せぬ動作不良等の発生も考えられます。申請書の作成(入力)は時間的余裕をもって行って頂きますようお願いいたします。

 Web入力に問題がある場合は「11. 問い合わせ先」へ連絡してください。応募締切時刻までに連絡を受けた場合のみ別途送信方法の相談を受けます。

 

 

6. 申請受理通知

 申請が完了し、データが正常に送信されれば、受理通知と申請者控え用の誓約事項のPDFファイルがメールで送られますので、必ず確認してください。メールが届かない場合は申請が受理されていない状態になっており、申請ページでエラーがでている、または「提出」操作を行っていない可能性がありますので、必ず確認してください。

 

 

7. 審査について

(1)成果非専有課題

 科学技術的妥当性、研究手段としてのSPring-8の必要性、実験の実施可能性、実験の安全性について総合的かつ専門的に審査します。なお、産業利用分野に応募される場合、「科学技術的妥当性」については、期待される研究成果の産業基盤技術としての重要性および発展性、並びに研究課題の社会的意義および社会経済への寄与度を特に重点的に審査します。また、過去に利用実績のある申請者に対し、成果の公表状況を評価し、課題選定に取り入れます。

 

(2)成果専有課題

 実験の実施可能性、安全性、公共性および倫理性について審査します。

 

 

8. 審査結果の通知

 審査結果は、申請者に対して、平成21年8月中旬に文書にて通知します。

 

 

9. 成果の公開について

 課題終了後60日以内に所定の利用報告書をJASRIに提出していただきます(成果専有課題を除く)。JASRIでは、2009B期終了後60日目から2週間後に利用報告書をWeb公開します。また、論文発表等で成果を公表した場合は、公表後すみやかにJASRIに登録していただきます。

 

 

10. その他

(1)ビーム使用料について

 2006Bより以下のとおりとなっています。

 成果非専有課題(成果公開*):無料

 成果専有課題:

  通常利用  :480,000円(ビーム使用料)/1シフト(8時間)税込

  時期指定利用:720,000円(ビーム使用料+割増料金)/1シフト(8時間)税込

*課題終了後60日以内に利用報告書を提出していただくことで、成果が公開されたとみなしますが、論文発表等での成果の公表をお願いします。

 

(2)消耗品の実費負担について

 2006Bより利用実験において実験ハッチにて使用する消耗品の実費(定額分と従量分に分類)について、共用ビームタイムを利用する全ての利用者にご負担いただいています。

定額分:10,300円/シフト(利用者別に分割できない損耗品費相当)税込

但し、BL41XUにおいて配分シフトが1.5シフトの奇数倍の場合(1.5シフト、4.5シフト)は、15,450円/1.5シフトとして精算する。配分シフトが整数の場合(3シフト、6シフト …)は、10,300円/シフトとする。

従量分:使用に応じて算定(液体ヘリウム、ヘリウムガスおよびストックルームで提供するパーツ類等)

 なお、2009B期において外国の機関から応募される一般課題につきましては、消耗品の実費負担分を支援します。消耗品の実費負担に対応する利用方法の詳細につきましてはSPring-8ホームページの「SPring-8における消耗品の実費負担に対応する利用方法について」(トップページ>お知らせ>アナウンス)をご覧ください。

 

(3)次回(2010A期)の応募締切

 次回利用期間(2010A期)分の募集の締め切りは平成21年12月初旬頃の予定です。

 

 

