Volume 12, No.5 Pages 377 - 378
1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational Status
◎平成19年6~7月の運転・利用実績
SPring-8は5月11日から7月23日までマルチバンチ及びセベラルバンチ運転で第3サイクルの運転を実施した。第3サイクルでは落雷の影響による停止等があったが、全体としては順調な運転であった。総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は約1%であった。
放射光利用実績については、実施された共同利用研究の実験数は合計658件、利用研究者は3247名で、専用施設利用研究の実験数は合計284件、利用研究者は1408名であった。
1.装置運転関係
(1)運転期間
第3サイクル(5/11(金)~7/23(月))
(2)運転時間の内訳
運転時間総計 約1747時間
①装置の調整及びマシンスタディ等 約310時間
②放射光利用運転時間 約1423時間
③故障等によるdown time 約14時間
総放射光利用運転時間(ユーザータイム=②+③)に対するdown timeの割合 約1%
(3)運転スペック等
①第3サイクル(マルチバンチ及びセベラルバンチ運転)
・160 bunch train×12(マルチバンチ)
・1/7-filling+5bunches
・11 bunch train×29
・203 bunches
・2/29-filling+26 bunches
・入射は1分毎(セベラルバンチ時)もしくは5分毎(マルチバンチ時)にTop-Upモードで実施。
・蓄積電流 8GeV、~100mA
(4)主なdown timeの原因
①落雷によるアボート
②RF-BPMによるアボート
③電磁石電源ダウンに伴うアボート
(5)トピックス
①5月30日7時45分頃に、落雷による瞬時電圧降下の影響でステアリング電磁石電源が故障した。直ちに予備電源と交換を行い復旧している。
②6月30日より頻発していたバンプ電磁石電源の過電流による停止については、7月1日にメーカーによる基盤交換を行い、動作試験及びバンプ空打ちによる健全性の確認後に復旧している。
2.利用関係
(1)放射光利用実験期間
第3サイクル(5/14(月)~7/19(木))
(2)ビームライン利用状況
稼働ビームライン
共用ビームライン(R&D含む) 25本
理研ビームライン 7本
専用ビームライン 14本
加速器診断ビームライン 2本
共同利用研究実験数 658件
共同利用研究者数 3247名
専用施設利用研究実験数 284件
専用施設利用研究者数 1408名
◎平成19年8~9月の実績
SPring-8は7月24日から9月9日まで夏期長期運転停止期間として以下の作業・点検等を実施している。
1.SPring-8の長期停止期間中の主な作業
(1)線型加速器関係
①電子銃2重化に伴う真空作業
②電子銃エミッション試験
③その他点検・整備作業
(2)シンクロトロン関係
①SSBT/RF系点検作業
②電磁石電源点検作業
③その他点検・整備作業
(3)蓄積リング関係
①入射部バンプ電磁石入替作業
②30m長直線部改造作業
③既設FE保守点検作業
④既設ID交換作業
⑤電磁石電源点検作業
⑥RF定期点検
⑦インターロックメンテナンス作業
⑧その他点検・整備作業
(4)ユーティリティ関係
①電気設備保守点検作業
②冷却水設備保守点検作業
③空調設備保守点検作業
④消防設備保守点検作業
⑤その他定期点検・整備作業
(5)安全管理関係
①入退出管理システム定期点検
②放射線監視システム定期点検
③その他点検・整備作業
◎今後の予定
(1)夏期長期運転停止期間後の運転再開は9月10日から10月18日までマルチバンチ及びセベラルバンチ運転で第4サイクルの運転を行う。但し、9月10日から9月20日まではマシン及びBL立ち上げ調整期間・BL及び測定系調整期間としユーザーへの放射光の提供は行わない予定である。第4サイクルの運転利用実績については、次号にて掲載する。