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Volume 09, No.6 Pages 387 - 394

1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8

2005A SPring-8共用ビームライン利用研究課題の募集について
Call for the Beam Time Application for the Public Beamlines at SPring-8

放射光利用研究促進機構 (財)高輝度光科学研究センター Organization for the Promotion of Synchrotron Radiation Research, JASRI

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 2005A期の課題募集につきましては、既に9月27日付Web情報「2005A SPring-8利用研究課題の募集延期について」でお知らせしておりますように、これまで募集を延期してまいりました。応募を予定されている皆様には多大のご迷惑をおかけしておりますことを深くお詫びいたします。以下のとおり2005A期の課題募集を公表いたしますのでよろしくお願いいたします。


 SPring-8は、平成9年10月の供用開始から、これまで数多くの研究者に利用されてきておりますが、今後更なる有効利用を図ると共に、世界に冠たる成果を輩出していきたいと考えております。このため(財)高輝度光科学研究センター(JASRI)では、充分に研究を行って頂けるように課題選定に工夫を凝らす等、効果的な支援を行って参ります。SPring-8では、赤外線から硬X線までの広い波長範囲の高輝度放射光ビーム及び先端的な測定装置を備えていますが、これらの設備を活用し、最先端の研究開発や社会に貢献する産業利用などを目指した研究課題を一般課題および長期利用課題として募集いたします。

 また、JASRIでは平成15年にナノテクノロジー総合支援プロジェクト課題、トライアルユース課題およびタンパク3000プロジェクト個別的解析プログラムを重点領域課題として指定すると共にパワーユーザーを重点利用者指定型として指定し、平成16年には重点戦略課題の指定を行いましたが、このうちナノテクノロジー総合支援プロジェクト課題およびトライアルユース課題を公募します。これらの課題は一般課題とは別の課題審査により選定されます。それぞれ本誌395ページの「重点ナノテクノロジー支援課題の募集について」および398ページの「重点トライアルユース課題の募集について」を参照しご応募ください。

 なお、平成16年8月末の台風16号と9月初めの台風18号による蓄積リング棟屋根の一部破損に対する本格修理につきましては現在も検討中ですので、修理日程によりましては今回募集する2005A期のユーザータイムを変更しなければならないことも想定されますことを、あらかじめご承知おき下さい。今の所、2005A期の開始は平成17年4月以降を想定していますが、具体的な開始日程および予定シフト数は未定の状況です。今後、新しい情報は随時SPring-8ホームページに掲載しますのでよろしくお願いいたします。


1.利用期間

 平成17年4月以降の予定

 スケジュール及び全ユーザービームタイムが決まり次第ホームページに掲載します。


2.応募締切

 平成17年1月5日(水)午前10時 利用業務部必着

 (国内からの応募は平成17年1月4日(火)消印有効、外国からの応募は平成16年12月20日(月)消印有効とします。)

 申請書の受理通知は平成17年1月19日(水)頃に電子メールで行います。


3.対象ビームライン

 募集の対象となるビームラインを表1に示します。今期、BL38B1のXAFS分野、およびBL40B2の蛋白質結晶構造解析分野は募集しておりませんのでご注意下さい。ご応募の前にビームライン・ステーションの整備状況をSPring-8のホームページでご確認ください。

 ビームライン・ステーションに関する不明な点、ビームタイムの一部が共同利用に供出される物質・材料研究機構の専用ビームライン、原研ビームラインまたは理研ビームラインへの申請を考えておられる方は、申請前にそれぞれのビームラインの担当者にお問い合わせください。


4.分野ごとに特徴ある課題選定

[1]XAFS分野における予備実験ビームタイム

 長時間のビームタイムを要望される課題で、新しい応用分野ないし挑戦的な研究、あるいは実験・解析技術の習得が必要なため、本格的に長時間の実験を行う前に予備実験が必要であると判断された課題についてはまず予備実験に必要なビームタイムが配分されます。申請者は配分されたビームタイムで実験を行い、その実験・解析結果を報告し評価を受けた後要望されている残りのビームタイムが配分されることになります。

[2]1年課題

 BL02B1、BL04B1、BL10XU、BL27SUでは、1年課題の運用を行っていますが、1年課題の利用はB期毎の募集ですので、今期2005Aは1年課題は募集しません。半期のみの課題にシフトを供給します。


