Volume 11, No.2 Pages 95 - 96
1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational Status
◎平成17年11月~12月の運転・利用実績
SPring-8は11月18日から12月23日まで6週間連続運転モード(マルチバンチ及びセベラルバンチ運転)で第8サイクルの運転を実施した。
第8サイクルでは電磁石電源の故障等による停止があったが、全体としては順調な運転であった。総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は約1.6%であった。
放射光利用実績については、実験された共同利用研究の課題は合計314件、利用研究者は1562名で、専用施設利用研究の課題は合計193件、利用研究者は612名であった。
1.装置運転関係
(1)運転期間
第8サイクル(11/18(金)~12/23(金))
(2)運転時間の内訳
運転時間総計 約840時間
①装置の調整及びマシンスタディ等 約145時間
②放射光利用運転時間 約684時間
③故障等によるdown time 約11時間
総放射光利用運転時間(ユーザータイム=②+③)に対するdown timeの割合 約1.6%
(3)運転スペック等
①第8サイクル(マルチバンチ及びセベラルバンチ運転)
・160 bunch train×12(マルチバンチ)
・203 bunches
・6/42-filling+35 bunches
・1/12-filling+10 bunches
・入射は1分毎(セベラルバンチ時)もしくは5分毎(マルチバンチ時)にTop-Upモードで実施。
・蓄積電流 8GeV、~100mA
(4)主なdown timeの原因
①FCSの誤動作によるアボート
②電磁石電源の故障によるアボート
③ステアリング電磁石電源配線の断線による停止
④火災報知器の誤動作による停止
(5)トピックス
①11月30日の20時半頃に蓄積リングの4極電磁石電源の故障によりビーム軌道が変動しビームがアボートしたため、直ちに予備電源との交換を行い通電を開始した。また、その後にステアリング電磁石電源が停止したため、収納部内に入室し調査を行ったところ、配線の一部の断線を確認した。直ちに修理を行い復旧した。
②12月18日の11時頃に蓄積リング棟の火災報知器が鳴動した。直ちに非常停止ボタンにより蓄積リングの運転を停止した。調査を行ったところ、感知器の誤動作と判断し、運転を再開した。
2.利用関係
(1)放射光利用実験期間
第8サイクル(11/18(金)~12/3(土))(12/5(月)~12/19(月))
(2)ビームライン利用状況
稼働ビームライン
共用ビームライン(R&D含む) 25本
理研ビームライン 7本
専用ビームライン 14本
加速器診断ビームライン 2本
共同利用研究課題 314件
共同利用研究者数 1562名
専用施設利用研究課題 193件
専用施設利用研究者数 612名
◎平成17年12月~平成18年2月の実績
SPring-8は12月24日から平成18年2月22日まで、マシンの冬期長期運転停止期間として以下の作業・点検等を実施した。
1.冬期長期運転停止期間中の主な作業
(1)線型加速器関係
①電子銃交換作業
②モジュレータ点検作業
③導波管立体回路真空作業
④その他作業及び点検
(2)シンクロトロン関係
①SSBT系BPM/DCCT設置作業
②その他作業及び点検
(3)蓄積リング関係
①電磁石電源点検/改造・入替作業
②RGV交換作業
③制御系ソフト・ハードメンテナンス
④既設FE改造・保守点検
⑤RF点検作業
⑥新規BL建設・既設BL改造作業
⑦その他作業及び点検
(4)ユーティリティ関係
①電気設備保守点検作業
②冷却水設備保守定期点検
③空調用設備保守点検作業
④防災設備保守点検作業
⑤その他作業及び点検
(5)安全管理関係
①放射線監視設備定期点検
②安全系インターロックシステム点検・検査
③その他作業及び点検
◎平成18年2~3月の運転・利用実績
SPring-8は2月23日から4月3日まで6週間連続運転モード(マルチバンチ及びセベラルバンチ運転)で第1サイクルの運転を実施している。
第1サイクルの運転・利用実績については次号にて掲載する。
◎今後の予定
(1)4月3日から4月20日まで第2サイクルの運転を3週間連続運転モード(セベラルバンチ運転)で行う。詳細な運転条件については決定しだい、ユーザーにSPring-8のWWW等で報告する。
(2)4月21日から5月8日までマシンの中間点検期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業等を行う予定である。