表2 ビームライン概要

■共用ビームライン

No. ビームライン名 研究分野
実験ステーション/装置、光源(試料位置でのエネルギー範囲等)
1 BL01B1:XAFS 広エネルギー領域(3.8~113 keV)、希薄・薄膜試料のXAFS、クイックスキャンによる時分割XAFS(時分割QXAFS)、深さ分解XAFS
XAFS測定装置、イオンチャンバー、ライトル検出器、19素子Ge検出器、転換電子収量検出器、2次元PILATUS検出器、ガス供給除害設備、偏向電磁石(3.8~113 keV)
2 BL02B1:単結晶構造解析 広いX線領域における単結晶構造解析、電子密度レベルでの精密な構造解析、構造相転移の研究
大型湾曲IPカメラ(温度可変や外場応答の実験では、申請に先立って事前にビームライン担当者との打ち合せを必要とする)、多軸回折計、偏向電磁石(5~115 keV)
3 BL02B2:
粉末結晶構造解析
マキシマムエントロピー法による電子密度レベルでの構造解析、構造相転移の研究、粉末回折データからの未知構造決定、リートベルト法による構造精密化、薄膜回折、ガス吸着下粉末回折、光励起下粉末回折
湾曲型イメージングプレート搭載大型デバイシェラーカメラ、偏向電磁石(12~35 keV)
4 BL04B1:高温高圧 大容量高圧プレス装置を使った構造相転移観察、超音波速度測定
SPEED-1500、SPEED-Mk.II、エネルギー分散型X線回折計、X線ラジオグラフィー、イメージングプレート回折計、超音波測定システム、偏向電磁石(白色20~150 keV)
5 BL04B2:
高エネルギーX線回折
ガラス・液体・アモルファス物質の構造研究、高圧下のX線回折実験、精密単結晶構造解析
非晶質物質用二軸回折計、ワイセンベルグカメラ、超臨界融体用X線小角散乱用回折計、ダイヤモンドアンビルセル用イメージングプレート回折計、偏向電磁石(Si111 : 37.8 keV、Si220 : 61.7 keV)
6 BL08W:
高エネルギー非弾性散乱
磁気コンプトン散乱測定、高分解能コンプトン散乱測定、高エネルギーX線回折、高エネルギーX線蛍光分析(XRF)
磁気コンプトン散乱スペクトロメータ、高分解能コンプトン散乱スペクトロメータ、高エネルギー蛍光X線スペクトロメータ、楕円偏光ウィグラー(ステーションA : 110~300 keV、ステーションB : 100~120 keV)
7 BL09XU:核共鳴散乱 核共鳴非弾性散乱を利用した振動状態の研究、放射光でのメスバウアー分光、電子遷移に伴う核励起(NEET)、核共鳴散乱を利用したコヒーレント光学、表面構造や残留応力の測定
エアパットキャリア付定盤、精密ゴニオメータ、4象限スリット、真空ポンプ(スクロールポンプとターボ分子ポンプ)、クライオスタット、APD検出器、PINフォトダイオード検出器、NaIシンチレーション検出器、イオンチャンバー、 真空封止アンジュレータ(6.2~80 keV)
8 BL10XU:高圧構造物性 高圧下(DACを使用)での結晶構造物性および相転移、地球・惑星科学
超高圧ダイヤモンドアンビル装置(350 GPa)、イメージングプレート回折計、イオンチャンバー、ダイヤモンドモノクロメータ、X線集光レンズ、ルビー圧力測定装置、ラマン分光装置(圧力測定用)、高圧用クライオスタット(150 GPa、10~300 K)、レーザー加熱システム(300 GPa、3,000 K)(レーザー加熱システムの利用申請にあたっては、事前にBL担当者に連絡のこと)、真空封止アンジュレータ(15~58 keV)
9 BL13XU:
表面界面構造解析
超薄膜、ナノ構造、結晶表界面の原子レベル構造解析、真空/固体・液体/固体・各界面でのナノ構造成長などのその場構造解析、電場印加中の薄膜のその場構造評価
実験ハッチ1:多軸回折計、マイクロビーム、時分割X線回折
実験ハッチ3:超高真空用回折計、試料表面作製用超高真空チャンバー、マイクロビーム回折計Ge半導体検出器、SDD検出器、YAP検出器、Si Pinフォトダイオード検出器、イオンチャンバー、NaI検出器、精密架台
実験ハッチ2:ユーザー持ち込み装置等
BL13XUを初めて利用される場合、また、これまでとは異なる測定法を利用される場合、BL担当者(坂田:o-sakata@spring8.or.jp、田尻:tajiri@spring8.or.jp)まで申請前に連絡
10 BL14B2:産業利用 II 広帯域XAFS測定(3.8~72 keV)、希薄・薄膜試料のXAFS測定、クイックスキャンによる時分割XAFS(時分割QXAFS)
XAFS測定装置、イオンチャンバー、19素子Ge半導体検出器、ライトル検出器、転換電子収量検出器、 クライオスタット(20 K~室温)、透過法用高温セル(室温~800℃)、ガス供給排気装置(申請にあたっては事前にビームライン担当者(本間)に連絡のこと)、偏向電磁石(3.8~72 keV)
11 BL19B2:産業利用 I 残留応力測定、薄膜構造解析、表面、界面、粉末X線回折、X線イメージング、X線トポグラフィ、極小角散乱