5.提供するビームタイム

 現在スケジュール未定のため以下は変更される可能性があります。

[1]共用ビームライン:全ユーザービームタイムの80~40%程度

 (1)BL01B1,BL04B2,BL20XU,BL28B2,BL35XU,BL43IR:80%程度

 (2)1年課題が運用されている以下のビームラインは今期は40%程度

 BL02B1,BL04B1,BL10XU,BL27SU

 (3)重点課題や長期課題が実施される以下のビームラインについては

 BL08W,BL20B2,BL25SU,BL37XU,BL39XU,BL40B2,BL40XU:70%程度

 BL09XU,BL02B2,BL13XU,BL41XU:40%程度

 BL19B2:20%程度(残り20%は留保し、期の後半に募集します)

[2]R&Dビームライン(共用ビームラインBL38B1,BL46XU,BL47XU):30~20%程度

[3]原研ビームライン(BL11XU,BL14B1,BL22XU,BL23SU):20%程度

 成果非専有課題(成果公開)のみ。ナノテクノロジー研究の支援対象ビームラインです。応募の前に原研の担当者にお問い合わせください。

[4]理研ビームライン(BL19LXU,BL29XU,BL44B2,BL45XU):20%程度

成果非専有課題(成果公開)のみ。応募の前に理研の担当者にお問い合わせください。

[5]物質・材料研究機構 物質研究所専用ビームライン(BL15XU):

 ナノテクノロジー課題:20%程度、一般課題:10%程度

成果非専有課題(成果公開)のみ。応募の前に物質・材料研究機構の担当者にお問い合わせください。


6.2005Aのセベラルバンチ運転モード(申請書の7参照)

2005Aに行う運転モードは以下のとおりです。

 Aモード:203bunches(蓄積リング全周において等間隔に203個のバンチに電子が入っている。)

 Bモード:4-bunch train×84(連続4バンチのかたまりが、全周において等間隔に84ある。)

 Cモード:11-bunch train×29(連続11バンチのかたまりが、全周において等間隔に29ある。)

 Dモード:2/21-filling +18bunches(全周を21等分し、2/21には連続して73mA相当の電子が入り、残りの部分は等間隔18カ所に各1.5mA相当のバンチがある。)

 Eモード:10/84-filling +73bunches(全周を84等分し、10/84は連続して約64mA相当の電子が入り、残りの部分に等間隔に73バンチ合計約36mA相当の電子がはいっている。)

*上記のDおよびEモードはA期(2005A, 2006A, …)のみ運転します。B期(2005B, …)のDおよびEモードはそれぞれ1/12-filling +10bunchesおよび6/42-filling +35bunches の予定です。


7.応募方法

 

[1]成果非専有課題

 SPring-8利用研究課題申請書(成果非専有用)を記入要領に従い作成し、正本1部、副本15部を項目10の提出先までお送り下さい。副本の作成方法は項目9に示します。

[2]成果専有課題

 SPring-8利用研究課題申請書(成果専有用)を記入要領に従い作成し正本1部、副本5部を項目10の提出先までお送り下さい。副本の作成方法は項目9に示します。

 成果専有課題を申請される場合は、別途料金支払い等に関する契約を結んでいただく必要がありますので、事前に利用業務部にお問い合わせ下さい。


8.申請書

 成果非専有用、成果専有用の申請書の別があり、各申請書は蛋白質結晶構造解析用申請書とそれ以外用があります。SPring-8のホームページからダウンロードしてください。PDF形式ファイルと一部Wordで供給しています。

[利用研究課題募集案内のホームページアドレス]

http://www.spring8.or.jp/j/for_users.html(日本語)

http://www.spring8.or.jp/e/for_users-e.html(英語)


9.副本について

 作成された申請書A4版の正本の1,2頁を表面に、また3,4頁を裏面としてA4版1枚に左綴じで読めるようにした縮小両面コピー。(蛋白質結晶構造解析の課題で原本が5枚になった場合は5頁目を同様に縮小コピーし副本の2枚目として下さい。)


