Volume 14, No.1 Page 1
ご挨拶
平素は当財団の運営にあたり、種々ご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
皆様方のお陰をもちまして、SPring-8も供用開始から12年目を迎えることになりました。
昨年度は、年間延べ約14,000人の利用者と、約2,000件もの実験が記録されており、学術、産業のそれぞれの分野で、順調に成果を上げました。
今世紀に入ってからの経済社会における大きな変化は、ご高承のとおりでありますが、とりわけ、公益法人を取り巻く環境は大きく変り、長年にわたる立法、行政府による検討の結果、昨、平成20年12月にようやく公益法人制度改革三法が施行されました。
この新法による公益財団法人は、公益事業を主たる目的とし、不特定多数の利益の増進に寄与すること、また、その事業が収支相償うことになっているなど、厳しい公益認定基準があり、当財団も公益財団法人となるためには、今後5年間の移行期間に、公益認定等委員会での認定を受ける必要があり、移行に際しては、公益法人の機関設計(理事、評議員の役割等)の変更に迫られています。従来は、当財団の目的及び事業の振興にご賛同いただき、設立に大きく貢献された会社代表者などを中心に、理事、評議員にご就任いただいておりましたが、新法では、それぞれの選任方法や役割が規定され、今後の運営体制が大きく変わることとなります。
当財団もこの趣旨に沿って、新法に対応するための検討を重ねつつ、スムースな移行を進めております。しかし、環境がいかに変化しても、当財団の使命は、産学官の利用者に、SPring-8をより有効活用していただき、様々な最先端の技術開発を通じて、その成果を社会に還元することにより、我が国の科学技術の発展・振興に寄与することにあります。
今後とも、SPring-8の施設者である独立行政法人理化学研究所との緊密な協力体制のもと、利用者のご理解を得ながら、学術を中心とした基礎研究ならびに産業利用の促進を図り、将来にわたって、世界に誇るSPring-8になるよう皆様方と協力して、与えられた使命を遂行してまいる所存でございます。何卒、皆様方の更なるご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。