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Volume 10, No.5 Pages 294 - 311

1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8

第16回(2005B)利用研究課題の採択について
Proposals Accepted for Beamtime in the 16th Research Term (2005B)

放射光利用研究促進機構 (財)高輝度光科学研究センター 利用業務部 Organization for the Promotion of Synchrotron Radiation Research / User Administration Division, JASRI

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 財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI)では、利用研究課題選定委員会による利用研究課題選定の結果を受け、以下のように第16回共同利用期間(2005B)における利用研究課題を採択した。


1.募集及び選定・採択日程

〔募集案内・募集締切〕

(長期利用課題)

平成17年4月22日 長期利用課題の公募について SPring-8ホームページに掲示。

    5月23日 長期利用課題募集締切り。

(一般課題および重点領域課題)

平成17年5月10日 一般課題、重点ナノテクノロジー支援課題、および重点トライアルユース課題の公募についてSPring-8ホームページに掲示。

         利用者情報(Vol.10 No.5, 2005.9)に掲載。

         今期よりWebサイトを利用した電子申請システムとなった。

平成17年6月7日  一般課題、重点ナノテクノロジー支援課題、および重点トライアルユース課題募集締切り。(午前10時利用業務部必着)

〔一般課題、重点領域課題、および長期利用課題の課題選定および採択・通知〕

平成17年5月25日~6月1日長期利用分科会による長期利用課題の書類審査。

    6月7日 長期利用分科会による長期利用課題の面接審査。

平成17年7月13日 ナノテク支援課題選定委員会およびトライアルユース課題選定委員会による重点領域課題審査

    7月14日~15日 分科会による一般課題審査。

    7月15日 第38回利用研究課題選定委員会による課題選定。

    7月29日 機構として採択し、応募者に結果を通知。


2.公募状況

 今回の公募では、一般利用研究課題の応募として591件、重点研究課題の応募として382件、これらを合わせた総応募件数として973件の課題応募があり、過去最高の応募数であった。採択件数についても、一般利用研究課題の採択として357件、重点研究課題の採択として267件、これらを合わせた総採択件数として624件となった。第1回から今回の公募までの応募件数及び採択件数を表1に示す。また、今期で5回目となる重点研究課題の内、重点領域指定型については表2に示す通り4領域で課題を公募した。但し、重点タンパク500課題については今回採択された課題を重点タンパク500シフト枠(189シフト)内で個別に調整して実施1ヶ月前までにシフト配分を確定する方式で実施するので別枠にして示す。また、今期より新たに文部科学省が先端大型研究施設戦略活用プログラムを立ち上げSPring-8においても課題募集をしたので、これを重点領域指定型として扱うこととした(但し、本戦略活用プログラムは平成17年度後半の2005B期と2006A期の3月分をまとめて公募したので、全体の説明は本号の別項でまとめて紹介する)。表2では、一般利用研究課題についても内訳を示している。表1の応募・採択のデータをグラフ化して図1に示す。図1において、これまで採択件数は第12回(2003B)の621件をピークにして、第13回(2004A)の595件、第14回(2004B)の562件、および第15回(2005A)の547件と33件から15件の範囲で毎年漸減してきていたが今期はSPring-8戦略活用プログラムが新たに導入されたことにより過去最高の624件が採択された。



表1 利用研究課題公募履歴




表2 第16回公募(2005B)の一般利用研究課題と重点研究課題の内訳





図1 各公募時における応募課題数と選定課題数



 ここ数年、1年の前半の共同利用期間(A期)では応募が少なく、反対に後半(B期)では大幅に増加する傾向が続いており、連続する2回の公募状況を足し合わせ1年単位でまとめてみると前々回までは連続して増加してきたが前回で頭打ちとなった。最近5年間分を以下のリストに示すが、今回は応募課題数は増加したが採択課題数は頭打ちでビームライン数と利用時間が頭打ちの状況を反映している。今後新しい共用ビームラインが増えて一般課題のシフト枠が増えることがなければ、頭打ち状態もしくは重点研究課題が増えればむしろ減少する可能性もあると思われる。


                  応募課題数  採択課題数

第15回+第16回(平成17年4月~17年12月) 1,851      1,171

第13回+第14回(平成16年2月~16年12月) 1,658      1,157

第11回+第12回(平成15年2月~16年2月) 1,671     1,184

第9回+第10回(平成14年2月~15年2月)  1,394       992

第7回+第8回 (平成13年2月~14年2月)  1,121      866


3.利用期間と利用対象ビームライン

 これまで、年間の前期と後期の共同利用の利用時間に長短のアンバランスが通常以上に大きくなることを緩和することに努めてきた。今回は特にスケジュール上問題がないので、2005B期は平成17年9月の第6サイクルから第8サイクルまで(平成17年9月から平成17年12月まで)とし、この間の放射光利用時間は約209シフト(1シフトは8時間)となっている。このうち共同利用に供されるビームタイムは共用ビームライン1本あたり168シフトとなる。但し、今期はSPring-8戦略活用プログラムが新たに加わったために一般課題枠が極めて窮屈になったので、JASRIのスタディ枠から21シフトを共同利用ビームタイムに転用する事とした。

 今回の募集で対象としたビームラインは一般課題とこれまでの重点課題に対しては総計35本で、その内訳は、共用ビームライン25本(R&Dビームライン1本を含む)とその他のビームライン10本(原研ビームライン4本、理研ビームライン5本、及び物質・材料研究機構ビームライン1本)であった。さらに、SPring-8戦略活用プログラムでこれに加えて理研ビームライン1本を追加して使用することになった。