粉末回折装置、多軸回折計、X線イメージングカメラ、極小角散乱装置(極小角散乱は多軸回折計に試料を設置して第3ハッチの2次元検出器(IP等)を用いて測定を行います。)、偏向電磁石(3.8~72 keV)
12 BL20B2:
医学・イメージング I
micro-radiography、micro-angiography、micro-tomography、refraction-contrast imagingなどが主として利用されている技術である。医学利用研究を目的とした、小動物の実験を実施する事も可能。光学素子の評価やX線イメージングの基本技術の研究開発。
汎用回折計、高分解能画像検出器(分解能10 μm程度)、大面積画像検出器(視野12 cm四方)、中尺ビームライン(215 m)、最大ビームサイズ(300 mm(H)× 15 mm(V);実験ハッチ2、3、60 mm(H)× 4 mm(V);実験ハッチ1)、偏向電磁石(5~113 keV)
13 BL20XU:
医学・イメージング II
X線顕微イメージング:マイクロビーム/走査型X線顕微鏡、投影型マイクロCT、位相コントラストマイクロCT、X線ホログラフィー、コヒーレントX線光学、集光/結像光学系をはじめとする各種X線光学系や光学素子の開発研究
医学応用:屈折コントラストイメージング、位相コントラストCT、極小角散乱
イメージング用精密回折計、液体窒素冷却型標準二結晶モノクロメータ:Si111(7.62~37.7 keV)、又は511(~113 keV)、イオンチャンバー、シンチレーションカウンタ、Ge-SSD、高分解能画像検出器(ビームモニタ、X線ズーミング管)、位相CTおよび吸収マイクロCT(担当者との事前打ち合せ要)、試料準備用クリーンブース(リング棟実験ホール)、X線イメージインテンシファイア(Be窓、4インチ型)、水平偏光真空封止アンジュレータ(7.62~113 keV)
14 BL25SU:
軟X線固体分光
光電子分光(PES)による電子状態の研究、角度分解光電子分光(ARPES)によるバンド構造の研究、軟X線吸収磁気円二色性(MCD)による磁気状態の研究、MCDを用いた元素選択磁化曲線による磁性材料の研究、光電子回折(PED)による表面原子配列の解析、光電子顕微鏡(PEEM)による磁区観察
光電子分光装置、磁気円二色性測定装置、二次元表示型光電子分光装置、光電子顕微鏡、なお、二次元表示型光電子分光装置については、申請に先立って事前にビームライン担当者(中村)との打ち合せを必要とする。また、光電子顕微鏡については、新規申請者の場合には申請に先立って事前にビームライン担当者(中村)との打ち合せを必要とする。ツインヘリカルアンジュレータ(0.22~2 keV)
15 BL27SU:軟X線光化学 照射実験 --- Bブランチ:機能性材料薄膜の生成、機能性材料の改質
原子・分子・クラスター分光実験 --- Cブランチ(C1、C2 ステーション):気相原子・分子の高分解能光電子分光(CIS、CFS測定も可能)、原子・分子・クラスターの高分解能軟X線吸収分光、質量分析法による原子クラスター・分子クラスターの解離生成物の観測
固体分光実験 --- Cブランチ(C3 ステーション):固体試料の光電子分光・発光分光、固体電子状態の観測
AならびにBブランチ(軟X線照射実験ステーション)、Cブランチ(軟X線光化学実験ステーション I、軟X線光化学実験ステーション II、軟X線光化学実験ステーション III)、8の字アンジュレータ(A、Bブランチ : 0.2~2 keV、Cブランチ : 0.17~2.8 keV)
16 BL28B2:白色X線回折 白色X線回折:X線トポグラフィ・エネルギー分散型ひずみ測定、時分割
エネルギー分散型XAFS(DXAFS):化学的・物理的反応過程の研究
医学生物応用:放射線治療・生体イメージング
白色X線トポグラフィ装置、エネルギー分散型XAFS装置、医学生物応用実験装置、多目的回折計、偏向電磁石(白色5 keV~)
17 BL35XU:
高分解能非弾性散乱
フォノン、ガラス転移、液体のダイナミクス、原子拡散などを含めた物質中のダイナミクス、X線非弾性散乱および核共鳴散乱
X線非弾性散乱(水平散乱配置)(~1 to 100 nm-1、12 Analyzers)、真空封止アンジュレータ(15.816、17.794、21.747 keV)
18 BL37XU:分光分析 X線マイクロビームを用いた分光分析、極微量元素分析、高エネルギー蛍光X線分析
実験ハッチ1:X線顕微鏡、多目的回折計、汎用蛍光X線分析装置、高エネルギー蛍光X線分析装置
実験ハッチ2:斜入射X線分光器、低真空SEM
真空封止アンジュレータ(Aブランチ:5~37 keV、Bブランチ:75.5 keV)
19 BL38B1:構造生物学 III タンパク質のルーチン結晶解析
