Volume 07, No.6 Pages 356
1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational News
◎平成14年8~9月の運転実績
SPring-8は7月13日から8月31日まで夏期の長期運転停止期間、9月1日から9月13日までマシン及びビームライン調整期間の運転を実施した。
マシン及びビームライン調整期間は夏期の運転停止期間に新規に設置された機器や既設の改造等を行った機器の調整と第7サイクル以降のユーザー運転に向けての調整を行い放射光の提供は行わなかった。
1.SPring-8の長期停止期間中の主な作業
(1)線型加速器関係
①モジュレーター点検作業
②電子銃点検作業
③M7加速管の交換作業
④その他点検・整備作業
(2)シンクロトロン関係
①クライストロン本体及び電源点検作業
②電磁石電源点検作業
③その他点検・整備作業
(3)蓄積リング関係
①ビームラインの増設
②挿入光源据付・既設改造作業
③FE新規据付・既設改造調整作業
④RF定期点検及びアブソーバ交換作業
⑤NEG活性化作業
⑥超伝導ウィグラー設置作業
⑦振動測定及びレベル測量
⑧高分解能ステアリング電磁石設置作業
⑨冷却水(L1真空系)系統改造作業
⑩制御系メンテナンス・機器交換作業
⑪その他点検・整備作業
(4)ユーティリティ関係
①電気設備保守点検作業
②冷却水設備保守点検作業
③空調設備保守点検作業
④防災設備保守点検作業
⑤その他定期点検・整備作業
(5)安全管理関係
①入退出管理システム定期点検
②放射線監視システム定期点検
③放射線監視設備定期点検
④その他点検・整備作業
2.装置運転関係
(1)運転期間
マシン及びビームライン調整期間(9/1(日)~9/13(金))
(2)運転時間の内訳
運転時間総計 約290.5時間
装置の調整 約290.5時間
(3)主な調整内容
①Sy-SRタイミング調整、機器動作チェック
②入射軌道調整
③軌道調整、ディスパージョン補正
④BPMオフセット測定、バランス測定及び再現性確認
⑤超伝導ウィグラー試験運転
⑥COD自動補正試験、応答関数測定
⑦バンチ長測定、チューンセパレーション
⑧低エミッタンス化試験
⑨挿入光源調整
⑩各ビームライン調整
⑪ユーザー運転時のフィリングの安定性確認
(4)トピックス
①9月3日から9月5日まで、夏期の運転停止期間に蓄積リングに設置した超伝導ウィグラーの試験運転を行い、陽電子の生成実験を行った。
◎平成14年9月の運転・利用実績
SPring-8は9月18日から10月11日まで第7サイクル(4週間連続運転モード)の運転を実施中である。運転・利用実績については次号にて掲載する。
◎今後の予定
(1)9月18日から12月20日までサイクル間の運転停止期間・中間運転停止期間をはさみ、4週間連続運転モード(マルチバンチ及びセベラルバンチ運転、蓄積電流100mA)の運転(第7、第8サイクル)と5週間連続運転モードの運転(第9サイクル)を行う。詳細な運転条件については決定しだい、ユーザーに報告する。