Volume 09, No.5 Pages 354 - 355
1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational News
◎平成16年5~7月の運転・利用実績
SPring-8は5月17日から第4サイクルの運転を5週間連続運転モード、6月23日から第5サイクルの運転を4週間連続運転モードで実施した。第4~5サイクルでは落雷による停止、機器の誤動作による停止、RFの反射異常等による停止があったが順調な運転で、総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は約0.5%であった。
放射光利用実績については、実験された共同利用研究の課題は合計405件、利用研究者は2196名で、専用施設利用研究の課題は合計149件、利用研究者は704名であった。
1.装置運転関係
(1)運転期間
第4サイクル(5/17(月)~6/18(金))
第5サイクル(6/23(水)~7/16(金))
(2)運転時間の内訳
運転時間総計 約1319時間
①装置の調整及びマシンスタディ等 約264時間
②放射光利用運転時間 約1050時間
③故障等によるdown time 約5時間
総放射光利用運転時間(ユーザータイム=②+③)に対するdown timeの割合 約0.5%
(3)運転スペック等
①第4サイクル(マルチバンチ及びセベラルバンチ運転)
・160 bunch train×12(マルチバンチ)
・2/21-filling+18 bunches
・11 bunch train×29
・入射は1分毎(セベラルバンチ時)もしくは5分毎(マルチバンチ時)にTop-Upモードで実施。
・蓄積電流 8GeV、~100mA
②第5サイクル(マルチバンチ及びセベラルバンチ運転)
・160 bunch train×12(マルチバンチ)
・203 bunch
・入射は1分毎(セベラルバンチ時)もしくは5分毎(マルチバンチ時)にTop-Upモードで実施。
・蓄積電流 8GeV、~100mA
(4)主なdown timeの原因
①RFキャビティの反射異常によるアボート
②FE機器の誤動作によるアボート
③落雷によるアボート
(5)トピックス
①7月10日の13時頃に落雷による、瞬時電圧低下により、蓄積リングのRFがダウンしビームアボートが発生した。各機器及び安全系の健全性の確認をして運転の再開を行った。
2.利用関係
(1)放射光利用実験期間
第4サイクル(5/20(木)~5/26(水))(5/27(木)~6/7(月))(6/9(水)~6/18(金))
第4サイクル(6/24(木)~6/30(水))(7/1(木)~7/13(火))
(2)ビームライン利用状況
稼働ビームライン
共用ビームライン(R&D含む) 25本
理研ビームライン 6本
原研ビームライン 4本
専用ビームライン 9本
加速器診断ビームライン 2本
共同利用研究課題 405件
共同利用研究者数 2196名
専用施設利用研究課題 149件
専用施設利用研究者数 704名
(3)トピックス
①第4サイクルの5月20日よりユーザータイムのビーム入射をTop-Upモード(セベラルバンチ時は1分毎、マルチバンチ時は5分毎)で実施している。
②6月1日の19時半頃にBL22XUのFE部FCSの閉信号によりビームアボートが発生した。調査を行ったところ、FCSは閉じていなかったので誤動作と判断して運転を再開した。
③6月15日の17時半頃にBL26B1のFE部FCSの閉信号によりビームアボートが発生した。調査を行ったところ、FCSは閉じていなかったので誤動作と判断して運転を再開した。
◎平成16年7月の実績
SPring-8は7月17日から9月5日まで夏期長期運転停止期間として以下の作業・点検等を実施している。
1.SPring-8の長期停止期間中の主な作業
(1)線型加速器関係
①モジュレーター点検作業
②電磁石電源メンテナンス
③イオンポンプ電源メンテナンス
④その他点検・整備作業
(2)シンクロトロン関係
①RF点検作業
②電磁石電源点検作業
③SSBTパターン電磁石電源設置工事
④その他点検・整備作業
(3)蓄積リング関係
①挿入光源既設保守点検・磁場測定作業
②FE新規建設及び既設改造・保守点検作業
③入射部チェンバ交換作業
④RF定期点検及びRFクライストロン電源冷却系改造作業
⑤真空計ケーブル交換・遮蔽作業
⑥ステアリング電磁石電源改造作業
⑦電磁石架台内及び水平面測量
⑧マシン収納部コア抜き作業
⑨BL05SS床面箱抜き工事
⑩データベースサーバー入替え作業
⑪その他点検・整備作業
(4)ユーティリティ関係
①電気設備保守点検作業
②冷却水設備保守点検作業
③空調設備保守点検作業
④防災設備保守点検作業
⑤その他定期点検・整備作業
(5)安全管理関係
①入退出管理システム定期点検
②放射線監視システム定期点検
③放射線監視設備定期点検
④放射線安全インターロックシステム改修
⑤その他点検・整備作業
◎今後の予定
(1)台風等による影響のため、当初の運転計画を変更し、夏期長期運転停止期間後の運転再開は9月13日からの予定で9月22日までマシン及びビームラインの調整期間としユーザーへの放射光の提供は行わない予定である。
(2)9月23日から12月27日までのサイクル間の運転停止期間をはさみ、6週間連続運転モードで第6サイクル(マルチバンチ及びセベラルバンチ運転)と4週間連続運転モードで第7サイクル(マルチバンチ及びセベラルバンチ運転)と5週間連続運転モードで第8サイクル(セベラルバンチ運転)の運転を実施する予定である。詳細な運転条件については、SPring-8ホームページ等をご覧ください。