Volume 08, No.1 Pages 21 - 22
1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational News
◎平成14年9~11月の運転・利用実績
SPring-8は9月18日から第7サイクル、10月16日から第8サイクルの運転をそれぞれ4週間連続運転モードで実施した。第7~8サイクルでは機器の動作不良による停止、RFの反射異常による停止等があり、総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は約1.5%であった。
放射光利用実績については、実験された共同利用研究の課題は合計337件、利用研究者は1573名。専用施設利用研究の課題は合計113件、利用研究者は488名であった。
1.装置運転関係
(1)運転期間
第7サイクル( 9/18(水)~10/11(金))
第8サイクル(10/16(水)~11/ 8(金))
(2)運転時間の内訳
運転時間総計 約1104.5時間
①装置の調整及びマシンスタディ等 約193.5時間
②放射光利用運転時間 約897.5時間
③故障等によるdown time 約13.5時間
総放射光利用運転時間(ユーザータイム=②+③)に対するdown timeの割合 約1.5%
(3)運転スペック等
①第7サイクル(マルチバンチ及びセベラルバンチ運転)
・160 bunch train×(12-1)
・4 bunch train×84
・定時入射1日2回(10時、22時)もしくは1日1回(10時)
・蓄積電流 1~99mA
②第8サイクル(マルチバンチ及びセベラルバンチ運転)
・160 bunch train×(12-1)
・1/12 fill+10 single bunches
・203 bunch-(4 bunch×7)
・定時入射1日2回(10時、22時)もしくは1日1回(10時)
・蓄積電流 1~99mA
(4)主なdown timeの原因
①挿入光源rf-BPMによるInter lock
②電磁石電源異常による入射遅延及びアボート
③動作不良機器の調査・交換によるビーム廃棄
④SR-RF反射異常によるアボート
⑤バンチ電流平坦化のためのビーム廃棄
2.利用関係
(1)放射光利用実験期間
第7サイクル( 9/19(木)~ 9/25(水))( 9/26(木)~ 9/30(月))(10/2(水)~10/11(金))
第8サイクル(10/17(木)~10/23(水))(10/24(木)~10/28(月))(10/30(水)~11/8(金))
(2)ビームライン利用状況
稼働ビームライン
共用ビームライン 21本
R&Dビームライン 3本
理研ビームライン 4本
原研ビームライン 3本
専用ビームライン 8本
加速器診断ビームライン 1本
共同利用研究課題 337件
共同利用研究者数 1573名
専用施設利用研究課題 113件
専用施設利用研究者数 488名
(3)トピックス
①9月21日の定時入射準備中にBL08INの挿入光源のGapが通常の手順でFull Openにならず、別系統のプロセスでGapをFull Openを行い入射を行った。
◎平成14年11月の運転・利用実績
SPring-8は11月9日から11月19日まで中間点検作業による運転停止期間を行い以下の作業を行った。
運転停止期間後は11月20日から12月20日まで5週間連続運転モード(セベラルバンチ運転)で第9サイクルの運転を行う。第9サイクルの運転・利用実績については次号にて掲載する。
1.SPring-8の中間点検期間中の主な作業
(1)線型加速器関係
①モジュレーター点検作業
②ストレーナー点検作業
(2)シンクロトロン関係
①OTRモニタ設置作業
(3)蓄積リング関係
①ビームラインの増設
②FE新規据付・既設改造調整作業
③超伝導ウィグラー試験運転作業
④バンプ電源調整作業
⑤真空チェンバ支持装置追加及び振動測定
⑥制御系メンテナンス作業
⑦BL制御系高度化作業
(4)ユーティリティ関係
①マシン冷却設備運転モード切替
②冷却水設備保守点検作業
③空調設備保守点検作業
④その他定期点検・整備作業
(5)安全管理関係
①定期スミア作業
◎今後の予定
(1)12月21日から平成15年1月19日までマシンの冬期長期運転停止期間とし、新規ビームラインの増設・加速器の改造・各設備及び機器の点検作業等を行う予定である。
(2)冬期長期運転停止期間後の運転は1月15日から3月28日までサイクル間の運転停止期間を挟み、第1、2サイクルの運転をそれぞれ5週間連続運転モード(マルチバンチ及びセベラルバンチ運転)で行う。詳細な運転条件については決定しだい、ユーザーに報告する。