Volume 13, No.2 Pages 99 - 100
1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational Status
◎平成19年12月~平成20年2月の実績
SPring-8は12月21日から平成20年1月21日までマシンの冬期長期運転停止期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業等を実施した。
1.冬期長期運転停止期間中の主な作業
(1)線型加速器関係
①クライストロン点検作業
②その他作業及び点検
(2)シンクロトロン関係
①イオンポンプ電源改造
②その他作業及び点検
(3)蓄積リング関係
①中央制御室運転端末Linux化作業
②既設ID/FE改造・保守点検
③RF点検作業
④新規BL建設・準備作業
⑤その他作業及び点検
(4)ユーティリティ関係
①電気設備保守点検作業
②冷却水設備保守定期点検
③空調用設備保守点検作業
④防災設備保守点検作業
⑤その他作業及び点検
(5)安全管理関係
①放射線監視設備定期点検
②入退管理システム定期点検
③特例区域設定/管理区域境界簡易扉設置
④その他作業及び点検
◎平成20年2~3月の運転・利用実績
SPring-8は平成20年1月22日から2月29日までマルチバンチ及びセベラルバンチ運転で第6サイクルの運転を実施した。第6サイクルではフィリング変更時における入射遅延等あったが、全体としては順調な運転であった。総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は約0.7%であった。
放射光利用実績については、実施された共同利用研究の実験数は合計332件、利用研究者は1,519名で、専用施設利用研究の実験数は合計126件、利用研究者は574名であった。
1. 装置運転関係
(1)運転期間 | |
第6サイクル(1/22(火)~2/29(金)) | |
(2)運転時間の内訳 | |
運転時間総計 | 約909時間 |
①装置の調整及びマシンスタディ等 | 約215時間 |
②放射光利用運転時間 | 約689時間 |
③故障等によるdown time | 約5時間 |
総放射光利用運転時間(ユーザータイム = ② + ③)に対するdown timeの割合 |
約0.7% |
(3)運転スペック等 | |
①第6サイクル(マルチバンチ及びセベラルバンチ運転) | |
・1/14-filling + 12 bunches | |
・11 bunch train × 29 | |
・160 bunch train × 12(マルチバンチ) | |
・4/58-filling + 53 bunches | |
・203 bunches | |
・入射は電流値優先モード(2~3分毎(マルチバンチ時)もしくは20~40秒毎(セベラルバンチ時))のTop-Upモードで実施。 |
|
・蓄積電流 8 GeV、~100 mA | |
(4)主なdown timeの原因 | |
①RF-BPMのインターロックによるアボート | |
②フィリング変更時の入射遅延 | |
(5)トピックス | |
①1月14日11時頃にRF-BPM動作によるインターロックでビームアボートが発生した。現場にて確認を行い、ID23の磁石列後方カバー前方部が溶けている事を確認した。直ちにギャップロックを行い、安全を確認し運転を再開している。 |
|
2. 利用関係
(1)放射光利用実験期間 | |
第6サイクル(1/25(金)~2/25(月)) | |
(2)ビームライン利用状況 | |
稼働ビームライン | |
共用ビームライン | 26本 |
専用ビームライン | 14本 |
理研ビームライン | 7本 |
加速器診断ビームライン | 2本 |
共同利用研究実験数 | 332件 |
共同利用研究者数 | 1,519名 |
専用施設利用研究実験数 | 126件 |
専用施設利用研究者数 | 574名 |
◎今後の予定
(1)SPring-8は平成20年3月1日から4月1日までマシンの年度末運転停止期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業等を行う予定である。
(2)年度末停止期間後は平成20年4月2日から4月24日まで第1サイクルの運転を行う。但し、4月2日から4月5日まではマシン及びBL立ち上げ調整期間としユーザーへの放射光の提供は行わない予定である。詳細な運転条件については決定しだいユーザーにSPring-8のWWW等で報告する。