Volume 10, No.3 Pages 139 - 156
1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
2005B SPring-8共用ビームライン利用研究課題の募集について
Call for 2005B Proposals
SPring-8は、平成9年10月の供用開始から、これまで数多くの研究者に利用されてきておりますが、今後更なる有効利用を図ると共に、世界に冠たる成果を輩出していきたいと考えております。
このため、(財)高輝度光科学研究センター(JASRI)では、充分に研究を行って頂けるように課題選定に工夫を凝らす等、効果的な支援を行って参ります。SPring-8では、赤外線から硬X線までの広い波長範囲の高輝度放射光ビーム及び先端的な測定装置を備えていますが、これらの設備を活用し、最先端の研究開発や社会に貢献する産業利用などを目指した研究課題を一般課題および長期利用課題として募集いたします。
また、JASRIでは平成15年にナノテクノロジー総合支援プロジェクト課題、トライアルユース課題およびタンパク3000プロジェクト個別的解析プログラムを重点領域課題として指定すると共にパワーユーザーを重点利用者指定型として指定し、平成16年には重点戦略課題の指定を行いましたが、このうちナノテクノロジー総合支援プロジェクト課題およびトライアルユース課題を公募します。これらの課題は一般課題とは別の課題審査により選定されます。それぞれ本誌157ページの「重点ナノテクノロジー支援課題の募集について」および161ページの「重点トライアルユース課題の募集について」を参照しご応募下さい。
なお、国の先端大型研究施設戦略活用プログラムとの二重応募を受け付けますが、戦略活用プログラムが採択された場合、本課題は不採択となります。
1.利用期間
平成17年9月22日~平成17年12月19日(全ユーザービームタイム200シフト程度)の予定
2.応募方法
今回からWebサイトを利用した電子申請となります。以下のUser Informationウェブサイトから申請して下さい。入力項目は本誌147ページ~156ページに示します。
User Information : http://user.spring8.or.jp/
トップページ>ログイン>課題申請
課題を申請するには、まずユーザーカード番号とパスワードでログインする必要があります。まだユーザーカード番号を取得していない方は、ユーザー登録を行って下さい。
なお、実験責任者は、ログインのアカウントのユーザー名で登録されるため、代理で課題申請書を作成する場合は、実験責任者のユーザーカード番号で作業の上、提出する必要があります。その場合、アカウントやパスワードの管理は実験責任者の責任の下でお願いします。
また、Web申請にあたり、申請者(実験責任者)だけでなく共同実験者も全員ユーザー登録が必要となります。従って申請者(実験責任者)は、課題の申請手続きを行う前に、共同実験者に対してユーザー登録を行うように指示して下さい。
詳しい入力方法については165ページの「利用研究課題の電子申請システムの運用開始」をご参照下さい。
[成果非専有課題]
『成果の形態および課題種』の選択画面で“成果を専有しない”をチェックし、「一般課題」を選択して下さい。
なお、SPring-8を初めて利用される予定の方は、先端大型研究施設戦略活用プログラムへのご応募についてもご検討下さい。(締切:平成17年5月31日)
[成果専有課題へ申請する場合]
『成果の形態および課題種』の選択画面で“成果を専有する”をチェックし、「一般課題」を選択して下さい。
なお、成果専有で申請する場合は、課題申請書の他に、ビーム使用に関わる同意書を提出する必要があります。当該のフォームをUser Informationサイトよりダウンロード後、実験責任者並びに所属機関の成果専有基本契約責任者の署名・捺印の上、別途郵送して下さい。また、別途料金支払い等に関する契約を結んでいただく必要がありますので、事前に利用業務部にお問い合わせ下さい。
3.応募締切
平成17年6月7日(火)午前10時JST
電子申請システムによる課題募集は今回が初めてのため、予期せぬ動作不良等の発生も考えられます。申請書の作成(入力)は時間的余裕をもって行って頂きますようお願いいたします。
Web入力に問題がある場合は「9.問い合わせ先」へ連絡して下さい。上記応募締め切り時刻までに連絡を受けた場合のみ別途送信方法の相談を受けます。申請が完了し、データが正常に送信されれば、受理通知と申請者控え用の誓約事項のPDFファイルがメールで送られます。
4.対象ビームライン
募集の対象となるビームラインを表1に示します。ご応募の前にビームライン・ステーションの整備状況をSPring-8のホームページでご確認下さい。
ビームライン・ステーションに関する不明な点、ビームタイムの一部が共同利用に供出される物質・材料研究機構の専用ビームライン、原研ビームラインまたは理研ビームラインへの申請を考えておられる方は、申請前にそれぞれのビームラインの担当者にお問い合わせ下さい。
5.分野ごとに特徴ある課題選定
[1]XAFS分野における予備実験ビームタイム長時間のビームタイムを要望される課題で、新しい応用分野ないし挑戦的な研究、あるいは実験・解析技術の習得が必要なため、本格的に長時間の実験を行う前に予備実験が必要であると判断された課題についてはまず予備実験に必要なビームタイムが配分されます。申請者は配分されたビームタイムで実験を行い、その実験・解析結果を報告し評価を受けた後要望されている残りのビームタイムが配分されることになります。
