Volume 08, No.4 Pages 214 - 215
1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational News
◎平成15年4月の運転・利用実績
SPring-8は4月2日から第3サイクルの運転を4週間連続運転モードで実施した。第3サイクルでは機器の異常等による停止があったが順調な運転で、総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は約1.0%であった。
放射光利用実績については、実験された共同利用研究の課題は合計172件、利用研究者は702名で、専用施設利用研究の課題は合計73件、利用研究者は276名であった。
1.装置運転関係
(1)運転期間
第3サイクル(4/2(水)~4/24(木))
(2)運転時間の内訳
運転時間総計 約531.5時間
①装置の調整及びマシンスタディ等 約99.5時間
②放射光利用運転時間 約427.5時間
③故障等によるdown time 約4.5時間
総放射光利用運転時間(ユーザータイム=②+③)に対するdown timeの割合 約1.0%
(3)運転スペック等
①第3サイクル(マルチ及びセベラルバンチ運転)
・160 bunch train×(12-1)
・203 bunch-(4 bunch×7)
・2/21 filling+18 bunches
・定時入射1日2回(10時、22時)もしくは1日1回(10時)
・蓄積電流 1~99mA
(4)主なdown timeの原因
①電磁石補助電源の交換のためのビーム廃棄
②ビーム純度に係わるビーム廃棄
③BLのFE操作盤UPS故障に伴うアボート
2.利用関係
(1)放射光利用実験期間
第3サイクル(4/3(木)~4/9(水))(4/10(木)~4/14(月))(4/16(水)~4/24(木))
(2)ビームライン利用状況
稼働ビームライン
共用ビームライン(R&D含む) 25本
理研ビームライン 5本
原研ビームライン 4本
専用ビームライン 9本
加速器診断ビームライン 1本
共同利用研究課題 172件
共同利用研究者数 702名
専用施設利用研究課題 73件
専用施設利用研究者数 276名
(3)トピックス
①4月10日にBL33LEPにてFE操作盤のUPSの故障があったため交換して対処を行った。
◎平成15年5月の運転・利用実績
SPring-8は4月25日から5月13日まで中間点検作業による運転停止期間として以下の作業を行った。運転停止期間後は5月14日から6月13日まで5週間連続運転モード(セベラルバンチ運転)で第4サイクルの運転を行う。第4サイクルの運転・利用実績については次号にて掲載する。
1.SPring-8の中間点検期間中の主な作業
(1)線型加速器関係
①モジュレーターシーケンサモジュール作業
②シケイン電磁石電源点検作業
(2)シンクロトロン関係
①OTRモニタ設置作業
②SSBT系BM3コイル改造工事
③パルス電磁石通電試験
(3)蓄積リング関係
①FE据付・既設改造調整作業
②バンプ電磁石磁場測定
③四極電磁石補助電源通電試験
④真空計ロム交換作業
⑤制御系サーバー入替え作業
⑥BL制御系アップデート作業
(4)ユーティリティ関係
①マシン冷却設備運転モード切替
②冷水系流量計取替え作業
③空調設備増設工事
④その他定期点検・整備作業
(5)安全管理関係
①定期スミア作業
②インターロック用UPS交換作業
◎今後の予定
(1)6月17日から7月11日まで4週間連続運転モードで第5サイクルの運転を行う。詳細な運転条件については決定しだいユーザーに報告する。
(2)7月12日から8月31日までマシンの夏期長期運転停止期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、ユーティリティ設備等の機器の点検作業等を行う予定である。
(3)夏期長期運転停止期間後の運転は9月1日から9月12日までマシン及びビームラインの調整期間としユーザーへの放射光の提供は行わない予定である。