Volume 09, No.2 Pages 90 - 91
1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational News
◎平成15年11~12月の運転・利用実績
SPring-8は11月17日から第8サイクル運転を5週間連続運転モードで実施した。第8サイクルではRFの冷却水流量計故障による停止等があり、総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は約1.2%であった。
放射光利用実績については、実験された共同利用研究の課題は合計254件、利用研究者は1254名で、専用施設利用研究の課題は合計91件、利用研究者は410名にのぼった。
1.装置運転関係
(1)運転期間
第8サイクル(11/17(月)~12/19(金))
(2)運転時間の内訳
運転時間総計 約768.5時間
①装置の調整及びスタディ等 約145時間
②放射光利用運転時間 約616時間
③故障等によるdown time 約7.5時間
総放射光利用運転時間(ユーザータイム=②+③)に対するdown timeの割合 約1.2%
(3)運転スペック等
①第8サイクル(セベラルバンチ運転)
・11 bunch train×29
・203 bunch-(4 bunch×7)
・定時入射1日2回(10時、22時)
・蓄積電流 8GeV、~100mA
(4)主なdown timeの原因
①RFの冷却水流量計故障によるアボート
②バンチ電流強度不均一及びバンチ純度悪化によるビーム廃棄
③地震によるアボート
④BL実験ハッチ扉のリミットスイッチ故障によるアボート
(5)トピックス
①12月20日から冬期長期運転停止期間に入るため、12月17日から19日までパラメータの取得を行った。
2.利用関係
(1)放射光利用実験期間
第8サイクル(11/20(木)~12/3(水))(12/4(木)~12/17(水))
(2)ビームライン利用状況
稼働ビームライン
共用ビームライン(R&D含む) 25本
理研ビームライン 6本
原研ビームライン 4本
専用ビームライン 9本
加速器診断ビームライン 1本
共同利用研究課題 254件
共同利用研究者数 1254名
専用施設利用研究課題 91件
専用施設利用研究者数 410名
(3)トピックス
①12月15日の22時の入射の際にBL43IRのフォトンダクトアブソーバの操作が不能になり蓄積リングへの入射条件が成立しなくなった。マシン収納部内に入室して調査を行ったところ、フォトンダクトアブソーバ開閉用電磁弁に圧空漏れを発見したので、直ちに電磁弁を交換して運転を再開した。
◎平成15年12月~平成16年1月の実績
1.冬期長期運転停止期間
SPring-8は12月20日から平成16年1月18日まで冬期の長期運転停止期間として以下の作業・点検等を実施し予定通り終了した。
(1)線型加速器関係
①電子銃・モジュレータ点検作業
②偏向電磁石入れ替え作業
③その他作業及び点検
(2)シンクロトロン関係
①OTRモニタ用ケーブルラック設置作業
②電磁石フロースイッチ交換作業
③その他作業及び点検
(3)蓄積リング関係
①既設挿入光源BPM用ベローズ交換及びメンテナンス作業
②既設FE XYスリット交換及び定期保守作業
③入射部パルス電磁石電源点検作業
④セラミックスチェンバー据付作業
⑤保守・NEG活性及び真空計ケーブル交換・遮蔽作業
⑥VME点検及びデータベースサーバー修理作業
⑦制御用UPS交換作業
⑧入射部OTRモニタメンテナンス作業
⑨BLインターロックソフトメンテナンス及び定期インターロック動作試験
⑩BLハッチ建設作業
⑪その他作業及び点検
(4)ユーティリティ関係
①交流無停電電源装置・直流電源装置・非常用発電機・漏電遮断器定期点検
②テストスタンド冷却設備定期点検
③ダミーロード系熱交換器洗浄作業
④SR空調機年間保守点検
⑤空調用自動制御機器保守点検作業
⑥防災設備点検作業
⑦その他作業及び定期点検
(5)安全管理関係
①入退出管理システム定期点検
②放射線管理システム定期点検
③放射線モニタ定期点検
④全系インターロック総合動作試験
⑤その他作業及び点検
◎平成16年1~2月の運転・利用実績
SPring-8は1月19日から2月20日まで第1サイクルを5週間連続運転モードで実施している。運転・利用の実績については次号にて掲載する。◎今後の予定
(1)2月25日から3月26日まで第2サイクルの運転を5週間連続運転モード(マルチバンチ及びセベラルバンチ運転)で行う。詳細な運転条件については決定しだい、ユーザーに報告する。