凍結結晶自動交換装置SPACEとデータ測定用WebインターフェースD-Chaを利用したタンパク質結晶高速データ収集システム、偏向電磁石(6~17.5 keV)、ビームサイズ(試料位置):φ 0.2 mm, 0.15(H)× 0.13(V)mm2, 0.10(H)× 0.13(V)mm2、高速X線CCD検出器Quantum210(ADSC)、低温窒素ガス吹付け装置(≥ 90 K)、ペルチェ冷却型Si-PINフォトダイオード、凍結結晶自動交換装置SPACE、SPACE用結晶マウントロボット、SPACE用結晶マウントツールキット、オンライン顕微分光装置(波長範囲:250~500 nm、300~750 nm)
*顕微分光装置の利用を希望される方は、課題申請時に担当者と要相談。
20 BL39XU:磁性材料 X線磁気円二色性分光(XMCD)および元素選択的磁化測定、X線発光分光およびその磁気円二色性、X線共鳴磁気散乱、マイクロビームを用いたXMCD磁気イメージング・微小領域・微小試料のXMCDおよび元素選択的磁化測定、高圧下でのXAFSおよびXMCD測定、水平・垂直直線または円偏光を用いたX線分光
ダイヤモンド円偏光素子(X線移相子、5~16 keVで使用可能)、X線磁気円二色性(XMCD)測定装置+磁場発生装置(電磁石(2 T)、超伝導磁石(10 T))、X線磁気散乱用4軸回折計(Huber 424 + 511.1)(担当者との事前打ち合せ必要)、低温装置(ヘリウム循環型クライオスタット(20~300 K)、超伝導磁石(2~300 K)、ヘリウムフロー型冷凍機(11~330 K))、高圧発生装置(DAC、常圧~50 GPa@室温、常圧~20 GPa@低温)(担当者との事前打ち合せ必要)、高圧XMCD用KBミラー(集光ビームサイズ < φ 15 μm、W.D. = 360 mm)(担当者との事前打ち合せ必要)、顕微XMCD用KBミラー(集光ビームサイズ < φ 2 μm、W.D. = 100 mm)(担当者との事前打ち合せ必要)
21 BL40B2:構造生物学 II X線小角散乱(SAXS)
イメージングプレート、イメージインテンシファイア+CCDカメラ、広角測定用フラットパネル検出器およびDSC(これらは、申請にあたって事前にビームライン担当者との打ち合せを必要とする)、偏向電磁石(6~17.5 keV)
22 BL40XU:高フラックス 時分割回折および散乱実験、X線光子相関分光法、蛍光X線分析、マイクロビームを用いた回折および散乱実験、時分割クイックXAFS(時分割QXAFS)
X線シャッター、高速CCDカメラ、X線イメージインテンシファイア、YAG laser、小角散乱用真空パス、ピンホール光学系、ヘリカルアンジュレータ(8~17 keV)
23 BL41XU:構造生物学 I 構造生物学、生体高分子X線結晶構造解析、超高分解能構造解析、微小蛋白質結晶構造解析
タンパク質結晶用回折装置、真空封止アンジュレータ(6~38 keV)、ビームサイズ(試料位置):φ 0.01 mm, φ 0.02 mm, 0.03(H)× 0.03(V)~0.1(H)× 0.07 mm2、大型高速X線CCD検出器Quantum315(ADSC)、大型イメージングプレート検出器R-AXIS V(Rigaku)、低温窒素ガス吹付け装置(≥ 90 K)、低温Heガス吹付け装置(≥ 35 K)、ペルチェ冷却型Si-PINフォトダイオード、凍結結晶自動交換装置SPACE、カメラ長自動追従型Heチャンバー(X線CCD検出器Quantum315専用)
*2009年2月からビームラインの標準検出器をQuantum315(ADSC)から高感度低ノイズ型の高速X線CCD検出器MX225HE(Rayonix)に変更しています。建設中のビームラインBL32XUの状況に応じて、2009B期途中でQ315に戻す予定です。
*19 keV以上のエネルギーを利用希望の場合は、課題申請時にビームライン担当者と要相談。
*CCDとIP検出器が利用できますが、IPを希望される場合は課題申請時にビームライン担当者と要相談。
24 BL43IR:赤外物性 赤外顕微分光、磁気光学分光
赤外顕微分光ステーション、磁気光学分光ステーション、波数域:100~20,000 cm-1
25 BL46XU:産業利用 III X線回折および反射率測定による薄膜試料の構造評価、残留応力測定、時分割X線回折測定、硬X線光電子分光
多軸X線回折計(HUBER製8軸回折計/C型χクレードル装備:微小角入射X線回折・散乱、反射率測定、残留応力測定、その他X線回折・散乱測定一般)、硬X線光電子分光装置、薄膜構造評価専用X線回折装置(リガク製 ATX-G:常設ではありません。ご希望に応じて実験ハッチに設置いたします。)、真空封止アンジュレータ(6~35 keV)
26 BL47XU:
光電子分光・マイクロCT
X線光学、惑星地球科学、物性科学、応用材料科学
高分解能X線CT装置、硬X線マイクロビーム/走査型顕微鏡実験、硬X線光電子分光装置:高エネルギー硬X線励起による光電子分光:固体内部および界面電子状態の観測(光電子運動エネルギー範囲:0~10 keV、測定可能温度領域:8~600 K程度)BL47XUの利用経験が無い場合は、申請前にビームライン担当者と相談すること。真空封止アンジュレータ(5.2~37.7 keV)

