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Volume 13, No.4 Pages 284 - 301

1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8

第20回共同利用期間(2007B)において実施された利用研究課題
The Experiments in the 20th Research Period (2007B) at the Public Beamlines of SPring-8

(財)高輝度光科学研究センター 利用業務部 User Administration Division, JASRI

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 第20回(2007B)共同利用は、平成19年9月から平成20年2月にかけて実施されました。放射光利用はビームライン1本あたり270シフト(共用ビームラインではユーザービームタイムは216シフト[1シフト=8時間])でした。2007Bより運転スケジュールの利用期の区切りが年度になっています。2007Bでは、共用ビームラインBL14B2(産業利用II)の供用が開始され、合計26本の共用ビームラインと理研ビームラインのうちの3本(BL17SU、BL44B2およびBL45XU)で共用課題が実施されました。また、産業利用に特化した3本のビームライン(BL14B2、BL19B2およびBL46XU)は利用期を2期に分けて(2007B第1期と2007B第1期)課題募集選定を行うことを開始しました。なおBL46XUは役割変更に伴い、名称が「R&D」から「産業利用III」に変更されました。

 専用ビームラインは14本が稼働しています。なお、(独)日本原子力研究開発機構の専用ビームライン4本と(独)物質・材料研究機構の専用ビームラインではナノネット課題も実施されました。

 表1に、課題種で分類した2007B共用利用の実施課題数を、表2に2007B専用施設の実施課題数をそれぞれ示します。表3に、共用施設の研究分野および実験責任者の所属機関分類による実施課題数およびシフト数を示します。表4に、1997B(第1回共同利用期間)から2007B(第20回共同利用期間)までの課題種別実施課題数の推移を示します。

 

表1 2007B共用利用の実施課題数

課 題 種 実施課題数
一般課題(成果非専有) 455
萌芽的研究課題 30
成果公開優先利用枠課題 9
長期利用課題* 11
緊急課題 0
一般課題(成果専有) 46
時期指定課題(成果専有) 22
重点ナノテクノロジー支援課題 50
重点産業利用課題 96
重点メディカルバイオトライアルユース課題 9
パワーユーザー課題 5
12条戦略課題[旧重点戦略課題] 6
合 計 739

*2ビームラインを利用する課題が2件(9人11課題)

 

 

表2 2007B専用施設の実施課題数

課 題 種 実施課題数
一般課題(成果非専有) 192
ナノネット課題 13
成果専有課題 21
合 計 226

 

 

表3 2007B共用施設 研究分野および実験責任者の所属機関分類による実施課題数およびシフト数

機関分野 生命科学 散乱/回折 XAFS/
蛍光分析
分光 産業利用 総計 平均シフ
ト/課題
課題数 シフト数 課題数 シフト数 課題数 シフト数 課題数 シフト数 課題数 シフト数 課題数 シフト数
大学等
教育機関
119 592 171 1742 45 278 43 453 35 193 413 3258 7.9
国公立研究機関等 37 265 42 421 13 98 28 305 31 189.9 151 1278.9 8.5
産業界 4 15 8 54 9 63.4 1 18 125 625.4 147 775.8 5.3
海外機関 10 87 14 195 0 0 4 48 0 0 28 330 11.8
合計 170 959 235 2412 67 439.4 76 824 191 1008.3 739 5642.7 7.6
平均
シフト計
5.6 10.3 6.6 10.8 5.3 7.6

 

 

表4 1997B~2007B課題種別実施課題数の推移

課題種
一般課題(成果非専有課題)・緊急課題
成果専有課題(一般・時期指定)
萌芽的研究課題(成果非専有)
成果公開優先利用課題
長期利用課題
重点タンパク500課題(タンパク3000)
重点ナノテクノロジー支援課題
重点産業トライアルユース課題
SPring-8戦略活用プログラム課題
重点産業利用課題
重点メディカルバイオ・トライアルユース課題
重点パワーユーザー課題
重点戦略課題(12条戦略課題)
合 計
1997B 1998A 1999A 1999B 2000A 2000B 2001A 2001B 2002A 2002B 2003A 2003B 2004A 2004B 2005A 2005B 2006A 2006B 2007A 2007B 合計
94 234 274 237 361 371 464 470 520 391 464 397 410 388 373 323 442 298 547 455 7513
5 4 8 5 11 17 14 14 15 10 23 29 32 24 31 42 68 352
18 15 18 12 25 30 118
4 8 9 21
4 5 7 8 9 10 8 8 7 6 8 10 10 11 11 122
69 72 51 57 54 51 50 48 37 489
57 60 51 50 54 51 46 61 52 49 50 581
14 23 29 21 21 4 112
134 103 87 8 332
70 96 166
7 9 11 9 36
4 5 5 5 5 5 5 5 5 44
3 6 3 6 5 6 6 35
94 234 274 242 365 383 474 488 545 540 634 549 569 555 560 620 724 550 782 739 9921

*BLごとに1課題としてカウント

 