4.採択結果

 今回の採択結果は、一般利用研究課題と重点研究課題を合わせた総件数では応募973件に対し採択624件であり、採択された課題(重点タンパク500課題(シフト枠は189シフト)を除く)のシフト数では表3に示すように推奨3,770シフトに対し配分3,605シフト(平均のシフト充足率96%)であった。また、採択された課題の平均シフト数は8.8であり前回の8.7と同程度であった。今回の共同利用の対象としたビームライン毎の応募・採択課題数、課題採択率、採択された課題の推奨シフト数・配分シフト数、シフト充足率、平均シフト数を表3にまとめて示す。また、SPring-8戦略活用プログラムの2005B期分を別枠にして示す。

 重点研究課題の内「重点ナノテクノロジー支援」は、今回、応募課題数105件に対して採択課題数が47件で採択率45%となり、一般利用研究課題の成果非専有課題における平均採択率53%よりさらに厳しくなっている。「重点トライアルユース」は、応募課題数6件に対して採択課題数が4件で前回までの応募・採択課題数より大幅に少なくなった。これは、今回からSPring-8戦略活用プログラムが導入され特に産業利用の初心者がそちらに流れたためと思われる。また、「重点タンパク500」は、今回採択された課題を重点タンパク500シフト枠(189シフト)内で個別に調整して実施1ヶ月前までにシフト配分を確定する方式で実施する。

 今回の一般課題、重点ナノテクノロジー課題、および重点トライアルユース課題の応募課題数と採択課題数を、研究分野と実験責任者の所属機関別にまとめたものを表4-1に示す。なお、重点タンパク500課題は全応募課題を実施シフト枠(今回は189シフト)の範囲内で調整して実施する方式を採用しているので、採択率等を示すときは基本的に除外して示す。SPring-8戦略活用プログラムにおける応募課題数と採択課題数を、分科会分野と実験責任者の所属機関別にまとめたものを表4-2に示す。今回のSPring-8戦略活用プログラムは産業利用を中心に考えているので、学術利用との間では採択率に際だった違いが出ている。

 長期利用(通常課題の実施有効期限が6ヶ月(一部分科会では1年課題もある)であるのに対し、3年間にわたって計画的にSPring-8を利用することによって顕著な成果を期待できる利用)では、表2に示すように今回の公募で6件の応募があり3件が採択された。なお、審査は外部の専門家を含む長期利用分科会での書類審査、及び面接審査の2段階で行われ、面接審査は3件に対して行った。

 成果専有利用としては、表2に示すように産業界から13件、国立研究機関等から6件、国立大学法人から3件、合計で22件の応募があった。前回は15件の応募であったので大幅に増加した。これらの課題について公共性・倫理性の審査と技術的実施可能性及び実験の安全性の審査が行われ全件採択された。

 萌芽的研究支援は、将来の放射光研究を担う人材の育成を図ることを目的として、萌芽的・独創的な研究テーマ・アイデアを有する大学院学生を支援するものである。平成17年度の2005A期から放射光を利用する萌芽的研究支援による利用研究課題を一般利用研究課題の成果非専有課題に含めて募集・採択している。大学院学生が実験責任者として応募できる初めての試みであるが、課題の選定はあくまで他の一般利用研究課題と同じとして扱って選定されている。2005B期は応募32件に対して採択は15件で採択率が47%となり前回(45%)と同程度であった。



表3 ビームラインごとの採択状況




5.民間企業の利用と産業利用

 表4-1に示すように今回の公募で、産業界からは各研究分野に合わせて61件の応募があり、29件が採択された(採択率48%)。前回が応募83件で採択53件(採択率64%)であったので、今回は応募数、採択数、採択率とも大幅に減少した。今回は、SPring-8戦略活用プログラムで産業利用が大幅に取り入れられているので表4-2のデータを加えてトータルの産業利用として見てみると、応募167件、採択が125件となり採択率は75%と前回を大きく上回る結果となっている。また、利用されるビームラインも表3から明らかなように合計23本と前回の11本を大きく上回っている。



表4-1 2005B応募課題数と選定課題数:研究分野と機関分類

(一般課題と重点ナノテクノロジー課題、重点トライアルユース課題)




表4-2 SPring-8戦略活用プログラムの2005B期応募課題数と選定課題数

(分科会別に機関別分類)




6.課題選定審査における留意点

(1)これまでと同じく、平和目的の確保、一般利用研究課題の占める割合が全放射光利用時間の50%以上となること、選定した課題について高いシフト充足率を確保すること、および挑戦的な課題の確保を念頭においた審査を行った。

(2)1年課題は10件が4本のビームラインで認められた。

(3)生命科学分野の留保ビームタイムは、2本のビームラインを合わせて18シフト確保した。

(4)成果の審査へのフィードバックについては、2005A期の試行に引き続き今回も同様の方法で試行した。今回も産業利用分科は見送りとしたが、他分科会の実施結果はdV値がマイナスの課題は審査課題数の1%(前回は1.7%)で、dV値がプラスの課題は審査課題数の5%(前回は2.6%)であった。成果論文発表は増加しているものと思われる。

(5)「実験技術、方法等分科」は今回休止したが、他の分科でレフェリー審査を行い特に問題は生じなかった。


7.採択課題

 表5に今回採択された利用研究課題の一覧を示す。表5-1は一般利用研究課題の分であり、表5-2から表5-5は重点研究課題の分である。


詳しくは、PDFファイルをご参照下さい。



Print ISSN 1341-9668
[ - Vol.15 No.4(2010)]
Online ISSN 2187-4794