 

■理研ビームライン

No. ビームライン名 研究分野
実験ステーション/装置、光源(試料位置でのエネルギー範囲等)
27 BL17SU:
理研 物理科学 III
電子分析器付き光電子顕微鏡 --- Ac station
イメージモード、回折モード、分散モード等による微小領域(数百nm)の構造および電子状態
この他、多価イオン光吸収実験装置、光電子分光装置、軟X線発光分光装置、軟X線回折実験装置、表面科学実験ステーション等の装置類がある。
BL17SUへの共同利用申請の際には、事前に以下の各実験装置担当者との打ち合せを必要とする。
  光電子分光装置:理研 Ashish Chainani(chainani @spring8.or.jp)
  軟X線発光分光装置:理研 徳島(toku@spring8.or.jp)
  多価イオン光吸収実験装置:理研 大浦(oura@spring8.or.jp)
  電子分析器付き光電子顕微鏡:JASRI 小嗣(kotsugi@spring8.or.jp)
  軟X線回折実験:理研 田中(良)(ytanaka@riken.jp)
  表面科学実験ステーション:理研 高田(takatay@spring8.or.jp)
28 BL26B1 / B2:
理研 構造ゲノム I & II
X線結晶解析法に基づいた構造ゲノム研究
CCD検出器(RIGAKU Jupiter210, MarUSA MarMosaic225)、IP検出器(RIGAKU R-AXIS V)、試料用κゴニオメータ、吹付低温装置(90 K~室温)、サンプルチェンジャーSPACE、偏向電磁石(6~17 keV)
29 BL45XU:
理研 構造生物学 I
X線小角散乱(SAXS): 主にタンパク質溶液、生体高分子など
(共同利用はSAXSステーションのみ)
高分解能小角散乱カメラ(試料-検出器距離450、700、1500、2400、3400 mm)、CCD型X線検出器(6インチX線II)、IP検出器(RIGAKU R-AXIS IV++)、精密温度制御セル(-5~+80°C)、真空封止型垂直アンジュレータ(SAXSステーション:6.7~13.8 keV、フラックス~1012 photons/sec)