10.申請書提出・問い合わせ先

 〒679-5198 兵庫県佐用郡三日月町光都1-1-1

 (財)高輝度光科学研究センター 利用業務部

 「共用ビームライン利用研究課題募集係」

 平野有紀、平野志津

 TEL:0791-58-0961 FAX:0791-58-0965

 e-mail:sp8jasri@spring8.or.jp

成果専有課題を郵送される場合は封筒に「専有」と朱書して下さい。


11.申請書作成上のお願い

[1]1.課題の種類(新規/継続)について

 SPring-8の課題は6カ月の間に実行できる範囲の具体的な内容で申請してください。SPring-8の継続課題は、前回申請した課題が何らかの理由により終了しなかった時に申請していただくものです。研究そのものが何年も続いていくことと、SPring-8の継続課題とは別に考えてください。前回採択された課題のビームタイムを終了されて、研究が続く場合は新規課題の申請を行ってください。

[2]2.実験責任者について

 実験の実施全体に対してSPring-8の現場で責任を持つことが出来る人が実験責任者となってください。

[3]4.審査希望分野、研究分野分類、および研究

 手法分類について

 今期より、「研究分野分類」および「研究手法分類」についても記入してください。これらは今後統計資料としての課題の分類に利用するもので、審査の対象になりません。

 審査希望分野:申請書5ページ目「審査希望分野表」を参考に審査分野から一番ふさわしいと思われる分野を選んで記号で記入して下さい。(例 L1,D1a,M)

 研究分野分類:申請書6ページ目「研究分野分類表」を参考にあてはまる研究分野を最大3つまで選んで記号で、またそのキーワードを記入して下さい。(例A10.10 蛋白質構造)

 また、“その他”を選んだ場合には、小分類名称も記入して下さい。

 研究手法分類:申請書7ページ目「研究手法分類表」を参考にあてはまる研究手法を最大3つまで選んで記号で、またそのキーワードを記入して下さい。適当なキーワードがない場合は空欄でも構いません。(例M10.30 CTR)

 また、“その他”を選んだ場合には、小分類名称も記入して下さい。

[4]7.特殊な運転モード、フィリングについて

 特殊な運転モードの希望(マルチバンチを含む)は申請書の7に記入してください。2005Aに運転を予定しているセベラルバンチモードは前述項目6に示してあります。フィリングの希望順位セベラルバンチ運転メニュー欄に希望順位を数字で記入してください。利用できないモード欄には×。メニューのフィリングではどうしても実験できない場合は「その他」欄に具体的なフィリングを記述してください。

[5]本申請に関わるこれまでの成果について

 成果発表リストとその概要は必ずご記入ください。


12.審査について

[1]成果非専有課題:科学技術的妥当性、研究手段としてのSPring-8の必要性、実験の実施可能性、実験の安全性について総合的かつ専門的に審査します。なお、産業利用分野に応募される場合、「科学技術的妥当性」については、期待される研究成果の産業基盤技術としての重要性及び発展性、並びに研究課題の社会的意義及び社会経済への寄与度を特に重点的に審査します。今回から、過去に利用実績のある申請者に対し、成果の公表状況を評価し、課題選定に取り入れます。

[2]成果専有課題:実験の実施可能性、安全性、公共性及び倫理性について審査します。


13.審査結果の通知

 平成17年2月下旬の予定。


14.採択後の手続きについて

 採択の通知を受けた申請者(実験責任者)は2週間以内に利用研究課題実行者名簿をWeb上で登録していただくことになります。そのときに新規のユーザーはユーザー登録が必要になります。また、SPring-8で実験される場合は、所属機関での放射線従事者登録が必要となりますので、予めご準備下さい。


15.ビーム使用料

 平成16年11月現在の使用料は以下のとおりです。

 成果非専有課題(成果を公開された場合):無料

 成果専有課題:

 通常利用  :472,000円/1シフト(8時間)

 時期指定利用:708,000円(ビーム使用料+割増料金)/1シフト(8時間)

*)課題終了後60日以内に利用報告書を提出していただくことで、成果が公開されたとみなしますが、論文発表等での成果の公表をお願いします。また公表された場合は、すみやかにWebから登録して下さい。


16.旅費支援について

 旅費の支援はありません。予めご了承願います。


17.次回(2005B)の応募締切

 次回利用期間(平成17年後半)分の募集の締め切りは未定です。



表1 募集の対象となるビームライン


詳しくは、PDFファイルをご参照下さい。



Print ISSN 1341-9668
[ - Vol.15 No.4(2010)]
Online ISSN 2187-4794