 利用者数についてはサイクルごとに本誌で報告してきましたが、2007B合計の延べ利用者数は、共用施設4814人、専用施設1938人です。なお、利用期や専用施設/共用施設には分類できない年度ごとのユニークユーザー数を表5に示します。この値は、安全教育受講者数です。

 

 

表5 年度ごとの利用ユーザー数(Unique数)

西暦年度 ユーザー数合計 当該年度に初めてSPring-8
を利用したユーザー数
1997年度 443 443
1998年度 1041 742
1999年度 1421 802
2000年度 1973 1051
2001年度 2554 1205
2002年度 3033 1325
2003年度 3309 1396
2004年度 3125 1177
2005年度 3806 1654
2006年度 4169 1508
2007年度 4152 1564

SPring-8安全教育受講者数をカウントしたもの。
利用期、共用、専用の区別なし。

 

 表6に共用施設および専用施設利用実績の推移を示します。この表をグラフ化したものが図1です。今回から長期利用課題の数をビームラインの利用ごとに1課題と数えなおしたため、表6の課題数は前回までの報告より若干増えています。図1の、延べ利用時間(シフト)は共用利用および専用ビームラインが利用できたシフト総計です(1シフト=8時間)。この値は、表6の利用時間に利用ビームライン数を乗じた数値となっています。但し、共用ビームラインは0.8、以前のR&Dビームラインや理研ビームラインはそれぞれ0.3および0.2本と換算しています。

 

 

表6 共用施設および専用施設利用実績の推移

利用期間 利用時間 共同利用 専用施設
利用課題数 延べ利用者数 利用課題数 延べ利用者数
第 1 回 1997B H09.10−H10.03 1,286 94 681
第 2 回 1998A H10.04−H10.10 1,702 234 1,252 7
第 3 回 1999A H10.11−H11.06 2,585 274 1,542 33 467
第 4 回 1999B H11.09−H11.12 1,371 242 1,631 65 427
第 5 回 2000A H12.01−H12.06 2,051 365 2,486 100 794
第 6 回 2000B H12.10−H13.01 1,522 383 2,370 88 620
第 7 回 2001A H13.02−H13.06 2,313 474 2,915 102 766
第 8 回 2001B H13.09−H14.02 1,867 488 3,277 114 977
第 9 回 2002A H14.02−H14.07 2,093 545 3,246 110 1,043
第10回 2002B H14.09−H15.02 1,867 540 3,508 142 1,046
第11回 2003A H15.02−H15.07 2,246 634 3,777 164 1,347
第12回 2003B H15.09−H16.02 1,844 549 3,428 154 1,264
第13回 2004A H16.02−H16.07 2,095 569 3,756 161 1,269
第14回 2004B H16.09−H16.12 1,971 555 3,546 146 1,154
第15回 2005A H17.04−H17.08 1,880 560 3,741 146 1,185
第16回 2005B H17.09−H17.12 1,818 620 4,032 187 1,379
第17回 2006A H18.03−H18.07 2,202 724 4,809 226 1,831
第18回 2006B H18.09−H18.12 1,587 550 3,513 199 1,487
第19回 2007A H19.03−H19.07 2,448 782 4,999 260 2,282
第20回 2007B H19.09−H20.02 2,140 739 4,814 226 1,938
合  計 38,888 9,921 63,323 2,630 21,276

註:長期利用課題をビームラインごとに1課題とカウント(2008.7)

 

 

 

図1 共用施設および専用施設の利用実績の推移

 

 

 表7-1-1に一般課題の実施課題の課題名を公開します。成果専有課題は「公表用課題名」が表示されています。表7-1-2および表7-1-3に長期利用課題および成果公開優先利用課題一覧を、表7-2および表7-3にそれぞれ重点ナノテクノロジー支援課題および重点産業利用課題を示します。報告書等公開延期申請許可課題は課題名欄にその旨表示されています。表7-4にメディカルバイオトライアルユース課題を、表7-5に重点パワーユーザー課題を、表7-6に12条戦略課題(2007Aまでは重点戦略課題)をそれぞれ示します。以上実施課題リストはSPring-8ホームページの以下のURLで公開しています。

http://www.spring8.or.jp/ja/about_us/public_info/proposal_list/

 また、重点産業利用課題およびSPring-8戦略活用プログラム課題のうちの報告書等公開延期許可課題以外の成果非専有課題の利用報告書(SPring-8User Experiment Report)はSPring-8ホームページの出版物のページの以下のURLで閲覧できます。

http://www.spring8.or.jp/ja/support/download/publication/user_exp_report/

 2005A以前の報告書はPDFで、2005B以降の分は課題番号、ビームライン、研究分野、著者などで検索して閲覧できます。(https://user.spring8.or.jp/ja/expreport

 表8に、2007年12月から2008年7月までに利用報告書等公開延期許可期間満了になったSPring-8戦略活用プログラム課題を示します。

 

 詳しくは、PDFファイルをご参照下さい。

 

 

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[ - Vol.15 No.4(2010)]
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