 

■専用ビームライン

(ナノネット支援課題のみの募集となります)

No. ビームライン名 研究分野
実験ステーション/装置、光源(試料位置でのエネルギー範囲等)
30 BL11XU:
JAEA量子ダイナミクス
III-V族半導体結晶成長のその場観察、共鳴X線非弾性散乱
X線非弾性散乱回折計、分子線エピタキシー(MBE)回折計
申請に先立って事前にビームライン担当者および各実験装置担当者との打ち合せを必要とする。
 ビームライン(高橋:mtaka@spring8.or.jp)
 非弾性散乱(石井:kenji@spring8.or.jp)
 表面・界面科学(高橋:mtaka@spring8.or.jp)
真空封止アンジュレータ(6~70 keV)
31 BL14B1:
JAEA物質科学
高圧下の物質科学、表面科学、PDF、XAFS
実験ハッチ1:キュービックアンビル型高温高圧発生装置
実験ハッチ2:カッパ型多軸回折計
申請に先立って、事前にビームライン担当者および各実験装置担当者との打ち合せを必要とする。
 高圧下の物質科学(片山:katayama@spring8.or.jp)
 それ以外(米田:yoneda@spring8.or.jp)
偏向電磁石(単色:5~90 keV、白色:50~150 keV)
32 BL15XU:
NIMS広エネルギー帯域先端材料解析
先端材料の高精度解析、高エネルギーX線励起による光電子分光、高精度X線粉末回折
X線光電子分光装置、角度分解X線光電子分光装置、高分解能粉末X線回折計
利用希望の場合は、事前に物材機構・スタッフ(連絡先:BL15XUoffice@ml.nims.go.jp)との打ち合わせをお願い致します。
高分解能角度分解光電子分光(光電子の運動エネルギー:6 keVまで)
高分解能粉末X線回折計(8 keVでのSi粉末111反射の半値全幅は通常0.07度未満)
装置持ち込みの場合は申請に先立って十分な日程の余裕を持った技術的可否の打ち合わせが必要です。
リボルバー型アンジュレータ(1〜36 keV)
33 BL22XU:
JAEA量子構造物性
高圧下の物質科学、共鳴X線回折(RI 実験棟での研究)、残留応力分布測定
共同利用申請の際には、事前に以下の実験担当者との打ち合せを求める。
 高圧下の物質科学(片山:katayama@spring8.or.jp)
 共鳴X線回折(大和田:ohwada@spring8.or.jp)
 残留応力測定(菖蒲:shobu@spring8.or.jp)
真空封止アンジュレータ(3~70 keV)
34 BL23SU:
JAEA重元素科学
超音速分子線を用いた表面化学、生物物理学的分光、光電子分光(RI棟)、磁気円二色性(RI棟)
BL23SUの各実験装置に際しては、以下の装置担当者と事前打ち合せを必要とする。
 表面化学反応分析装置(寺岡:yteraoka@spring8.or.jp)
 ESR装置(藤井:fujii.kentaro@jaea.go.jp)
 光電子分光装置および磁気円二色性装置(斎藤:ysaitoh@spring8.or.jp)
真空封止型ツインヘリカルアンジュレータ(0.4~1.7 keV)

 

 

11. 問い合わせ先

〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1-1-1

財団法人 高輝度光科学研究センター 利用業務部

TEL : 0791-58-0961 FAX : 0791-58-0965

e-mail : sp8jasri@spring8.or.jp

 

 

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[ - Vol.15 No.4(2010)]
Online ISSN 2187-4794