[2]1年課題実施ビームライン
B期から始まる1年課題を受けることが出来るビームラインは以下の4本です。
・BL02B1(単結晶構造解析ビームライン)
・BL04B1(高温高圧ビームライン)
・BL10XU(高圧構造物性ビームライン)
・BL27SU(軟X線光化学ビームライン)
1年課題を希望する方は、申請形式選択ページで“一年課題”を選んで下さい。(170ページ「9.課題申請~申請形式の選択」参照)
6.提供するビームタイム
[1]共用ビームライン:全ユーザービームタイムの80~20%程度
重点課題や長期課題が実施されるビームラインは全ユーザービームタイムの20%~50%程度となる見込みです。
それ以外のビームラインは全ユーザービームタイムの80%程度となる見込みです。
[2]原研ビームライン(BL11XU, BL14B1, BL22XU,BL23SU):20%程度
成果非専有課題(成果公開)のみ。応募の前に原研の担当者にお問い合わせ下さい。
[3]理研ビームライン(BL19LXU,BL29XU,BL44B2,BL45XU):20%程度
成果非専有課題(成果公開)のみ。応募の前に理研の担当者にお問い合わせ下さい。
[4]物質・材料研究機構 物質研究所専用ビームライン(BL15XU)
ナノテクノロジー課題:20%程度、一般課題:10%程度
成果非専有課題(成果公開)のみ。応募の前に物質・材料研究機構の担当者にお問い合わせ下さい。
7.2005Bのセベラルバンチ運転モード
2005Bに行う運転モードは以下のとおりです。
Aモード:203bunches(蓄積リング全周において等間隔に203個のバンチに電子が入っている。)
Bモード:4-bunch train×84(連続4バンチのかたまりが、全周において等間隔に84ある。)
Cモード:11-bunch train×29(連続11バンチのかたまりが、全周において等間隔に29ある。)
*Dモード:1/12-filling +10bunches(全周を12等分し、1/12には連続して85mA相当の電子が入り、残りの部分は等間隔10カ所に各1.5mA相当のバンチがある。)
*Eモード:6/42-filling +35bunches(全周を42等分し、6/42は連続して約75mA 相当の電子が入り、残りの部分に等間隔に35バンチ合計約25mA相当の電子がはいっている。)
*上記のDおよびEモードはB期(2005B, 2006B,…)のみ運転します。A期(2006A,…)のDおよびEモードはそれぞれ2/21-filling +18 bunchesおよび10/84-filling +73 bunchesの予定です。
8.申請書作成上のお願い
[1]申請形式(新規/継続)について
SPring-8の課題は6カ月の間に実行できる範囲の具体的な内容で申請して下さい。SPring-8の継続課題は、前回申請した課題が何らかの理由により終了しなかった時に申請していただくものです。研究そのものが何年も続いていくことと、SPring-8の継続課題とは別に考えて下さい。前回採択された課題のビームタイムを終了されて、研究が続く場合は新規課題の申請を行って下さい。
[2]実験責任者について
実験の実施全体に対してSPring-8の現場で責任を持つことが出来る人が実験責任者となって下さい。
[3]本申請に関わるこれまでの成果について
成果発表リストとその概要は必ずご記入下さい。過去に利用実績のある申請者に対し、成果の公表状況を評価し、課題選定に取り入れます。
9.問い合わせ先
〒679-5198 兵庫県佐用郡三日月町光都1-1-1
(財)高輝度光科学研究センター 利用業務部
「共用ビームライン利用研究課題募集係」
平野有紀、平野志津
TEL:0791-58-0961 FAX:0791-58-0965
e-mail:sp8jasri@spring8.or.jp
10.審査について
[1]成果非専有課題:科学技術的妥当性、研究手段としてのSPring-8の必要性、実験の実施可能性、実験の安全性について総合的かつ専門的に審査します。なお、産業利用分野に応募される場合、「科学技術的妥当性」については、期待される研究成果の産業基盤技術としての重要性及び発展性、並びに研究課題の社会的意義及び社会経済への寄与度を特に重点的に審査します。また、過去に利用実績のある申請者に対し、成果の公表状況を評価し、課題選定に取り入れます。
[2]成果専有課題:実験の実施可能性、安全性、公共性及び倫理性について審査します。
11.審査結果の通知
平成17年8月初旬の予定。
12.ビーム使用料
平成17年4月現在の使用料は以下のとおりです。
成果非専有課題(成果を公開された場合*):無料
成果専有課題:
通常利用 :472,000円/1シフト(8時間)
時期指定利用:708,000円(ビーム使用料+割増料金)/1シフト(8時間)
*)課題終了後60日以内に利用報告書を提出していただくことで、成果が公開されたとみなしますが、論文発表等での成果の公表をお願いします。また公表された場合は、すみやかにWebから登録して下さい。
13.旅費支援について
旅費の支援はありません。予めご了承願います。
14.次回(2006A)の応募締切
次回利用期間(平成18年前半)分の募集の締め切りは10月頃の予定です。
表1 募集の対象となるビームライン
詳しくは、PDFファイルをご参照下さい。