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Volume 12, No.1 Pages 33 - 34

1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8

SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational Status

(財)高輝度光科学研究センター 研究調整部 Research Coordination Division, JASRI

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◎平成18年9~12月の運転・利用実績

 SPring-8は9月12日から10月26日までマルチバンチ及びセベラルバンチ運転で第5サイクルの運転を行い、11月18日から12月22日までセベラルバンチ運転で第6サイクルの運転を実施した。
第5~6サイクルでは電磁石電源の故障、アブソーバーの不具合等があったが全体としては順調な運転であった。総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は約1%であった。
放射光利用実績については、実施された共同利用研究の実験数は合計720件、利用研究者は3513名で、専用施設利用研究の実験数は合計370件、利用研究者は1487名であった。

1.装置運転関係
(1)運転期間

第5サイクル(9/12(火)~10/26(木))
第6サイクル(11/8(水)~12/22(金))

(2)運転時間の内訳
運転時間総計   約2071時間
①装置の調整及びマシンスタディ等 約468時間
②放射光利用運転時間 約1587時間
③故障等によるdown time  約16時間
総放射光利用運転時間(ユーザータイム=②+③)に対するdown timeの割合 約1%

(3)運転スペック等
①第5サイクル(マルチバンチ及びセベラルバンチ運転)
・160 bunch train×12(マルチバンチ)
・203 bunches
・4 bunch train×84
・11 bunch train×29
・入射は1分毎(セベラルバンチ時)もしくは5分毎(マルチバンチ時)にTop-Upモードで実施。
・蓄積電流 8GeV、~100mA

②第6サイクル(セベラルバンチ運転)
・1/12-filling+10 bunches
・6/42-filling+35 bunches
・203 bunches
・入射は1分毎にTop-Upモードで実施
・蓄積電流 8GeV、~100mA

(4)主なdown timeの原因
①電磁石電源の故障によるアボート
②安全インターロックによるアボート
③純度悪化によるビーム廃棄
④アブソーバーエラーによるアボート

(5)トピックス
①9月22日11時05分に蓄積リングの軌道補正用電磁石電源が故障で停止し、RF-BPMによりビームアボートが発生した。直ちに予備の電源と交換し運転を再開した。
②9月19日11時半頃にビーム設定ミスにより、運転モード変更時に安全アラームが発報した。直ちに調整を行い、安全性を確認し再入射している。

2.利用関係
(1)放射光利用実験期間

第5サイクル(9/19(火)~10/8(日))(10/10(火)~10/23(月))
第6サイクル(11/11(土)~12/2(土))(12/4(月)~12/18(月))

(2)ビームライン利用状況
稼働ビームライン
共用ビームライン(R&D含む) 25本
理研ビームライン   7本
専用ビームライン    14本
加速器診断ビームライン 2本
共同利用実験数      720件
共同利用研究者数   3513名
専用施設利用実験数   370件
専用施設利用研究者数   1487名

(3)トピックス
①9月18日23時頃にBL01B1の光学ハッチ自動扉の電源端子台で接触不良のインターロックによりビームがアボートした。直ちに端子台の増し締めを行い、安全性を確認し復旧している。
②10月9日0時半頃にBL27SUで、11月21日10時頃にBL09XUでそれぞれFE部のアブソーバーが駆動出来なくなる現象があった。直ちにビームを廃棄し収納部内に入室して調査を行い、ケーブル及び圧空駆動用の電磁弁の交換を行い、復旧している。

◎今後の予定
(1)12月23日から平成19年2月27日まではマシンの冬期長期運転停止期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業等を行う予定である。
(2)冬期長期運転停止期間後の運転再開は平成19年2月23日からの予定で、3月31日まで第1サイクルの運転を行う。但し、2月23日から3月2日まではマシン及びBL立ち上げ調整期間としユーザーへの放射光の提供は行わない予定である。詳細な運転条件については決定しだいユーザーにSPring-8のWWW等で報告する。



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[ - Vol.15 No.4(2010)]
Online ISSN 2187-4794