Volume 11, No.4 Pages 233 - 234
1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational Status
◎平成18年4~5月の運転実績
SPring-8は4月21日から5月8日まで中間点検作業による運転停止期間として以下の作業・点検等を実施し予定通り終了した。
1.SPring-8の中間点検期間中の主な作業
(1)入射系関係
①SSBT系電磁石電源改造作業
(2)蓄積リング関係
①長直線部ID改造作業
②2次元干渉計手直し
③歪み測定用ワイヤー設置工事
④既設FE/ID保守点検作業
⑤その他作業及び点検
(3)ユーティリティ関係
①マシン冷却設備冷凍機点検
②空調用自動制御機器保守点検作業
③その他定期点検・整備作業
(4)安全管理関係
①安全系インターロックシステム定期検査
②その他作業及び点検
◎平成18年5~6月の運転・利用実績
SPring-8は5月9日から6月16日まで6週間連続運転モード(セベラルバンチ運転)で第3サイクルの運転を実施した。但し、6月12日から15日までは5年毎の安全法定検査対応の運転を行いユーザーへの放射光の提供は行わなかった。
第3サイクルでは落雷による停止、入射損失電子数積算値の減少によるトップアップ運転の中断等があったが全体としては順調な運転であった。総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は約0.66%であった。
放射光利用実績については、実施された共同利用研究の実験数は合計290件、利用研究者は1494名で、専用施設利用研究の実験数は合計152件、利用研究者は451名であった。
1.装置運転関係
(1)運転期間
第3サイクル(5/9(火)~6/16(金))
(2)運転時間の内訳
運転時間総計 約860.5時間
①装置の調整及びマシンスタディ等 約260.5時間
②放射光利用運転時間 約596時間
③故障等によるdown time 約4時間
総放射光利用運転時間(ユーザータイム=②+③)に対するdown timeの割合 約0.66%
(3)運転スペック等
①第3サイクル(セベラルバンチ運転)
・11 bunch train×29
・2/21-filling+18 bunches
・入射は1分毎(セベラルバンチ時)にTop-Upモードで実施
・蓄積電流 8GeV、~100mA
(4)主なdown timeの原因
①損失電子数積算値減少の調査のための中断
②瞬時電圧降下によるアボート
③ID及びRF-BPMの不具合によるアボート
(5)トピックス
①5月10日の9時頃に蓄積リングの入射損失電子数の積算値が減少した。直ちにトップアップ運転を中断し調査を行い、積算装置の健全性を確認し運転を再開した。
②6月8日の13時半頃に落雷による瞬時電圧降下の影響で、蓄積リングの電磁石電源及びRF等がダウンしビームがアボートした。アボート中にも落雷による瞬時電圧降下が数回あり、天候の回復を待ち機器の健全性を確認し運転を再開した。
③6月12日から15日まで原子力安全技術センターによる5年毎の安全法定検査を行い、特に問題なく検査を終了した。
2.利用関係
(1)放射光利用実験期間
第3サイクル(5/13(土)~5/27(土))(5/29(月)~6/9(金))
(2)ビームライン利用状況
稼働ビームライン
共用ビームライン(R&D含む) 25本
理研ビームライン 7本
専用ビームライン 14本
加速器診断ビームライン 2本
共同利用研究実験数 290件
共同利用研究者数 1494名
専用施設利用研究実験数 152件
専用施設利用研究者数 451名
(3)トピックス
①5月25日11時頃の軌道調整中にID及びRFBPMのプログラムの一部に不具合がありアボート信号が発報した。28日のBL及び測定系調整時にプログラムの修正を行い復旧している。
◎今後の予定
(1)6月24日から7月25日まで5週間連続運転モードで第4サイクルの運転(セベラルバンチ運転)を実施している。第4サイクルの運転・利用実績については次号にて掲載する。
(2)7月26日から9月11日まで夏期長期運転停止期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、また電気・冷却設備等の機器の点検作業等を行う予定である。
(3)夏期長期運転停止期間後の運転再開は9月12日からの予定で10月26日まで第5サイクルの運転を行う。但し、9月12日から9月19日まではマシン及びBL立ち上げ調整期間としユーザーへの放射光の提供は行わない予定である。9月19日から10月23日までのユーザータイムの詳細な運転条件については決定しだいユーザーにSPring-8のWWW等で報告する。