Volume 09, No.6 Pages 400 - 401
1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational News
◎平成16年8~9月の運転実績
SPring-8は前号でお知らせしたとおり、台風等による影響のために、当初の運転計画を変更し、7月17日から9月12日まで夏期長期運転停止期間として以下の作業・点検等を実施した。
1.SPring-8の長期停止期間中の主な作業
(1)線型加速器関係
①モジュレーター点検作業
②イオンポンプ電源メンテナンス作業
③電磁石電源メンテナンス作業
④BPM設置作業
⑤台風被害調査及び復旧作業
⑥その他点検・整備作業
(2)シンクロトロン関係
①RF定期点検作業
②電磁石電源点検作業
③SSBTパターン電磁石電源設置工事
④台風被害調査及び復旧作業
⑤その他点検・整備作業
(3)蓄積リング関係
①挿入光源既設保守点検・磁場測定作業
②FE新規建設及び既設改造・保守点検作業
③入射部チェンバ交換作業
④RF定期点検及びRFクライストロン電源冷却系改造作業
⑤真空計ケーブル交換・遮蔽作業
⑥ステアリング電磁石電源改造作業
⑦電磁石架台レベル測量
⑧マシン収納部コア抜き作業
⑨BL05SS床面箱抜き工事
⑩データベースサーバー入替え作業
⑪台風被害調査及び復旧作業
⑫その他点検・整備作業
(4)ユーティリティ関係
①電気設備保守点検作業
②冷却水設備保守点検作業
③空調設備保守点検作業
④防災設備保守点検作業
⑤台風被害調査及び復旧作業
⑥その他点検・整備作業
(5)安全管理関係
①入退出管理システム定期点検
②放射線監視システム定期点検
③放射線監視設備定期点検
④放射線安全インターロックシステム改修
⑤台風被害調査及び復旧作業
⑥その他点検・整備作業
夏期長期運転停止期間後は9月14日から9月23日の10時までマシン及びビームライン調整の運転を実施し、夏期長期運転停止期間に新規に設置された機器や既設の改造等を行った機器の調整と第6サイクル以降のユーザー運転に向けての調整を行い、放射光の提供は行わなかった。
2.装置運転関係
(1)運転期間(蓄積リング)
マシン及びビームライン調整期間(9/13(月)~9/23(木))
(2)運転時間の内訳
運転時間総計 約208.5時間
①装置の調整 約208.5時間
(3)主な調整内容
①バンプ電磁石調整
②軌道調整、ディスパージョン補正
③BPMバランス・オフセット測定
④Bunch by Bunch Feedback調整
⑤SR-NS振分入射試験
⑥蓄積ビーム振動測定
⑦バンチ純度調整
⑧ID調整
⑨各ビームライン調整
⑩安全系インターロック試験
(5)トピックス
①8月30日の台風16号及び9月7日の台風18号による、蓄積リング棟屋根の一部破損により実験ホール内に雨水が浸水し一部のビームラインエリアが冠水した。直ちに、被害状況の調査及び屋根部を含めた復旧作業を行い、当初の予定通り、9月23日より第6サイクルの運転を実施している。
②9月16日に第6サイクルから実施する、ライナックから蓄積リング及びライナックからニュースバルへの振分入射試験を行い、問題なく終了している。
◎平成16年10月の運転・利用実績
SPring-8は9月23日から10月27日まで6週間連続運転モード(マルチバンチ及びセベラルバンチ運転)で第6サイクルの運転を実施している。第6サイクルの運転・利用実績については次号にて掲載する。◎今後の予定
(1)10月28日から12月27日までサイクル間の運転停止期間をはさみ、4週間連続運転モードで第7サイクル(マルチバンチ及びセベラルバンチ運転)と5週間連続運転モードで第8サイクル(セベラルバンチ運転)の運転を実施する予定である。詳細な運転条件については決定しだいユーザーに報告する。
(2)12月28日からの冬期長期運転停止期間は、通常実施している加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業等の他に台風被害による蓄積リング棟屋根の恒久的修理作業を行うため、現在の所、未定である。冬期長期運転停止期間後の運転計画及び詳細な運転条件とあわせて、決定しだいユーザーに報告する。