Volume 10, No.4 Pages 223 - 224
1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational News
◎平成17年4月の運転・利用実績
SPring-8は4月4日から4月21日まで3週間連続運転モード(マルチバンチ運転)で第3サイクルの運転を行った。第3サイクルでは、電磁石電源の故障等による停止があったが順調な運転で、総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は約3.2%であった。
放射光利用実績については、実験された共同利用研究の課題は合計89件、利用研究者は446名で、専用施設利用研究の課題は合計33件、利用研究者は139名であった。
1.装置運転関係
(1)運転期間
第3サイクル(4/4(月)~4/21(木))
(2)運転時間の内訳
運転時間総計 約406時間
①装置の調整及びマシンスタディ等 約166時間
②放射光利用運転時間 約232.5時間
③故障等によるdown time 約7.5時間
④総放射光利用運転時間(ユーザータイム=②+③)に対するdown timeの割合 約3.2%
(3)運転スペック等
①第3サイクル(マルチバンチ運転)
・160 bunch train×12
・入射は5分毎にTop-Upモードで実施
・蓄積電流 8GeV、~100mA
(4)主なdown timeの原因
①6極電磁石電源の故障に伴うアボート
②ニュースバルの蓄積電流値インターロックに伴うアボート
(5)トピックス
①4月16日の21時半頃に6極電磁石電源が故障により停止した。それに伴いビーム軌道が変動しIDのRF-BPMによりビームアボートした。直ちに予備の電源に変更し運転を再開した。
2.利用関係
(1)放射光利用実験期間
3サイクル(4/11(月)~4/21(木))
(2)ビームライン利用状況
稼働ビームライン
共用ビームライン(R&D含む) 25本
理研ビームライン 6本
原研ビームライン 4本
専用ビームライン 9本
加速器診断ビームライン 2本
共同利用研究課題 89件
共同利用研究者数 446名
専用施設利用研究課題 33件
専用施設利用研究者数 139名
◎平成17年4~5月の運転・利用実績
SPring-8は4月22日から5月10日まで中間点検作業による運転停止期間として以下の作業・点検等を実施し予定通り終了した。中間点検期間後は5月11日から6月13日まで5週間連続運転モード(マルチバンチ及びセベラルバンチ運転)で第4サイクルの運転を実施している。第4サイクルの運転・利用実績については次号にて掲載する。
1.SPring-8の中間点検期間中の主な作業
(1)入射系関係
①SSBT系BCM、OTR設置作業
(2)蓄積リング関係
①4極及び6極電磁石設置作業
②6極電磁石電源修理
③チェンバーサポート据付作業
④新規BL建設及び既設BLハッチ増設作業
⑤既設挿入光源メンテナンス作業
(3)ユーティリティ関係
①蓄積リング棟屋根損傷部分復旧工事
②マシン冷却設備冷却塔ストレーナー清掃
③空調用自動制御機器保守点検作業
④その他定期点検・整備作業
(4)安全管理関係
①定期スミヤ作業
②安全系インターロックシステム点検・検査
◎今後の予定
(1)6月14日から8月5日まで8週間連続運転モード(セベラルバンチ運転)で第5サイクルの運転を行う予定である。詳細な運転条件については決定しだいユーザーに報告する。
(2)8月6日から9月14日まで夏期長期運転停止期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、また電気・冷却設備等の機器の点検作業等を行う予定である。
(3)夏期長期運転停止期間後の運転再開は9月15日からの予定で10月10日まで第6サイクルの運転を行う予定である。但し、9月15日から9月22日まではマシン及びBL立ち上げ調整期間としユーザーへの放射光の提供は行わない予定である。9月22日から10月10日までのユーザータイムの詳細な運転条件については決定しだいユーザーに報告する。